食料?
「小鳥さんが遊びに来てる」
ふうちゃんの住処に帰って来たら、木に凄い数の小鳥が止まっていた。
「遊びに来たのね」
ふうちゃんから降りたミアちゃんに小鳥が寄って来る。あの時と同じだ。
「東の方に大きな木があるんですけど知ってますか?」
「あら、そこは前に私が居た所よ、懐かしいわね」
あそこはふうちゃんの前の住処なのか、だから神秘的だったのか。小鳥が数が凄くいて悪い予感は気のせいか。でも、鱗はなかったな。
目の前に鱗と爪と牙がある、イベントの時間だ。
「掃除してくれているの、ありがとう」
「掃除に見えますが、薬の材料になるんです」
「薬か、イエローさんみたいね。まだ生きているのかしら、拾い食いして毒を盛られたと言っていたのを覚えてるわ」
ボーンさんは、やはり自分から食べただけか。
「僕達、会って来ましたよ」
ミアちゃんは小鳥をまといながらふうちゃんを撫でている。ふうちゃんは、気持ち良さそうな顔をしている様に見える。
「そう、元気にしていた?」
「毒を盛られたと言っていましたよ」
「またなの、もう習慣なのね」
忘れていた、他のドラゴンの事を聞かないと。
「ブルーとレッドちゃんは何処に居るか知りませんか?」
「忘れたわ、覚えているのはイエローが西の山の近くで、シュラさんが洞窟が好きな事かな」
ドラゴンは長生きだけど、そんなに覚える事がないのによく忘れるよな。
そうだ、忘れていた。
「少しお肉を分けて頂けませんか?」
「え、お肉。何処にあるのかしら?」
キョロキョロするふうちゃん。
「その、ドラゴンのお肉が最高に美味しいと聞いた事があるので、出来れば欲しいかなと」
「嫌よ、痛いの嫌い」
ダメか、ふうちゃんを撫でていた手が止まって、ミアちゃんが僕を見ている。
「残念です、諦めます」
「そうよ、諦めなさい。レイちゃんと同じ事を言うんだから」
レイさんも同じ事を言ったのか、似ているのだろうか・・・・似ているんだろう。
最近はレイさんがいるから変わった事が思いつかない、それは近くに同じ事をする人がいるからだな。
頼んでも無理なら諦めよう。
「また来ます、ありがとう」
「お土産ありがとう、ハンバーグ美味しかったわ」
「ふうちゃん、また来ます。飛んでくれてありがとう」
「いいのよ、ミアちゃんは友達だからね」
「はい、友達です」
聞きたい事は聞けたので、レイさんの家に戻る事にした。
イレさんの家に帰って来るとそよ風のメンバーが揃っていた。
「ユーリ、そろそろ行くわよ」
「何処にですか?」
皆は準備が出来ているようで、僕が帰って来るのを待っていた様だ。
「北の山を越えて食料調達よ」
「面倒なので、待っています」
「いいの、ふうちゃんは大食いよ。次のハンバーグを待っているわよ」
横に並んでいるミアちゃんを見ると行かないといけないらしい。友達の食べ物を取りに行くぞと目が言っている。
「ユーリ、行ったわよ」
「は~い」
山を超えたら、魔物の遭遇した、蜘蛛だ。レイさん達の話だと美味しくないらしい。
伝説の弓は、僕により更に強力な武器になったが、蜘蛛だと何処が弱点か分からないので、動きを封じる為に足を狙って攻撃をする。
魔道防具を着たミアちゃんだけど毒が効かないか検証してないので、ユーリの籠でお昼寝中だ。
振動しないように移動したり、蜘蛛を近づけないようにして戦闘に参加している。
「シューパン、シューパン」
蜘蛛は2体なので直ぐに攻撃は終わった。動けなくなった蜘蛛を警戒しながら矢の回収をする。
「蜘蛛は仕留めたぞ、ゴブリンが多いな」
「昔からこの辺はゴブリンが多いかなら、オークを見つけるのに苦労する」
ボードンさんがこの辺に生息している魔物はゴブリンが多い言っている。オークとかミノスは山であまり見かけない。
「それなら、洞窟に行ってみない」
ワンダーさんが行こうと言い出した洞窟は内部が広いのかな。
「俺はこの辺に洞窟があるのを知らないぞ」
じいさんが辺りをキョロキョロと見ている、僕も見回すが洞窟の入口らしい穴は見えない。
「俺も知らないな、レイこの辺に洞窟があるのか?」
「私も知らないわよ。なら行きましょう」
レイさんの判断はいつも早い、いい事も悪い事も。
「ここから近いのよ、オークが昔はいたわよ」
