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頼み事

廊下から話し声が聞こえる、でも、内容までは聞こえない。


ここに来るのか、男の子の声がと足音が段々と近づいてきた、隠れた方が良さそうだ。


奥のドアから中に入ると寝室だった。


何処に隠れるかな、ここにも本棚がずらっと並んでいる、クローゼットとベッド・・・どちらに隠れるかな、ベッどの下に隠れよう、定番だ。


「大きいベッドだな」


ここなら見つからないだろう。


「そうか、もうすぐお着きになるんだな」


隣の部屋の声が聞こえる、情報収取だ。


「はい、どうしてこちらに来られるんですか?」


「まあ色々だ、母さんに会いに来るんだろう」


声が子供だ、もう1人の人は青年ぐらいなのか・・・・青年も子供だよな、もうすぐ大人の仲間入りの子供の方がいいな、異世界の価値観だと大人なのかもしれないが。


「はあ、そうですか、ユーデット様はどうされるんですか?」


「お会いになるよ、今まで会った事がなかったんだ・・・本を読んでいたいけどな」


「分かりました、その様に準備をします。それで女の子はどうするんですか?」


「僕に聞いても困るよ、連れて来たのは君じゃないか」


「お連れはしましたが、馬車の中に女の子がいるとは思いませんでした。屋敷に着いた時に見つけましたが、アルジュ村でしか乗る事が出来ない筈なのであの村の女の子だと思います」


「そうか、早めに送り届けてくれよ。僕の責任になるから」


「はあ、頑張ります」


女の子がやっぱりいる。ミアちゃんだといいな、何処に居るんだろう。


「それで女の子は何しているんだ」


「もうすぐお昼なの厨房でお昼をお出しする予定です」


厨房か、そこに行こう。どこにあるのかな、思い出せ今までの貴族様のお城は1階に厨房があった。


荷物を入れる都合とお客さんの食事の用意は1階じゃないと出来ない、このお城の大きさなら2階から上の階で作ると材料とかを運ぶ雑用が大変だ、それにお客をそんな上の階に招けば警備が大変だ。


1階から捜そう、先ずは厨房を捜せばそこに女の子がいる。


「ユーデット様、食堂でお昼にしましょう。用意が出来ている筈です」


「そうだな、行こう。お着きになる前に食べよう」


付いて行けばそこは食堂、食堂の近くに厨房がある。


ガチャと音がした、部屋の主は出て行った。


ベッどの下から出て隣の部屋の本棚の前に立つと手に持っていた本を空いていスペースに戻した。


「もっと本が読みたかったけど、今度はないんだよな」


貴族様の屋敷には来たくないけど本は読みたいよな、どれか速読で読んでいくかな。


「上級魔法、これを速読するか、パラパラパラパラパ。読んだ気になった、さらばだ本たちよ」


階段まで行ったかな、ドアの外の音は聞こえない。では、後を追って厨房を探しに行こう。





2人の微かな足音を聞いて何とか付いて行く。


グルグル階段を下りていくとそこは1階だ、小さい窓から木々が見える。


僕は色々な通路を通ったけど、この通っていないな。


今のところ怪しまれずに後に付いて来れた、偶にすれ違う人達が振り返るて首を傾けている。


不思議な時にする、首を傾げて『あれ』をされている様な。まあ、誰にも声を掛けられないのでここまでこれた。


ドアの前に警備の人が何人もいる、あそこが食堂だな。何処かに厨房があるけどこちら側にはないよな。


横が怪しいけど何処から行けばいいんだ。


引き返した所でばったり誰かがいた、稽古で会った騎士さんだ。


「君、稽古していた騎士さんだよね」


「はい、先ほどはありがとうございました。何度も練習していたら隊長に褒められました」


「それは良かった、自分の動き安い基本の姿勢を体が覚えるぐらい練習してね。厨房に行きたいんだけど君、分かるかな?」


「はい、騎士団室の近くに厨房があります、こちらです」


案内してくれる騎士さんに分かりやすく僕なりの練習法を教えた。


弟子が出来た様な気分だ、辛くなった時に思い出してと僕が言った言葉は『上達は人によって違う、急に何かが分かる時、何をしたらいいのか分からなくなった時、それの繰り返しなんだ。達人は言いました、考えろと』


