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何処に入るの

宿に帰る事にした僕は南門の近くを歩いていた、門に行列がまだあるのに驚いた。


「何かあるのかな、お祭りは冬だからない。人が集まるイベント・・・・思いつかない」


ブツブツと呟いて歩いていると後ろから肩を掴まれた。


「ユーリ、ミアちゃんがいない。見かけていないか?」


慌てているバジルさんが問いかけてきた。


「見てません、アメリアさんもいないんですか?」


あの2人はいつも一緒だ。


「アメリアさんも探している、アメリアさんも何時いなくなったのか分からないらしい」


誘拐か、何処を探せばいいんだ。


「僕も探します、見つけたら宿に戻ります」


「ああ、探してくれ。俺は西の方に行ってみる。ユーリは東だ」


「はい、では後で」





「ミアちゃん~」


東の商店と工房の中も探した、足が速いので次から次とドアを開けてミヤちゃんを呼んだが見つからなかった。怒鳴っては謝るを繰り返していたが、捜す所が無くなってしまったので宿に戻る事にした。


宿の1階ではアメリアさんとロードさんが待っていた。


「すいません、東は探しました。全ての建物でミアちゃんを呼びましたが応答がありませんでした」


「そうか、ありがとう」


アメリアさんは静かに泣いていた。


「ド~ン」


ドアの音に振り向くとベルンさんとヒューラさんが入っきた。


「ダメでした、何処にもいません」


「ド~ン」


ドアの音に皆で振り返るとルルさんとマリアさんだ。


「南を捜しましたが見つかりませんでした」


「そうか」


長い会話が出来ない位の雰囲気だ。


静かにドアが開いてアルさんとルーベルさんが入って来た。


「村中捜したが見つかりません」


「西の方をくまなく捜しましたが、見つけれませんでした」


「ミアは何処に」


最後にウイントンさんが帰って来た。


「ミアちゃんらしき女の子が馬車に乗るのを見たと言う人に話を聞いて来ました。北に停車していた馬車の1台に女の子が乗ったと」


僕が走り出そうとしたら、アルさんに手を掴まれた。


そうだな、まだ話は終わっていない。


「話してくれた女性の話では、走り出した豪華な馬車の後に続いた馬車に乗ったと、北の方に向かったらしいので、北門の門番も豪華な馬車の後にもう1台馬車続いて出て行ったと。ミアちゃんが乗っている可能性があるのはその馬車だけです」


僕なら追い付けるかもしれない。まだそんなに時間は経っていない。今からだと北のダリューンに着いても街の中に入れない。


「僕が街道を走って馬車を追います、違う女の子の可能性もあるのでこの村で捜して下さい」


「ユーリ、ミアをお願いね」


「はい、では行きます」


「気を付けろよ、夜は危ない」


「大丈夫です、僕に追い付ける者はいません」


宿を出て北門に向かう。全力だ~。






街道を北に走る。


門を出る時にもう入れなくなるぞと言われたが、急いでいるので『大丈夫です』と言って全力疾走する。


街道の地面が北に続いているのが見えるだけで、周りは真っ暗だ。ダリューンは近いので誰にも会わない。


ミアちゃんは自分から馬車に乗った様だ。目撃者の情報には無理やり乗せられてと言っていない。


その馬車はこの街道を走っているはずだ。


「うるさいな、カサカサと蜘蛛くんだな。見つけた時には僕は遥か彼方だよ」


蜘蛛がいる音がたまに聞こえてくる、村と街が近いのに何でいるんだ。


「かがり火が見えて来た、着いたぞ~・・・・あれ馬車はどこだ」


立ち止まって後ろを振り返る。馬車はいない。


おかしい、野営するにしても街道の横にする、街道から外れるのは用がある時だけでそのまま進む事はない。見落としている筈がない。


門番の見張りの人に聞いてみよう。


「こんばんは」


「こんばんは」


女の門番さんだ。初めて見た。


「女性の門番さんは珍しいですね」


「そうね、でも仕事は仕事、頑張るしかないのよ」


「豪華な馬車を入るのを見たのですが僕も入れて下さい」


「ダメよ君は、あの馬車は領主様の馬車だからいつでも入れるのよ」


「でも豪華な馬車の後にも馬車は入りましたよ」


「当り前じゃない、領主様の屋敷の使用人の馬車なんだから」


「そうですよね、朝までその辺に居ます」


「そうね、朝まで待ってね」


始めから街には入れないと思ったけど、馬車はもう着いていた。行商人の馬車と速い領主様の馬車だと到着時間が違う。それも何時でも好きな時間に入れる。


追い付けなかったのは仕方ないが、まさか領主様の使用人の馬車に女の子が乗っていると・・・・・何で気が付かないんだ。分からない、ミアちゃんじゃないのか、確かめるまで帰れない。





