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さあ、作るぞ

旅の間の面白い事を思い出す事は出来なかった。そう、色々あったけど、レイさんが喜びそうな事は何もないような気がする。


僕自体が特別に面白いと思った事がないので何を話せばいいのか分からない。


「秘密です」


「そう、秘密ね。いい言葉よね」


「ユーリ、レイは寂しかったのよ、旅に出て面白い事を沢山しているユーリと一緒に行けなくて、面白い事がないと、ビール飲んで卵を取りに行っているだけだから、そう、暇だったのよレイは」


ワンダーさんの説明を聞かなくても分かるんだけど。


「そうだぞ、レイが暇と言う度にここに来てビールを飲む毎日、嬉しいが」


「そうだ、ユーリが帰って来なければ、ここで毎日ビールを飲めるのに。旅に出てくれユーリ、干し肉をあげるから」


なんかじいさんが酷い事を言っている様だが、干し肉は自分で作れるのだ。


「干し肉を作れる様になったので残念ですか、お受けできません」


何かしたいレイさんとビールが飲めればいいじいさん変な組み合わせだ。


「旅の準備をして出かけましょう、ユーリの通った道に面白い事があるはずよ」


アルさん達と違う面倒な人達だな。


「4人は僕がいない間には、卵を取りに行っているだけだったんですか?」


「「「「そうです」」」」


出会ってから2年が過ぎたけど卵ハンターは2年間、4泊5日のカルテアの北の山の往復をしていただけなのか、長く山にいたのは最初の取れない時だけだと考えると、ほとんどカルテアの街の中に居た事になる。


卵がいつでもあるわけがないので、ほぼ出かけない冒険者だ。


「ユーリは、ドラゴンに会えたと言ってましたよ」


ノーラさんは話が聞こえていたのか、言わなくてもいい事を言ってしまったよ。


「へ~、ドラゴンに会ったんだ」


「そう言えば、卵を取りに行った時、木の上で叫んでいたわね、『会いに行くぞ~』て、あれはドラゴンだったの?」


よく覚えているな、ワンダーさんは記憶が良いのか、僕と反対だ。


「そうです、ドラゴンの事だったんです。何とか会うことが出来たんです」


「それは、ふうちゃんの事かな?」


ふうちゃん、ボーンさんは他の名前でふうちゃんなのかな。


「僕が見たドラゴンはイエローです」


「それだと、ふうっちゃんじゃないな」


「そうだな、ふうちゃんはグリーン色だから別のドラゴンだな」


「そうですね、別のドラゴン・・・・・何処にいるんですか、そのふうちゃんは?」


勝ち誇った顔のレイさんがそこに。


「それは秘密よ、分かるでしょう」


「わかりませんよ、何処なんですか?何でもしますから教えて下さい」


レイさん以外の皆も嬉しそうだ。


「そうね、西の方よ。説明しづらいから一緒に行きましょうね」


「それで何時出発ですか?」


「そうね、卵は冬の後の方が取れるから、60日位後にしましょう」


そんなに待てないよ、する事もないし。


「じいさん、毎日冷えるビールを飲める旅と飲めない旅だと、どちらがいいですか?」


美味しそうに飲んでいたビールをテーブルに置いてじいさんは考えている。


「何だと、毎日飲める旅に行こう、直ぐにだ。飲めない旅には行かないぞ」


「俺も飲める方の旅に行く、ワンダーもだろ」


「そうね、同じ場所に行くなら冷えるているビール付きの旅の方がいいわね」


「そうね、直ぐに準備をした方が良いわ、卵は貯まっていてくれるはずよ」


レイさんも直ぐに行ってくれる気になったみたいだけど、卵は貯まってくれないよ。


4日後には出発する事になった。





ふうちゃんの所に行く事が決また日に見た夢は。


『ユーリ、ラム酒美味しいわよ、大樽だと一杯飲めるわね』


シュラさんがラム酒で酔っていて、ボーンさんがシュラさんの手を取り。


『飲み過ぎだぞ、脈が振れていない。まずいぞ、お酒が足りてない』


『われは湧き水の方が良いのじゃ』


ボーンさんはキョロキョロとお酒を探す、ドラドラさんは水袋を口に加えて、膨らましている。


『皆駄目だよ、ドラゴンソードを持った勇者がここに来るよ』


『ユーリ、皆の問題を解決するのじゃ、次の図面の用意は出来ている。伝説の剣、グルグルだ』


『グルグルと何が回っているんですか、ドラドラさん?』


『グルグル回る刃だ、金曜日の夜によく回ると言われている』


『金曜日ですか、映画で見たような』


『それだ、気を付けろ、問題は山積みだ』


問題は山積みだ。





問題は山積みだった。


ロードさん達は、カルテアで持ち込んだ商品が完売したが、この街に帰って来てからの商品の予約をしていてその商品が多数あるので、馬車に満載して旅に出なければならない。アメリアさんは出産までこのカルテアに居ることを決めていた。


