ラトシス村
この森に来てから二日が過ぎた、チームは南東に進み遭遇したら魔物を倒す。
コボルト3体を倒したけど、他の魔物には遭遇してない。
僕が剣で魔物を引き付けていると、四人が魔法で魔物に攻撃をする。
このチームの攻撃スタイルはこれ以外出来ない。
ポール子息も剣術は出来るけど、魔物を任せる事が出来ないので前衛1後衛4になっている。
歩きながら食べれそうな実は拾うが、このままだと食べ物が足りない。
大森林が本当に広いので、他のチームが近くにいないようだ。
「ユーリ敵が来ましたよ」
アンバー嬢が前方を指さし敵がいるのを報告してくれた。
前方の敵はジャンボベアで、既に皆は攻撃魔法を撃っている。
皆の攻撃が効いているけど、倒れないで皆の方にジャンボベアが向かってくるので間に入って突進を止める、僕に当たらないように魔法が飛んで来てジャンボベアに当たる。
「ファイヤーボール」「サンダー」「ウインドカッター」「アイスボール」
それぞれ呪文を詠唱しているので、四人も魔法使いがいると聞き取るのが面倒だ。
僕が攻撃するまでもなくジャンボベアは誰かの魔法で倒された。
「まあ、私の魔法が敵を倒したようですね」
エミリー嬢が私の攻撃で敵が倒れたのよと言っている。
「そうでわね、エミリー様の攻撃がジャンボベアを倒した様です」
スカーレット嬢が肯定する、誰が倒したのかわかるのか。
「ユーリ、ジャンボベアは食べると美味しいのですか?」
「僕は、食べた事ありませんよ。他の皆さんはどうなんですか?」
「僕は食べた事があります。硬くて臭いです」
ポール子息は食べた事があるとそれでまずいらしい。
「どうされます、ポール様の話だと私は食べたいとは思いません」
アンバー嬢は食べたくない。
「私も遠慮したいです」
スカーレット嬢も食べたくないと。
判断の早いエミリー嬢がジャンボベアを魔法で焼却した。
「皆様、さあ行きましょう」
エミリー嬢の号令ので先に進む。
大森林のどこにいるのかわからなくなっていたら、声が聞こえてきた。
「キャー、誰か」
声の聞こえた方に皆で向かう、森の奥の方の空に黒煙が見える。
先頭を僕が走り後からポール子息、それに続いて令嬢の皆さんが、森を抜けて街道にでると、村があった。
街道を走り村の入口に着くと、数人の死体があった。
僕は走りながら村の中の魔物を倒して行く、こちらに気が付く前に次々と、皆も発見した魔物を攻撃魔法で攻撃する。
「皆さん、障害物を利用して魔法で攻撃して下さい」
僕は簡単な戦闘法を指示して声の聞こえた家の前に着く、ゴブリン数体が入口を壊そうとしているので攻撃する。全ての魔物を倒し終わるまで家から出ない様に告げる。
「外の魔物は僕が倒します、村の中の魔物がいなくなるまで外に出ないで下さい」
「はい、ありがとうございます」
戦闘してる村人を助けて、更に家や小屋を壊してるゴブリンも倒し終わって村の中央に戻ると、ポール子息とアンバー嬢が負傷していた。
「ポール子息、アンバー嬢、大丈夫ですか?」
「僕達は大丈夫です」
「かすり傷です。エミリー様達を助けて下さい」
僕は周りを見回したけど、この近くには、二人の姿を見つける事が出来ない。
「二人はどちらにいらっしゃるんですか?]
