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アルジュ村

「ルルさん、お嫁に行くんですか?」


「直ぐに助けなさいよ」


ルルさんが蟻の魔物に運ばれている、近くに僕以外誰もいない。


「そうですか、作戦ですね。巣を発見する為に自ら運ばれて行く」


蟻の魔物を倒していたルルさんに後ろから忍び寄って来た蟻の軍団。手には何か持っていたがルルさんを発見するとそれを捨ててルルさんの頭を殴った。


クラクラしていたルルさんを3体の蟻が連れて行くのを隣で見ている。


何故か襲われないので、見守る事にした。


「違うのよ、蟻は女の子を特別に綺麗な子を女王蟻に貢ぐのよ。男子には興味がないのよ、襲われるのは女性限定なのよ」


「変わった料理を食べてくれるなら助けますよ。仕方ないから」


「食べるのは嫌、それに仕方が無いとは何よ、いつも親切にしてあげているのに」


「僕が寝ていると楽しそうにハンモックを揺らしてますよね」


「違うのあれは・・・・・そう弟を起こす時の様な感じなのよ、意地悪ではないのよ」


運んでいる蟻さん達は坂を下って行く。そろそろ蟻の巣なのかな。


「皆には伝えときます、嫁に行ったと。落ちていた武器はアルさんに渡しときますよ」


「本気なの、私食べられちゃうのよ、助けてよ」


面倒な人だな。


「降りればいいでしょう、持ち上げられてるだけなんだから」


「そうね、降りる」


ルルさんは蟻から降りて武器を手にして攻撃をした。


無害に見える蟻を倒していくルルさん。


「僕帰ります、遅くなると母さんが心配するので」


馬車に戻る事にした、ルルさんも不意打ちされなければ余裕なので。


「待ちなさい、蟻は多いのよ。倒すのが大変なのよ」


確かに蟻は沢山いるので時間が掛りそうだ。それに蟻さんが可哀そうなのでルルさんを担いで逃げる事にした。


「ルルさんを運ぶのは初めてですが、全力で走りますよ」


「遂に私の番なのね、さあお願いよ」


嬉しそうなルルさんを担いで馬車に戻る。


「ルルとユーリは何をしていたんだ?」


馬車に戻るとアルさんがリーダーらしく僕達が何をしていたのか聞いてきた。


「草原の坂で蟻と戦っていたのよ。大変だったんだから」


「蟻か、可愛そうに」


アルさんはルルさんの報告を受けて歩いて行った。


「蟻さんは無害なんだね」


「そうね、あの坂に行かなければね」





「ユーリ、今日は疲れました。美味しい食べ物をお願いします」


「私も美味しいのでお願い、疲れを取るのには美味しい物を食べて良く寝る事なのよ」


どうやら2人は疲れているらしい。しかし、今日は面白い事があって僕はウキウキだ。気分がいい時は何かしたくなる、そうだ、ミアちゃんとアメリアさんが喜びそうな夕食を作ろう。


