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戻ってきました

シーラさんのお姉さんはアイシャさん、アイシャさんの旦那様はカーク・シルバー公爵様。


和気あいあいと僕とミアちゃんの部屋で話す皆、どうしてこうなったのかは簡単だ。


ユーデット様と顔が似ているから、家族の様にポンポンと叩かれたり、抱き付いてきたりして来る、止めてほしい、本物がそこに居るんだから。


「どうしてそんなに似てるんですか?」


難しい質問をしてくる、カリン嬢。ユーデット様の妹で長女がカリン嬢、次女がカヤ嬢。


「難しい質問ですね、アイシャさんと僕の母さんは似ていません。なので、何も分からないが答えです」


「あんなに強いのはどうしてですか?」


質問ばかりされているが、ちゃんと答えている。


「人の真似が出来るだけの体力作りを頑張っているからだと思います。上手い人の真似は体力が無いと出来ません。後は疲れを取る事です、毎日練習しても疲れが溜まるだけなので、短い時間で効果的に練習しています」


あれ、短い時間だよな、そんなに長く練習してないよな。


「短い時間で効率よく、疲れないように練習をする。合っていますか?」


「完璧です」


「ユーリ君、料理は何処で覚えたのかしら?」


「父さんが酒場の料理を担当しているので、基本を教えて貰いした」


「ユーリの実家の料理は美味しいわよ、ユーリよりも丁寧に作っているのかしら、少し違うのよね」


そうか、鱗を取りに行った時に食べたんだな、父さんは腕をあげている様だ。食べるのが楽しみだな。


「ユーリ、読みたい本があれば持って行っていいぞ。色々とお世話になったお礼だ」


「いいんですか、全部持って行けるかな」


「すまん、10冊位にしてくれ。何度も読むのが好きなんだ」


そうだな、あの本の量は1年間読んでも終わらない。


「仕方ありませんね、10冊にしときます、お勧めを選んどいて下さい。あの中から選べません」


「兄様の本は多すぎるのよ」


「そうです、兄様は部屋に籠って本を読む毎日です、私と剣の稽古でもしましょうよ。ユーリ兄様の様に強くなりましょう」


兄様と呼ばれた、幸せだ~。妹はいいな、もう何でも話せるようになっているな。


「僕は魔法の方が得意なのだ、それにユーリは強すぎる。相手になる人が果たしているのか」


世界は広い強い人は沢山いるけど、別に競っている訳でもないのでどうでもいいのだが。


雑談は夜中まで続いた、カーク公爵様は予定をやり繰りをして温泉に行くぞ~と言って出て行った。


他の人達も、もう起きてられないと言ってそれぞれ自分の部屋に向かった。


「ユーリ、温泉を教えてくれてありがとう。起きたら直ぐにガーベラに向かうからここでお別れよ。何か新しい事を発見したら教えてね、おやすみ」


「おやすみなさい」





「ユーデット様、行ってまいりました」


「ありがとうございます、助かりました」


「女の子がこの屋敷に居るんですね、大変心配しておりました」


「そうだね、早く帰らないといけないな。自己紹介がまだでした、僕はユーデット様に似ているユーリです、あそこにユーデット様がいますよ」


騎士団の皆が練習している、ユーデット様がカヤ譲と稽古をしている。


騎士団長は僕とユーデット様の顔を何回も見て「ご兄弟なんですか?」と聞いてきた。


「違うよ、僕は平民のユーリ、ユーデット様は貴族様。どうして似てるんだろうね」


「はあ」


「ありがとう、アルジュに戻ります、さようなら」


「はあ」


これ以上ロードさん達を待たせたら悪い、急いで帰ろう最速で。


「皆、さようなら~」




「姫、乗り心地はどうですか?」


「はい、速いです。少し揺れます」


背負子をユーデット様達の稽古を見ながら作った。


最速で帰るには、馬か僕が走るかの2択だった、馬は無いので背負子で帰る事にした。


「姫朝ご飯は何でしたか?」


「オーク肉のステーキ」


そろそろ、消費期限がきそうだけど大丈夫なのだろうか、あの屋敷の人達は。


ロードさんの街までの予定の日数は荷馬車に荷物を一杯入れて移動した時で計算さえている。


だから、アルジュ村がすぐに見えて来た。そう、一番遅く着く時の日数を僕に教えてくれていたんだ。


「姫、もうすぐ着きます」


「はい」





アルジュ村に着いた僕は遅れたお詫びと、経緯の説明をした。


「ユーリにそんなに似ているのか?」


バジルさんが僕の顔を両手で挟んで見ている。


「ミアちゃんも付いて行くほどか」


「家族の皆も僕の事をユーデット様と間違えていましたよ。バレたのは背が違うからです」


馬車の方ではアメリアさんがミアちゃんを抱っこして微笑んでいる。手はミヤちゃんの髪を撫でている。


「ありがとう、ユーリ」


「僕は馬車を追いかけて行っただけです。ウイントンさんの情報が無ければ今も聞き込みをしていたかもしれませんね」


「そうだ、俺の情報のお陰でユーリは追いかける事が出来たんだ。分かるかユーリ、俺のお陰だ」


「僕もそう言っいますよ、ウイントンさん」


ウイントンさんの肩をバンバンと叩く。


「なぜ叩く」