「あちらの黒煙が見える方に向かいました」
「分かりました、直ぐに戻ります」
急いで言われた黒煙に向かって走る。
倒れているエミリー嬢を見つけ駆け付ける。
「大丈夫ですか、僕が分かりますか?」
負傷してない様だが返事がないので、手を口に当てて呼吸しているのが分かると、近くにいるはずのアンバー嬢を探す。
「ドン」「ドスン」
物音が聞こえる家の前にゴブリン3体がいる。
ゴブリン3体がドアや壁を叩いていた、後ろから急いで忍び寄ると先ずは1体を倒す。僕に気が付いて振り向いた残りのゴブリンを直ぐに突きで倒す。家の中に誰かいる様だな。
「アンバー嬢、いらっしゃいますか?」
「ユーリ、ゴブリンはまだいますか?」
扉の向こうからアンバー嬢の声が、良かった無事だ。
「倒しました、この近くには魔物がいません」
扉が開きアンバー嬢が出て来た、怪我はないようだ。
「エミリー嬢の所に、付いて来て下さい」
「エミリー様は?」
「気絶してるようです」
急ぎ、エミリー嬢の倒れていた場所に戻ると気が付いたエミリー嬢が立ち上がっていたが、よろめいたので支える。
「まあ、ユーリありがとう」
まだふらつく様なのでおんぶする事を提案する。
「ご無礼かもしれませんが、僕の、背中に乗って下さい。ふらつくようですし、ポール子息とスカーレット嬢が負傷したので急ぎたいです」
「お願いします、ユーリ」
僕達が駆け付けた事で村に襲ってきたゴブリンを倒すことが出来た。
村の見張りの3人が亡くなった。
負傷した村人は12人で重傷者はいない。
ゴブリンの死骸は37体あった。
ポール子息とスカーレット嬢は負傷したが、かすり傷で今は帰りの用意をしている。
エミリー嬢は、アンバー嬢が囮になり家の中に隠れると、僕を探しに行こうとして転んだ時に頭を打って、そして気絶したようだ。
僕達は大森林を迂回してカルテドに戻る事にした。
合宿の7日間より短いが森の中に戻り集合場所に戻るより、ラトシス村がゴブリンに襲われた事の報告と、僕達皆が疲れていて森の中を進むのが危険だと判断した。
カルテドの衛兵の詰め所に着くとラトシス村がゴブリンに襲われた事、それを村人と僕達で倒す事が出来たが、死者が3名に負傷者が12名いる事を報告した。
僕達が学園の生徒で合宿中だと。それと、僕以外を家に送り届けて欲しいとお願いした。
「分かった、君は大丈夫なんだな」
僕が報告した事で皆を介抱し様と詰め所から何人も出て来た。その中には、ある者は、寄合場所の方に走り、街の中に急いで向う者。
「はい、大丈夫です、宜しくおねがいします」
「ああ、大森林に向かうなら、気を付ける様に」
「はい、ありがとうございます」
大森林に急いで戻ろう。
僕は大森林に走る。今日は最終日で、走れば集合時間に間に合う。
集合場所に着いて、先生に僕のチームの皆の事を話して、クラスの皆が帰って来るのを待った。
「僕のチームの皆は擦り傷と疲れのため、先に帰るようにしました、見張りの人が手配してくれることになりました」
「そうか、ご苦労さま、無事で良かったよ」
先生はしみじみと呟いて離れていった。
時間に余裕があるので、予定通り薪を拾い背負子に積む。
帰ってきたクラスメイトにチームの皆の事情を話した。
集合場所に皆がそろうと、クラスごとに街に向かう。
合宿の最後の日に薪を拾って帰る事を決めていたので、南門の所で解散したらリカちゃんの家に向かった。
南門には学生の皆の家の馬車が待っていた。
ラトシス村の討伐の話を後日、冒険ギルドで聞く事が出来た。
騎士団と冒険者パーティによるラトシス村の周辺の魔物討伐が行われた。
大森林の近くにラトシス村があったため大森林からゴブリンが現れたと思われたが、ラトシス村の南西にゴブリンが集団で生息していた。
そのゴブリンの集団には68体のゴブリンが確認されて、冒険パーティで包囲して騎士団が生息地に討伐に向かった。
逃げてきたゴブリンを包囲している冒険者達が包囲網から出さない様に仕留めて行った。
最終的には84体のゴブリンを討伐する事が出来た。
