大会終わる
今日の夕飯は何にするかな、連日お肉ばかりなので、他になにかあるのか考える。
ミアちゃんの食べた、エビフライ、イカリング、コロッケでいいか、後はスープにサラダ、パンは毎食出されている。
「ちまちまちまちま」
パン粉作りだ、人数が多いのでちまちまが大変だ。
「すいません、お手伝いお願いします」
「はい、同じ事をすれば宜しいですか?」
今だけ料理長の周りには、監視と僕の作っている料理に興味のある何人かがいる。
「はい、お願いします」
パン粉作りをその人達に任せて、食材の下準備をしよう。
エビは殻を取り、背ワタを取ると匂いを取る為に水洗いする。イカは内蔵部分を引き抜いて水洗いして揚げる時の大きさに切る。芋を鍋に入れて茹でる。
自作タルタルソースを作るのに卵も芋と一緒に茹でる。
芋が茹だれば、崩してコロッケの形にする。肉無し、玉ねぎも無しだ。
「こちらの作業は終わりました」
優秀な料理人達がパン粉を作ってくれたので、すべての準備が終わった。
揚げ物は時間が掛かるので、今日はオーク肉のステーキにした。
「すいません、オーク肉を宿に届けて下さい」
「はい、宿にお届けします」
今だけ料理長は、ロードさん達の料理長でもある。
誰かが美味しく焼いてくれるだろう。
王族の皆さんの料理を作り始める。
「今日は、揚げ物にしてみました。エビフライ、イカリング、コロッケです。ソースは2種類用意しました。お好みでおかけ下さい」
「変な色をしているのだな」
国王様が料理を見た感想を呟いた。
僕の居た元の世界は、もっと見た目が変なのが沢山有った・・・もんじゃが一番変だったな。
「初めて見ますね」
「ユーリ、この長いのがエビよね。どちらのソースがお勧めなの?」
シーラさんからソースのお勧めを聞かれた。
「僕は、白い方のタルタルソースをお勧めしますが、こちらのソースでも美味しいです。少しだけ掛けてどちらがいいか決めればいいと思います。このコロッケはこちらのソースがお薦めですイカリングはどちらでも美味しいと思います」
「ユーリお兄様、私はイカリングが気に入りました」
「私は、エビフライが気に入りました」
「僕は、コロッケだ、サクサクで美味しいな」
明日の夜はお城にはいないので、みんなと同じテーブルで夕食を食べている。
「ユーリ、明日も頑張ってね」
「はい、頑張ります」
「ユーリ、残念だが俺の選んだ選手は今日負けてしまった。お小遣いが金貨10枚だ、ハァ」
対戦しないで、負けてしまうとは可愛そうだな。
「お兄様もこれで無駄遣いが出来なくなりますね」
「あの、オーク肉は公務のお金を使ったんですよね?」
「ああ、そうだが、それがどうしたのだ」
「お小遣いを減らすより、公務の無駄遣いをしなければいいだけような気がするのは僕だけなんだすかね」
食べていた皆の手が止まった。
「そうか、そうだぞシーラ、お小遣いを減らしても公務のお金を無駄にしたら意味がない。公務の無駄を無くそう、お小遣いはそのままで」
「お兄様、負けは負けです、公務の無駄遣いを減らして、お小遣いも減らせば、財務担当の者が喜びます」
「ユーリは、どう思う。お小遣いを減らさなくてもいいと思わないか?」
「国王様のお小遣いを減らすのは可愛そうだと思います。少し様子を見た方が、いいのかな、減らしたままの方がいいのかな。僕は部外者です」
シーラさんの視線に気が付いたので、ここは中立の立場でいよう。
「シーラ、お兄様も反省していますよ」
「そうです、シーラ様、国王様も懲りたはずです。私からもお願いします。どうか様子を見てから、その後にどうするか決めて下さい」