オーク肉の下ごしらえは終わった、パンを千切れば・・・・・・ミヤちゃんが僕の事をジーと見ている。


「ミアちゃんもやりますか?」


「はい」


「アメリアさんは見てて下さい」


「はい」


アメリアさんは不器用でも手伝ってくれるのだが、苦手な事をお誘いしてはいけない、見学してもらおう。


娘のミアちゃんが楽しそうにしているのを見ているのが好きだから、何もしないのもありだな。


「パンを千切って下さい、大きさは小さい方がいいです、お願いします」


「はい」


ミアちゃんは僕がやっていた位の大きさに千切ってくれている、任せても大丈夫だな。それなら野菜スープを作ろう。


野菜は噛む事を意識しなくていいぐらいの大きさに切って水に浸した。魚は野菜より大きめに切る。スープの具はこれだけだ。


「ハンバーグ」


とろ火で野菜が柔らかくなる様にしたので、オーク肉を挽き肉にするためにみじん切りをしているのを見たミアちゃんはハンバーグと聞いてきた。


嬉しそうな笑顔のミアちゃん、でも今日は違う料理だ。


「昨日ハンバーグを食べました、今日はハンバーグの様にコネコネをしますが違う料理です」


「コネコネ」


「しますか?」


「はい」


プロの申し出を断る訳にいかないのでお任せしよう。


「お願いします」


スープに味付けをして完成させよう。牛乳が無いのでバターを少し多めにする。


偽クラムチャウダーが出来た。


メンチカツを揚げていると、作っている料理が気になったのか、みんなが集まって来た。


「何だこれ、美味しいのか」


文句の多いウイントンさんが、美味しいのかと呟いた。


「僕の知り合いに嫌いだと言った人はいません」


給食でメンチカツが出た時はジャンケン大会が始まる、勿論、女子を含めた全員が参加する。


僕の通っていた小学校は何故かおかずが余分に有る。


クラスでジャンケンが始まると、他のクラスのジャンケンの掛け声が聞こえてくる。


メンチカツは大人気だった。


「ジャンケンに負けた人から食べて下さい」


ジャンケンと聞いてミアちゃんの顔が曇る。


アルさん達とミアちゃんは仲間の様にジャンケンに参加するが、奇跡の少女は負けた事がない。


僕も1回も勝った事がない。ミアちゃんは負けたいのだ。


仕方ないここは反則技を使おう。


「最初はグー、だな」


アルさん達に伝わる様に睨みつける。


アルさんとルーベルさんは物分かりがいいので直ぐに気が付いてくれた。


面倒なウイントンさんが分かるまで、僕達は睨み続けた。


「ああ、そうか。グーか」


「では、始めます。最初はグー」


ミアちゃんはチョキを出した、他の皆はグーだ。


「ミアちゃん負けました、最初にグーを出さないといけなかったんです」


「え、負けたの、やった~」


ミアちゃんがグー以外を出すまで続けるつもりだったが最初に決着がついた。


卑怯な子供の様な事をしたが、仕方ない。


「では、メンチカツとスープをどうぞ」


メンチカツはミアちゃんに渡してスープはアメリアさんに渡す。


「さあ、アルさん達の番ですジャンケンをして下さい」


負けた人が決まるまでにロードさん達にも配っとこう。


「美味しい、コネコネしたのにハンバーグと違う」


「面白い食感ですね、サクサクと音がなってハンバーグと違い少しまろやかですね」


ミヤちゃんとアメリアさんはメンチカツの感想を言ったけど、ロードさん達は無言だ、でも、美味しいと思っていのが分かる、表情に出ている。


ウイントンさんが手をあげているので負けた様だ。


「どうぞ、食べて下さい」


「何だよ、美味しいじゃないか。何でジャンケンをさせたんだよ」


一口食べたウイントンさん、美味しいけどジャンケンをさせた事に文句を言っている。素直に美味しいと言えないんだな、困った人だな。


そうなのだ、ミアちゃんは必ず勝つ人、ウイントンさんは必ず負ける人だ。


ウイントンさんが美味しいと言ったのでアルさん達は安心したようだ。


遊びを取り入れた、負けた人は美味しくない物を最初に食べる。しかし、ミアちゃんも参加したので変なことになった。


安心しているアルさん達にメンチカツの載っているお皿を渡していく。


「もうすぐ街に着く、楽しみだな」


メンチカツは美味しかった。





ガーベラから西に進み、北西に進路を変え今アルジュ村の門に並んでいる。


南門はガーベラに続く南東の街道と南西に続いている街道がある。


並んでいると、南西の街道から村に来ないで南東のガーベラに向う荷馬車が通っていく。


「沢山の荷馬車が通る先にはドラゴンさんが居るかもしれない街があるのかな」


「早く見たいですね」


