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とろけそう

荷車を引いている僕、ゴロゴロ~、ゴロゴロ~と引いている時のリズムカルな音が心地いい。


「ゴロゴロがいい音に聞こえる」


南門から皆のいる場所にゴロゴロなる材木の載った荷車を引いて行く。


「久しぶりだな、両手で引くとバランスがいいな」


皆が見えてきたが、既に出来上がっているのがここから出も分かる。


「遅いぞユーリ、お前も飲め」


「そうよ、楽しまないとダメよ」


皆、酔っ払いになってしまっている。


「皆、ここで楽しんでいて下さい。まだまだ木材を運んで来ますから」


「分かった、楽しんでるぞ」


荷車の上の材木に視線を向ける、全然足りないな、後、何往復すればいいのかな、手が治って良かった。





「最初からあの人達に手伝って貰うつもりはなかったけど、皆は毎日あの場所で、飲んだくれているだけなのかな」


木材工房に荷車を返して、今は囲いの柱のを土の所に打ち込む作業をしている。広いので、何本打てばいのか分からないが、怪我が治って両手で打てるので簡単に地面に打ち込む事が出来る。


沢山打ち込んで来たけど、僕の考えた広さの半分ぐらいしか柱が打ち込まれていない。地形がデコボコなので、地面の高い柱に合わせる為に低い場所は3本の木材の組み合わせで1本の柱にして、高い場所の柱に合わせた。僕が考えているのは、全体の囲いの高さを均一にする事だ。


「早く完成させて一緒に入るんだ」


早く完成しないかな、頑張るぞ。






「なあユーリ、ここで何をしているんだ?」


あれ、ウイルソンが変な事を聞いてきたぞ。


「温泉に入る為に囲いを作ってるんだけどけど」


「温泉て何よ」


ルルさんに質問された、誰でも知っているよね・・・・・・もしかして。


「温泉は温泉ですよ。もしかして、温泉をご存じではないんですか?」


「初めて聞くわね」


マリアさんも知らないみたいだ。


囲いが、ほぼ完成している小さい方に皆を連れて行く。


「この水、じゃなくて、お湯に手を入れて下さい」


「暖かい~」


皆の感想は温かいだけだった。


「この中でお風呂を知っている人いますか?」


誰も知っていると言ってくれない。


もしや、ローランドのお風呂は魔道具が使われているのかな、その可能性は高い。


西の大陸のガーベラは魔道具が無い、シーラさんが持ち込んだ魔道具しかないのかもしれないな。


お風呂に入った事のある人はここにはいない事になる。


全員に教えるより、先ずはルルさんとマリアさんに説明しよう。






「何これ、気持ちいい」


「そうですね」


「疲れが散れる感じがする」


「寛ぎますね」


2人には温泉の入り方を説明した・・・・・・入ってみれば、説明は要らないだろうけど、お風呂にも入った事が無いんだから、何で中に入るんだと思うかもしれない。


「俺達も入りたいぞ」


お2人の寛いだ声が聞こえるから、男性の皆も入りたくなったんだな。


「何だ、この囲いは」


そうか、見られると恥ずかしいけど、見えなくする事を思い付かないのか、だから囲いが何の為にあるのか分からない。


「女性も男性も見られていると寛げないんです、男性と女性の入っている所を分ける為の囲いなんです。2人が出たら入らばいいと思いますよ、見られるのが気にならないのなら、あそこにも同じ様に温かいお湯が溜まってますよ」


4人は相談する様にそれぞれの顔を見ている。


「どうする、あそこに入るか、それとも待つか」


相談の結果は、2人が出るのを待つだった。それなら、僕は作業の続きをしよう。





「いい湯だな、いい湯だな、気持ちがとてもいい、いい湯だな」


完成してから2日目だけど、レッドちゃんは現れない。


一緒に入ろうと頑張ったのに、広い方がドラゴンのレッドちゃん用で小さい方に僕が入っている。


レッドちゃんは火山のお陰で温泉が好きになってここに入っている?。


「毎日温泉に入れるなんて贅沢だな、皆もつかり過ぎてのぼせているしな・・・・ああ、教えないといけないのか、入口に書いとくか、僕のせいでのぼせた人が温泉から出れなかってら、その人はどうなるんだ」


