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久しぶりの募集

「亀亀、久しぶりの食事だよ、今日は沢山有るから。よく噛めないかもしれないけど、噛んで食べる様に」


お魚が跳ねている、魔物も跳ねている。


「魔物だよな、怖い顔と手が付いていたから」


海は恐ろしい、遊泳禁止だ。


「ドラゴンさんに会えたよ、ボーンさんだ。他のドラゴンさんはそのうち会える、亀亀はいま何処を泳いでいるのかな、皆に嫌われてないんだから、たまには遊びに来てね。じゃ行くよ」


馬車を引て港に向かう。懐かしい日々だ。


停泊している船に豪華客船シーラ号は無かった。また何処かの街に買い出しか。





僕の背中を遠慮なく叩くレティさん。


ギルドの掲示板を見ていると、後ろから音を立てないで近づいて来て叩いている。


「何ですか?」


「久しぶりね、聞いたわよ、ランクが凄い事になっているんだって」


「出来れば、叩くのをやめて下さい」


「あら、ごめんなさい。冒険ギルドのギルマスは皆知っているわよ。連絡が来たみたいよ」


そんな事をしてどうするんだ。監視されている様で嫌だな。


「何か面白い事はありませんか?」


「そうね、ガーベラの南に温泉が出来た、裸で入るのよ、面白いでしょう」


皆、知っているんだな。


「入ってきました、疲れが取れてとろけるんですよ」


「疲れが取れるのか~、とろけるとはどんな事?」


「入らないと分からないと思います、今度入りに行ってみれば」


「遠くて行けない、仕事もあるし。なにか美味しい物はなかったの、ほらいつもの様に作ってきてよ」


カードを渡された、要件が終わったみたいで、受付に戻って行った。


仕方ない、メンチカツとフリーでも作るか。


掲示板には食事付きの募集が多数あった。その中の依頼にリーレンさんの荷物持ちを見つけた。


内容は前に受けた時と同じで薬の採取に同行する事だ。取れた材料を摘めるのと、リュックを持つ事だ。


久しぶりに募集を受けるかな、お土産も渡したい。


「レティさん、この募集を受けます。お願いします」


「は~い。そうだ、ユーリ目当てで、干し肉付きの募集があったのよ、ユーリが旅だって直ぐだったかな」


「もし見つけたら受けていたな」


「はい、カード。料理を作ってよね」


渡されたカードを見て思う、信用されているんだな。しかし、バッファ肉を使った料理でもいいのだろうかと考えた。


「後で持って来ます、じゃあね」


「よろしく」





市場で材料を買って、かくれんばの厨房でレティさんの料理を作った。


レティさんに料理とカードを届けて、リーレンさんの家に向かった。


「これお土産です」


「ありがとう、綺麗だな」


喜んで貰えた様だ。


「募集は僕が受けました。明日の朝、北門前でいいですか?」


「そうか、ユーリが受けてくれたのか・・・・ユーリも薬師なのにいいのか、荷物持ちで?」


「薬師の資格があるけど、リーレンさん達の様に新しい薬を作ったり、薬を売ったりしてないので気にしないで下さい。のんびりと過ごす事と山に用があるので、リーレンさんと一緒に行こうと思ったんです」


「助かるよ、リュックを余分に持って行くよ、北門前に集合だ」


僕がリュックを2個は持てるのを知っているので余分に持って来るらしい。


「はい、楽しみにしています。さようなら」


「さようなら、よろしく」


お土産も渡した、募集を受けた事を伝えたので家に帰って明日の用意だ。






朝早く起きて食堂で朝食を食べているとアルさん達が来た。


「ユーリ、俺達は今日旅立つ」


「さようなら」


挨拶は簡潔にしないとな。


「色々ありがとう」


「さようなら」


誰かがチョップをするけど、皆だった。順番らしい。


「僕も勉強になりました、食べれない物が食べれる様に大人がなると、それしか楽しみが無くなるんだと検証が出来ました、皆はそこそこできる旅人に・・・・痛いです」


「ユーリの冗談が聞けないのが寂しいな」


「そうだな、色々教えられたよ」


「そうですね、自分では使えない魔法を良く教えてくれました。感謝しています」


「気にしないで下さい、魔法の可能性がよく分かりました」


「ユーリ、お金ありがとう、大事に使うよ。もう泣かないからな、負けても」


気にしていたんだな、泣いた事。思い出したよ、泣いて喜んでいと思ってけど、泣いて悲しんでいたんだな。


「危険な事が多かったが、皆で協力出来て良かったと思っている、魔物との戦い方はユーリから学んだよ」


「最後の授業です、魔物は本能で行動するので、考えれば何とかなります。諦めるのも大事で、諦めないのも大事です。油断さえしなければアルさん達なら魔物に負けません、気を付けて冒険をして下さい」


