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温泉の後の食事

大森林の西側に着いたのは東側から6日間掛った。


去年の討伐で沢山の魔物を倒す事が出来た。しかし、大森林を通って来て魔物との戦闘は毎日2.3回はあった。多い時は6回も戦闘があった。


「ユーリ、何で便利丸をあんまり使わなかったんだ?」


東の門から入る為に並んでいて、ベルンさんに質問された。


「僕達の戦力なら余裕があるので、倒しながら行けば魔物の数が減らせると思ったからです。実は大森林に到着した3日前に魔物に襲われていた馬車に出会ったんです。それで、僕達の様に戦力があれば倒していかないと他の人が危険な目に合うと思って便利丸は寝る時だけにしたんです」


「へ~、ユーリも大人の冒険者の様な事を考える様になったんだ」


大人の様にか、僕は誰よりも他の人の事を考えている。この世界の常識と情報は僕にはよく分からない。しかし、元の世界の情報量と役に立つか分からない小説は僕にこの世界で安全の為に頑張らないといけない事を教えてくれている。出し惜しみや油断はしている余裕はない、学園の様な所なら皆に合わせて生活したり、皆の成長を助けたり出来たけど、街の外は危険で出来る事はした方が自分も周りの皆にも危険が及ぶ可能性を下げる事が出来る。今更だけど、ニーナさん達と一緒にガーベラに向かえばよかったと思った。大森林で広範囲に居る魔物を討伐して進んで来たのは、護衛が少ない人達が魔物に遭遇する機会を減らす為だ。春が近いので尚更だ。


「レイさん達がいるので、余裕があっただけですよ」


実際、何もしてない。オーク肉を解体してシチューを沢山作った位だろう。今回の行商の旅の雑用は無いけど料理長は任されている。


「ユーリ、あそこに何て書てあるの?」


ミアちゃんに看板の説明を読む様に言われた。勉強しているから興味が湧いて来たんだな。


「≪コロシアム・・・・開催期間とルールの変更のお知らせ。開催期間4日間、トーナメント方式により優勝者を決める。優勝賞金金貨5枚・・優勝賞品なし。自分に賭ける事を許す・・・八百長・奴隷落ち・危険な場所で木こり≫て書いてあるよ」


「ふう~ん」


ミアちゃんには興味のない事だろうな。


腕試しなのかな、優勝してもいい事なさそうだ。自分に賭ける人がいるのか、絶対に勝てる人ならいいけど試合に出て全財産を無くす人。まさか、あの人の顔を思い浮かべてしまった。自分に賭けてどうするんだ、あの人は賭け事は好きかもしれないけど、まさか・・・・。


