少し完成しました
当たり前の様に厨房で料理を始める。
「では、コネコネしましょう」
「コネコネしましょう」
ミアちゃんの為に公爵様家族の分も材料を用意した。
僕はビーフシチューと野菜スープを作る。
厨房では、お城の中の人の食事を作っているのか忙しそうだ。暇なのが公爵様専用の料理人、僕達が作っているのを食い入るように見ている。
調理法もそうだが毒等を入れないかも見ている筈だ。
「そのコネコネは他の料理でもする事はありますか?」
「ありますよ、コネコネはお肉と魚で食感を変える為にします、その後に形を作ります。形も食感を美味しくする為にするのです」
「魚でもコネコネですか、想像できませんね」
「魚のコネコネには適した材料があるので、色々試すならお肉の方が簡単です」
分かりやすい様に、小さいハンバーグとメンチカツを作る。
ビーフシチューは煮込むだけになっているので、皆の分のハンバーグを焼いていく。
懐かしい魔道具、温まるんです改・・・シーラさんは温まるんです改も買ったんだな、一遍に焼ける。
試食用に作ったハンバーグとメンチカツを料理長にソースを掛けて渡す。
ミアちゃんはハンバーグの焼ける所を見ている。
「ユーリ、片面が焼けたよ」
焼けたのが分かる様になったのか、自分で作れる日は近い。ミアちゃんはどんな形を作るのだろう、子供は動物の形を作るけどハンバーグだと難しいだろう、身近な動物がいないけど簡単なのが猫だ。
ミヤちゃんが焼けたと言ったハンバーグからひっくり返していく。
「美味しい、初めて食べる」
「はい、捏ねているのも初めて見ました」
試食用に作った料理を食べてくれた様だ。プロだから作り方と味が分かれば、工夫した新しい料理が出来るだろう。
「中は同じ物なのに最後の工程でこんなにも違う物になるのか」
「ソースも食材に合っているようで、それで更に美味しい」
ビーフシチューの最後の味付けが終わり料理が出来た。
「本当に美味しいな、うちの料理人になって欲しいぐらいだよ」
「料理長が作っているところを食い入る様に見ていたので直ぐに作れる様になります、それに息子が料理をしているところを見たいですか?」
「お父様、ユーリか僕か分かりずらいのに厨房にいたら皆が困りますよ」
「そうよ、料理長も頑張ってくれているのよ、そんな事を言ってはいけないわよ」
「そうだな、夜食べる分もあると嬉しいな」
広い食堂で5人で食べている。学園に通っている2人がいないので、少し静かだ。
ミアちゃんはサラにもハンバーグをあげている。
「余分に作っときました」
「おお、そうか」
会話が途切れたので食事を楽しむ。調味料の種類だ沢山有るので微妙な味が付いている。
何で呼ばれたか聞いてなかった。
「僕達をお呼びになったのは何か話があったんですか?」
「おお、そうか、忘れていた、食事が美味しいのでつい。温泉は素晴らしかった、国王様も喜んでいた。東の森の討伐も調べたら冒険者の協力で解決できたと、それがユーリ達冒険者だと聞いて嬉しかった。騎士団が自分達にはどうする事も出来なかったと言っていた、東の森からゴールドルルに向かえる。ありがとう」
「そうですか、通れる様になったんですね」
「ユーリ、温泉は良かったぞ。家族みんなで入ったんだよ、裸は良いな開放感があって。出た時はフラフラしたけど」
楽しかったんだな、家族皆で入ったのか、公爵様達だから貸し切りにしたんだろう。それとも新しく区切ったのかな。
「長く入っていたようですね、フラフラになる前に出ないと危険なので次は気を付けて下さい」
「私の言った事をユーデットは守らないからフラフラになったのよ」
「お母様、カリン達もフラフラでしたよ」
「そうだったわね」
温泉に家族で入った、最初の人達だ。
「寒くなったら、カリン達も帰って来る、皆でまた行こう」
「そうですね」
楽しい食事が終わると、ユーデット様の部屋に行く事になった。
