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長いお祭り

「我が城の迷路を攻略できるかな、遥か彼方にある出口、そこにたどり着くためには4つの旗の場所に上り、6個の数字を集めなければ出口からは出れない。そこの人危険だ、今なら引き返せる、私の挑戦を受ける気だな、よかろう入るがいい我が城の迷路の恐ろしさを思い知らせてやる」


入口のお城で楽しそうに客引き?をしているレイさんは、ノリノリだ。


レイさんの下の受付ではマリアさん、ルルさん、ワンダーさんが料金とゲームで使う板、説明をしている。


チェックポイントにはアルさん達がいる、説明と注意事項を教える役だ。


『行き止まりだ~』『ここは何処なんだ』『ここは、最初の場所だな』『この数字の事か』『父さん、こちだよ』『ここで、道の確認だ』『まあ、疲れました』『お腹すいた』『母さん、迷子になったよ』『文字が違う、違う場所だ』『おい、何で違う文字を選んだ』


マーズの中のお客さんのいい声が聞こえるな。


まだ出口に着いたお客さんはいないだよう。


出口には木材屋さんの若い人達がゲームで使った板を回収してくれている。


回収した板を削るのも任せてある、貯まったら、親方が持って来てくれる。


「ここか、面白そうな事をしているのは」


「そうだね、お城の女性の話が面白いね」


「兄貴、行くんですか?」


「ああ、行く、そこに面白い事がある」


そこに山があるから、そこに面白い事があるから。


3人組は説明を聞いて入って行った。


あんな人ばかりだと、混み過ぎて困るな。


ここは任せて、ロードさんの所に行こう。


「レイさん、任せました。楽しんで下さい」


「ユーリ、ありがとう。頑張るわね」


「さあ、私の挑戦を受けなさい、出口を目指しなさい」


さっきは挑戦者が迷路を攻略する為に入って行ったが、今はレイさんが挑戦者を募集している。




「ユーリ」


「様子を見に来たんだ」


ミアちゃんの頭を撫でてロードさん達を見る。


ロードさん達はお祭りの人出が多いので、商品の説明が大変そうだな。


馬車のまま販売出来るけど、ここまで人が多いと露店の方がお客様に見て貰える、それでも商品が直ぐに用意出来る今の方が忙しい時には便利だ。


「アメリアさんは宿に居るんだね」


「うん、お父さんが人が多くて疲れるから宿にいた方がいいて言ってた」


ここまで人が多いと販売しない馬車は邪魔になる。


「美味しいですよ、どうですか?」


「よく煮込んだ、シチューだよ」


「甘くて美味しいよ」


「さあ、お祭りだよ」


「安いよ」


食べ物の露店がずらっと並んでいる、お客も並んでいる。


市場と広場は歩くのが大変だな、ここに居ても手伝う事はないし人の少ない通りから酒場に行こう。


「ユーリ、ミアを頼む、相手が出来ない程忙しい」


「頑張って下さい、酒場に戻ります」


「よろしく」


こんなお祭りが10日も続くのか、凄い。





初日はお昼を食べてからお祭りだったが、二日目は朝からだったのに皆のお昼をどうするか考えていなかったので、夜に皆から怒られた。


普段のロードさん達は交代でお昼を食べていたが、お祭りの人出が多くて、食べに行く暇がない様だ。


3日目からお昼を作って、持って行くのが僕の仕事になった。


「この迷路を私の代りに攻略して下さい。お父さん、お母さん」


お城の上のミアちゃんの呼び込みだ。


「わぁ~、ありがとう、お父さん。」


「お兄様、さあ中に貴方を待っています」


「手を繋いで入りましょう、お母さんが迷子になると困ります」


レイさんより呼び込みの種類が多いかも。


「我が城を攻略出来ると思うなよ、そんなに簡単ではないんだ、ハハハハハ」


悪者がお昼を食べ終わった様だ。


「急いで攻略しようとしても無駄だ、6個の数字がある。それがないと出れないのだ」


販売機に補充もしたので、本日の仕事は夕ご飯まで何もない。


「ミアちゃん、何処に行こうか?」


