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勝負は

「この餃子は美味しいな、ビールにも合う」


ロードさん達が帰って来たので、僕も含めて夕飯を食べている。


宿の亭主は2回に分けて食べると言っていたので、一緒に作った。夕方の残りはレンさん達に食べて貰った。時間が立ちすぎると美味しくないので。


「しかし、どうしてこんなに色々と見た事のない料理が作れるんだ」


ヒューラさんは質問してきた。


「それは秘密です、それにそんなに難しくないですよ。一つの料理を違う味にしたり、もうひと手間かけて違う形にしたりすれば違う美味しさになります」


離れたテーブルでは、まだビールを飲んでいるそよ風の皆。口がひりひりすると言っていた。


「酢豚もビールに合いますよ」


「餃子が何個でも食べれるな、飽きない味だ。」


「心配していたが、材料代も安いのが嬉しいな。ユーリがどの位使うか分からないから心配だった」


餃子を気に入ったのだろう、食べるのが早い。


山盛りだった餃子がだいぶ減った。100個は焼いたな。


アメリアさんとミアちゃん以外の皆は、タレ無しで食べる餃子をタレに付けて食べた。


「ロードさん、ユーリはいつも肉は自分で獲っていますよ、それが買う事になってもそんなに高価な肉を買うはずがありません」


「そうですよ、儲かる事が合っても損をする様な事をした事が無いじゃありませんか」


「そうだった、済まないユーリ」


「別にいいですよ、商人は損する事もありますが、儲ける事を考える仕事です。僕は冒険者を目指しています、基本は魔物を倒して食べるがしたいですが、たまには買うのもいいかなと思います」


「そうだな、初めの頃からオーク肉を食べる事を考えていたもんな」


そうだな、アルさん達があまりにも魔物を倒しても解体しないから心配になったな、オーク肉が無駄になると。


「それで、商品の売れ具合はどうなんですか?」


「そうだな、やはり売れ行きは悪いなが、時間を掛ければ何とかなりそうな気がするよ」


「王都は人が多いので、大丈夫だと俺も思いました」


そうか、時間が掛るのか、明日は東の大森林に魔物の討伐でも行って来るかな。


「餃子のお代わりは無いの?」


「向こうのテーブルの人が沢山食べたのでありません。この酢豚で我慢して下さい」


「みんなが手を出さないので食べづらかったんだ」


「俺もだ」


「どうぞ、食べて下さい」


餃子を勧めすぎた様だ。酢豚とシューマイがテーブルの隅に置いてあったのも悪かった。


「美味しい」





ガーベラの道を歩いてギルドに向かっていると、街全体が騒がしい様な気がした。


騒がしいは適切ではない、忙しそうにきびきびと動いている、のんびりしている人がいない様な感じだ。


もしや大森林で何かあったのか、ギルドに行く予定で向かっているので、急いで行こう。






慌てて入ったギルド内は、いつも通りだった。


数名の冒険者がテーブルで会話していて、掲示板の前には誰も無い。


「勘違いだったのか」


入って来た時に『何事だ』と言って入って来なくて良かった。ギルマス風の演技をしてみたかった。そうか、何もない時にしないといけない、冗談なんだから。攻め込むぞもそうだな。


