忘れてきました
「冒険者の皆さんがミノスを倒してくれます、私達は解体をして馬車に一杯になったらセナに戻りましょう」
「早く順番が来ないかな」
南西の森でミノスに追われている、もんじゃ焼きを堪能した後に討伐の話をしたら『今年もミノスを討伐してくれるのか、皆が喜ぶよミノス肉』とロードさんが言って皆に知らせに行ってくれた。入口付近で倒せば解体が楽になる。
「連れて来ましたよ、冒険者の皆さん、よろしくお願いします」
「「「「「了解」」」」」
5人組の冒険者が手伝ってくれる。
冒険者はミノスの急所をしているので、倒すのが早い。万が一、怪我をした場合に使うように薬を渡してある、ビリビリ傷薬だ。
6人で誘い出したミノス30体位と戦う、僕はロードさんに剣を借りたので一突きでミノスを倒していく。
後の5人も一突きか二突きで倒しているので30体を直ぐに倒し終わる。
「ミノスは倒されましたセナの皆は解体を始めて、冒険者の皆さんは休憩していて下さい」
僕に休憩は必要ないので、解体を手伝う。
「解体が、早いんだな」
「慣れてますから」
そうだ、僕はどれ位の数の魔物を解体してきたのかな、1万体位は解体しただろう。
「皆さん、馬車にミノス肉を詰めて下さい、冒険者が次の誘い込みをしてきます」
ロードさんの指示に従って、解体したミノス肉を詰めていくセナの人達、僕は誘い込みの為に森に向かって走る。
僕の乗っているロードさんの馬車が最後尾だ。
「ユーリ、ベルンの結婚の料理は考えたのか?」
前の馬車はライナさんの馬車だ、それを見ながらベルンさんの料理の事を答える。
「はい、考えていつものように美味しいのを作ろうと、どんな料理を作るのかはもう少し時間が掛かると思います、引き受けたからには出来るだけ記憶に残る料理を出したいと思っています」
「記憶に残る?」
「はい、新しい料理か、特別に美味しい料理か、どんな事でもいいので結婚の食事の記憶が残って、『ああ、結婚の時に美味しい料理を食べたな』と言える料理を作りたいですね」
「そうか、ベルンもいい思い出になるな」
セナに向けて進む馬車の道には騎士団が警護してくれている。セナに帰る馬車の為に2日間、所々に待機して警護にあたってくれていた。
「私達が最後の馬車になります」
「そうですか、討伐と食料の確保ご苦労さまです」
セナの方から馬に乗った騎士がこちらに来る。
「ユーリ様、ギルドから緊急の呼び出しです、緊急のクエが」
「ありがとうございます、直ぐにギルドに向かいます、ロードさん剣をお借りします」
「ああ、気を付けてな」
「はい」
セナに向けて全力疾走だ。
「あの~、馬に乗りませんか?」
知らせてくれた人よりも早く走り出していたので、後ろか声を掛けられた。
「馬に乗ってもそんなに代わらないので、走っていきます~」
「ええ~」
「お気遣いなく~、ありがとう」
お礼は大事だ、緊急クエか。
「こんばんは、緊急クエを受けに来ました」
「こんばんは、ご苦労さまです、先に受けた人達はセナの東に向かいました。ワームの大量発生です、大丈夫ですか?」
クエなのでカードを提示する。
「まあ、ここでSランクになったユーリ君なのね、久しぶりんね」
顔は覚えていないけど更新の時のお姉さんなんだな、お姉さんも僕の事を覚えていないんだな。
「はい、久しぶりです、では行ってきます」
カードを返してもらい、ギルドを出る。
「またワームか、怪我人が出ていないといいな」
「カ~ン、カ~ン」
遠くの方で鐘の音が聞こえる、セナの北では鐘でワームを誘い込む作戦はしていなかったけど、東の街道では、鐘を使っているようだ。
「来たぞ~」
ここからでも誘ったワームが街道に乗るのが見えた、ワーム用の武器を持っている人が正面に立ち剣の人は横から戦うようだ。
ここから見えるワームだけでも10体位いる、討伐をしている人達は20人位だろう。
僕は東に走って行く、他の人達の連携の邪魔にならないように更に東に行く。鐘を鳴らしている人が5体のワームを誘い出して戦っている、3人組で15人だ・・・・誰も担当していないワームが北に見えた、5体以上いる。東に行きかけたけど戻る、一番近い3人組は気が付いていない、ワームが横から現れて威嚇したので、ワームの胴体部分に突き入れてそのままの勢いで走る、切断は出来なかったけど、動きが鈍くなったので、攻撃をしてこないだろうと思っい、街道から砂漠に出て戦闘中のワームを飛び越える、街道に向かっているワームに向かって行く。ワームに飛び乗ると剣を突き立てたまま走る。
「これで2体目、後3体以上のワームはどこに」
10体以上に見えたのに倒した2体と戦闘中の5体しかいない。
「すいません、鐘の人~東に行ってから鐘を鳴らして下さい」
僕の大声が聞こえたのか、僕の視線に気が付てくれた。
「はい、直ぐに」
僕の指示に従って、仲間から東に離れて鐘を鳴らす様に手を動かすのが見えた。急ごう、あの人が危険になる。