「スカーレット様、お体の方は大丈夫ですか?」
「お父様が、大袈裟に数日間、休めとおっしゃたので4日ほど安静にしてましたのよ。かすり傷なので学園に来たかったのですが、そういう訳で今日まで来れませんでした」
「僕も母が数日休みなさいと言われましたが、父が男子たるものその位で休んでどうすると言ってくださったので、次の日から学園に来ることが出来ました」
「エミリー様も頭をお打ちになったので大事を取って一日お休みになったのよ」
「そうですよ、私は大丈夫だからと言ったのですが、お父様が一日様子を見ようと言われました」
「皆さん、大した事が無くてよかったです」
アンバー嬢は自分だけどこも怪我しなかったので恐縮している。
「ユーリは、どうされたのでしょうすか。あれから学園に来てませんが」
僕は今大森林に来ている。
あのラトシス村襲撃事件の際に僕達は、お荷物を大森林の中に置いて村に駆け付けた。
まあ、皆さんが置いて行ったのだが、自分のを含めて全部回収するつもりで来ているのだが、あの時僕達のチームは迷子になっていた。
森の中で色々移動したので、黒煙が見えた辺りはまだ大森林の中だった。
それに皆も走りながら荷物を置いて行ったので、一所にあるわけでもないので、5人分を探すのに苦労した。
それにいい機会なので森を中をくまなく歩き回り、地形を覚えていった。
カルテドから近いのに大森林の地形が分からないのは、冒険者を目指す自分にとって良くない事だと思い歩き回った。
だいたい見て回れたな、皆の荷物も見つかったので家に帰るか。
「カルテドは大きい街で、その近くであんな事が起きるなんて悲しいな、これが異世界の現実か」
背負った背負子に載っている3個の荷物は令嬢のだ、3個も載ってるのに軽い。
ポール子息と自分の荷物を手に持っているが、一番重たいのが僕のだ。
自分の荷物を家に置いてから、学園に向かう。
今頃はお昼の時間で、僕は家で食べてきた。
皆の荷物があるので、自分の荷物はいつも学園に持って行く鞄より小さい。
午前授業が終わっているので静かだ。今はみんなラウンジにいるんだろう。
荷物を自分のクラスに置いて教員室に向かう。
「すいません、皆さんの荷物を探しに大森林に行ってました。それに大森林を歩き回ったので数日かかりました」
僕のクラスの担任のカター先生に学園に来なかった理由を説明した。
「そうか、それなら行く前に言って行くのが良かったんじゃないのか?」
「あれ、そうなりますね。アハハ」
「まあいい、今回の事は君たちがいなければ、もっと大惨事になっていたのだからな。今度からは事前に言ってくれ」
「は~い、では行きます」
面倒だから帰るかな、しかし荷物は俺の机の上、気が付いて持って行く事はないな~。貴族令嬢だし。
「ユーリ、来たのか?」
誰の声か分かりそのまま歩く僕。
「ポール子息、お久しぶりです。怪我の方はもうよろしいのですか?」
「かすり傷だから次の日から来てたぞ。ユーリは何してたんだ学園にも来ないで」
僕の横に並んだポール子息は元気そうだ。
「大森林をくまなく歩いて回り、皆さんの荷物の回収をして来ました」
「そうなのか、荷物ぐらいいいのに」
あの軽減付きが無くなってもいいだと、僕には信じられない事だ。軽減付きはいくらするんだ。
「もし大事な物が有ると困りますし、自分の荷物もありましたから」
教室に付いたので、ポール子息の荷物を渡す。
「ユーリ、ありがとう」
「まあ、ユーリやっと来ましたのね」
僕を発見して嬉しそうなエミリー嬢。
「はい、皆さん、お体は大丈夫でしたか?」
三人が寄ってくる。
「私は一日、様子を見る為に休みました」
「私もお父様が大袈裟で、4日も休みました」
「良かったですね、皆さん大したことが無くて」
みんなの笑顔が見れてほっとする。
「皆さんの荷物お持ちしました」
それぞれに手渡すと。
「まあ、ありがとうユーリ、荷物なら気にしなくてもいいのに」
みんなは同じ事を言った、荷物なら無くなっても仕方ないと。
そんなに安いのか軽減付きは、どこで販売してるんだよ。