のぼせた人を発見してと聞いた事はあるけど、のぼせたままだと・・・・・考えるのはよそう、怖い。


5日後に出発だ、それまでここにいてもレッドちゃんは発見出来そうにない。街に・・・・・忘れていたギルドのお姉さんにドラゴンさんの事を聞かないと、温泉はまた今度来た時に入ろう。急いでギルドに行こう。あれ、もう温泉に入ったんだよな、温泉の続きはまた今度だが正解だな。




「ユーリ、何をしているんだ?」


「ロードさん、ギルドに行く所です」


「ユーリから、匂う」


ミアちゃんがクンクンしている。


「ああ、温泉に入っていたから、お湯の匂いです」


「温泉?お湯?」


ロードさん一家は知らない、お風呂を知らないからな。


説明が出来ない。お湯に入る習慣が無い人に分かって貰うのがとても難しい。


「ロードさん達に時間があるなら温泉に招待しますよ。最高に幸せになれる所です」


「時間はあるけど、幸せになれる所か、アメリアどうする?」


「幸せにはなりたいですね」


「はい」


温泉に行く事に決定したので、皆の着替えを取りに行って、温泉に向かう。





「こんな所に何があるんだ」


南門から出て少し来た所からだと囲いが少し見えるぐらいだ。囲いの中が見えないし、お湯のたまっえいるのを見ても何とも思わないだろう。


「もう少し先です、街から近いので魔物がいません。周りを確認はしたので安全です」


アメリアさんは振り返って街を見ている。


「ガーベラの南にある山に来た事はありませんでしたが、こんなに近かったんですね」


「そうなんです、それでこれから行く所は、近いので、いつでも行ける場所です。覚えておいた方がいいです」


「あの板は何だろう、壁みたいに横に広がっている」


見えて来た、僕の作った囲いを指してロードさんが僕の方に視線を向けた。


「あの囲い中に温泉があるんです」





「囲いの中に、ルルさんとマリアさんがいるので、お湯の中に入る時の説明と注意事項を聞いて下さい。女性専用なので僕は入れません」


僕が持って来た2人の着替えをアメリアさんに渡して、ミアちゃんを連れて囲いの中に入って貰った。後は中で寛いでいる2人に任せよう。


「ルルさん、マリアさん、アメリアさんとミアちゃんに温泉の入り方と注意事項を教えてあげて下さい」


「分かりました」


「了解」


「私はどうすればいいんだ?」


ロードさんをルルさん達が入っている方に入って貰う訳に行かないので、広い方に案内する。


「付いて来て下さい」





「ユーリ、気持ちいいぞ」


「どうだ、入らないか」


アルさんとルーベルさんは目を閉じている、温泉を気にいったようだ。


「見て分かる様にアルさん達の様に入るんです。服は全部脱いで下さい」


僕の指示に、ロードさんは着ていた服を脱いでいく。


「これでいいのかな、では、入ってみるか」


「ウイルソンさん、ロードさんに説明して下さい、後長く入るとどうなるかも教えて下さい」


「分かった、ユーリは入らないんだな」


「僕は朝は入ったので、それにギルドにドラゴンさんの情報を聞きに行きます」


「ドラゴンか何か分かったら教えてくれよ」


「分かりました」


急ごう、早く知りたい。




ギルドの中は騒然としていた。王都なので、ギルドにいる冒険者は少ない、騎士団のお陰で近隣に魔物がいないので冒険者は王都に立ち寄る事はあっても依頼を受けに来る事はあまりない。ローランドもそうだった。


