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大会

お城はとても暇なのだ、皆にはやる事があるけれど、僕には何もない。


「ここから、街の遠くまで見える、外壁が在るのは分かるけど、凄く遠いいんだな」


お城の塔の一番上まで登って来た。このお城で一番高い所だ。


街の外に魔物が居るから、農作物を作る農家の人以外が街の中で生活している、人口が増えるまでは街の中に畑があった筈だ、こんなに広いんだから。


外壁は見えているけど、そこまでの建物が認識出来ない、北東と南東の隅が広く空いていて地面が見える。


「すいません、あそこの広く空いている所は畑だったんですか?」


暇そうに見張りをしているおじさんに、空いている様に見える場所を聞いてみた。


「ああ、そうだよ。今では2か所になっている、光が当たり辛い所は空き地だよ」


日が当たらない場所。城壁の近くで一番最初に畑として使えないけど、街の中心に畑を残すことは出来ないよな。


「ハァ~、疲れた」


振り返るとお疲れのシーラさんがいた。


「探すのが大変なのに一番疲れる所にいたわね」


「ご苦労様です、僕に何か用ですか?」


「お祭りは何をするつもりなの?」


お祭りは何をするつもり?


お祭りとは楽しむもので、今までは人に頼まれて何かを考えた。それに買い食いも特別面白くない、不参加でもいい、異世界のお祭り。


ロードさん達が商品を売って、仕入れが終われば次の街に移動だ。


「ごろ寝、ゴロゴロ、人出が多いなら宿でゴロゴロしています。疲れたらごろ寝」


「何もしないつもりなの、ユーリ、何か面白い事をしないとダメよ。お祭りなんだから」


「白い雲の機械と販売機はどうしたんですか、あれをお祭りに使えばいいのに」


シーラさんの視線が遠くを見ている。


「あれはそう、お祭りにはいいわね、でももう無いのよ。ある所に置いて来たのよ」


ある所か、白い雲はお菓子の機械で、販売機は販売するのに使う。


「それは何処ですか?」


「まあそのローランドで白い雲を販売しているのかな、販売機はパリパリかな、ほらお金は使えば無くなるでしょ、無くなれば稼がないと次の魔道具が買えないでしょう、それの繰り返しなのよ」


「沢山買いすぎたんですね、それでお金を回収しているんですね」


「そうなのよ、お兄様の様に使うだけだといけないでしょう。だから無駄遣いをしたくないのよ」


シーラさんは大口のお得意様で、母さんも喜んでいるだろう。お金を稼ぐのは大変だからな、それも大金だ。


「大変ですね、白い雲とパリパリが沢山売れるといいですね」


「そうなのよ、沢山売れてくれないと困るのよね」


パリパリも売れているんだな、リカちゃんのお店のお得意様だ。


雑談が終わって階段を二人で下りていると『お祭りに何かしてね、お願いよ』と頼まれた。


既にアイデアを出し切ったつもりなので何も思い付かない、何をしてもいいと言われてもやっぱり思い付かない。


お祭りの前にコロシアムの大会だ。





「説明は以上です、選手の方は控室にいて下さい。呼びに行きますので」


コロシアムの会場では開催式が行われて、説明がされた。


見た事のある装備を着た、お姉さんが説明していた。


装備は、ローランドの学園の武術大会で使った装備だ。攻撃を受けすぎると光る事で死亡した事になる、あとスタミナ切れも死亡と判定される。


こんな大会に合っている装備だ、シーラさんが買って来たのかな、無駄遣いのような違うような事をシーラさんはしている。自分の為ではないようなのでガーベラの為なんだろう。


ルールは相手の装備が光るまで戦う、シンプルだ。


「控室に行かないと、呼ばれるまで部屋に居ないといけないのが・・・・暇だ」






「この様に装備して攻撃を受けても身体的ダメージは受けません」


「それだと最後まで動き続ける事が出来るんだな」


みんなの前で防具に攻撃を受けて説明している。


「そうです、少し変ですが、光るまで全力で戦える様になっているので本当の戦闘の様に相手の動きが遅くなる事はありません、だから一撃必殺が反対に要らないんです、一撃必殺で死亡判定が出ないと隙が出来ると思います。以上を踏まえて戦って下さい」


「なるほど、大会にはいいが実戦向きの戦いではないんだ。難しいな」


難しいと言っている人は、戦い慣れているんだろう。


『ユーリ、学園に居たから分かるでしょう、盛り上げるには選手がどれだけ理解しているかなのよ、ユーリの試合は最後にしてあるから、それまで説明を頑張ってね』


シーラさんはわざわざ控室ま出来て、説明役をお願いして戻って行った。働きましょう、暇だから。


控室に約10人位の選手がいる。部屋が何部屋合ったのか数えてないが、10部屋以上説明をした筈だ。


ロードさん達には簡単な説明の手紙を書いた。




《王都の危機。コロシアムの大会に出るので、大会が終わるまでお城に潜伏、秘密を探る》




完璧な手紙を出すことが出来た。


王都の危機、国王様のお小遣いが大会で決まる。やっぱり、コインの裏表の勝負を見たかった。


潜伏、秘密を探る事は上手くいっていない。奴らはペラペラと話すので秘密がない。


ドラゴンさんの事を聞いたら『知っていたが忘れた』『資料を作れば良かったわね』『どうなの、会えて嬉しいものなの』とあの兄弟はドラゴンさんに興味がない。ニーナさんは従兄弟でお城の近くの屋敷で滞在中、温泉でとろけてる日々を送っているそうだ。お祭りまでそんな生活を続けると言っていたとシーラさんに教えて貰った。


