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見た目は

「姫、スペシャルでお願いします」


「はい、スペシャルです」


「カ~ン、カ~ン、カ~ン、カ~ン」




ハイバード村の南の街道をセナに向けて進んでいると畑を抜けて草原に出た、ここまでは平和な旅が続いていた。ハイバードとセナの中間位になると砂漠になっているそこで、戦闘が起きていた。


魔物と遭遇して戦闘になると思っていたので、ユーリの籠からミアちゃんが絶対に落ちない様にして移動していた。


見えた戦闘で、直ぐに走り出して『ここは任せなさい、怪我人は街道から西の方で手当てを』≪ユーデット様、危険です≫『大丈夫だ、ユーデット様の影武者に任せなさい』≪影武者?≫『あちらの馬車を守る様に展開して下さい』≪しかし、ワームが≫『ワームは全て僕が倒します、さあ早く、守りを固めて下さい、姫行きます』『はい』と全てを自分勝手に決めた。





ベルンさんとヒューラさんの剣を借りた、二刀流だ。


今日は新しい技を試す、静動の進化系だ。


姫のドラに誘われて街道で待つ僕にワームが向かって来る。ワームは街道に乗り上げて僕に突進してくるので動で避けるが、そんな超人的移動が出来るわけが無いので吹き飛ぶ。その際、とっさに姫にダメージがない様に僕は前面でワームの突進を受けて吹き飛ばされた。


「痛いぞ、ワーム君。姫、ドラをお願いします」


「はい」


ドラは鳴らし続けないといけない、違う場所に行かれると困る。静と動は体長が人型位の魔物だけにしよう。


吹き飛ばされたけど足から着地して、ワームに向かって走る。


「とりゃ~」


突進を避けてワームの口の後ろを切り裂く、片方の剣は突きでえぐり抜く。


「先ずは1体目」


「カ~ン、カ~ン」


ミアちゃんが頑張っている、僕も頑張る。


街道から砂漠に走る、下から出て来たワームには牙に剣を当てて避ける。


「ガォ~」


「うるさい、隙を作り過ぎだぞワーム君」


威嚇しているところ悪いけど、剣を突き入れて切り裂く。直ぐにジャンプして横に移動、次のワームが来たので、避けて胴体部分の上に乗って切り裂きながら走る。


「名刀お姉さんならもっと簡単に切れるのに」


力を入れて走らないとワームの胴体は切れない、名刀お姉さんの凄さはワーム位の大きさになると切れ味が凄いのがよく分かる。


しかし、今は二刀流をいかしてワームと戦う、セナに向かうにはワームは危険すぎる。






「カ~ン、カ~ン、カ~ン、カ~ン」


「ユーリ、ワームが来なくなったよ」


「そうだね、8体しかいなかったな。セナの東側だともっと沢山いるんだろうな」


街道の周りにワームの死骸が8体、切り裂いたのでその倍以上が散乱している。


「ユーデット様、ありがとうございます」


いつまで続くのだろうこの間違いは、仕方いので冒険者カードを見せる。


「おお、ユーデット様はSランク・・・・ユーリ様?」


騎士団のおじさんは首を傾げている。


「ユーデット様とは友達です、兄と呼んだ事もあります。似ているだけです、怪我人は大丈夫でしたか?」


「怪我した者たちは、大丈夫です。ありがとうございました」


騎士団のおじさんは騎士団の方を見て話している。


「私達はワームの死骸を片します、先に行って下さい」


自分で倒したワームは片さないといけないな。


「自分で出来ます、姫揺れます」


「はい」


僕は走り出してワームを蹴り飛ばす。スキル連続蹴りを発動する。


「蹴り蹴り蹴り」「蹴り蹴り」「蹴り蹴り蹴り」「蹴り蹴り」


蹴りで飛ばすのが疲れたので、投げる。


「投げ投げ」「投げ投げ」「投げ投げ」「投げ投げ」


投げは大きさの小さいのだけにした。


死骸が無くなったので、騎士団には馬車を警護して貰ってセナを目指した。僕は馬車から離れて進む。


「カ~ン・・・・・カ~ン」


「姫、疲れましたか?」


「疲れないけど、お腹が空きました」


「安全な場所に行けたら、お昼にします」


「はい、楽しみです」






「皆さんありがとうございました」


騎士団にお礼を言われた行商人の一行は、取り敢えずお辞儀をする。相手は貴族様なのでデカい態度が取れない。


騎士団の皆さんが馬車を守る様にワームの出ない所まで一緒に行動してくれたので、僕とミアちゃんは戦い易かった、ワームを引き付けて戦う戦法をしていたけど、馬車の方から現れたら守る事が出来ない。いい護衛だった。


「こちらこそ、ありがとうございます、無事にセナに着く事が出来ました」


ロードさんが代表して騎士団にお礼を言うと、騎士団の皆さんにお辞儀された。


「では、私達は報告に向かいます」


ぞろぞろと屋敷に戻って行っく騎士団にミアちゃんが手を振っている。


「はあ、疲れた、貴族様と行動を共にするのは」


「僕は、ユーデット様なので疲れませんでした」


そうなのだ、あの人達はユーデット様と最後まで呼んでいた、僕の名前を教えたのに。まあその方が、間違えてもいい方に転ぶだろう、本物のユーデット様を『ユーリ君か』と呼ばないですむ。貴族の世界の事は未だに分からない、この世界の貴族同士が友好的すぎて、僕の中の貴族のイメージと全然違うのだ。悪ふざけしても頭と体が離れる事はなさそうだ。


