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急勾配

夕食の干し肉が食べ終わると、食事の後片づけした。少し離れたところにハンモックを使うのに適している大きい木が2本あった、これな木なら誰が乗っても折れないな、ここにセットしよう。


「ユーリ、それは何ですか?」


アメリアさんが僕のしている事を見ていた。


「これは、快適ハンモックです。この様に寝る為の者です」


「そうですか、ブランコの寝っころ版ですね」


僕は降りてハンモックを見る、確かにブランコの寝っころ版だ。


「まあ、気持ちいいのね。馬車より快適ね」


なるほど、マリアさんに見られなくても他の人に見られたら同じなのか。


「どうですか、ミアちゃんと今夜ここで寝てみては、気持ちいいですよ」


「どうしましょう、外は危険だと主人が言うんですけど」


若いのに主人と言うのか、お嬢様なのかなアメリアさんは。


「どうしたアメリア、これは何だ」


「ねえ横に寝てみない」


邪魔の様なので馬車の方に行く。


寝床が無くなったので、便利草に火を付けて安全を確保しよう。旅の間は毎日だ、効果がどの位あるのか確認出来ないけど、少しは効果があるとリーレンさんは言っていた。


今日は夜なべして朝までにハンモックで寝よう、楽しみは早くしないと忘れてしまう。





「これがハンモックなのね」


誰かが揺らしている。


「お願いです、アメリアさんも同じ物を使っているので揺らして来て下さい」


「いやです、あっちは家族で寝てるんですもの」


マリアさんにハンモックを貸すために起きるか、もう朝だ。


「どうぞ、快適ですよ」


「まあ、ありがとう」


皆はまだ起きていないな、頑張ってくれている馬さん達から食事だな。


街道は上り坂の山道になるらしい。この辺の草原には大岩が少し混じって、先に進むと草原が荒れ地の様になり、大岩や岩山が多くなりそうだ。ここからは確認できないけど、そんな風に感じる風景だ。