ニーナさんが魔物に襲われた時に僕が居た事は聞いていた。


後、書庫とか本はありませんかと国王様に聞いたら『ユーデットが持って行った。俺よりも本好きが持っている方がいい』と言っていた。この時にガーベラの次の国王様を直ぐに決めた方がいいと思った。


最後の控室で説明をしていると、チャンピオンが居た。


「俺の事を覚えているか、今度こそ負けないぞ」


「僕に攻撃が、当たるといいですね」


「必ず、お前と戦うまで負けない」


「期待しています、勝ち進むのを」


ここで争ってはいけないので、自分の控室に戻る・・・・・ここだが。





「ユーリ~」


控室から会場に出るとコロシアムのお客の数が凄いのに驚く、開会式にはこれほどのお客は居なかった。


僕に声援を掛けてくれるのはミアちゃんだった。


会場の広場から近い場所に座っているミアちゃん達の方に向かおう。


「ミアちゃん、来てくれたんだね」


「うん、暇だからね」


そうだろう、遊び相手がここにいれば暇だ。


「ありがとう、3日後には帰るから夜はハンバーグでいいかな?」


「うん、楽しみ」


「ユーリ、頑張れよ。そして勝ってくれ。少しだが賭けている」


珍しく僕を皆が応援してくれているな、手も振ってくれている。


「分かりました、勝ちます。ベルンさん達もこの機会をお見逃しないように」


「そうか、そうだよな」


「いいのか、八百長とかわらないぞ」


「仕方ありませんよ、賭け事なんだから」


みんな楽しそうだ、アメリアさんも来ている。


何とアルさん達がいる、とろけに向かってそのまま滞在していたのか。




「ウイントンさん、僕が出場するのが分かって嬉しいんですね。まだ泣かなくてもいいのに、勝ってから泣きましょうよ」


泣いているウイントンさん、大勝だな。


「ユーリ、ウイントンは今の試合で破産したわよ、負け続けたの」


「そうです、私が勿体ないから少しにしたらと助言しましたのに」


「まあ、その、リーダーとして止めようとはしたんだが、次こそはと言うので止められなかった」


一点賭けをしなくても負ければ同じか。


「僕は、優勝するつもりなので、みんな応援よろしくお願いしますね」


「「「「「「おお~、遂に来た~」」」」」


1人だけ、沈んだ人がそのままだな。


「すいません、そろそろ試合を始めたいのですが」


「ごめんなさい、知り合いが居たもので」


試合開始の合図をしてくれる、お姉さんに呼ばれた。


中央に向かうと観覧席があった。コロシアムの中間?に国王様達専用の観覧席がある、ニーナさんも居るようだ。


みんなが手を振ってくれるのでバク転を見せる。


「ふ、異世界初のバク転は顔から落ちるのか」


バク転は元の世界で出来たが異世界で初めてするので・・・1回転半回ってしまった。


剣がなかったら2回転が出来たのかも、会場から笑いの声が聞こえる。


「冒険者アーロン対雑用ユーリ・・・・・始め」


ふざけた登録だな、懲らしめてやる。


片手剣の連続斬り。


アーロンさんの防具が光った。


「雑用ユーリの勝ち」


すいません、早くて。


あまりにも早く終わって会場が静かになった。


今日はこれで終わりなので、お客が席を立って出て行くのが見える。






一日目、開会式の後に説明をした、その後は暇、最終試合まで待って一瞬で勝利した。朝から夕方まで・・・・・暇な時間がどれだけ有ったのか。


夕方、大厨房で王族の皆さんからのお願いで食事を作る事になった。


「何を使ってもいいですか?」


「どうぞ」


この国の頂点かもしれない料理長から許可を貰ったので、定番のビーフシチューに。


ワインを沢山使えば大人の味だ。


エビが有ったのでエビフライにして宿に届けて貰った、王家からの差し入れだ。


冷えるんですがあるので色々な食材がある、父さんなら喜んで新しい料理を考えるだろう。


芋が有ったので、ボテトフライトとジャガイモのサラダ・・・・イモサラダ。


スープは野菜スープだ、野菜を多く入れて僕が食べる。


貴族の皆さんのスープはモコロダシだ。


手の込んだ料理がないので直ぐにビーフシチューを煮るだけになったが、良い感じにお肉が柔らかく出来て完成した。


「すいません、料理が出来たので運んで下さい」


「はい、お出しすれば食べ方は皆様は、分かりますか?」


特別な食べ物がないので大丈夫だ。


「はい、シーラさんが全て食べた事があるので大丈夫です」


出来た料理が料理を運ぶ台に載せられて、食堂に運ばれて行く。


「ご一緒にお食べにならなくていいのですか?」


「はい、僕の方が偉いので大丈夫です、聞かれたら、それなら料理長を解任して下さいと言っていたと伝えて下さい」


「分かりました、今後の食事も宜しくお願いします」


大厨房で1人で食べるのもいいな、王族のみんなと食べていると疲れる。一番は国王様が居る事だ。


監禁ではないのだから、ここにいる必要はないような気がするぞ。試合に出る気になったのにお城に泊まっていても面白くない。

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