ハイバードでお祭りが終わったので、セナも終わっていた。しかし、やらなければいけない事が、ベルンさんの結婚の食事だ。高校生だった僕は結婚式の食事を食べた事も、見た事もないのでどんな料理を出せばいいのか分からない、僕に任せるとの事なので自分で考えるしかない。





取り敢えず、ゴロゴロする事にした。


裏庭でゴロゴロしていれば何か思いつくはずだ、去年は確かここで思いついた、よく考えるんだ。僕がしなければいけないのは料理と魔物の討伐、どちらを先にしたいかを決めよう。


「お好み焼きの屋台、焼きそばの屋台、どちらも鉄板で焼く・・・見た目も同じ見た目が違う、そうか市場に急がないと」


見た目が違うだ、忘れていた、そうだあの料理があった。市場に走りながら考えた、材料は揃わないかもしれないけど試作品を作ろう。





沢山有る野菜から似ている材料を選択する。


「この野菜下さい、あそこの野菜も下さい」


「はいよ」


野菜を買うと次は肉屋さんだ。






「その肉を下さい」


「こんなに少なくていいのか?」


「はい、少ししか使わない料理なんです」


後は小麦粉と調味料だ。





調味料と小麦粉を買う事が出来た、全ての材料が揃ったので戻ろう。


そうか、あれも必要か、木材屋さんで端材を貰った。これで作れる。





「いい匂いがして来たな、久しぶりだ」


お好み焼きの屋台を使って、見た目が違う料理が出来た。


はがしに付いたもんじゃ焼きを口に入れる。


「味は同じだ、切りイカと桜エビが無いのが残念だ、挽肉とキャベツぽい野菜が有ったので味だけは再現出来た」


そうか、ラーメックを作ればよかった、あれを入れればおやつ風のもんじゃ焼きになったんだな。


「良い匂いがするな、何だそれは食べ物なのか?」


ロードさんが裏口から出て来た、屋台で焼かれているもんじゃ焼きを見て、食べれるのかと聞いてきた。そうなのだ、知らない人から見たら、もんじゃ焼きは食べ物に見えない。新潟の親戚がそれは酔った時のあれじゃないよねと言った時を思い出す。初めて見る人は『あれじゃないよね』と必ず言う。


「さあ、食べ物なんでしょうか、僕にも分かりません」


微妙だ、食べ物と呼んでいい物体なのだろうか、僕は好きだけど、ブームが来なければ食べる機会がない人が多かった筈だ。僕は子供の時から食べていた、近所の駄菓子屋さんにもんじゃ専門の小部屋が在ったんだ。


「ユーリは、食べているよな」


そうなのだ、ロードさんと話しながらでも食べていたいのだ。ロードさんから見たら変な物を食べているように見える筈だ。


「はい、匂いに釣られて食べています」


「腹を壊すといけないぞ。あまり食べるなよ」


まずい物と認定されたようだ、ロードさんは興味が無くなって、家に戻って行った。匂いに釣られたのか、良い匂いなんだよな。


匂いはいいのだけど・・・そうこのもんじゃん焼きは、人に勧めづらいのだ。


1人で楽しもう、生イカとかチーズとかも入れる人がいるけれどシンプルなもんじゃ焼きが一番好きだ。


もんじゃ焼きを食べながら色々と考えよう、ベルンさんの結婚の料理は美味しいのを作ればそれだけで喜ばれるだろう、元々異世界の料理の種類は多くないので今まで作った料理でいいはずだ。


「何だこれは、食べ物か」


おじさんは僕が食べている物を見て、直ぐにいなくなった。


先に討伐の方がいいかな、予定ではミノスの多い南西の森に行くつもりだ。


前回はセナの人達がミノス肉を持って街に戻って行ったんだよな。もし今年もするなら参加するか聞いた方がいいのかな、その辺はロードさんに聞いてみよう。


おばさんが、通りから素通りして裏口から入って行った。やはり見た目に人気の出る要素が無いのがもんじゃ焼きだな。


「一人だと焦げた煎餅が独り占めだ」


もんじゃ焼きの焦げたのを煎餅と呼んでいる、焦げ煎餅をもんじゃと一緒に食べるのも美味しいが、焦げた煎餅だけで食うのが好きだ。もんじゃをどけて焦げた煎餅を鉄板からはがせば、子供の好きな煎餅の出来上がりだ。


そして、目の前にミアちゃんがいれば。


「食べますか?」


「はい、食べます」


子供にあげないといけないのだ。


「面白いね、ぱりぱりして美味しいね」


楽しみが1枚減ったが、まだもんじゃ焼きはある次は僕が食べる。


「その変なのも食べていい?」


「どうぞ、熱いので気を付けて食べてね」


自家製のヘラをみあちゃんに渡す、受け取ったミアちゃんがもんじゃ焼きを食べる。


「美味しいね、見た目が変なのに」


そうなのだ、子供はあれをあまり見た事が無いのでもんじゃ焼きを見ても気にならないのだ。


ミアちゃんが楽しそうに食べている横でもう1個ヘラを作る、これが無いともんじゃ焼きの雰囲気が出ないのだ。


もんじゃ焼きが無くなったのでミアちゃんに聞いてみる。


「まだ食べますか?」


「はい、食べます」


鉄板に2人分のもんじゃ焼きを出す。混ぜるのはミアちゃんに任せた、楽しいはずだ。



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