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唐揚げと大洞窟

母さんに赤ちゃんの親がシューゲル侯爵だったと教えたら。


「何か粗相はしなかった」と聞かれた。


自分では何事もなかったと思うので『何もして無いよ、説明と食事をご馳走になっただけだよ』と言っといた。


侯爵様の屋敷に訪問した事を母さんに伝えたので、部屋で暇つぶしを考える。


ボウガンはもう作った。


材料を全てを工房に任せて、組み立てと調整は自分の部屋でした。


僕の部屋は出入りが自由なようで、シシルが入って来た。


「ねえ、それは武器なの?」


「そうだよ、飛んでいる鳥とかも狙えるんだよ」


「そうなの、鳥を食べるの楽しみにしているわ」


ボウガンの感想と鳥が食べれると言って、シシルは出て行った、何しに来たんだろう。


大森林に薪でも拾いに行くか、ついでにボウガンで鳥を狙ってみるか。


朝食を食べて門を抜けると大行列が出来ていた。


こんなに並んでるのは初めてだな、何かあるのかな。


「何で並んでいるのか分からないけど、大森林に行こう」




大森林に着いて、直ぐにボウガンの試し撃ちを始める。


鳥を狙いボウガンを撃つが、なかなか当たらない。


鳥にかすりもしないぞ。お腹空いたな、そうだ、お昼だよ、サンドイッチを食べよう。


「全然当たらなかったな、どうしてなんだ」


食べながらボウガンの矢が何で当たらないのか考えてみる。慣れるしかないのかな、何かコツがわかれば簡単に出来そうなのにな。


お昼を食べ終わると、直ぐに鳥を探す、何とか1羽だけでも当てるぞ。





なんとか夕方までに一羽仕留めたので、街に戻る。市場の方が騒がしいが、いつもの露天でクッキーを買ってリカちゃんの家に向かう。


「こんにちは、リカちゃん居ますか?」


ドアからリカちゃんのお母さんが顔を出した。


「遊びに行ってから帰ってきてないのよ~」


そうかいないのか、何して遊んでいるのかな、女の子の遊びが思い付かないな。まあ、この異世界だと分からない事だらけだけだけどね。


「そうですか、これお二人で食べてください」


いつも同じで悪いなと思うけど、このクッキーが美味しいし日持ちもするからね。


「いつも、ありがとう」


「薪、いつもの所に積んでおきますね」


「もういいって言ってるのに、でも助かるわ」


「気にしないで下さい、リカちゃんに会う口実と体力作りですから」


僕は手を握り腕を曲げて腕の筋肉を見せる。


「前より筋肉付いたんじゃないの?」


「頑張ってますから、では、また来ます」


「ありがとう、リカに来た事伝えとくわね」


おばさんに手を振って家に向かう。




裏から厨房に入り父さんを探すと、父さんは酒場に出来た料理を置いて戻って来たところだった。


「父さん、後で鳥の解体しといて」


「見てやるから、自分でしなさい」


無情にも自分でやる事になるのか。


「ええ、料理を運ぶの手伝うからさ~」


「名刀のナイフで解体しないと慣れないぞ」


仕方ない、名刀のナイフで解体だ。よし、取りに行こう、父さんが教えてくれる。


「そこは横から刃を入れる」


「そこは手で押さえて」


「そこは持ち上げると刃が入りやすくなるぞ」


ほとんどお父さんの指示に従って刃を入れていった。返事をする余裕がなかった。


前より解体で気持ち悪くなる事がなくなったような気がするが、まだ少し・・・。


なぜボウガンの話をしたんだ、それに『武器だ』で、よかったのに鳥を撃つと言わなければ解体も・・・。


でもいいか、鳥の解体のコツはつかんだ、後は慣れるだけだ。気持ち悪い事に。


肉の形になっていればもう調理をするだけだ。何にする。シンプルに焼き鳥、それとも唐揚げ、鳥の照り焼き、誰も食べた事が無い鳥の唐揚げにしよう。


下味を付けた物と片栗粉だけの物、どちらにしようか?