「これ借りていた本です、ありがとうございました」
「どうだ、勧めた本は面白かっただろう」
ユーデット様の机に上に借りていた本を置く。
「はい、面白い本でした、それに、大変役にも立ちました」
「そうか、どんな事が役に立ったんだ?」
本棚の前に行き本を手に取って表紙を見る。
「そうですね、伝説の武器の本、光の雫の本が特に役立ちました。他も興味深い本ばかりでした。流石です、これだけの本を読んでいれば色々とお出来になるんでしょう」
「そうだ、ミアちゃんの友達のサラちゃんの事が載っている本がどこかに有った筈だぞ」
「そうですか、探してみます」
ミアちゃんは話が聞こえたかな・・・サラちゃんと遊んでいて聞いていなかった様だ。
ユーデット様は机の引き出しを開けて何かしている様だ。
サラちゃんの載っている本を探そう、どんな事が載っているのかな。
この本はリリカ・クライスの本だ、こないだ見た本とは違う。リリカ・クライスが最後にしたかもしれない事が載っていた。スタンビートが起きた時の負傷者を薬と回復魔法で治した事、その後に起きた空から降って来た沢山の物を防いだ事、各地を旅して何かをしていた事。
各地を旅か、迷いの森の近くに来て移住したのか、そこに用が合ったのか。不思議な場所だった。
みんな静かなので後ろを見ると、ユーデット様が伝説のパチンコを作っていた。
本の持ち主が伝説を作っていた。ユーデット様が飽きるまで武器屋さんに並ぶ伝説は減らないのか。
見たくない事を見てしまった、本を探そう。
沢山ある本の中から1冊の本を探すのは大変だった。
本は伝説の生き物の本だった、ドラゴンの事はあまり載ってなくて、ガーベラの西の方に居るとされている生き物が載っているようだ。
見た事のない生き物はどれも動物に似ていなのでど、どんな行動をするのか攻撃的なのか見た目で分からない。
情報が絵だけで説明がない伝説の生き物が沢山載っているな。
「載っていた」
サラちゃんが載っていた。名前はウパー、水の中で見つかる。不思議な話をした人がいる・・・面白い事が載っている。・・・ここでは止めよう。
他の生き物は、亀亀が載っている、伝説の主様・・・・名前と海にいる。それだけしか載ってない。
「ユーリ、何か借りていくか?」
伝説の生き物の本を見ていたら、伝説を作っている人から本を貸してくれると言われた。
「お借りしても、いつ返しに来れるのか分からないのでやめときます」
「そうか、借りたくなったらいつでも来てくれ」
「ありがとうございます」
ミアちゃんも飽きてきたのか、欠伸が出るよなので宿に戻る事にした。
ミアちゃんがアメリアさんにお城の中の事を話していると、ロードさんが帰って来た。
「ユーリ、お土産を買って来たぞ。これを持って行ってくれ」
「はい、持って行きます、どんな物をお土産にしたんですか?」
渡された箱を手に取り、お土産の中身を聞いてみた。
「お菓子の詰め合わせだ、この街で人気のお菓子らしい。並んでやっと買えたんだ」
「夕飯を食べたら置いて来ます」
「そうか、頑張ってくれ」
ロードさんは僕達がもう帰って来たんだと知らないので仕方ない。アメリアさんが話してくれるだろう。
まだ休みが9日間あるので、ギルドに寄ってから北の山に向かうつもりだ。
ロードさんのお土産は、夜に門番さんにお願いして渡して貰う事にした。
『ユーデット様、いつの間に外に』
『その人は、ユーリ様だぞ』
『ユーリ様?』
『確かに預かりました、ありがとうございます』
『あんなに似ているのか、凄いな』
お城の人の全員が知っている訳でないのでビックリする人がよくいる、ユーデット様と似ている人がいると皆に伝えて欲しいと思った。
ギルドの中は冒険者が数十人いたけど、雑談をしている様で特に何かがあった様ではない。
掲示板には納品クエばかりで、聞いた事のない魔物の討伐クエ、聞いた事のない魔物の納品クエは無かった。