「コネコネしたい」


コネコネか、それなら大森林だな。


「よし、オークを探して倒そう、それでコネコネだ」


「ハンバーグだね」


宿に戻り荷物と背負子を持って東の大森林に向おう、新鮮なお肉でハンバーグだ。





王都のお祭りは長かったが、今までと違い食べ物の販売をしてないので、調理する事もなくフラフラすることが出来た。


マーズは大人気だった、娯楽がないのとお祭りで見て回る物がそんなにないからかも知れない。


僕が王都のお祭りに来たら、マーズに行ってみたいと考えるだろう。


夜の温泉も込んでいたけど、昼間も込んでいたと宿に泊まっていた人が言っていた。


酒場のおじさんに聞いたら、お祭りに来るお客さんは長くて4日間位滞在すると教えてくれた。


最初から最後までいるのは、ロードさん達のような行商人と何か事情がある人だけかも知れない、珍しい食べ物も少しは有るのかも知れないけど、探すのが大変だ。


「だいぶ片付いたな、レイさん達が中にお客が取り残されてないか確認しに行ってくれているんだよな」


「どうだ、俺の所まで来てみろ」


「俺のほうが出口に近いぞ」


「我が城を攻略出来るとも思っているのか、負けた者が奢る。私は負けない一番よ」


悪い女王様からレイさんに戻ったぞ。


お城に挨拶に行こう、明日の朝には出発だ。





「悪い顔になっていますよ、国王様」


「何を言うのだ、ユーリ殿」


「何処からせしめたのですか?」


「聞くな、何処でもいいだ」


「チャリン、チャリン、チャリン」


国王様の手のひらから、こぼれ落ちる硬貨。


「いいのですか、また悪い噂が流れますよ。無理に搾り取ったと」


国王様の最後のセリフだ。


「気にするな、次は何処から搾り取るかな、アハハ~」


「何処でもいいですね、アハハハ~・・・・・・終わりました」


僕の終わりましたの言葉に公爵様の家族が壁際から大樽に向かう。


「ユーリお兄様、凄いお金ですね」


「チャリン、チャリン、チャリン」


「ワァ~、こんなに見たの初めてです」


「チャリン、チャリン、チャリン」


大樽6個全てに大銅貨だけが入っている。


「ユーリ、マーズはそんなにお客が来たのか?」


「チャリン、チャリン、チャリン」


「はい、凄い数の人が遊んだようです」


「ねえお兄様、ユーリにお願いして良かったですね」


「うむ、しかしこんなに儲かるのかあの建物が、分からないものだな」


僕もそう思うけど、娯楽がないので仕方ない。


「それで、後の事をお願いできますか?」


「ああ、王家が管理する事になる、あの土地も王家のものだしな」


「ユーリ、北東の場所は役に立ったわよ。毎年、屋敷の庭に停めていた馬車をあの土地に停める事が出来たわよ」


お城の庭に停めていたのか、ロードさん達も宿に泊まれない時に裏庭に停める事が出来て助かっていたな。


王都のお祭りなら馬車を沢山停める所がないと困る人は多いだろう。


「ユーリ、色々してくれたので褒美をあげたい、何でもいいぞ」


「そうね、何でもいいわよ」


「いいな、私もなにか欲しいな」


妹カリンが何か欲しいらいが、両親に頼めば何でも買ってくれそうだ。


僕が欲しい物、ドラゴンの情報はここにはない・・・・・それならあれがいいかな。


「それなら、魔道具の防具が欲しいです、大会で使用した防具が」


「あれでいいの?」


「あの装備か、よしそれが褒美だ」


あの魔道防具の検証をしてみたい。


「ありがとうございます」


「しかし、何もしてないのにこんなにお金を貰っていいのか?」


「はい、気にしないで下さい、みんなも楽しいお祭だったみたいで喜んでいます」


「そうか、少し財務状況が良くなるな」


皆もお金が増えたのに使う時間がなかったので気にならないらしい。


褒美を貰えたし、夜の宴会の為に宿に戻ろう。


「カリン嬢にアヤ嬢は学校はいいのですか?」


「私は卒業しました。妹はずる休みです」