ロードさんの商品の買い付けはガーベラの北西のアルジュ村まで決まっていた。


「私が行かないと信用問題になる、それに途中の街でも買付をしないといけないので、販売もしないと予約した商品が積めないいんだ」


「大変ですね」


それしか言いようがない。衝撃が頭に何もふざけていないのに。


「ユーリ、ロードさんは困っているんだよ、アメリアさんを連れていけない事と、ミアちゃんをどうしたらいいのか、分からなくなっているんだよ」


「はぁ~」


大人らしく人の悩みを聞いてあげたのに叩かれるなんて。


親になった事もなければ、なる予定のない僕に話しても何もしてあげれないよ。


話を聞いた僕は、アメリアさんがかくれんぼに残るのなら、誰か知り合いの人でアメリアさんの相談とか話し相手がいた方がいいと考えて、カーヤさんにお願いした。


カーヤさんは、市場で働いているけど野菜の販売なので夜は少し空いている。近所なので様子を見に来てくれる様に頼んだ。


それぐらいしか思いつかなかった。





「ユーリに、頼まれたんだけど、休みの日には来るようにします」


「ありがとうございます。心強いです」


初顔合わせは上手くいっているようだ、女性同士の話もあるだろうから下の食堂に行く。


「僕は食堂にいきますね、お大事に」


「ユーリ、ありがとう。良い人を紹介してくれて」


「ユーリ、良い人だって」


「良い人ですよ、カーやさんもアメリアさんも」


ミアちゃんは食堂で夜ご飯を食べているのでここには居ない。





食堂は常連さんが来てるらしくて混んでいる。


「ユーリ、ここなら空いているぞ」


階段から降りて来たのが見えたのか、ヒューラさんが声をかけてくれた。


混んでいるので、相席しかないのでヒューラさん達が食事しているテーブルに行く。


「ロードさん、今紹介してきました。休みの日と夜に来てくれるそうです、近所なので何かあればすぐに来てくれます」


「そうか、ありがとう。出産には私達男は役に立たない、それに私は旅に出なければならない」


「僕も旅に出るので、心残りです。帰って来た時に会えるといいのでが」


ロードさんも旅に出る、僕も旅に出る。赤ちゃんとミアちゃん、アメリアさんには会いたいな。ロードさんはおまけ位だな、ベルンさん達はまあどうでもいいか。


「しかし、ドラゴンにまた会えるのか、良いよな」


「そうだよな、空飛べるしな」


ミアちゃんが驚いた表情をして、食べていた食事を止めて僕に視線を向けて来た。


「ユーリは、ドラゴンに会いに行くの?」


「うん、知り合いが何処に居るのか知っている様なんだ、教えてくれないけど」


「また、空を飛べるんだね」


ミアちゃんも骨骨で飛べたのを思い出しているんだろうな。


でも、ふうちゃんが人目に付くと困るから飛べないだろうな。


「どうかな、飛んで貰えると嬉しいけど、人に見られない所でしか乗ることが出来ないんだよ」


「ふう~ん」


先に食事をしていた4人は部屋に戻った。


ノーラさんは話が終わるのを待っていてくれたみたいだ。


「はい、野菜スープの大盛」


「ありがとう」


「大変だよね、みんな一緒がいいのに、予定が無ければここでのんびり出来るのに」


「そうだね、家族は一緒がいいよね。ノーラさん達みたいに」


「ユーリに感謝してる、会えて良かった。食べ終わったら、厨房に出しといてね」


「は~い」


最後のお客は僕だから、忙しいのが終われば片付けるだけだ、ノーラさんは自分の部屋に行った。


旅の準備で忙しくなるな、レイさんの部屋に行って話さないと。





「亀亀、食事だよ。朝から運んで来たよ、少しはお腹の足しになっているかな、大きいから少ないかもしれないけどまた来るよ」


朝起きると直ぐに、荷車を借りて木工工房に行って来た。


親方に今度は何をするんだと聞かれたが、秘密と答えた。


面倒な事を思いついた、揺れない馬車の製作だ。


揺れる馬車の揺れを少なくする、揺れない様にするにはこれしかないと思い出した。


試作品で亀亀の食事を運んでみた、揺れは減ったけど耐久性が今一だった。行きは良かったのだが、帰りに壊れた。


おじいちゃんが作ったゴーカートには揺れない様にする為の板が付いていた。その板の動きが揺れを少なくしていると思い出し荷車で試している。


「難しい、プロのおじいちゃんなら試作品くらいは簡単に出来ただろうな、試作品で手こずる僕では馬車の揺れを無くす為の仕組みが完璧に出来るのに3日位掛かるな」


おじいちゃんの真似をしているだけなので、何回も検証していればいつか出来る。しかし急いでいるので今日から徹夜を覚悟している。


荷車を引いて分かったのが、荷物が重い時の耐久力と吸収力が必要で今の段階だと市場で集めた亀亀の食事がやっと揺れないで運べる位だ。





「親方、もっと耐久力を付けたいのですが何かありませんか?」


親方は作業て手を止めて考えてくれている。


「少し焼きを入れてみたらどうだ、木の中の水分も無くなるから強度が増すはずだ、それに吸収力も多少増えるかもしれない、試してみる価値はあるぞ」


形ばかりにこだわっていたけど、素材による耐久力と吸収力の向上も考えればいいのか、さすがプロだ。


「ありがとう、試してみます」


「焼き入れした後にどうなったか教えてくれ」


「は~い」


材料を持って鍛冶屋工房で焼き入れをさせて貰う為に向かう。


荷台の所々に金具を付ける為に頼んでいた小物を受けとれば他の作り物も作れる様になる。






一日目で揺れを吸収するための仕掛けが出来た、木のスプリングだ。


2個の弓の木の部分を外側にした形だ、目の形に似ている。横ブレをしない様にするのに左右を板で固めた、この時に役に立ったのが樹脂だ。


摩擦を減らすことも出来るし、耐久をあげることも出来た。


ただ、出来た物をそのままつける事が出来ないので、荷台を自作しないと完璧な強度と揺れを抑える事が実現できない。取り敢えず組み立てたら、何処かで壊れてしまう可能性が高い。


木のスプリングを効果的に取り付ける、壊れにくくした荷台は明日作る事にした。


大がかりなので、夜作るにはうるさいからだ。



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