僕の今までの経験を話した。参考になるか分からないけど、同僚が今はいない様なので、今の言葉を覚えていて欲しいな。


僕も静と動の練習を頑張らないといけないな。


雑談をしながら歩いていると。


「ここが騎士団室です、あそこに見えるドアの向こうが厨房になっています」


「ありがとう、厨房が分かって良かったよ」


「こちらこそ、ありがとうございました」


最後は握手して別れた。





中に入ると広い厨房、貴族様の屋敷・・・お城の厨房は何人分作る想定で作られているんだ。


暇な時は職人さん達は何をしているんだ、お城の中の皆の料理を作っているのか、異世界の不思議がここに、働いている人は自前の料理を食べるのか、何処で食べるのか。


隅でお昼を食べているのはミアちゃんだ。


近づいて行き、テーブルに顔を載せて。


「お昼は美味しいですか、ミアちゃん」


「はい、美味しいです」


「捜しましたよ、アメリアさんが待っていますよ」


「ユーリなの?」


ミヤちゃんは食べるのをやめて僕に視線を向けた、凄く驚いている様だ。


「そうだよ、遅くなってごめんね。それを食べたら帰ろうね」


「はい」


厨房には冷えるんです改が並んでいた10台も。


貴族の屋敷にはあたり前の様に冷えるんです改がある、シーラさんは全ての貴族に配っているのか、色々と分からない行動をしているよな。


ミアちゃんのお昼はステーキだった、子供にこんな大きいサイズで焼くなても・・・ミアちゃんなら食べれるか。


元気なミアちゃんを見れて安心した。


どうしてこんな事になったのか聞くのはロードさん達に任せよう。


「君、ここで何をしているんだ」


誰もいなかった厨房に誰か来た、音もたてないで。


振り返ると厨房の横のドアは最初から開いていた。あそこから来たのか。


「ユーデット様、食堂に居たのに」


僕の名前はユーリで、ユーデット様は誰、僕に似ている人なのかな。


似ている人を追いかけたのはミアちゃんだよな。


これは僕の責任ではないよな、ユーデット様が悪い、うん悪いはずだ。


「ここに居て下さい」


慌てて出ていくメイドさん。


僕もお腹が空いて来た、夜から食べていないからな。


友達の家なら冷蔵の中を確認出来るけど、貴族様の冷蔵庫は無理だ。


でも、誰もいいないしどんな食材が有るかだけでも見てみたい。


「ミアちゃん、ステーキを切るね」


「はい」


いつもは、アメリアさんが切ってあげている、僕が代わりに切ろう


ステーキを食べやすい大きさに切って、お皿をミヤちゃんの前に戻した時に厨房に何人かの人達が入って来た。


「この方が、ユーデット様と」


「君、こちらを向いてくれないか?」


ユーデット様が向けと言っているので振り向と3人の人達が僕に視線を向けていた。


「似ているのか、僕に」


「何言っているんですか、そっくりですよ」


ユーデット様の顔を見ても分からない、自分の顔を見る事は無いし。鏡で自分の顔を見たのは・・・ローランドで買い物した時だな、その後は見た事がない。


もし似ているなら、僕はイケメンて言えるけど、小学生の低学年はモテたけど、勉強しないイケメンは高学年ではモテなくなったんだよな。


「兄さん会いたかったよ。何歳なんですか?」


僕は抱き付いて肩を叩く。


「僕に弟はいない。こら離れろ」


「そうですか、弟なんですね」


「ふざけるな、名前は?」


「すいません、ふざけ過ぎました。ユーリです、14歳です。この女の子は僕の友達です」


僕は離れて自己紹介をした。


「そうか、知り合いが来てくれたのか・・・・まあ、のんびりしてくれ、そうだ僕の部屋に行こう。」


