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この街にはありません

「直ぐに戻ってきますね」


「はい、待っています」


拠点は果物農家だったので、お手伝いをする事にした。


先ずは、討伐の依頼を取り下げて来る事、僕が受けたのは取り下げられないけど、討伐の依頼は何個も出しているから、他の冒険者が受けない様にする為に村まで下りて来た。


山賊と勘違いして捕まえなくて良かった。山賊が居ないので、山の周辺の魔物を僕が討伐すると申し出た。


勘違いで危ない目に合わせるところだったのでお詫びだ。皆には話してないが。





農家のお姉さんとロードの冒険ギルドに行って、農家に帰って来た。


「凄いわね、おんぶして登って来れたわ」


お姉さんは入口から山の斜面を見て、改めて確認している。


「鍛えてますので、この位は余裕なのです、僕は討伐に行って来ますね。ニトリは食べて下さい」


「助かるわ、食料を運んで来るのも大変なのよ」


「それは俺が大変なんだよ」


旦那さんが心配で来てくれたようだ。


「いいのかい、討伐依頼の魔物が数が1体ずつで?」


「はい、依頼はついでだったので、山賊の残党が居れば捕まえるつもりで来ただけなんです。それに僕は討伐のプロなので、皆さんが奴隷落ちになると困るんですよ」


「アハハ、面白い冗談を言うんだな」


「そうよね、そんなに倒せるはずがないじゃない」


「本当にそんなに倒せるのか、依頼を取り下げて良かった」


僕の真剣な顔お見て旦那さんは依頼を取り下げた事に安堵した様だ。


「でも、奴隷落ちなんてそんな話あまり聞かないわよ」


「あまり聞かないのは、ギルドが報酬を低くしたり、冒険者が遠慮する場合があるからだと思います。借金で奴隷落ちしそうな人は何人か見ましたよ」


僕の話に2人は凄く驚いているな。


「ありがとう、今度から気を付けるよ」


「行って来ます」


「気を付けてね」


「すまない、頼むよ」


柵を超えて来そうな、山の上の方から討伐する事にした。山頂からだ。





魔物討伐はほぼ終わった。


農家は歩いて侵入してくる魔物対策で柵で囲んであったが、出入りする急斜面には何も対策が出来ていなかったので斜面にも柵を作った。必要以上に開いていた斜面に柵が出来たので皆は喜んでいた。


「この便利草Aと便利草Bを同量を混ぜて乾燥させて火を付けると、魔物が嫌いな匂いが出るんです」


「そんな便利な物があるんですね」


仕事の休憩時間に便利丸の作り方と使い方を説明している。


「簡単でいいな」


「はい、この便利丸を魔物が来そうな所に毎日仕掛ければ安全度が上がるので、蜘蛛の時の様な沢山の魔物がここに来る可能性が減ります、約半日持つので寝る時とかに仕掛けるのが良さそうです」


「色々してくれてありがとう。井戸も掘ってくれたし、この便利丸の作り方を教えてくれたりと感謝しかないよ」


「美味しい果物を守る為です、ここで襲われたら助けが来るのに時間が掛るので少しでも危険性を減らす事が大事です。僕、行きますね、お世話になりました」


「それは俺達皆が言う事だよ、少ないけどお土産だ。ありがとう」


謎の果物を貰い村に戻る為に出入り口を駆け下りる。


「さようなら~」


「ありがとう~」


さあ休暇は終わった、宿に戻って明日は出発だ。





ロードさん達は商品があまり売れなかったらしい。


「売れなくても良かったんだよ、ロードはハイトとダリューンの間にある村だから流通もしっかりしている、定期的に輸送を行っている商館と私達の様な行商人がロードには来てくれるからね」


「でもロードからはどちらも遠いですよね」


「距離はあるけれど、魔物に遭遇する事が減ったんだ。それは、近年は魔物が多くなっていると言われているが、騎士団に冒険者の討伐のお陰で街道で魔物に遭遇する事が減ったんだ」