予定通り、北の山に向かおう。
門を出て直ぐに後ろから付いて来ている人達がいた。
「何をしに行くのかな、面白い事だといいわね」
「荷物が多いから、街には帰って行かないみたいだな」
「付いて行けば、面白い事がありますわね」
「ギルドで待機していて良かったな、ルーベル」
「ああ、アルがユーリは必ず掲示板を見てからどこかに行くぞと言った」
「その皆、宿で聞いただけだから」
「それもリーダーの務めだ」
ロードでは付いて来なかったのに休みが長いからなのか、人手がある方がはかどるからいいか。
「皆には働いてもらいます、出来たら面白いかも知れないので文句を言わないで頑張って下さい」
「「「「「「は~い」」」」」」
山の麓にある川で皆でロープ作り。
皆も少しは自分で色々する様になったので、今のところ文句も言わないで作業してくれている。
「お昼の用意をしたいので、アルさん達はロープ作りを続けて下さい」
「「「「「「了解」」」」」」
作戦①飽きるまでやらせるを実行中だ。1人でやるつもりだったので助かっている。
作戦②食事は早めに用意する。材料は皆が持って来てくれたので、美味し食事を作る。
既に出来ているロープは沢山有るけどどの位使うかは不明。
食事は定番のシチューとパンだ、味付けは薄めにしておく。夜は残りを違う味にする予定。
お昼を食べた皆はロープ作りをしてくれている、その横でロープをネットになる様に結わいていく。
「おお、ロープの使い方は、そうなるのか」
「その使い方だともっと作った方がいいな、みんな頑張るぞ」
「「「「「お~」」」」」
作戦③違う物を見せてやる気が出る様にする。このネットが沢山必要なので本当に助かる。
蔓は沢山取って来てあるので、頑張って欲しい。
「丸太を大量に使うので、切りに行って来ます」
「は~い」
集中しているのか、返事をしたのはルルさんだけだ。
皆が飽きるまでに、少しでも形を作らないといけないので、スキル木こりを発動。
「倒れるぞ~」
公爵様には許可を頂いているので、気にしないで丸太にしていく。
販売機の時の様な太い木は要らないので、直径で20㎝もあればいい。
「倒れるぞ~」
「倒れるぞ~」
「倒れるぞ~」
うるさいかもと思ったが危ないので『倒れるぞ~』と声を出す。
まだ、全然足りないが、形にしていかないといけないので次の作業に移る。
「ここがいいな、木があまり無いので、邪魔にならないのと木を利用しやすい」
丸太を地面に杭の様に一直線に埋めていく、ある程度の長さになったら平行に一直線に埋める。
全ての丸太を平行に埋める事が出来たので、倒れないか確認する。
「忘れていた、杭が倒れない様にしないといけないのか」
安全の為にしなくてはいけない事が今更分かった、丸太がもっと必要になる。
何とか一部が完成した。アルさん達が遊んでいる。
「難しいぞ」
「早く歩いてよ」
「そうですわ、後ろの皆は止まってしまいましたわよ」
横から見ているとウイントンが1人で遊んでいる様に見える。後ろの皆は先頭が行ってくれないのでただ並んでいるだけの様になっている。
間隔を開けていたのだが、ウイントンさんのバランス?運動神経?が悪いのか、歩くのが遅い。
揺れる丸太を歩いて、落ちない様に先に進まなけれないけないのに、後ろは止まってしまっているので落ちる事もないのでただ立っているだけだ。
続きを作らないと、それに遅い人は最後にしないと皆の様になってしまう。
4日も経つと、小規模アスレチックは完成した。
危険性も考えて難易度も低いので、1周するのに1時間も掛からないだろう。
まだ増築予定で、そちらは難易度を上げたい。
皆は飽きないのか、何周も周っている。
「皆、ロープを作って~」
「もう少ししたら作るよ」
「遊び足りない~」
「落ちないで1周するまで待て」
それぞれの意見は、まだ作りたくないだな、蔓だけでも拾っておこう。