どちらも美味しいが、う~ん よく考えろ。料理担当のお父さんにも食べて貰うなら味付き方がいいか。


味付なら、父さんが今度作る時に更に洗練された鳥の唐揚げが食べれるはずだ。


更に美味しいのを食べるために唐揚げだ。


父さんに調味料を用意して貰う。自分なりの感覚で調味料の特徴を父さんに伝えて、揃えた調味料を肉に漬け込む事約10分、後は揚げていく。


父さんは酒場の調理をしながら横目でこちら見ている。


油を切る道具がないので、木箱に鉄の細い棒、鉄の串を間隔をあけて肉が乗る様に並べた。


なんとか、上手く上がったな、中は柔らかく外はパリパリに出来た。


しかし、仕事中のシシルは食べる事が出来ない。ここは自分だけで食べた方が後々良い気がする。


油は体に良くない。特にお年を召した人には。母さんもそろそろお腹周りの肉が落ちなくなってきてるはずだ。


それにこの未知の食べ物の毒見は自分でしないといけない。


「ちょっと痛いよ、そんなに強く叩かないでよ」


頭を押さえて後ろを向くと怒り顔の母さんと何故かシシルまでいる。


なんで二人がここにいるのかわからないが怒っているのはわかるぞ。


「父さん、また何かしたの?代わりに僕が殴られたよ」


「いやユーリ、お前はすべて喋っていたぞ。父さんは二人を呼んで来ただけだ」


「えっと、僕による僕だけが作れる唐揚げが出来ました、どうぞお食べ下さい」


父さんを見てチェと舌打ちすると母さんから拳骨がきた。


「反省しましたので、お許し下さい」


母さんがニッコリとして。


「母さんはまだ若いし、お腹周りに肉も付いてないわよ」


「違います。この料理の油が凄いので母さんには口に合わないと・・・」


言い訳中に更に拳骨を貰いました。


僕の言い訳に飽きたのか母さんは唐揚げを手に取った、


「さあ食べましょう。シシル」


食べ始めようとしてる母さんに僕は待ったをかける。


「待って母さん、今絞るから」


「絞る?」


「食べる時にかけると油ぽく感じなくてサッパリするんだよ」


鳥の唐揚げにレモンに似た物を絞る。


「どうぞ、食べて」


二人が手を出したので僕も食べよう。


「「「「美味しい」」」」


自分で作ってみたけれどこれほど美味しいとは、父さんが選んでくれた調味料のお陰だ。


母さん達はレモンが付いてる方がサッパリしてて美味しいらしく全てにかけていた。


「シシル、から揚げはどうなの?」


「はい、お肉が新鮮だからかとても美味しいです」


皆はこれから忙しくなるので急いで食べて戻っていった。


父さんは横目で見ていたが見ていなかったところもあるかもしれないと、今度最初から見せてくれと言われた。


「わかったよ、父さんの手が空いてる時に声かけてよ」


「ああ、必ずな」


なんですか、その重圧を感じる言葉は・・・・。まあいいか、父さんは・・・食べていないからか。





ここは何処ですか?僕はどうなったの?誰か教えて・・・・


「まだ駄目なのユーリ」


誰かが話しかけてくる。それも僕を知っている。


「だから言ったでしょう、やめた方がいいて」


聞き覚えのある声だな、優しい女性の声。


「皆が呆れてるよ」


レベッカさんの声だな、夢でも見てるのかな僕。


目を開けると心配そうなレベッカさん。


「もしかして、僕気絶したのかな?」


「そうよ、名刀のナイフが心臓に刺さったらバタリと倒れたわよ」


思い出した。


ギルドの掲示板を見てるとグリュックの皆が久しぶりに私達のポーターをしてよと誘われて了承したら、行先は大洞窟、なんでもオーク肉を大量に依頼されて、僕がギルドに現れるのを待っていたらしい。


ほぼ毎日現れるので待ってればいいと僕の家には来なかったらしい。


今回は荷車を引いて?行く。大量に積んで帰るのが仕事だ。


そして今、大洞窟に着いて最初の敵がオークだった、戦闘後の解体を僕が申し出て皆に「「「「やめとけ」」」」と言われたが、慣れてきたはずと、名刀のナイフを誤って心臓に突き刺し、出てきた血にビックリして僕は倒れた。


「解体しといたからなユーリ」


「ありがとうマシュさん」


皆もやれやれと動き出す。


僕は急いで、オーク肉を軽減リュックに入れていく。


「入れ終わったので移動をお願いします」


「了解、いくぞ」ヴエルナさんの号令で敵を求め先に進む。


僕は皆に報告があるのを忘れてたのを思い出した。


「あの街の侯爵様の先祖がドラゴンに会った事があって、それがシュラさんなんだよ」


「凄い偶然だな」


「街からも近いからなここは」


「お、次が来たぞ」


先頭のヴエルナさんがオークを発見。


「ユーリ気を付けろよ、4体だ」


「了解、後ろで待機してます」


戦闘が始まる。初めて組んだあの時より、皆の動きがいい。


皆も成長してるんだ。レベッカさんの魔法も威力上がってるな。


カカルさんの前面での動きが速いな、メグさんがそれに合わせて手数を多くしている。


マシュさんとヴエルナさんが一体づつ倒して、他のオークを攻撃しだした。


戦闘が終わり直ぐに解体が始まる。


もう大丈夫だ。解体の手伝いをして、そのオーク肉がリュックに一杯になった。


「1個目のリュックが一杯になりました」


「リュック1個に約6体だな」


カカルさんがどのくらい入るかを皆に伝える。


「それだと後12体だな、行くぞ」


「「「「了解」」」」


次々に倒し手際よく解体してリュックに詰める。


「3個のリュックが一杯になりました。入口に行ってきます」


「気を付けろよ」


「は~い」


既に走り出してるので少し大きめの返事をする。


入口に置いてある荷車の横に大樽にオーク肉を押し詰める。


蓋をして皆の所に走って合流する。これが僕の仕事だ。


「ユーリの足の速さはどうなってるんだ?」


「あの速さならオークより速くないかな」


「荷物持ってても速いよね」


「ただいま。解体すんでるね」


僕が戻ると一戦闘が終わってた、解体も。


「どうぞ、オーク肉を入れるから移動していいよ」


「了解」


三体倒したのか、本当に効率がいいな。


もう戦闘が始まってる。入れ忘れはないよな。


確認して皆の所にむかうと、コボルトが6体だ。ハズレだ。


戦闘が終わって進むとゴブリン5体に遭遇。


次々に戦闘をこなしていくグリュックの皆。


僕の持っているリュックが一杯になったので、本日の狩を終え入口で野営だ。


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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公は大皿の唐揚げにレモンをかけてしまう人なのか…私とは派閥が違うようだ(キリッ)
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