「魔物に遭遇しました、馬車を止めて下さい」


アルさんが馬車の停止を指示した。


減った話をしていたら、魔物に遭遇した。


「まあ、完全にはまだ無理の様だな」


「そうですね、それに魔物が減ったという話はあまり噂にならない方がいいですね」


「ユーリも大人ぽくなってきたな」


褒められたのか、やっとかなのかどちらかな。どちらでもいいけど、男は一生子供だ。


遊び心のある大人がいいな、それが目標だ・・・・・のんびりと悪戯の数を減らしていこう。


「ロードさん、どうしますか?魔物は3体ですよ」


「そうか、それなら私達に任せてくれ、ベルン、ヒューラ行くぞ」


「「はい」」


「ユーリ、馬車にいてくれ」


「了解です」


ロードさん達も家族の為に強くなる努力をしている。


それなら援護の魔法を使おう、ファイヤートルネード・・・・不発か仕方ない。


風の矢だ・・・・難しい、風を矢に変えるのが、上級魔法だなこれは。


「ユーリ、魔法の練習ですか?私が少しだけコツを教えます、飛んで行くイメージをするのです」


マリアさんが教えてくれたけど、その練習はどの位したか分からないほどした。


「マリアさんありがとう、いつか使えるようになったら僕の師匠はマリアさんですね」


「うふうふ、私が師匠ですか、いい響きですね」


うふふふのマリアさんは自分の世界に旅立って行った。


コボルトの3体を怪我もなく倒したロードさんは「さあ、行こう。ダリューンに」と言って御者台に乗り込んだ。


「ユーリ、籠」


ミアちゃんが姫になりたいらしい。


背負子を背負って行き先を聞く。


「姫どちらに」


「あっち」


姫が指した方向は低い山の山頂だ。


「ロードさん、あそこの低い山に行ってきます」


「気を付けてくれよ、ミア、危ないと思ったら帰っくるんだぞ」


「はい」


その判断は僕がするからいいのだ。


低い山の山頂からでもダリューンが見えた。


「どうですか、あそこにはユーリが居ますよ」


「ユーリに似ている人がいる街」


ミアちゃんも成長しているな、将来が楽しみだ。


「馬車に帰りましょう」


「はい」





ダリューンの西門に並んで僕達の番がきた、ギルドカードを門番さんに渡した。


「ユーリ様、お待ちしておりました。公爵様からお手紙を渡すようにと預かっております」


カードと一緒に手紙を渡された、公爵様からか、宿に着いてら読もう。


「ありがとうございます」


何処にでもいるロードさんの馴染みの宿に向かう。





「ユーリとミアちゃん、遊びに来てね。公爵様が書いたのだろうか、この世界に女の子文字は無いだろうから。アイシャさんだとしとこう、シルバー侯爵様がこんな手紙を・・・・・素晴らしい手紙をお書きになるはずがない」


ロードさんの用意してくれた宿の個室で渡されて手紙を読んでいたけど・・・短かった。


ミアちゃんも呼ばれているならロードさんに言わないといけないな。






「ユーリと、ミアで行って来てくれ、呼ばれてないのに両親だからと伺う訳にいかない」


「分かりました、父上と母上、おまけで兄に会って来ます、お土産は何がいいですかね?」


僕のこの言葉で皆の思考回路が止まった。そうなのだ手ぶらでは行けない、それも公爵様のお城に。


ロードさんはミアちゃんが行くんだからと何か考えると言って朝食の後に出かけて行った。


僕も朝食が終わったので出かける事にする。


「アメリアさん、公爵様の屋敷に行って来ます」


「え、でも主人がお土産を用意しに行きましたけど」


「ロードさんもまだ若いですね、公爵様の治めるこの街にお土産はありません」


「あ」


アメリアさんも気が付いた様だ。


「そうです、この街で用意した物は失礼に当たります、それに公爵様に相応しいお土産なんてどうせ思いつきません。僕にも無理です、時間の無駄なのです。ウイントンさんが賭け事で勝てないのと同じなんです」


「ユーリ、何でそこで俺が出てくるんだ。俺だっていつか勝てるはずだ」


既に自分でも勝てないと思っている様だ。


「いつかです、今ではない。お土産も今用意できない。ミアちゃんも行きますか?」


「はい、行きます」


「ユーリ、ミアの事よろしくね。公爵様には・・・・ありがとうございますと伝えて下さい」


「分かりました、では行って来ます」


「行って来ます」


アメリアさんは椅子からミアちゃんを抱きかかえてドアに向かう。


「ウイントンさん、いつか勝てる日が来るといいですね」


「そうだな、いつかな」


珍しく落ち込んでしまったが、お金持ちになっている様なので大丈夫だろう。


妹達にユーデット様の本を返してと渡そうと何回も思ったのに忘れたので、今回は本人に本を返そう。




のんびりと街中を歩いていると武器屋さんを発見。


肩車しているので、窓から中を覗くと、店員さんと目が合ったので手を振る。


伝説シリーズの弓とパチンコが売っていた。売値も伝説だと思い、歩き出す。


肩車の解除方が今のところ無いので、お店の中には入れない。


「ユーリ、お城が近くなって来たよ」


「もうすぐ着きます、お昼は何を食べますか?」


「ハンバーグを食べます」


お昼はハンバーグか、自分で作るハンバーグはとても美味しいのだろう。


僕もハンバーグでいいかな、野菜スープは野菜多めがいいな。


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