ワンダーさんのオーク発言で皆のやる気は上がった。まだ食料になる魔物を1体も倒してないのだから当たり前だ。
「ここを降りるのか?」
ボードンさんがワンダーさんに聞いたのは洞窟の入口を入って直ぐの所だ。洞窟内は、むき出しの岩がゴロゴロしてい急斜面になっている。
「そうよ、この先に行くと歩き易くなっているのよ。ほら、先に行って」
ボードンさんの後にじいさんが、その後にワンダーさんが少しずつ降りて行く。レイさんもそれに続いて降りて行く。
「キャ~」
レイさんが滑り落ちたので、皆を巻き込んで落ちた。
「嫌な予感がしたんだ、最後で良かった」
ミアちゃんはまだお昼寝中なので、のんびりと降りて行こう。
「ユーリ、早く降りて来て、怪我をしたわ」
仕方ないので、滑らないように気を付けて降りて行くと、擦りむいただけのレイさんが腕を見せる。
「ビリビリでいいですか?」
「ビリビリがいい」
渡された薬を塗るレイさん「うひょひょひょ」
痺れたのだろうか?見ると舐めていた。
他の人達は大丈夫だったようだ。
滑り落ちた場所は少し広くなっていて、先に進める通路があった。
先頭をじいさんが行くようで、松明を左手に右は武器を持って進んで行く。
「さあ、悪は去りました。先に進むわよ」
悪は両手で頭を押さえていた。
悪が教えてくれた洞窟は洞窟と呼んでいいのか分からない地形をしていた。レイさんが滑った後に、先頭で進むじいさんが『出口に着いたぞ~』と叫んだ。
わざわざ松明を用意したのに洞窟内に3分もいなかった。
気を取り直して先に進むとまた洞窟があった。
「ここよ、ここがそうなのよ」
ワンダーさんがここだと言いながら、急いで反対側に向かって行った。
「出口は無かったわよ」
誰も疑っていないのにワンダーさんが説明をしている。
「誰が火を起こすか、倒した魔物の数で決めましょう」
「レイ、何処に居る魔物で勝負なんだ」
「そうだぞ、この辺には魔物がいないぞ」
ワンダーさんは成り行きを見守っている。
「そうね。ユーリ、いい案はないかしら?」
いい案か、仕方ないので。
「僕の持っている松明でいいですか?」
2人目の悪が成敗されたようだ。僕は
火を起こすのが面倒で持っていただけなんだけどな。
「さあ、ボードン、先頭よ」
今度の洞窟は歩き易くて通路が広いので、起きたミアちゃんはサラちゃんを出しの乗って移動するようだ。
「キュ~、キュ~」
忘れていた、サラちゃんが鳴けば魔物がいる。
入ったばかりの洞窟の通路の向こうからミノスがこちらに走って来た。
「俺が戦う、皆な離れてくれ」
ボードンさんの指示に従い、後ろで見守る。
ミノス1体だったので直ぐに仕留める事が出来た。
「みんな先に行って下さい、解体をします」
「任せたわ」
僕に構わず先に行って貰った。
「キュ~」
「サラちゃんがお腹が空いたと言っています」
「少し待って下さい。解体しますので」
「キュ~」
手早く解体を終わらせてミアちゃんにお願いする、コネコネを。
焼けたハンバーグを美味しそうに食べているサラちゃん、それを嬉しそうに見るミアちゃん。
「さあ、先に進もう、レイさん達が待っている」
「はい」
レイさん達は順調にミノスを倒している、あれ、ミノスしかいない。
周りを見ても他の魔物がいない、セナの南西でもミノスだけの大森林があったけどここもなのか。
リュックに解体したミノス肉を詰めていく、解体しながら進んで行くけどレイさん達に追いつかない。
「まあいいか、ミノスの解体はしないといけないんだから」
洞窟の中に川が流れていた、水深は5㎝位で周りは広いので休憩する事にした。
「ここで休憩にしよう、川があるからここで野営かな」
「はい。サラちゃん、お水だよ」
寝る為の準備と夕食の準備をする、小さい釜戸を作りスープの材料を鍋に入れて火に掛ける。
川の水の音が微かに聞こえる、再放送で見た洞窟の探検はこんな感じだった。隊長がやけに熱い事を言うので疲れるが、面白かった。
「ユーリ、レイさん達は何処に行ったの?」
「そうだ、忘れていた、つい静かで落ち着く場所を見つけたから。それにお腹が空いたら戻って来るよ。レイさん達は食料を持ってないんだから」
「そうだね、お腹が空いたら戻って来るね」
そう、お腹が空いたから帰ろう・・・歌があった。