その少ない冒険者が慌てているみたいだ。


「ターナさん、ターナさん。受付カウンターにお客様です」


「なあに、今のは?私に何の用なの?」


目の前にいた人がターナさんだった。受付だしな。


「呼び出しのお知らせです。僕はユーリと言います、お聞きしたい事があります」


「何かしら、ギルドの説明かしら」


「実はドラゴンさんを探しているんです、ご存じだとお聞きしたので尋ねて来ました」


ターナさんは何か考えてる様だ。


「西の方にハイバード村があるのその近くにいる筈よ、昔の事だからよく覚えてないけど」


西のハイバード、ハイバード、ハイバード、覚えれたかな。


「ここからハイバード村は近いですか?」


「凄く遠いいわね、どの位遠いかはよく分からないけど、私の知っている街の中では一番西にあるわね」


良かったドラゴンの情報を聞いて。情報を知らないで、通り過ぎたハイバードに2回も行くのは大変だな、一番西だ。


これが旅だよな、ワクワクする。少しずつ分かっていくのがいいな。攻略サイトを見てゲームを進めるのとはだいぶ違う、攻略サイトは見てはいけない。どうしても分からない時に見るのがいい。


この世界の攻略サイトは貴族様だが、あの人達に関わると余計な事をさせられてしまう。


ギルドに聞くだけなら余計な事はさせられる事は無い。それに、受付の人は親切だ。


「ユーリ君、私からお願いがあるのよ、冒険者を知らないかしら、今大変な事になっているのよ。掲示板に特別な依頼が貼ってあるの、分からない事は説明するけど、先ずは依頼書を読んでね」


ターナさんにお願いされた、その特別な依頼書を見に行こう。


大森林に生息している魔物が大森林から出て来る様になってたので、騎士団と冒険者が討伐にしに行くのか、どの位いいるんだろうな。


ロードさんは大森林は魔物が多くて通れないので、大回りしてガーベラに来た。距離は離れていけるけどゴールドルルとガーベラは隣の街になる。その間にあるのが大森林、大森林の広さはほぼガーベラとゴールドルル位あるそうなので想像できない程広い事になる。


Aランクの冒険者は必ず参加するようにと書いてある。


アルさん達に知らせないと急ごう。


「ターナさん、ランクAの冒険者がいるので呼んで来ます」


「良かった、お願いね」





「皆大変です、ギルドに特別クエが貼られてました。Aランクは必ず参加するようにと書いてありました」


温泉から出て寛いでいる皆に急いで特別クエの説明をする。


「そうか、緊急依頼か。あの大森林か、冒険者でも通らない森の」


「困った、今は行きたくない」


ウイルソンさんはとろけてしまった様だ。


「私も行きたくありません、森だと火魔法は役に立ちません」


「特別クエだ、行くぞ」


リーダーは自分の荷物を取り歩きだした。


文句を言っていた2人も荷物を持って付いて行く。


「ロードさん達はどうしたんですか?」


「最高だ~、明日も来るぞと言って帰って行った」


最高だったか、いつもお世話になっている。温泉でのんびり出来るといいな。


「ユーリも行くのか、依頼は受けれないはずだぞ」


「そうね、ランクCはないと受けれないはずよね」


「そうだな、大森林だし安全のために街に残る方がいいだろう」


「一時的にパーティに入れば受けれませんかね」


「「受けれるな」」


僕の質問にアルさんとバジスさんの答えが重なった。


「皆さんよろしく、東の大陸から来ましたユーリです。東の大陸ではランクはC以上でした」


「はぁ~、C以上てなんだよ」


「あまりランクにこだわっていなかったので、覚えてないんです。倒したことが有るのはオークとベアです」


「オークとベアが倒せるならガーベラでもCランク以上だ」


「そうか、俺が大負けしたコロシアムの最後の魔物はオークのはずだ、ユーリはオークに勝ったんだな、最後までお金が有っても負けてたのか」


ウイントンさんはスライムに負けた僕には賭けたくないんだろうな。


「ユーリ、一時的にパーティに入る事を許そう、皆もいいか?」


「「「「「異議なし」」」」」


「では、急ごう。冒険者が少ないはずだ」


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