「もうお姉様は、毎年お祭りのために休んでいるんです」


そうだろう、王族なんだから王都のお祭りには出ないといけない。





お酒の少ない宴会だったので、最後にとろけに来た。


宴会は食べ物が中心で、沢山の料理を作った。人数が多いので厨房で参加していた。


「ロードさん、準備は出来ているんですか?」


「ああ、もう何もする事はないよ、王都だから仕入れもあまりない。馬車は空みたいなものだな」


「お祭りの期間で良かったですね」


「そうだな」


「誰が一番潜っていられるか競争だ」


「いいな、誰が男らしいんか決めるか」


「よし、開始」


潜る事を提案したのがルーベルさん、男らしいと言ったのがボードンさん、開始を告げたのがバジルさんで、バジルさんは後から潜った。


「さあ、みんな、とろけるわよ。数は100まで数えてね。ワン、ツウ、ワン、ツウ」


「レイ、ワンツウになっているわよ」


「あら、では最初から1.2.3.4.・・・・・・・」


それぞれ楽しんでいる様だ、僕はとろけ過ぎそうなので宿に戻る。






「ワン、ツウ、ワン、ツウ、ワン、ツウ」


僕達はガーベラを出発した。


「ワン、ツウ、ワン、ツウ、ワン、ツウ」


荷馬車には、商品が少ないけどアメリさんの体調を考えて荷物が多い時と同じ位の速さだ。


同じ頃に出た他の馬車は先に進んでいった。アルジュまでは遠いいのでのんびりとした旅が出来る。


お祭りで一番忙しかったのは、レイさんだろう。マーズの制作にお城の上で呼び込みをしていたからだ。


他のみんなも頑張っていたので働いていないのが僕だ。


アルさん達も僕より働いていた。アルさん達はアスレに遊びに行った後に何処かで魔物の討伐をする予定だと行っていた。


王都から近いので僕に出来る事は、便利草と傷薬の材料を取る事だ。


「何処にでも生えている便利草、誰も取らない便利草」


リュックを置いて便利草を取っていく。


これは冒険なのかな、ただの草集めかな。平和だ。






「レイさん、ふうちゃんは大きいですか?」


「そうね、ミアちゃんよりは大きいわね」


「レイさんよりも大きいですか?」


「そうね、少しだけふうちゃんの方が大きいわね」


「ふう~ん。早く見たいな」


レイさんより凄く大きいだろうな、お土産は何がいいのかな。


「お土産は何がいいですか?」


「干し肉かな、珍しいのが食べたいと行っていたわね」


珍しいのか、何でも珍しいだろう。


少し暖かくなってきたな、春のお祭りシーズンが終わると夏だな。


春に冒険者が西で討伐をするのに東から移動したら夏になっているんじゃないのか。カルテアのお祭りの後に出発した冒険者は夏に着くな。


「もうお代りする人いませんか?片しますよ」


「「「「お代わり」」」」


ロードさん以外の男性のみんなか。


「ユーリ、あのドラゴンが荷馬車を引いている絵は何のために描いたんだ」


「この商団のマーク、又は看板です。《わ~ドラゴンが来たぞ》《いつもの人たちか》《来てくれたか》と見て分かる様にしました、お客さんも見つけやすいし、ロードさん達も移動しているだけで宣伝ができるんですよ」


「へ~、便利だな」


「覚えて貰うのにいいな」


「ありがとう、ユーリ。上手く描けるようになったんだな」


「まさか、アメリアさんに頼みましたよ」


「そうか、アメリア、ありがとう」


「ユーリに描いてと言われただけで、看板を描いているのだと思いませんでした」


お教えすると断られる可能性があるのでそこは秘密でした。


「お母さん、ハンモックで寝る?」


「そうね、もう外でもいいわね」


もう便利丸は仕掛けてあるので、少し安全だ。


レイさん達は見張りの順番を棒の長さが短い順にしたようだ。


「もう一度しましょう、まだ長いのが引けてないわ」


ベルンさんが棒をまた持たされている。


あれは、ほっとこう。




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