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慣れた右手

僕が着いた時には戦闘が終わっていた。


周りを見ると昨日より危機感がなくなっている。


「ユーリ、お帰り。便利丸は出来たのか?」


僕を見つけてアルさんとルーベルさんが来た。


「はい、ミアちゃんが頑張ってくれまた」


「そうか、作戦は成功した」


「怪我人が出ないくらいに分断されていた。最初の誘い込みは隣から魔物が来てしまったが、数が少なかったので大丈夫だった」


「直ぐに慣れたよ、騎士団は人数が多いからこちらよりも余裕があったみたいだ」


「他に皆はどうしたんですか?」


「あそこにいる」


あそこを見ると、くつろいでいた。


まだ時間は3時頃、僕が夜間に仕掛けたとしても明日の朝まで暇になる。


騎士団の方を見ると隊長らしき人が来る。


「あの人は?」


アルさんは僕の視線の先の人を見て「騎士団の隊長だ」


僕の前に来た隊長がお辞儀をしたので僕も返す。


「君がこの作戦を考えたユーリ君だね、助かったよ」


「僕が考えたのは、分断するのにどうすればいいかだけです、それ以外はこちらのアルさんの案を改良しただけです」


「そうか、いい仲間だな。この後だが明日も同じ様にして貰えるのだろうか?」


「明日は今日より頑張って欲しいです。魔物の討伐を夕方ぐらいまでして下しさい」


「でも、騎士団は疲れている。そんな長い時間戦えない」


残念そうに言っているが頑張って貰おう。この討伐が終わればガーベラ近郊では魔物が少なくなる。


「僕に秘策があります、指揮権を僕に下さい、5時間でいいすそれだけあれば明日は今日以上に討伐出来ます」


僕と隊長の会話を聞いている2人は面白そうに見ている。


「しかし、指揮権をユーリ君に譲るのはどう考えても無理だ、皆も納得しない」


「この作戦には、どうしても必要です。皆さんは貴族様だと思いますが、時には平民に従うと得をする事がある事をお教えします。5時間です、僕の命令は誰でも聞けて自分が得をするんです。隊長も『いい5時間だった』と必ず言います。それに僕は夜間に頑張らないといません。僕の夜間の働きと騎士団の5時間だと僕の方が働いている事になります」


隊長は僕の話を聞いて黙り込む。


アルさんとルーベルさんは小声で「おい、貴族様だぞ」「その5時間はどんな事をさせるつもりなんだ」と言ってきた。


「分かった、その5時間で騎士団がどれだけ働く見せよう」


「では、騎士団に任務を与えに行きましょう」





「皆さんは今から僕の命令に従わまいといけません、僕は今から隊長です。命令に背いたら前隊長が罰してくれるでしょう」


「それは、今から君が隊長で騎士団員は命令を聞かないといけないといけないという事か?」


「そう話しました、同じ事を言わせるな副団長・・・・副団長ですよね」


「そうだ」


「今は僕が団長なので命令に従って下さい。他の皆さんも同じです、明日の作戦の為に必要な事なのです、質問は受け付けてないのでこれから指令を出します。いいですか?」


誰も返事をしない。


小声で体長に聞いてみる。


「分かった時は騎士団では返事をしますか?」


「ああ、だいたい『はいか、分かりました』と答えている」


「まだお分かりではないようですが、前騎士団長は僕に騎士団長を任せました。副団長も今は僕の下につきました。返事がありませんが何も言ってこないのでそのはずです。僕の指令を忠実にこなして下さい」