今まで全然会話をしていなかった公爵様が国王様の味方に。兄弟の事に口出しをしたくなかったんだな。
もう黙ってしまっている、もう擁護したぞみたいな顔をしている。
その話は一旦保留のようで食事が再開された。
あれ、僕が言い出さなければ良かったのか。
明日は、準決勝と決勝の2試合がお昼すぎに行われる。
「準決勝戦です、冒険者ユーリ対冒険者ローリ」
冒険者ローリさんは小柄な人だ、両手剣も少し短いのを両手で持っている。
「準決勝、開始~」
いきなり間合いを詰めて来るローリさんに僕は後ろに飛び退いて間合いを開ける。
更に間合いを詰めれて来るローリさん。
僕は間合いを詰める、予想外だったのか、顔が驚いている。
2人の剣がぶつかって、お腹に蹴りを入れようとしたが避けられた。
動きがいいローリさんは離れた後に直ぐに攻撃を仕掛けてきた。
「君はなかなかやるが、俺について来れるかな」
「ファイヤーボール」
僕の魔法に一瞬怯んだローリさんの隙を見逃さないで連続攻撃。
ローリさんの防具が光った、僕の勝ちだ。
「おい、何処にファイヤーボールが出たんだ」
「さあ、出ませんでしたね。いつか使える様になります」
「冒険者ユーリの勝利です」
準決勝は直ぐに終わった。
「おい、卑怯だぞ」
「卑怯でもいいのです。戦いなんだから」
「ユーリ、ありがとう」
ローリさんとの会話は終わって、客席に視線を向けると、応援してくれていたルルさんは大きく手を振っていた。
よく見ると全員だ、ウイントンさんも手を振っているので、アルさんからお金を借りれたのだろう。
「次も勝てユーリ。元になりそうだ」
「分かりました、頑張ります」
「次に対戦したら負けないからな」
「さようなら、ローリさん」
最後は握手をして別れた。
決勝戦の相手が目の前に、身長は2mはありガッチリとしたおじさんだ。
この人は強いぞ、それが、僕の第一印象だ。動きはどうなのか分からないが、怖い顔をしている。
視線は僕が持っている両手剣に注がれている。
両手剣が両手だ。当分の間、剣を持って戦う事がないだろうから最後ぐらい二刀流で戦う。
「両手剣を片手で持てるのか?」
「はい、二刀流なので両手に持たないと駄目ですよね」
「そうか、とんでもない者がいたんだな」
おじさんも片手で持っているんだから同じだよな。
「去年の優勝者冒険者ハンク対冒険者ユーリ」
すごい声援だな、すごい人数の人達が手を振っている、王族の皆さんも手を振ってくれている。
「さあ最後だ、この後はお祭りの用意で忙しいぞ」
「決勝戦・・・・開始」
ハンクさんは動かない、僕も動かない。
ハンクさんが動かないので、僕から動く。
のんびりと歩いて、左の剣は地面スレスレに右は剣先が左側。
近づくにつれてハンクさんが僕の左側に移動する。
左側を狙うハンクさんに左を狙いやすくする、両手持ちの攻撃が左からくる。
僕は左の剣を飛び越えて回転、その際に右の剣でハンクさんの剣を受ける。
受けた事でそこを軸にして左の剣で攻撃した。見事にあたった攻撃で防具が光る。
「両手に持っていても素早い動きが出来るんだな」
「はい、練習してますから、お疲れさまです」
「誘い込まれて、力押しで勝てると思ったのが間違いだった様だ。いつか、また君と戦いものだな」
「僕は遠慮しときます、人との戦いは本気にはなれないので」
「優勝は冒険者ユーリです」
この後に閉会式があった、賞金の金貨5枚は辞退した。ロードさん達に届けた料理代。
酒場はお祭り騒ぎだった。
「ユーリが帰って来たぞ~」
「ただいま」
僕の背中を叩くウイントンさん。
「ユーリ、ありがとう」
「「「「「「「「「「「「ユーリ、ありがとう」」」」」」」」」」」」