便利丸を焚いて見張りをしていると、奥の方から足音がして来た。
「お腹すいた、ユーリとミアちゃんは何処に居るのよ」
「俺の忠告を聞かないでどんどん先に進むから、ユーリ達は追い付けなかったんだよ」
「そうよ、食べる物が無いんだから、待っていても良かったのに」
「レイだけを責めたら可哀そうだろ、ボードンが先頭だったんだから」
みんなは戻って来たようだ。
「お帰り、ご飯出来てます」
「ほら、私の作戦は成功よ。洞窟が広いから、ユーリは野営の準備をして待っていたのよ」
僕は後ろを振り返る、入口からそんなに離れていないけど、それは言わない方がいいのかな。
早い夕食だったので、僕はレイさん達にミアちゃんを任せて洞窟内で倒された魔物を解体しに向かった。
「野営からそんなに離れてないな」
皆のリュックを持って来たので、解体が終わると詰めていく。
本当にミノスだけしかいない様で、3体のミノスの解体が終わった。更に進んで直ぐの所に2体のミノスが倒されていた、このペースだと倒すのもそんなに大変ではなかったようだ。
洞窟の外で魔物を探すより早いかもしれない、ワンダーさんのお手柄だ。
見つけたら解体して詰めるを何回か繰り返していたら、2人分のリュックにが一杯になったので戻る事にした。
「ワンダー、ミノスが行ったぞ」
「は~い」
レイさん達のリュックが一杯になったので、野営の場所に置いて来た。僕のリュック2個分を一杯にする為に洞窟を進んでいる。通路から広い場所に出た、その場所には6体のミノスがいた。
僕とミアちゃんは入口で待機している。
最後の1体がワンダーさんの方に向かったようだ。返事をしたワンダーさんは今戦っているミノスに止めを刺して走り出す、ミノスの攻撃を避けて直ぐに攻撃、避けて攻撃を何回かして動きの鈍くなったミノスの急所に剣を突きさす。
「倒し終わったわね」
「そうね、私は2体倒したわよ」
「俺も2体だぞ」
「次は負けない」
「そうね、魔物が少ないと勝負が出来ないわね」
僕は直ぐに解体を始める、そよ風の皆は、何故か勝負をしてビールを賭ける。あの村にはビールが無いのに。
「ユーリ、先に進むわね」
「はい、解体が終わったら、直ぐに向かいます」
6体のミノスの解体が終わって、リュックに詰めると一杯になった。もう倒さなくてもいいのか。
「レイさん達の所に行きましょう」
「はい、行きますよ、サラちゃん」
広場の隅で穴を掘っていたサラちゃんが戻って、ミアちゃんが乗ると通路を奥に向かう。
「レイ、誰から行くのよ」
広場から歩いて10分位の所に皆がいた、通路の先が今までよりも広いのが後ろからでも見えた。
レイさんの横に並ぶとドームの様な地形になっていて、通路の先は崖の様になっていて、垂直に降りないと地面にならない、その広いドームの中に凄い数のミノスがいるけど崖の上には登って来れない様だ、今いる場所の反対側に通路があるのが見えるが、ミノスを倒していかないと通れない。
沢山のミノスを見ていると、あのコンサート会場の様な岩の上の冒険者の事を思い出す。登って来れない魔物、登って来れないミノス、状況が似ている。
無駄に倒してもしょうがないので、リュックの事を言う。
「あの~、リュックが一杯になったので、もう倒しても持って帰れませんよ」
「残念ね、これから勝負だったのに、一斉に降りて戦うつもりだったけど仕方ないわね」
「勝負したいなら、一列に並んでくれれば後ろから押しますよ」
レイさんの背中に手を掛けていたが、下りてくれない様だ。
「ユーリ、何を行っているんだ。持って帰れないなら今日はこの位でいいだろう」
僕の行動を見ていたのか、ボードンさんも帰ろうと言い出した。
「そうだぞ、楽しみは取っておこう」
「そうよ、無駄にしたら勿体ないわよ」
「じゃ、帰りましょ」
「「「はい」」」
皆の意見がまとまったようなので、村に帰る事になった。
「いい所を見つけたな」
「私のお陰よ」
しかし、ミノス王国の先はどうなっているんだ、行ってみたいけどあの数だと倒さないで行くのは難しい。そこに通路があるけど行かない事もある。
「キュ~、キュ~、キュ~」
サラちゃんがこちらを向いて鳴いた。
「サラちゃんが、お腹すいたって行ってます」
「荷物の所に戻ったらお昼にしよう」
歩いている皆が、頷いていた。