「「「はい」」」


嫌々だが返事をした。少し楽しいな、討伐が終わったら逃げよう世界の果てに。


「着替えを持ってここに整列、時間は3分までです。遅れた者がいたら全体責任です、ガーベラの周りを10周走って貰います。では始めて下さい」


つまらない、1分も要らないなんて。


「アルさんここに来て下さい」


何で呼ばれるだと呟きながら僕の横に。


小声で「温泉で騎士団の疲れを取って来て下さい。なるべく遅くなる様にして下さい。アルさん達の分も入れて食事を作っておきますから」


「何だ、そんな事を考えていたのか、何で団長になったんだ?」


「温泉に入りに行けと言っても聞いて貰えないからです、5時間だけ隊長権限で温泉に入れと命令したかったんです」


「分かった、のんびりと温泉い入って来る」


「すいませんが温泉の入り方を教えてあげて下さい、それと駄々をこねたら隊長の命令だと言って下さい」





皆がいなくなったので、オークを探して解体する。


「おお~、右手が治っているから解体が早い。左もそれなりに使えるけど、慣れた右のほうが早い」


倒された魔物が凄い数だ。見てはいけない蜘蛛の魔物がいた、大きい人と同じ位の大きさははありそうだ。


「戦いには参加してはいけない蜘蛛がいる」


もっと優しく温泉に向かう様にすればよかった、あの人達は明日も蜘蛛と戦ってくれる。


便利丸を仕掛けるのが夜で良かった、蜘蛛を見ないですむ。


騎士団の寸胴鍋にオーク肉をどんどん入れていく。


「200人分だから急ごう、後6人分もだ」


寸胴鍋に15個にオーク肉を入れる事が出来た。


「ヤバい水がないぞ、便利丸は置いたからこちら側に魔物が来ないだろうな」


街に水を取りに行く。





「隊長からの命令です、すぐに裸になりあの湯気の出ている所に入って下さい」


「え、裸になるのか何で」


皆から嫌だと言われたがここでウイルソンが一言。


「皆は知っているかな、ユーリが怒ると怖い。俺は奴を怒らせて全財産を無くしたこの年で財産が全部無くなる怖さが分かるか、おれは泣いたよ。苦しくて辛くて大変な日々だ。奴を怒らせるか、全財産が無くなるかどちらかを選ぶ事になるだろう、見ろ思い出しただけで涙が出る」


皆は大の大人が泣いているのを見て湯気に向かう。





「皆さん、あの温泉は私達女性の肌を綺麗にしてくれます。長くつかり過ぎるのは良くありませんが、肌を綺麗にしましょう」


「はい、あそこに入ればいいんですね」


「わあ~、何か綺麗になる気がします」


「ああ、疲れが取れる」





皆が温泉でのんびりしている間にシチューを完成させよう。


下ごしらえして臭みは取った。後は煮るだけだ。


「今頃温泉に入ってるんだろうな。皆がいたらレッドちゃんは遠慮してこないだろうな」


夜ご飯には早いけど干し肉でも食べるかな、後は待つだけだ。


夜の作戦の準備をする。昨日より沢山仕掛けよう慣れてきたはずだから明日は頑張って貰おう。


ロードさん達の予定もあるから、明後日くらいにはほぼ終わらせたいな。





「ユーリ君、温泉はいいな。アルさんから聞いたよ。騎士団の疲れを取るための騎士団長権限だったんだな。誤解するところだったよ」


「でも、隊長の命令は気持ち良かったですよ。貴族様にあんな口を聞ける機会はそんなに有りません。それに疲れていてはミスが起きます、5時間の隊長としては皆に疲れと美味しい食事を食べて欲しかったんです。僕は貴族のお腹を満たすプロなんです」


「食事も用意してくれたのか」


「貴族の皆さんが好きなオーク肉のシチューです、倒したオーク全部を持って来る事は出来ませんでしたけど、皆さんが食べる分はここにあります。鍋をお借りしました」


「ありがとう、明日は皆も頑張るだろう、美味しい食事なんて遠征に出れば食べれない。有難く頂くよ」


「明日の作戦でお願いがあります」


「何だい」


「明日の討伐の後にはここの野営をやめてもっと東に場所を移して下さい。そうしないと毎朝遠くまで行って戻る様になります」


「そうだな、場所を移そう、他にないのかい」


「油断しない事位ですが、貴族様に油断をする様な人はいない筈です。怪我に気を付けて下さい。僕は明日の為に移動します、後はお願いします」


リュックを背負い前にも持つ、いつもの挟まれた子供になり「明日は皆さんの前に来ないかもしれませんが、明後日の作戦もちゃんとしますので移動だけよろしくお願いします」


「ありがとう、ユーリ」


「僕達平民は何も考えていません、今の生活を維持するだけでも大変なので、でもみんな感謝しています、魔物から守ってくれて。これにてご免」


「ありがとう~、確かに君の方が働いている5時間だった。もう聞こえていないか」






「うわ~、誰か助けて蜘蛛の魔物です」


意外と速いのだ。蜘蛛がいるのを知ってしまって、音がするとつい見てしまう。怖ければすぐに逃げればいいのについ確認をしてしまう。


「松明持っていても怖がらないんだな、オオカミの魔物も火を見ても追って来るのかな」


なんだよ、千葉で見た蜘蛛がかわいく思えるぞ。


昨日と違う設置をした、分断した後に魔物が他の便利丸の囲いに入らない様に、最初の時に気がつたが便利丸が少ないのでしょうがないと思ったけど安全の為には囲いを作る時に使う便利丸を6個にした。


横の移動を制限する為だ。昨日の様にセットすると横移動をする可能性があった。


14個の部屋の魔物が一か所に集まってしまう可能があった。


「明日の騎士団の魔物討伐は今日よりも簡単になるはずだから便利丸を全部仕掛けよう」


この作戦の良いところは疲れたら休めるところだ、魔物に発見されない所まで戻ればほぼ安全。


後ろから魔物が出現する可能性もほぼない。森の周りにも便利丸を置いているので森から外に出る魔物も少ないだろう。


「おお、前から来た。糸を吐いたぞ、変な液体も吐くのか。止まれない後ろからも来ている」


「グニャ~」


潰れないが変た音がしたぞ、蜘蛛の上を走る。


「なんて恐ろしい森なんだ。二度と来ないぞ」


蜘蛛に遭遇する度に文句を言って作業を続けた。


意外と便利丸をセットするのに時間が掛かったのは、蜘蛛から逃げたりしていたからだ。


「終わった、街の近くで野宿するぞ」

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