「生意気だな、ユーリ」


ルーベルさんがニヤリと笑う。


「生意気な子供のままいつか冒険者になりますよ、皆の様に」


「またな、元気で」


「じゃ、行くわ」


「ユーリも気を付けろよ、強くても油断するな」


「そうよ、楽しかったわ」


「そうです、私の弟子なんだから何か大きい事をして下さい」


お別れは終わった。アルさん達はカルテアから温泉に向かった。もう直ぐ冬になるから。






感動の様な別れをした後にロードさんが、話があると言った。


「ユーリ、ミアが一緒に行きたいと言っているんだ、よろしく。アメリアは気分が悪い様なのでのんびりさせたい。危険に気を付けてくれ」


子供には旅をさせろと言いました。


「分かりました、明日帰る予定ですが、一日ずれる可能性があります、ミアちゃんが怪我をしない様に気を付けます」


「悪いな、よろしく頼む」


ミアちゃんはペコリと頭を下げた。


成長している奇跡の少女ミア、旅に出る。






「ユーリ、凄いな。あんな生物がいるなんて、名前は?」


「ウパーのサラちゃんです。ため池に居たそうです」


僕とリーレンさんの前をサラちゃんが歩いている、勿論、ミアちゃんはサラちゃんに乗っている。


「しかし、お願いすると大きくなる生物がいるなんて不思議だ」


僕からしたらこの世界全部が不思議だ。


「公爵様のご子息のユーデット様の本にウパーの事が乗っていたんです。他にも色々と載っていましたけど、居るのかどうか」


「いるんじゃないのかな、情報が不足していても見た事実は否定できない。現にそこに居る」


学者さんだな、先生と呼んだ方がいいのではないか、マリサさんは呼べないけど。


「しかし、凄い人と知り合ったんだな、国王様の妹のアイシャ様。アイシャ・ローランド様か、カーク・シルバー公爵様、シーラ・ローランド様。王家の皆さんか」


あれ~、今ローランドと聞こえた。


「あの、アイシャ・ローランド様とシーラ・ローランド様はローランド王国のローランド家と何か関係があるんですか?」


「ああ、知らない人が多いかも知れないが、ローランド王国の王族の方とガーベラ王国のローランド家は親戚になる筈だよ。どの位前の事なのか知らないけど、ず~と昔にローランドからこの大陸に渡って来たらしいよ、それ以外知らないが」


「ええ~、親戚。同じ血筋、国王様の名前は?」


「知らないのか、アレクシス・ローランド様だ」


最初に国王様の名前ぐらい、誰かに聞けば良かった。


交流が無いのは、親戚で何か合ったからで、カルテアとツナサンドが独自に交流しても、元親戚だから大目にみているのか。


そうすると、ローランドから来た時に技術をあまり持って来れなかったので、生産技術に差がある。


カードの以外の魔道具が無いのは、仕方ない事なんだ。


「ユーリ、何処の山に登るの?」


先頭のミアちゃんから質問された。


「あそこの山だよ、ここから見える一番高い山だよ」


「ふ~ん、あそこなんだ。サラちゃん、走って下さい」


お、走るつもりだな。


「リーレンさん走りますよ、サラちゃんに負けたら荷物持ちですよ」


「おいおい、俺の依頼で俺が持つのか、手加減をお願いします」


サラちゃんはそんなに速くない。荷物の多い荷馬車より速いだけなので、走った人よりは遅い。





3人で干し肉をかじる。うん、素晴らしい瞬間だな。


サラちゃんは山道も快適に登ったが、途中可哀そうに思い、瓶の中に戻って貰った。


ミアちゃんは疲れるまで、山を登った。


山頂に着く前に便利丸を設置して、山頂を安全地帯にした。


「ユーリは、検証をしてくれたのか、便利な使い方だな」


「旅に出る時に魔物に遭遇すると聞いたので、検証しようと決めてました。ミアちゃん達がいるので安全に夜寝るにはどうすればいいのか考えて、広い範囲で使えば魔物から襲われる可能性が減ると思いました」


「違う考えの人がいる事の有難みが分かるな、新しい薬もそんな違う発想から作られる」


マリサさんよりもリーレンさんの方が医者の先生みたいな感じだ。マリサさんは研究者だな。


「ユーリ、干し肉美味しいね」


「そうさ、ハンバーグにはハンバーグの美味しさがある、干し肉には干し肉の美味しさがある」


「そうだな、違う物を比べても仕方ない、それぞれの美味しさを楽しもう」


最後、いいところをリーレンさんに持っていかれた。


食事が終わると夜は冷え込むので、暖かくして寝る。


ハンモックに敷物を敷いて毛布をかければ。


「ユーリ、暖かいよ」


そう暖かい、少し寒くなって来たので、毛布を買った。そうなのだ、武器は買えないけど他の物なら買えるようになった。毛布を2枚買った。『2枚買うと安いよ』と言われたが『元の値段で2枚下さい』とお願いした。


お金の割り引くは嬉しくないのだ、おまけが好きなのだ。


ロードさんに持たされた毛布は出していない、新品の良さをミアちゃんにも喜んで貰うためだ。


「ユーリ、そのロープで寝るのかい?」


「使いますか、気持ちがいいですよ。荷物になるけど、気に入ったらあげますあよ」


リーレンさんは不思議そうにハンモックを揺らしている。


「いいのかい、高いんだろ」


「自作ですよ、材料から作りましたからタダです」


「凄いな、自分で作れるのか、今度教えてくれないか、先ずはロープから」


「いいですよ、簡単だから。こんなに簡単なのかて思うはずです」


リーレンさんとハンモックの良さを話した後に僕達は寝た。

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