さあ、行こう
昨日の夕食はとても喜ばれた、ハンバーグのタレが公爵様とアイシャさんは、とても美味しいと言うので、バッファ肉のビーフシチューを少しだけお出して貰った。
『何だこの柔らかさと肉の旨味は』『貴方、タレの旨味が』とお喜びだった。
『ハンバーグから肉汁が』『こんな上品な味になるのか』ユーデット様達もハンバーグが美味しかったらしい。
朝は軽めに野菜スープと小さいハンバーグ、パンを食べた。
「ユーリ、ここで何するの?」
「これから、騎士団の人に差し入れです」
「僕が一緒なのは何でだ?」
「面白い遊びをするためです」
「それでお兄様とユーリお兄様は同じ服を着ているんですね」
「そうです」
僕達の朝の食事は終わったけど、食堂には山積みになった小肉丸のお皿がある。
「この台本通りに進めて下さい」
「はい、頑張ります」
「ユーデット様、これから起こる事を黙って見ていて下さい」
「ああ、分かった」
僕達の準備が終わった、後はカリン嬢が全てをしてくれる。
「皆さん、いつもご苦労さまです。皆さんのお陰でダリューンは住みやすくなって来ました。最近魔物による被害も出なくなっているのは見回りを頑張ってくれているお陰です。数日後にはお祭りがあります、また忙しくなると思います。今日はそんな皆さんに差し入れを用意しました」
「おお、そうですか、嬉しいです」
「お気遣いありがとうございます」
騎士団の皆に食堂に来て貰った。200人位いる騎士の皆さんがお辞儀をした。
食堂の入口近くに椅子を持って来て、僕とユーデット様は座っている。その間にサラちゃんに乗っているミアちゃんがいる。
騎士団の皆さんには、カリン嬢しか話していない。
「今、2人のお兄様が椅子に座っています。皆にはどちらがユーデットお兄様か当て貰います、それによりあそこの小肉丸が貰えるか、貰えないかが決まります」
「え、全員にくれないんですか?」
隊長は偉いぞ、みんなの聞きたい事を聞いてくれた。
皆もどうなんだと問いかけている顔をしている。
カリン嬢は騎士団長に視線を向けて頷いた。
「そうです、間違えた人は貰えません」
僕とユーデット様も同時に頷いた。
「右だと思う人はテーブルの右側に、左だと思う人はテーブルの左側に移動して下さい」
騎士団の皆さんは近くの人と相談したり、僕とユーデット様の顔をよく見る。公爵様でも間違えそうになったのは、髪型も似ているからだ・・・・あれ、関係者全員がどちらか分からなかったんだな、もしかして、凄く難しいのか見分けるのは。
まず最初に移動したのが騎士団長だった。僕の横を通ってテーブルに向かったので、僕の事をユーデット様だと思った様だ。
騎士団長が移動したら、自分が合っていると思う方に進んで行った。
「皆さん、移動はもう宜しいですか?」
「どうだ皆、今決めた方でいいのか?」
騎士団長も皆に聞いてくれた。
「「「「「はい、いいです」」」」」
声に出さない人は頷いていた。
「では、正解の人にはバッファ肉で作った小肉丸をあげたいと思います」
カリン嬢のバッファ肉の言葉に食堂がざわつく。
「あの、その料理の中にバッファ肉が入っているんですか?」
「はい、これからも頑張って欲しいと思い、特別にバッファ肉を入れました。この小さな女の子のミアちゃんが、頑張って作りました。正解者の皆さんはミアちゃんにお礼を言ってから退室して下さい」
僕とユーデット様が立ち上がって頷く。僕は左側に座っていたので、奥から見た答えは右側が正解だ。入口から見るとテーブルの左側に向かった人達が正解。
「こちらのお兄様が、ユーデットお兄様です」
「やった~」「合っていたのか」「隊長と違うから心配だった」「食べれる」「こちらに来てよかった」
合っていた人達は喜びで一杯だ。
「間違っていたのか」「そんな~」「隊長なら間違えないと」「分からない」「貰えないのか」「食べたかった」
隊長の呟きの後に間違えた人達が嘆いた。
合っていた人と間違っていた人は同じ位の人数だった。
「では、合っていた人達は、小肉丸を2個貰って退室して下さい」
お皿に近い人から小肉丸を2個取って出て行く、出て行く際にミアちゃんに『ありがとう』と言って、出て行った。
正解した人達が出て行くと間違えた人達だけになった。
「間違えたて、すみませんでした」
騎士団長はが間違えた事を謝ると、他の間違えた人も謝った。
「いいのですよ、これは遊びなのです。ユーリお兄様が考えた、お父様である公爵様も分からない程です」
「そうなんですか?」
「そうなんだ、お父様は見分けがつかなかったんだ」
「これからも、よろしくお願いします。間違えた人も小肉丸を2個取って退室して下さい」