「急いで帰ります、ありがとうございました」


これで話は終わりだと思いミアちゃんの食事の進み具合を見るとまだ半分しか食べていなかった。


「その子にはオーク肉のステーキをご馳走した、昨日の夜もオーク肉のステーキをご馳走した」


「ご馳走様でした」


お辞儀でもしとくか、貴族はお辞儀されるのが好きだから。


「違う、奢ったお礼に僕のお願いを聞いてくれ。ここでは話を聞かれると困るんだ」


「そうですか、この子と一緒に行きますので、先に行って下さい」


ユーデット様達は3人で何か話し合っている。


部屋の中にいた青年らしき人は18歳位か、ユーデット様はその青年より少し下位の年齢だな。


貴族様に借りを作ると、とんでもない事になるので、今返しておこう。




速読で読んだつもりの本を見ている。魔法が使える様になるヒントはない、上級者用だから仕方がない。


「僕の話を聞いているか?」


「聞いていなかったので、もう一度おねがいします」


「それなら、そこの椅子に座ってくれ」


指されたユーデット様の前の椅子に僕は座った。


「すいません、お腹が空いたので干し肉を下さい」


頼んでもよさそうな人にお願いする。


「このお屋敷には干し肉はありません、何か他の料理をお持ちします」


干し肉はない、ここは屋敷と呼ばれているお城なんだから仕方ないか。


「それでお願いとは何でしょうか?」


「何か食べるのなら断れないぞ」


「まあ、断りませんよ。貴族様に逆らうと、とんでもない事になります」


「それなら話そう、実は剣での試合を君にして欲しい」


「面倒なのでお断りします」


僕の答えに「断らないと言っただろう」と怒鳴り声をあげる、我が兄。


「もっと詳しい事情を話して下さい」


なるほどそういう事かみたいな感じの仕草をするユーデット様は話しだした。


「僕には叔母がいる、それも会った事のない。叔母は何回も来ているが忙しい人で、すぐにお帰りになる、僕の妹達も会った事がない。小さい時からお手紙のやり取りは皆していたんだ、僕は学園を卒業してから本を読む事に夢中で何もしてこなかったんだ。学園を卒業してからどう過ごしているかと手紙に書いてあったんだ。お会いする事が無いと思い、手紙にこのガーベラには僕にかなう剣士はいない程に強くなったと返事を書いたんだ。忘れた頃に叔母から『それなら、強い剣士を連れて行くわね、2人の戦いが楽しみですね』と返事が返って来たんだ。それで昨日は隣の村に逃げていたのだが、見つかってしまったのだ」


この異世界は身内にも会わない習慣があるのかもしれない。逃げているユーデット様は別として、強い剣士を連れて来るとは凄い行動力だ、どの位強いのかな。


「その試合はいつ行われるんですか?」


「もう直ぐだ。叔母はもうすぐ到着する」


「今日なんですか、それで隣の村に」


事情はよく分かったんだけど、僕が代わりに出ていいのかな、面白そうだけど。


バレてもいい様な気がするぞ、素直に見えを張りましたでいい様な事だよ。


「叔母様からの手紙はいつ着いたんですか?」


「3日前だよ、返事も間に合わないし。今更言えないだろ、家族もそうか試合をするのかと嬉しそうだった」


何でユーデット様が・・・・剣は使えるのか。


「ユーデット様はの剣術の腕前はどの位なんですか?」


「僕は魔法しか才能がないみたいで、学園でも魔法だけ頑張っていた」


何で手紙に魔法を頑張っていると書かないんだよ。


大体の事情を聞き終わったところに僕のお昼が運ばれて来た。


オーク肉のステーキか、野菜も食べたい。



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