「こんな時は謙虚にしましょね」


「はい」


珍しく謙虚になるウイントンさん。


「そうだな、ウイントンさん、ありがとう」


「そうなのだ、俺が皆を守っているんだ」


面倒な人を黙らせたのにロードさんのお礼に気をよくしてしまった。


ロードさんがウイントンさんの肩を軽く叩いた。


「これからも、よろしく」


なるほど、大人の対応だ。





アルジュ村を出発して着いたのが、トムハン村。


アルジュ村の南にあるトムハン村は今まで広い街や村を見てきた僕を驚かす程に規模の狭い村だった。


宿屋は1軒しかなくて泊まる事が出来ない。


ロードさんはアルジェとダリューンが近いので、定期的に食料等を村で買付に行っていから、販売はしない。来た時は宿に泊まるか、広場で野営して直ぐに次の街に向かうらしい。


「ロードさん、カルテアに一度戻ってきていいですか?」


驚いたロードさんが「何か特別な用でも、出来たのかい」


「特別に美味しい干し肉がなくなりました。急がないと明日のお昼の分がありません」


「こちらで、食事用意する事になっていたが、まさか毎日干し肉を食べるとは思わなかったんだよ」


「ユーリ、俺達には嫌いな物を食べさせといて自分だけ好きな物を食べるなんてずるいぞ」


振り向くと冒険者6人は頷いていた。食わず嫌いと比べられても困るな。


しかし、僕も冒険者を目指すものとしてこれからは、他の料理も食べよう。干し肉が無くならない様に。


「仕方ありません、諦めます。はぁ~、力が出ない」


「ユーリ、行くぞ、野営の準備に」


「は~い」





「ユーリ、何の本を読んでいるんだ?」


トムハン村から南の街道を進んでいる。


トムハン村では泊まっただけで、朝には次の村を目指して出発した。


御者台に乗って本を読んでいる、ユーデット様に借りた本だ。


横のロードさんが何の本を読んでいるんか聞いてきた。


「料理の本です」


「料理の本を読んで面白いのかい?」


「知らない料理を知ればそこから違う料理を思いつくので、面白いよりは、美味しい料理が食べれそうで読んでいます」


「それで美味しい料理が生まれるのか」


良い本を貸してくれたな、ガーベラで作られている料理と作られていない料理が載っている。


本に載っている料理を作ってみるかな。


「ユーリ、籠」


ミアちゃんが背負子でお出かけしたいらしい。


馬車の後ろに回って背負子の用意をする、ミアちゃんが座って落ちない様にロープを引っかけていく。


これで落ちる事は無くなった、後は背負子を背負う。


「ミア姫、発射しますが、よろしいですか?」


「はい」


発射の時に地面に足を付ける時は気を付けて降りる。


走り出して、すぐに横に出る、馬車2号の横を走る。


「姫、どちらの方向に向かいますか?」


「あっち」


ミアちゃんの指したのは東の方だ。


街道から左に曲がって進む、草原の中は走り難い。


そのまま進むとお花畑が有った、馬車から見えていたのかもしれない。


ミアちゃんの前に花が来る様にして屈む。


「取れました」


「戻りますか」


「はい」


花を取り終わったミアちゃんを乗せて街道に戻る。


先に進んでいる馬車に向かって走る。


馬車に追いつくと荷台に乗って、アメリアさんにミアちゃんを降ろして貰う。


「お花取ってきました」


「ありがとう、ミア」


アメリアさんの為にお花を取りに行ったんだな。





お昼が終わり片付けをしているとアルさんが走って来た。


「これから進む街道にベアが多数います、俺達は討伐に向かいます。出発の用意をしといて下さい」


「分かった、気を付けてくれ」


ロードさんの言葉に頷いてアルさん達は走ってベアがいる前方に向かう。


直ぐに移動出来る様に片付けていく。忘れ物が無いか確認をして準備を整えると、馬車で待機してい僕達の方に前から馬車が走って来る。


慌てている様な動きで馬車を操縦している、横を通る時に見えた顔は真剣な顔をしていた。


1時間位するとアルさん達が戻って来た。


「倒したベアは13体です、広範囲にいたので時間が掛りました。街道から見える所には魔物は見えなくなりました」


「ご苦労様、アルさん達の討伐が終わったので出発する。各馬車は周りに気を付けて、魔物がいたら直ぐに声を掛けるように」


「「はい」」


1号車の御者のベルンさんと3号車のヒューラさんさんが返事をして、それぞれの馬車に向かって乗り込む。


安全だと判断したロードさんは警戒を解いて進む。


馬車の旅が読書の出来る旅になった。


季節は冬、寒さが本格的になってだいぶ経つ、ガーランド大陸に来て1年が過ぎていた。


1年間で変わったのは、薬の調合が出来る様になった事、武器を落とした事で伝説のパチンコが今の武器になった事、勉強以外の本を読んでいる事だ。


今読んでいる本は伝説の武器の本だ、伝説のパチンコの作り方も記載されている。


本を読んでいると、街道を北に進む馬車とよくすれ違う。


次の村が近いとロードさんが教えてくれた。


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