「カ~ン、カ~ン」
その人に追い付くと「鐘を借ります」直ぐに「カ~ン、カ~ン、カ~ン、カ~ン」鐘を鳴らして走り続ける。
鳴らしながら街道を見ると、ワームが地面を移動してこちらに来るのが見える、それも砂が5本盛り上がっている。囮は成功した、ミアちゃんの好きなワームのダイブが起きたので直ぐに反転して街道から砂漠に戻らない様に5体全てをその場で攻撃する、ワームの口に剣で攻撃するだけでその場に留まる5体のワーム。
「カ~ン、カ~ン」
戻りそうになれば鐘を鳴らして、攻撃して来たら何とか避ける。
「すいません、助かりました」
攻撃していたワームを仕留める事が出来たチームがワームに攻撃を仕掛ける、それからも何とか街道に釘付けにしてチームの人達が来るのを待った。最後の1体になったので攻撃して仕留める。騎士団の人が仕留めればここのワームは全て倒した事になる、お借りした鐘を返して東に向かって走る。
西のワーム討伐から走って1時間もしない所に冒険者が8人いた、ワームと戦っている。
「うぉ~」
ワームに吹き飛ばされた冒険者、近くに居た冒険者は直ぐに攻撃を開始する。ワーム3体は既に倒されていた、最後の1体のワームに冒険者が集まって来る。ここは大丈夫の様なので、そのまま街道を東に走る。右には吹き飛ばされた人が立ちあがってワームの方に向かうのが見えた。良かった、けがはない様だ。
「まずい、みんな逃げろ~」
逃げろと言った人の指示で周りにいた人がその場所から離れる、その場所から動けなかった人に向かってワームが飲み込む為に口を開け上から落ちて来る。
「人間を飲みこもうとするなんて1年早いぞ」
僕の剣・・ロードさんの剣が口の周りの牙に当たって止まる、飲みこまれそうになった人は尻もちをついていた、その頭上でワームの口は止まっている。
「早くどいて下さい、攻撃が出来ません」
僕の声に反応してその場から逃げる冒険者、口がそのまま地面に向かうと思ったが、威嚇する様に立ったので胴体に突き立ててえぐり抜く、その後に突を入れてえぐり抜くを連続で何回もすると「グワァ~」と鳴いて倒れた。倒れたワームに冒険者が寄って来て攻撃をする。
「ありがとう、助かったよ」
「いえ・・・次が来ました」
お礼を言ってくれたおじさんを急いで担いで走る、居た場所に突進してきたワームを攻撃する為に移動する、邪魔なおじさんをワームの上に乗せて「どんどん突いて下さい」と指示して横から連続突きをする。
「キィーン」
反対側から突きを入れている剣にぶつかった様なので、高さを変えて攻撃をする。
「では、失礼します」
全速力で東に走る。
「とりゃ~」
突進攻撃を避けて直ぐに連続突き、引き抜いてジャンプする。別のワームの攻撃をジャンプで避けるとワームがワームにぶつかる、ワームの上に着地したので上から連続突き攻撃をして、ワームの上走って街道に戻るとワームの突進攻撃をもろに受けて吹き飛んだ。
砂漠に落ちると立ち上がって街道に戻る。
「吹き飛ばされると痛いなけど、ワームが柔らかいからこれ位で済んでいるんだな」
まずいぞ、他の人達の為に囮になっていたのに飛ばされては、急いで引き付けないと。
走りながら叫ぶ「お前の子供小さいぞ、お前の兄弟はいじめっ子~」
「地面に潜るしか能のないミミズ」「ミイラになったら下水管」「お前の大好物は僕が食べた」
元の場所で5体のワームがこちらに来る、飛ばされる前が3体だったので2体増えた。
近くで戦っいた人達を探すと誰もいない。
「まずい、皆は安全な所に戻ったのか、野営の事を考えて移動したのかもいしれない。余裕に見えてしまったのかもしれない、仕方ない自分で倒すか」
ワームは大きいので。5体のワームから同時に攻撃される事はない、奴らは連携も取れないのだ。
無傷のワーム3体が突進してくるので、全力で避ける。ダイブした後ののんびりした時を狙って1体の口と胴体を切り離す。街道の上から砂漠に戻ろうとした1体の体の後ろに乗り、前に方に走っていき、剣を突きたてる。この調子なら後は簡単に討伐することが出来る。
「うりゃ~」
「ジャンプ」
「おりゃ~」
もうやけくそだった。皆が戦闘を止めて野営とか夕食の用意をしていると思うと戦わずにはいられなかった。
セナの南西の大森林から帰る途中で特別クエの事を知ったので、ギルドで特別クエを受けた時に、ギルドのお姉さんが『大丈夫?』と聞いたのは、恐らく食料の事だと気が付いた。一日中走ったらライムスーデンには余裕で着くだろう、それだけ早く走れるようになった。しかし、この速く走れる事で食料をよく忘れる、日帰りの気分で東門を全速力で通って来た。
今からだと街に入れない、野菜スープが買えないのだ。それなら夜通し戦ってやる、徹夜だ。
もう有利な街道で戦うのを止める、砂漠で戦ってやる。
ジャンプは出来ない、横に飛ぶのも出来ない、ワームによく飛ばされる。それでも戦い続ける、ご飯が無いから。