食卓の上には、まだ沢山の小肉丸が残っている、間違えた騎士団の人達が小肉丸を見る。
「2個貰っていいんですか?」
「はい、騎士団の人はみんな頑張っています。ですから、同じ数お持ちになって下さい」
「ありがとうございます」
小肉丸を2個取った騎士団長は、ミアちゃんにお礼を言って出て行った。他の人もそれに続いた。
「意外と間違える人が多かったな」
「そうですね、話さないとバレませんね」
「面白かったね」
「バッファ肉だと知った瞬間の驚きが凄かったですね」
三人で頷いているとミアちゃんが「バッファ肉が無くなったね」と言った。
ユーデット様とカリン嬢は。
「酷いぞ、ユーリ」
「そうです、ユーリお兄様」
「残念ですが、料理長はバッファ肉を使った料理をしてくれないので、仕方なく消費したんです」
まだ諦められないのか視線が痛い。
僕とミアちゃんは帰る事にした、2人には小肉丸を3個づつあげたので、後はお土産に貰って帰った。
夜のすき焼きの準備は出来ていて、食べ方を料理長に教えたので大丈夫だろう、ビーフシチューも何日か分はあるので悪くなる前に食べる様にお願いした。
余った分で小肉丸を作って頑張っている騎士団の差し入れをした。残りをロードさん達のお土産に貰ったのだ。
ダリューンを出発して2日が経つ、公爵様の屋敷から帰った後にアスレチックで遊ぶレイさん達と合流して皆で遊んだ。アメリアさんは勿論、ハンモックでのんびりしていた。
夜は僕達の持っていたバファ肉も悪くなる事を考えてハンバーグの食い放題をした。酒場の店主さん達にもご馳走して何とか全てを消費する事が出来た。
ダリューンのお祭りには参加しなかった。
「キュ~、キュ~」
馬車はロード村に向かって進んでいる、サラちゃんはミアちゃんを乗せて草を食べている。
「サラちゃん、よく食べるんです。野菜は体にいいですよ」
「キュ~」
「おい見ろ、変わった生き物だぞ」
「可愛いですね」
「子供を乗せてくれるんだ」
ダリューンに向かう馬車が何台も通って行く。サラちゃんは珍しので、声を掛けられたり、感想を呟く人が多い。走っているのを見ると更に驚きが大きい。
走って馬車に向かうと馬車が止まっていた。
「横からゴブリンが襲って来た、レイさん達は討伐するのに追いかけて行った」
「キュ~」
サラちんが鳴いた、魔物が何処かから来る。
馬車1号の横からコボルトが出て来た、その後からボードンさんが追いかけて来て攻撃をする。
馬車3号の横からも出て来たが、直ぐにじいさんが仕留めた。
「やけに逃げ回る魔物だったわね、逃げるなら最初から襲わなければいいのに」
レイさんとワンダーさんも戻って来た。
「ロードさん、魔物はいなくなりました。進んで大丈夫だと思います」
「なら、進もう、他にも魔物がいるかも知れないので気を付けて進もう」
「はい」
「レイさん達、ありがとう。カルテアから安全にロード村まで来る事が出来た」
「仕事です、それに毎日面白い旅が出来ました」
レイさん達は二日酔いといつも勝負をしていたので、面白い旅立ったはずだ。
「明日出発する皆さん、ミアをよろしく頼む、私達はここで待っている。今日は好きなだけ飲み食いしてくれていい、乾杯~」
「「「「「乾杯」」」」」
「ユーリ、俺達は残るから、どんなドラゴンだったか後で教えてくれ」
「そうだ、骨骨の時の様に付いて行けないのは残念だよ」
「最後の勝負よ、ユーリが仕入れてきた辛味をこの中の料理に使って貰ったわ。お皿は5枚、好きなのを選んでいいわよ」
僕の名前が出ると僕が考えたように聞こえるんだけど。
「ミア、迷惑かけてはいけませんよ。ユーリの言う事を聞いて、気を付けて行くのよ」
「はい、気を付けます。お母さんはのんびりとしていてね」
「のんびりとミアを待っているわよ」
「皆、それでいいのね、はい、ユーリの分よ」
「僕の分も有ったんですね」
レイさんが入れた料理は野菜炒めだ、かき混ぜれば分かりにくい。
「皆一斉に食べるのよ、さあ食べて」
皆がそれぞれ、野菜炒めを口に運ぶ。
「辛い~、何で私のが辛いのよ、ユーリのお皿が辛いはずなのに」
「僕のお皿ですか、レイさんが間違えたんだと思いますよ」
僕は見ていたのだ、ワンダーさんがレイさんのお皿を取り換えているのをでも言わない。僕は悪戯が好きだ、他の人が悪戯していたら黙って見ているのも面白い。
「辛い、辛い、ビールで口直しよ」
「何、俺も負けないぞ、ビールを飲んでやる」
飲み会に代わった様だ、ロードさん達の方に行こう。
「ユーリ、ふうちゃんに会ったら飛んでくれるかな?」
「飛んでくれるよ、ミアちゃんはいい子だからね」
「うん、楽しみだね」
最高の笑顔のミアちゃん、ドラゴンさんが好きになった様だ。