朝の食事の用意を始めたヒューラさんがいる、僕も手伝おう。


「おはようございます」


「おはよう、ロードさんが寝ているあれは、ユーリが作ったの?」


「そうです、大きいサイズに作ってあったので家族で寝る事が出来たみたいです」


朝食の手伝いをしながらロードさん達を見て答えた。


「今度、僕にも作り方を教えてくれないか」


「いいですよ、それならロープ作りからお教えします、材料がタダになるので」


「それは助かるね、約束だよ」


みんなタダは大好きだ、お金を稼ぐ事は限定されているので尚更だ。


「はい、時間が空いた時にやりましょう」





「ユーリが毎日走っている、本当に毎日走れそうだ」


「賭けなくて、良かったわね」


いつもの様に最後を走る馬車の後ろで体力作りをしている。夜には軽くマッサージをして疲れを貯めない様にしている。


傷薬の調合の練習は毎日だ、沢山作っているのが便利草、魔物除けのお香だ。


どの位の効果があるのか分からないので、沢山用意して沢山使っている。


夜に魔物に襲われていないけど効果があって襲われないのか、近くに魔物がいなのかどちらなんだろうか。


「もうすぐ山道だから、皆も歩くんでしょう」


僕は来た事ないので山道の傾斜がどの位あるか分からない。それにどの位の距離があるのか。


「ああ、この先の山道は馬車を後ろから押さないとダメかもしれないな」


「そうね、馬が2頭いても荷物が多いから押す事になりそうね」


そんなに急斜面なのか、ここから見える山はそんなに高くないのに。


敬語の皆は現れた魔物を次々と倒していった、今更だけど6人は冒険者Aランクだった。


強いはずだ、皆は強くなればランクAにはなれるが、その先のS、SSにはなれないだろうと言っていた。


長期の依頼や少人数の場合は、ランクが高い人が選ばれる。


僕はFランクなのでコボルト、ゴブリン位しか依頼を受けれない。


周りには森林が多くなりロープの材料の蔓が落ちているのでリュックに入れていく。


山の麓のには川が流れているのでそこで休憩する事になった。





「悪いね、ユーリばかりにやらせて」


「いいんです、作り方が分かれば自分でも作れる様になれます。今は遅くても1個ずつ間違いないで憶えましょ。僕は慣れているのでどんどん材料にしていきます」


同じ工程をしているけど慣れている僕と初めての2人では作業の速度が違う。


僕とヒューラさんが蔓から繊維にしているとベルンさんも加わって、3人でロープを作っている。


今急いでいるのは、そこに水があるからだ。


繊維を水に浸さないと柔らかくならない、硬いままだとロープは作れない。


「どうですか、簡単だと思うんですけど」


「そうだね、作業は簡単だね、後は慣れるだけだな」




アルさんは山を見てロードさんに登り始めるか確認している。


「どうしますか、今から登ると中腹ぐらいだと思いますけど」


ロードさんの視線の先が中腹かな、悩んでいる様な表情をしているけど、答えが出たみたいだ。


「登ろう、移動は出来るだけした方が良さそうだ。山を越えるのに2日位かかるので朝に出発してもあまり変わらないだろう。それなら、夕方くらいまでは登ろう」


そこに山があるのだ、登ろう。これが一番だいいのだ。


登ると決まったので皆は降りて押す事になった。


御者は乗ってなければいけないのでそれ以外の人が降りた。


「アメリアさんとメアちゃんは乗っていてもいいですよ、僕が頑張りますから」


アメリアさんは困ってしまい、ロードさんに視線を向けた。


「ユーリ有難いのだが、ここは歩いた方が早く登れる。アメリアとミアにも歩いて貰おう」


ロードさんの決定なので従う事にした。


最初の馬車が登り始めて少し距離を空けてから行く事になっているので、背負子を作る事にした。


それなら背負子に乗せよう2人を。


「何作っているんだ?」


「頑丈で大きい背負子です」


「薪に使う木でも集めるのか?」


バジスさんとウイントンさんに質問されている。そうだよね、普通はそう思うよね。でも、違うんだな。


「本日は人を運ぶ予約が入っているのです、この山を越えたいと、久しぶりの仕事です」


「「ハァ~」」


ユーリスペシャル背負子が完成した。在庫の増えるロープ、こんな時の為にある、頑丈なのが出来たな。


「どうですか、2人乗りです。ロープのお陰で落ちる事もありません」


「アメリアさんとミアちゃんを乗せるつもりか?」


「はい、先ほど予約を頂いたのでそのつもりです」


ロードさんも僕がしている事が気になったのか、様子を見に来た。


「ユーリ、有難いが無理だよ。大人と子供の2人を運ぶなんて」


ふむ、心配なのは分かる。僕も心配するだろう、しかし、あの2人はどう見ても軽いのだ。


証明する為にもここは勇気を出して乗って貰おう。


「見ていて下さい、勇気あるお2人が今から証明してくれます。さあ乗って安全ベルトを締めて下さい」


バジルさんとウイントンが置いて有る背負子に座ってくれた。ロープで落ちない様にしたので背負子を背負う。


「このとうり大人二人でも頑丈に出来ていますので安全です」


「浮いてるぞ」


「楽ちんだな」


はしゃいでる大人に降りて貰おう、この人達はお客さんではありません。


「僕なら大丈夫です、大人3人も見せたいのですが、2人乗りなので乗れません」


ロードさんは驚いていたが、隣のアメリアさんに聞いた。


「どうする、アメリア乗ってみるか?」


「そのどうしましょう」


乗る気のミアちゃんは自分の場所にちょこんと座った。大人よりも行動力があるのだ子供の方が。


「疲れたらすぐに安全の為に降ろしてくれ、守れるか?」


「分かりました、疲れたらすぐに降ろします。安全の為に」





「どうですか乗り心地は、お客さん」


「そうですね、後ろ向きなので景色が見えていいですね」


「見える」


二人の感想を聞いて後ろを見ようとしたが背負子が大きいので見れない。まあ、安全と乗り心地をよくすれば大きくなるよね。


先頭の馬車はだいぶ先にいるみたいで、僕の押している馬車の横から顔を出して何処にいる見たかっあけど見えるところにはいなかった。そうすうると、後ろも見えないんだな、うん、見えない。


「ユーリ、余裕だな、疲れてこないのか?」


「全力で登れば疲れるかも知れませんね」


「よし今度こそ賭けよう、全速力で走って疲れる方に」


僕も押しているんだから、無理なのに。


「ここは俺とルルだけで大丈夫だから、中腹までに疲れるに俺はかける」


「そうね、私はもしかしたら疲れないに賭けたいわね」


もしかしたら疲れないか、後どれくらいで着くのかな。


「ロードさん中腹まで今の速さでどの位の時間で着きますか?」


「そうだな、3時間かな」


やけに近いぞ、しかし、いいのかな。安全の為にはいた方がいい様な、でも、冒険者が言うんだから大丈夫なんだろうな。


「走っていったら直ぐですね、前の馬車よりも早く付きそうです」


「よし、前の馬車よりだな、先に着かなかったら負けだからな」


「馬車よりも先か、私も行けない方に賭けたいな」


「僕は賭け事が嫌いなので、ロードさんが親ですね。親だけに」


「私が親なのか、よしユーリが負けたら美味しい夕食をご馳走しよう」


「決まりだな、さあ走っていいぞユーリ」


「では、全力で安全に走ります。揺れないように頑張ります」


走る前に馬車からハンモックを出して手に持つ。先に着いたら休憩していいんだよね。


「馬車よりも先に着います」




先頭の馬車を追い抜いて、馬車が止められそうな中腹に着いたのでハンモックを山側の木にセットした。


「ここで待っていて下さい。先頭の馬車を押してきます」


「はい、ありがとう」


「ありがとう」


ミアちゃんはアメリアさんと同じ事を話すのが好きなのでステレオちゃんだ。それでも話してくれる様になってきたな。二人はハンモックに手を掛けていたので快適な休憩をするんだな。