「起きなさい、もう入れるわよ」


「後五分寝かせて下さい、静と動の訓練で疲れました」


「私、交代なのよ、起こしたからね」


もう朝か、門の前で寝るのはよそう、何回も起こされて寝れなかった。


「では、綺麗なお姉さんお疲れ様です」


「え、お疲れ様」


挨拶が終わればもうここに用はない、不審人物扱いされなかっただけ良かった。


街に入るといつもの様に広い街に大きいお城、分かりやすいお城で良かったと思う事は初めてだ。


もう急がない、目的の場所がそこにある。


でも急ぐ、ミアちゃんが心配だから。





いつもの様に橋の中央でお堀を見る。


出来れば橋のお城側じゃない反対側にも見張りを置いてほしい。1人で橋を渡るのは平民には辛いのだ。


いくら大事な用があっても。


ほら来た、おびき寄せ作戦が成功した。


「さあ、中に入りましょう、まだ朝も早いお出かけするならお食事をしてからにして下さい」


「はぁ~」


何の事か分からないが、中に入ってミアちゃんを捜そう。


門番さんは付いて来てくれないらしい。


しかしその方がいい。


スキルスパイを発動、建物を背にして左右を見る。


「何処に向かえばいいんだ、大きいし広いぞ」


誰にも見られない様に裏に回る。


騎士が朝から剣の稽古をしている、まだ甘いな動きが雑だ。


「おはようございます」


スパイは難しい、直ぐに見つかってしまった。


「ご苦労様」


見つかってしまったので隠れるのはやめた。


11人の騎士がいる、それぞれ二人で稽古をしているが、1人の騎士は皆の稽古を見ている。


まだ若くて、僕よりは年上に見える。


「相手がいなくて稽古が出来ないの?」


その若い騎士の前に行き話掛ける。


「は~、私は未熟なので稽古が出来ません」


「見るのも稽古だよ、ほらあそこの人は前に出た時に腰が引けている、あれでもいいけど姿勢は大事だからね、その横の人は剣の持っているところが悪い、打ち合いをしている時に振動が手に伝わるから長時間戦うことは出来ない、見ていれば誰のどんなところが良いか悪いる分かるはずです。先ずは見る事、それをどれだけ真似できるか、この中ではあの長剣を使っている人が一番剣を使うのが上手い」


「隊長です、皆に稽古をつけてくれる為に朝から来てくれます」


偉い人だな、動きが良いな。稽古だから本気ではないだろうけど強そうだ。


「剣を構えて見せてよ、僕が君の姿勢を確認するから」


「はい、お願いします」


構えはいいな、綺麗に立っている。


「両足の間が広すぎるよ、早い動きにその足の位置だと防御はいいけど攻撃には向かない、あと少し近づけて構えて」


足の位置は良くなった、後はその足の間隔を覚える事だ。


「次は剣での攻撃、片手なら手を伸ばさない。伸ばし切ると動きが遅くなる、攻撃した後は元の位置に戻すか次の攻撃の為に早く引いて構える、今の動きが出来れば隊長と稽古が出来るくらいにはなるよ」


「は、ありがといございます」


「見学するよりも、今の練習している方が早く上手くなるよ。その後であの人達の動きを見た方がいい、分かる事が沢山ある筈だよ」


「そうですか、見学しないで練習してもいいのでしょうか?」


「うんいいよ、見学は見ているだけだ、隊長もその方がいいと言うはずだよ。それじゃ頑張ってね」


「ありがとうございます」


礼儀正しいな、流石貴族様だな。


騎士団の剣の稽古を見ていると練習したくなる、ミアちゃんを捜さないと。



「この階段はグルグルしすぎだよ、迷子の後にグルグルはきついよ」


裏庭からお城に入ったまでは良かった。最初は振り向けば裏庭で何処にいるのか確認出来た、でも、ローランドのお城と同じで迷路の様になっている。分かりにくい様に建ててあるんだな。


「誰も攻めてこないんだから、分かりやすくしてよ。どこに行けばいいんだよ、見張りのいる所には行きたくないし、隠れてこそこそしていても、ミアちゃんが見つかる様な気がしない」


女の子の話し声が聞こえるが、ミアちゃんの声ではない。


楽しそうに雑談でもしているんだろう、ドアの前には警護の人がいる。


違う階に行こう、大分上って来たな。誰もいない通路なのでお部屋を確認してみるか。


「足音をたてないで、のんびりと歩くドアまでもう少しだ」


ドアを開けて中に入ったけど誰もいない、貴族様の子供の部屋だな。


本棚が部屋の壁の代りの様に置いてある、この部屋の子供は本好きだな。


本棚の本は色々な種類の本だ。人の本なので勝手に見てはいけないな。


「すいません、本を読みます」


断りを入れたので読む事にした。


「薬の作り方、上級。材料は光の雫とドラゴンの牙・・・・・・どこにドラゴンが居るんだ。生息地は書いて無いのか、役に立たない本だな」


ドラゴンは居ませんでした。次の本は何かな。


「伝説のパチンコの作り方」


伝説か、響きは凄くいいんだよね。これも本棚に返そう。


「伝説の少女世界を救う、何をしたのかな・・・・・・リリカ・クライスの本か、南の大陸から来た冒険者・・・・冒険者はいい人が多いよな、何歳で世界を救ったんだ。18歳て若すぎないか、僕は14歳だから4年後・・・・僕の成長スピードは遅いからドラゴンさんを探してそうだな・・・・・・話し声が聞こえてきたぞ」


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