ふうちゃんはグリーンドラゴン。レッドちゃんはレッドドラゴン。ブルードラゴンは?。
早く会いたいな。でも、ブルードラゴンの情報だけない。
「ミアちゃん、グルと回って下さい」
「は~い」
よく似合う、奇跡の少女ミア、魔道防具を着る。
「ユーリいいのか、大事な物なんだろ?」
「大事?いえ、僕が持っていても役に立ちません、魔物の攻撃は避ける主義なので、その為の練習はしてきました。それにミアちゃんが着てれば、アメリアさんも安心できます。ミアちゃんにあげます」
「何でよ、私にくれないのに」
レイさんが何か言っているな。
「ありがとう、ユーリ。安心して見送れます」
「そうだな、安心できる」
「お父さん、お母さん、行って来ます」
「「行ってらっしゃい」」
「私も欲しいのに」
ロード村の北の門から北東に進んで行く、道らしきものはないので斜面のある森を歩いている様だ。
「いいわよね、ミアちゃんはサラちゃんに乗れて」
「はい、友達なので乗せてくれます」
先頭を歩いているのはレイさん、その後をサラちゃんが付いてい行く。サラちゃんの後ろが僕だ。
ボードンさん達は後ろで話しながら付いて来る。
「友達の友達は乗れないのかしら?」
「キュ~」
「サラちゃんが乗れないと言っています」
「そう、残念ね」
レイさんの話だと一番近いのがロード村で、ロード村からしか行った事がないらしい。
「キュ~、キュ~」
「魔物よ、数が多い。ベアにゴブリンよ」
レアさん達が前方に走り出す。僕の所から見えた魔物はベアが7体だけだ。
「ワンダー、じいは左右を警戒、ユーリは後方。ボードン、行くわよ」
「了解」
指示に従い後ろを見る、茂みの少ない所を通っているので、横には茂みがある、だから魔物が現れるなら音がする。
右に居るワンダーさんは魔物と戦闘になっている、コボルト3体だ。囲まれない様に少しずつ後退して戦っている。
じいさんはまだ魔物と戦っていない。
レイさんとボードンさんはベアと戦闘になっている。
「ゴブリンが多数来たぞ」
「直ぐに行くわ」
じいさんの方には新たな魔物がゴブリンが現れた。
「じいさん、ミアちゃんの方に来て下さい」
「そうか、分かった」
僕の考えが分かったじいさんがミアちゃんの方に移動する。
ミアちゃんから少し離れて、じいさんの後ろから来るゴブリンに攻撃を始める。
「シューパン、シューパン、シューパン」「シューパン、シューパン、シューパン」「シューパン、シューパン、シューパン」「シューパン、シューパン、シューパン」「シューパン、シューパン」
「じいさん、ゴブリンは倒しました」
伝説の弓は凄いな、正に伝説だよ、まだ外した事が無いぞ。
「外さないんだな、よしビールを奢ってくれ」
「じいさん、元の場所に展開」
「了解~。レイ、ゴブリンは倒した、そっちは大丈夫なのか?」
じいさんが戻って行く、矢を回収しないと。
「ボードンの方が多いわね、援護に行けたら行って」
「分かった」
ボードンさんの近くには6体のベアがいる、そこにじいさんが向かっている。
矢を回収してレイさん達の方に向かおう、ワンダーさんも既に向かった。
「ワンダー、右からベア2体来たぞ」
「余裕ね」
前方の魔物はどんどん増えている様だ。
「ミアちゃん、サラちゃんをしまって、籠に乗るんだ」
「はい、サラちゃん、小さくなって」
サラちゃんが瓶の中に戻される、地面に置いた背負子にミアちゃんが座る。急いで落ちない様にして背負う。
「落ちない様に、しっかりつかまるんだよ」
「はい、いいよ」
全速力で走り寄り、ボードンさんとじいさんの近くにいる魔物を攻撃する、二人が戦っている魔物の後ろの魔物を攻撃、角度が悪いので頭を狙う。
「シューパン、シューパン、シューパン」「シューパン、シューパン、シューパン」
これで少し余裕が出来るはずだ、レイさんの方が大変だ。
シューパン、シューパン、シューパン」「シューパン、シューパン、シューパン」「シューパン、シューパン、シューパン」「シューパン、シューパン」
矢を全部使い切ったので、最初に攻撃した魔物から矢を回収だ、右ではボードンさん達が戦闘している、左からは魔物がまだ来る。
「この攻撃は避けれるかな」
仕留めたベアを持ち上げる。
「とりゃ~、とりゃ~とりゃ~」
3体のベアを投げた、向かって来ていたベアが倒れたので、レイさんに向かっているベアを攻撃する。
「シューパン、シューパン、シューパン」「シューパン、シューパン、シューパン」
「ユーリ、倒し過ぎよ。でもありがとう」
レイさんの前にはベアが2体だけになった、そこにワンダーさんも加わった。
ボードンさん達の方はまだ6体位いるけど大丈夫そうなので、矢を回収しよう。