そうだ、街の人が忙しいだけだ、魔物から守られている街の人が外の事を気にするはずがない。


掲示板の依頼に大森林の討伐依頼があった。


「報酬が1体で大銅貨1枚・・・何体でもいいのか、安いけど仕方ない」


安くて当たりまえか、大森林は街から近い。僕が全力で走れば3分位だ。


「すいません、大森林の討伐クエを受けます。処理をお願いします」


「は~い、あらユーリじゃない、久しぶりね。ドラゴンさんには会えたの?」


思い出した、ドラゴンさんの事を教えてくれた・・・・・・・ターナさんだ。


「はい、会えました。農家の人で良い人でした」


「そう、良かったわね。カードを出してもらえる」


そうか、カードね。


「凄い事になったのね、大森林の魔物討伐に参加したからなのかしら」


ぶつぶつと呟きながらクエの処理をしてくれる。


シーラさんが独断でした事だと思うけど、まあランクが高い方が待遇もいいはずだ。今のところ何もないけど。


「はい、カード。気をつけるのよ・・・・・Sランクだから大丈夫か」


「何、Sランクだと」


「Sランク、Sランク早くなりたいなSランク。何か特典があるSランク」


「何だ、Aランクの歌の替え歌か」


テーブルで話していたおじさんは、雑談に戻った。


「ごめんね、気をつけるね」


「そのうち誰でも知っている様になると思うのでいいです」


「そうね、そのうち知られちゃうわよね」


「それじゃ、行ってきます」


「いってらしゃ~い」





東門が見えてきた・・・・・お昼の干し肉・・・・・


「そんな~、干し肉を食べてない。旅に出てから1度も食べてない」


思い出せ、最後に食べたのは、ミアちゃんと山頂で食べた、リーレンさんも食べた。あの時を最後に食べてない。


レイさん達の遊びに付き合って忙しくて、忘れていた。


「カルテアで干し肉を買っていないから・・・・馬車にも積んでない」


旅には干し肉が必要なのに市場に買いに行こう。






「何処にも売っていない。広くて面倒だから他の地域に行きたくない、ここまで運ばれて来る事はないのかも知れない、作ろう、明日には完成していないけど食べれる」


調味料屋さんに大樽を貰い、井戸でタレを作った。


馬車から背負子を出して背負うとミアちゃんが歩いて来た。


「ユーリと遊んできていいと、お母さんが言いました」


遊んできていいと言いました。どうすればいいのだ、ロードさんにお願いして見てもらう・・・ミアちゃんがそれで喜ぶとは思えない。


「ミアちゃん、ちょっと考えるから待ってね」


「はい」


ある知恵とない知恵を振り絞って考える。


予定通り東の森に行く事にした。






「ガラガラ、ガラガラ、ガラガラ」


荷車を借りた、荷台には大樽が6個載っている。


引いている僕の横にはサラちゃんに載ったミアちゃんが付いて来る。


「ユーリ、街の外に出ても大丈夫?」


「街の外は危ないから出たらいけない、でも今日は特別なんだよ」


「特別?」


「特別に外で遊ぶ日、街の中で出来ない事を今日はします。一日遊びましょう」


「遊びましょう」


ミアちゃんは嬉しそうだ。アメリアさんが一緒に遊べないから暇なのだ。





「姫、ドラを鳴らして下さい」


「はい、鳴らします」


大森林の入口で荷車を置いて、ユーリの籠屋をしている。


「カン、カン、カン」


本日の遊びは、大森林の魔物と鬼ごっこだ。ルールは簡単だ、姫の鳴らすドラに気が付いて追いかけて来る魔物から逃げる、追いつかれたら負けなのだ。安全の為に伝説の弓を使う事が許されている。


「カン、カン、カン」


先ずは、全速力で街道を走る。


魔物は両サイドから現れるようで、街道に居る魔物は少ない。


前から出てきた時とミアちゃんが危ない時だけ攻撃するる事にした。


「ユーリ、魔物が追いつけないよ」


振り返ると襲うつもりの魔物達は怒っているのか顔が怖い。その魔物がもうお疲れのようだ。


「このまま走ります、ミアちゃんは疲れたら休憩をして下さい」


「はい」


大森林の入口に近い所を重点的に走り回っていた、お昼頃になりお疲れの魔物を置いてお昼を食べに酒場に戻る。





酒場に戻るとレイさん達がお昼を食べていた。


「ユーリここよ」


いつも二日酔いの皆は、シチューとパンがお昼のようだ。


通りかかった店主さんにお昼の注文をしよう。


「野菜スープの大盛り2つにパンをお願いします」


「ユーリ、ハンバーグは」


「食べますか?」


「はい」


嬉しそうだ、なら、持ち込んだハンバーグを焼こう。


そよ風の皆は元気そうだ。


「レイさん達もハンバーグを食べますか?」


「そうね、何の勝負をすればいいのかしら」


面倒なのであれをして貰おう。


「腕相撲で負けた人の奢りにして下さい」


「分かった、全力で戦うわ」


ミアちゃんをレフリーに勝負が始まるようだ。


皆も分も焼いてこよう。




ハンバーグを食べるミアちゃんの代わりに野菜スープの大盛りを食べる。


「大盛り2杯は辛いな、スープが口から出そうだ」


「ユーリ、私は負けた、無敗の私が遂に負けた」


「レイ、よく負けているわよ」


まあ、一番力がないのがレイさんだから結果は分かっていたのだ。


「レイさん、今の負けは無効です、レイさんが負けるはずがありません。それにお昼は賭けの対象外だったのを忘れていました」


「何だと、ビールはどうなるんだ」


「そうだ、負けは負けだ夜に奢れ」


「仕方ないわね、次の勝負で負けた人が夜を奢るのよ」


レイさんは流石だ、人の話を聞いていない。


「レイさんが可愛そうなので、昨日皆さんが喜んで食べた餃子を今夜も出しましょう、夜の餃子は昨日と違います。冷えたビールととても合います、次の勝負に負けた人が奢る事にしましょう」


「俺は騙されないぞ、腕相撲で勝ったのは俺だ」


「仕方ありませんね、更に美味しいビールが飲みたくないんですね、ボードンさんとじいさんは。ワンダーさんはどうしますか?」


「その更に美味しいビールが飲みたい、次の勝負で勝てばいいのよ。私、頑張るわ」


「さっきの勝負は無効、無敗のままね。次のお題は何かしら」


「俺も更に美味しいビールを飲む、さっきの勝負は無効だ」


「俺も大人気がなかったようだな、次の勝負だ」


静になるのが早いな、スープでも飲んで・・・もう飲めん、野菜だけは全部だ食べる。


「そこの子供、お題を」「野菜なら、いつでも食べれるでしょう」「更に美味しいビールが飲みたい」「連勝はまだ続くのね」


「東の大森林にお疲れの魔物が集団で居るので、討伐がお題です。誰が一番倒したのかを競います。負けた人も更に美味しいビールが飲めるので頑張って下さい」


「「「「は~い」」」」


素直な返事をすると2階に上がって行った。武器を取りに行ったんだろう。


「ユーリが倒さなくていいの?」


「いいんだよ、誰が倒しても大森林の魔物が減れば」


「そうだね」


ミアちゃんがいたので魔物を大量に倒すのは控えたかったので丁度いい。矢も20本しかないし、回収しながら倒すのは面倒だ。


もうすぐ春だ、魔物が何故か増える時期が来る。大森林を通れる道に保ちたい。騎士団だって忙しい。

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