ここの場所ならアメリアさんは大丈夫だ、先頭の馬車が登って来るのが見える。急いで馬車まで行こう。


「アルさん、アメリアさん達の護衛お願いします、僕が変わりに押しますので」


「分かった、ちゃんと押してくれよ」


アルさんは走ってアメリアさんの所に向かってくれた。


「ユーリ、もう少しだ、頑張って押してくれ」


「了解です」


全力で押す~。


「とりゃ~」


僕が押して馬車の速さが速くなった。


「ベルンさん馬の速さを上げて下さい。馬車がぶつかります」


「行け~全力だ~」


ベルンさんは馬車と馬の間隔が狭くなっているのに気が付いてくれた。


こちらも続かないと。


「馬車も、全力です~」





「ユーリ負けだな、俺とルルの勝ちだ」


「残念ですが、アメリアさんの護衛の為に馬車1号を中腹まで押していたんですよ、先頭の馬車は追い抜きました。二人を中腹までお連れしましたよ」


「見てないもん、ユーリの負け」


子供かこの人は、大きい子供は何て言うんだ。成長の止まったお年寄りか。


「痛いです」


「聞こえたよ」


「中腹まで速く着けるんだ、私の負でいいよ」


「やった~」


「ロードさん、馬車2号を押すんのをこの2人に任せます、僕は馬車3号を押してきます」


「そうかだな、馬車3号が遅れてい様だ、頼む」


ロードさんはカーブの時に後ろを振り返ったが馬車3号が見えなかったんだな。




「マリア頑張るんだ、前が見えなくなってからだいぶ経つ」


「頑張ってるわよ」


僕が馬車3号に着いた時には言い争いをしていた。


「手伝いに来ました、だいぶ離れていますよ」


「ほら、心配でロードさんがユーリを寄越したぞ」


僕はマリアさんを抱き上げて荷台の後ろから中に乗せた。


「何で、私も押しますわ」


「邪魔です、全力で押すのでヒューラさんは馬に当たらに様にして下さい。おりゃ~」


全力で押す、オーク肉が満杯の荷馬車の方が重たいな。


「おお、速くなったぞ」


「バジス、楽ちんですよ」


「ずるいぞ、マリアも降りて押せ」


「駄目ですよ、降りたらマリアさんが遅れます」


「何でですか?」


「更に速くなるからです」


久しぶりに全力で押して体力作りをしないと、この頃怠け過ぎだ。


「ユーリ、前の馬車にぶつかる」


「え、もう終わりなのか、ウイントンさんとルルさんは何をしてるんだ。ちょっと見てきます」


「ユーリ待てえ~、マリア見て来い」


「分かりました」


マリアさんが見に行った、


「魔物よ~」


「バジスさん行って下さい、僕1人で支えられるから」


「任せた~」


バジスさんは、自分の剣を持って前の馬車の方に向かった。


馬車を支えているので前が見えない。


「ヒューラさん、魔物は見えるんですか?」


「ここからは見えない」


30分位かな、マリアさんとバジスさんは戻って来た。


「ワイルドベアだった」


「駆け付けなければ危なかった」


「誰も怪我をしてないんですか?」


「ルーベルが降りて来た時に魔物を早く発見したらしくて何とかなった」


話していると前の馬車が動き出した。


少し間を開けてから僕達も登りだした。


「オークも倒されている、食べないのかな。バジスさん、オークは食べないの」


「食べないよ、俺は嫌いだから」


「私も嫌です」


もしかして、6人は子供なのか舌が。もしや辛いのがダメ、野菜もダメ、面倒な食べ物もダメなのか・・蟹とかエビを自分で食べないとか、聞いてみよう。


「ねえ2人は辛いのは好きかな?」


「嫌いだな」「辛いの苦手です」


「野菜は好きかな?」


「あまり食べない」「苦いのが苦手です」


「蟹とかエビを自分で剥いて食べるのはそうかな?」


「面倒だな」「手が汚れます」


子供だ、食べ物の好みが子供だ。


全力で押さなくてもすぐに中腹に着いた。


あれ、何でマリアさんは荷台に乗っているの?帰って来なくてもいいのに、なんでだろう。

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