誰か、博打はいけないと言って下さい。
「みんな、おめでとう」
酒場の全てのテーブルで乾杯が起こっていた。
「ユーリ、優勝おめでとう。うふふふ」
マリアさんは、はじけていた。
「ユーリ、毎月出てよ。お金持ちになれるわ」
「ユーリ、何で私を誘わないのよ、私だって優勝できたのに」
「ねえ、誰か強い人いた?」
ワンダーさんはとんでもない事を言っている。皆はそれなりに強かった。
皆はそれぞれ僕を叩いてテーブルにビールを飲みに戻った。
「ユーリ、毎日美味しい食べ物ありがとう」
「お帰り、ユーリ。おめでとう」
ミアちゃんとアメリアさんだけがお酒を飲んでいない様だ。飲まないだろうが。
「エビフライは美味しかったかな?」
「エビの揚げたの美味しかったよ」
「私はイカリングの方が好みでした」
「お城には色々な食材が有ったので、この機会にアメリアさんとミアちゃんに食べて貰おうとお届けしました」
「レイさん達も喜んでいました」
「ビールのお代わり~」
「私も~」「俺も~」「ついでに俺も」「ラム酒~」「冷えてるビールが無いぞ」
冷えるんですが2台しかないから、最初の1杯目も全員で飲む事は出来なかっただろう。
「ねえ、賞金はどうしたの金貨5枚だったわよね」
ワンダーさんはもう酔っている様だ。
「皆の食事代に辞退してきましたよ」
「なんだ、勿体ないな、私もビール」
ダメだ、宴会に乗り遅れたので、部屋に戻ろう。
「僕、部屋に戻りますね」
「私達も戻ります」
お酒を飲まない僕達は部屋に戻った。
宿に泊まっているお客はうるさかっただろうと思って酒場に下りて行った。
「ロードさん達もいるな、もしかしたら、お酒を飲まない僕達3人以外はここで寝ているのかな」
帰って来てら皆既に酔っている様だったので夜ご飯は食べなかった。あの状態で食べれるのは、最初から居たアメリアさん達だけだろう、僕が食べ始めれば邪魔をされたり、何をされてもおかしくない状態だった。
4日間いなかった料理長は片す事にした、店主さんにはこの状態を元に戻す事は出来ないだろう。
先ずは皿からだな、その後にジョッキだな。よくテーブルの上に載っていたな、テーブルはズレているのに。
スキル面倒な酔っ払いの後始末を発動。
誰も起こしてはいけない、酔いがさめていないと面倒だ。
30人位いるけど、どちらさんだろう。知っている人が15人位、後は他の部屋に泊まっている人?。
厨房に食器を持って行く、足元に人がいてこんなに避けて歩くのは初めてだな。
「ユーリ、見付けたわよ。何か面白い事は無いの?」
目がどんよりしているが、いつものレイさんだ。
「静かにして下さい。皆が起きると面白い事が出来ませんよ」
イレさんの顔が嬉しそうだ。
この後、酔っている皆をロープで縛って頭を丸太の上に載せた。
よく全員を縛るだけのロープが有ったと感心した。日頃の努力は大事だ、こんな事の為にロープはある。
準備が出来たので、持ち易い大きさの丸太の棒をレイさんに渡す。
「起こしたい時に丸太を叩くと皆一斉に置きますよ、僕もやりたいですが、レイさんに譲ります」
「いいのね、2度とないチャンスよ」
「なければ作ります、それが悪戯の道です」
「そうね、作ればいいのよ、でもチャンスを逃すのは勿体ないわ。なら私がするわ、面白い事は一番にしたいのよ」
それはそうだが、僕は忙しいのだ。スキル洗い場のおじさんを発動。
「後はよろしく」
「任せなさい」
僕が洗い物を始めるとイレさんがこちらお見た。
「二次会よ~」
上には上がいるよ、ハンクさん。
さあ、どんどん洗おう、この後なのが起きるか分からない。