マリアさん達も見たくなってきた様だ。温泉の時も待っている僕と一緒に待っていた。


「1人で行きたいのですが、付いて来るつもりですか?」


「当たり前、俺も会って見たくなった」


バジルさん見る気満々だ。


ロードさん達の馬車が村の中に進んで行った。


「君、その荷車と大樽はどうするのかな?」


門番さんは空になった大樽と荷車をどうするのか質問してきた。


「大樽の中に食料を入れていたのですが、無くなったのでこの村で売ります、荷車も売るつもりです。」


「そうか、必ず売るように、ゴミの投棄に困っている、守るように」


「分かりました」


ロードさん達を追いかけよう。





ロードさんと村の木工工房に来ている。


「荷車と大樽をくれるのか、何でだ?」


「邪魔」


「えっと、行商の旅で他に馬車があるのでどうぞお受け取り下さい」


僕の代りに説明してくれたロードさん。


いつもの作戦の引継ぎをした後に、要らなくなった荷車を木工工房に引き取って貰う事にした。


ガーベラの木材工房の荷車はアルジュ村の木工工房を荷車になった。


「ありがとう、注文が来たら製作すればいいんだな、仕事が増えるな」


親方は嬉しそうだ。注文が殺到すれば忙しくって『おい、注文の数が多すぎる、いつ休めるんだ』と言うはずだ。


「ギルドには話してきているので、近いうちに注文が入ると思いまうす」


「分かった」


制作と説明をお願いして、お店から出るとロードさんと別れた。






「この国の村はローランドの村よりも広いな」


この国の人達はどこの地域でもムキムキだ。


ロードさんに聞いたら、お祭りは春と夏にあるらしい、どちらの季節にするのかはその地域で違う。春と夏両方やる地域もある。今は冬なので祭りはない。


「武器屋に行ってみるかな、大銀貨1枚で買える武器があるか確認するか」


伝説のパチンコに慣れてきたが、接近戦と静と動の鍛錬が出来ないので剣が欲しいと思っている。


「おや・・・・・おじいさん、名刀はありますか?」


おじいさの武器屋さんだった。おやじと呼んだ方がよかっただろうか。


「名刀はありませんよ、うちは代々普通の武器屋、初心者から中級者の武器しか扱っていませんよ」


それなら安い武器も有りそうだな。


「武器を見てもいいですか?」


「見ておくれ、この頃の子供は冒険者になろうと思わないのか、店に来る子はいない」


おじいさんの許可が出たので展示されえている武器を見る。


両手剣に長い剣が無い、扱いやすい長さから短い武器が並んでいる。


短いと安いのかな、材料が少ないし。


値段を見てみると金貨1枚からしか武器が無い。子供には買えない金額だ。


伝説の武器は売っていた、大銀貨5枚。


伝説の武器を使っているのを見た事がない、使っている人は僕だけだな。


「おじいさん、ありがとう」


「また、来ておくれ」


見に来ても買えないので来づらいです。





市場に干し肉が売っているか見に来た。


市場は多くの人出で賑わっている、どうだい買わないかともっと安くしてよと聞こえてくる。


そうだ、まだ値切った事がない。いつか値切ってみるかな、その時は干し肉を沢山買う。


市場に干し肉は売ってなかった、この辺でも生産されていないのだろうか、ローランドからこの村に持って来て販売はしないだろう。高くなりすぎて誰も買わない。


この村でロードさんは行商の仕事はしない。


ガーベラからこの村までに無くなった食料を買えば準備が終わる。


オーク肉を食べ続けていたので、野菜は無くなったけど肉は少し余っている。アルさん達はオーク肉も食べれて他の肉も食べれて喜んでいた。


ロードさんはガーベラとダリューンが近いのでここでは商品が売れないと分かっていたので食料を買うの為に1泊のする事にした。


ダリューンには馬車で1日位の距離だと教えて貰った。僕達が向かうのは南の方らしい。


「目新しい食材は売っていないな」


小物等を扱っている店に行ってみたが、魔道具は売っていなかった。


「ガーベラでは、扱っているお店が無いかも知れないな、シーラさんが買い付けに行っているのは知人にあげるだけなんだな」

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― 新着の感想 ―
[一言] 元が暇潰しの為の冒険者だからか お金に執着しないよね 普通なら巡り巡ってきちんと 戻ってきているはずなのに あっさり手放すからみんな当然だと 思ってしまっている。 ロードさん良き商人であるな…
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