「温泉に行きましょうね、ミア」


「はい、とろけに行きます」


僕が皆の前でとろけると言っているので、ミアちゃんも覚えてしまったんだな。


ガーベラに入れた僕達は宿に向かった。





「誰が温泉の中に長く入っていられるか、負けた人が奢るのよ」


「じい、ボードンがずるしないか、ちゃんと見てるのよ」


「勿論だ、俺は冷えたビールを飲む」


「何で俺なんだ、レイを見張っていろ、一番ずるをするのはレイだぞ」


久しぶりに来た温泉は、僕が作った柵よりも立派になっていた。


柵に厚みを持たせて、倒れない様にしたのか、それに、柵が豪華に見える様に綺麗なカーブを描いていた。


一般客用の奥には、国王様用だろう、石造りの建物が建っている。僕達一般用は大桐貨1枚で入れる、大人だけの料金なので、子供が大勢いる。


一番の子供が、ビールと食事を賭けて騒いでいる。


「では、皆入って下さい」


女性用にはアメリアさんとミアちゃんも入っている。男性用には勿論ロードさん達もいる。


「あのおじさん、頭まで入ってるよ」


「その隣の人も入っているぞ」


「まあ、あの女性沈んでないかしら」


「その隣の人も沈んでいるわよ」


何か違う競技になっているけど、まあいいいか。


見ているのも飽きたので、宿に帰ることにした。ロードさん達もとろけた様で顔がふにゃとしている。


着替えて外に出るとアメリアさん達も出てきた。


「アメリア、体の調子はどうだい?」


「大丈夫みたいよ、ユーリが長く入らないで何回も入る方が良いと教えてくれたから」


「父さんもとろけた?」


「とろけたよ、明日もとろけような」


「うん、明日もとろける」






ロードさん達は、広場で商品の販売をしている。急いでも仕方ないと諦めているので、気分が楽になったと言って出て行った。


泊まっている宿の厨房をお借りして、焼き餃子を作っている。


「コネコネコネコネコネコネコネコネコネコネ」


「タンタンタンタンタンタンタンタンタンタン」


ミアちゃんは小麦粉を捏ねて、餃子の皮作り。


僕は野菜のみじん切りで具の準備をしている。


野菜とお肉は市場の露店で買って来た。


『何だ、普通のイノシシ肉か。高価な肉かと心配になっていた』


ロードさんは心配だったようだ。


今までにイノシシを街の外で見たことが無いので、オーク肉より珍しいと思っているのは僕だけだろうか。


イノシシを適当な厚さに切り、短冊切りの様にした後にみじん切りにする。


「タンタンタンタンタンタンタンタンタンタン」


家から近い商店街に餃子専門店があった。窓1枚分のお店だ、焼いて販売するだけなので、開けた窓から餃子と代金の受け渡しがされる。


鉄パン越しに渡されるその餃子は、野菜が多くて肉が少なめなので何個でも食べれた。


ご飯が無くても食べれる餃子だ、味はシンプルなのでおやつに食べた記憶がある。


野菜の多い餃子か、肉の多い餃子か、味がよく付いている餃子か、薄い味の餃子か・・・・迷う。


ここでアンケートを取ろう。


「ミアちゃん、お肉と野菜どちらが多い方がいい?」


「お肉が多い方」


「味が良く付いてそのまま食べるのと、薄味で美味しいタレに付けて食べるのだと、どちらがいいかな?」


「分かんない」


「分かったよ。お肉が多くて、味の違う両方を食べよう」


「うん、それがいい」


アンケートが終わったので、その結果通りに作ろう。


「それは、美味しいのかい?」


宿の亭主はコネコネを見て不安になっている様だ、ロードさんの知り合いなので、ご馳走する事になった。賄い飯として提供予定だ。


「僕は美味しいと思いますけど、おじさんの口の合うかは食べてからでいいでしょう。ただ、僕とミアちゃんペアの作り出す料理は絶ピンです」


「そうか、楽しみだな、他の料理はどんなのだい?」


考えていなかった、頭の中では美味しく焼けた餃子が回転していて思考が停止していた。


ご飯がないと嫌だけど、酢豚にシューマイも作ろ。簡単な料理ばかりで申し訳ないが、もう思いつかない。餃子以外は要らないと思ってしまう。


「おじさんは良い人そうなので、他にも用意しますが秘密です。説明が面倒なので」


「なるほど、手の込んだ料理何だね、楽しみだ~」


おじさんは何処かに行った。


「ミアちゃん、イノシシのお肉のコネコネお願いします」


「はい、次はお肉をコネコネします」


「コネコネコネコネコネコネコネコネコネコネ」


シューマイ用の肉もみじん切りにしよう、一番面倒なのはみじん切りだな。


具のコネコネはミアちゃんに任せて、皮を作る。もう直ぐだ、餃子。





「いいでか」


「いいです」


レイさんに説明を遮られた。


「では、始めて下さい」


「説明をお願いします」


自由すぎる、最強だな。


「邪魔をしたレイさんの負けになりました。面白い事を自分から台無しにしてしまいした」


「レイさんのチョップで説明する事になりました」


痛いのだ、面白い事が無くなる辛さは痛いのだ。


「ここにある料理を食べて貰います、誰が食べるのが遅いか、遅い人が今日の料理の材料代を出します。一番に勝った人には特別な料理を用意してあります。分かりましたか」


「「「「は~い」」」」


「私の勝ちね、こう見えても早く食べるのは得意なのよ」


「俺はダメだ、イケメンらしく上品に食べないといけない」


「俺もダメだ、ビールが飲みたいので料理は後回しになる」


「私は味わって食べたい。でも負けると材料代を払わなければいけないのなら負けないわよ」


皆の前には餃子が5個置いてある、焼くのに時間が掛るので、5個で勝負して貰う。


「このタレに付けて食べて下さい、では、始め」


一斉に餃子をタレに付けて口の中に入れる皆、ほぼ同時だ。


「「「「「辛~い」」」」


「辛くて美味しいよ」


ミアちゃんは既に食べ始めている、少しだけ辛いタレを付けて。


テーブルの上には餃子、酢豚、シューマイが置いてある。


皆のタレは辛くしてある、レイさんなら勝負が長い方が喜ぶだろう。


「ユーリ、この酢豚は面白い味ですね。甘酸っぱい味がします、このヌルヌルが美味しいですね。お肉も美味しいですが、野菜も凄く美味しくなりますね」


アメリアさんの感想を聞いて視線をミヤちゃんに向けると、ミアちゃんは酢豚のタレをパンに付けて食べている。天才か、僕でもした事が無いのに。


辛くて5個の餃子を食べるのに時間が掛りそうだ。僕はまだお腹が空いていなので、レイさん達の為に餃子を焼きに行く。


何個でも食べれるのだ。それにレイさん達は冷えたビールを飲む、よく見かける餃子にビール・・・好きなだけ食べさせてあげよう、準備は出来ている。


「辛い~、まだ2個目よ」


「俺は1個目だ」



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