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バター味

「僕はまた忘れていた、自分のお昼を・・・つい料理すると食べるではなく誰かに出すになってしまう」


仕方ない市場でサザエでも食べよう、あれは美味しい。


市場で見たことのある食材を発見した。


「大丈夫かな、手に持って」


恐る恐る手に取って匂いを嗅ぐ、やはりニンニクだ。


「いいものを売っている食材屋さんだな、1個買おう」


作りたい料理が思いついたので必要な物を買いに行く。


「パンを買いに来たのかな?」


パン屋のおじさんは昼前に来た時に少し話したので覚えていたんだ。


「バターを少量分けてほしいんです」


「バターを何に使うんだ」


「料理にです」


「バターを料理に使うのか、初めて聞いたな」


そうなのか、確かにバターを使った料理を食べた事がないけど、それは僕の作る料理と食べいる料理に使われていないだけだ。


パンを作るのに入れているけどバター味ではない。


「分けてもらえますか?」


「いいよ、少しなんだろ、おまけだ」


ただで貰えた、隣の家の人から調味料を借りたみたいだ。


お礼を言って、市場に行く。




「また貝を買ってくれるのか?」


並んでいる貝を見て、美味しくないと言っていたのに昨日と同じ量が置かれている。


「僕のために入れてくれたの?」


「ふう、違うよ。昨日の子供たちを見て、まあ買わないといけないなあと思ってな」


流石だ、魚屋さんは優しいのだ。


この魚はこんなふうにすると美味しいとか、料理を教えてくれる。おまけもくれる。


「露店借りても大丈夫かな」


「ああいいぜ、あまり使われる事はないんだよ」


「それなら今日も貝を全部買います」


僕はニヤリと笑う。


おじさんもニヤリと笑って、他にも有るみたいで在庫を持って来た。


「おじさん卑怯ですよ、在庫があるなんて」


「君がそこの貝を全部と言えばこの貝は出てこなかった、しかし、貝を全部だと在庫も入れないとな」


言葉選びに負けたらしい。


「まあいいですよ。今日はつぼ焼きにしない予定なので」


沢山有る串をお借りして、下ごしらえの終わった貝を串に刺して焼く。


貝は4個付けて焼いていくので、100本ぐらいしか無い。


ニンニクオイルを作りバターと混ぜる、焼いた貝に味付をして少し焼く。


最後にニンニクバターを少し付けて火で炙って完成だ。


サザエの串焼きエスカルゴ風味の出来上がりだ。


「美味しい~最高だ」


取り敢えず大声で宣伝する。


昨日の2人が来たので取り敢えず1本ずつ渡す。


「貝の串焼き大人の味だよ、どうぞ」


「ありがとう」


「ありがとう、父ちゃんた達がつぼ焼き美味しいて言ってたよ」


「そうか、美味しかったか」


「これの方が美味しい」


「うん、こっちの大人の味がいいな」


味の分かる子供だ。ソースがいいのだ。


「俺にもくれ」


「仕方ありませんね、露店を貸してくれてるので。はい、銅貨5枚です」


僕の冗談に銅貨5枚出そうとしたので。


「銅貨1枚にしときます」


「何だよ、冗談か」


「食べて下さい、この味だとコリコリしてないと美味しさが半減するんです」


お金を受け取らないで串焼きを渡す。


「美味しい、ビールが飲みたくなるな」


2人の子供に2本のお土産をあげて、僕は旅に出るから明日からはここに来てもいないと教えた。


明日は色々と準備があるかもしれないので市場には来ない予定だ。


「皆さんは食べるんですか、銅貨1枚ですよ」


「俺達からお金を取るつもりか?」


「ええ、買ってくれないんですか、残念だ。こんなに美味しのに」


「俺はやめとく、金を出してまで食いたくない」


「私も今日はやめとく」


最初にバジスさんが言いだした事に皆もお金を出してまで食いたくないと言ったので、それもありだなと思った。


元々、美味しくない貝と決めていたんだから、これから好きにならなくてもいい。好みは人それぞれだ。


「本日は大人の味です、新商品~今日食べなければ2度と食べる事は出来ませんよ。小銅貨8枚ですよ、どうですか~」


「へ~、美味しそうには見えないけど、新商品は食べないとな、それに安いのがいいな。俺にそれを」


「はい、大人の味で、何回も食べたくなる味ですよ。・・・・・・ありがとうございます。まだ、まだありますよ」


「試しに食べてみるかな、俺にもくれ」


「はい、温かいうちに食べて下さい」


串焼きを5本残して後は完売してので、魚介屋さんに露店を使わせて貰ったお礼とサザエを沢山売ってくれて事のお礼を言うと、パン屋さんに向かった。


「これが、バターを使った串焼きです。お礼にお持ちしました」


「いいのかい、後で食べるよ。楽しみだな、貝は好きなんだ」




「おじさん、バターありがとう。それと、なるべく温かいうちに食べてね、その方が美味しいので」


「そうか、あたたかいうちだな、ありがとう」




「ユーリ、昼間は助かったよ。サンドイッチも美味しかった。皆聞いてくれ好調でこの村で売るつもりだ商品が完売した。それで明日出発したいと思う、ゴールドルルでは商品を買うのに2日間予定していたが、休みを3日間にしようと思うけどどうだろう」


警護の6人は頷き合っている。


「俺達はそれでいいです」


「ユーリはどうだそれでいいかな」


「はい、僕もそれでいいです」


「では、明日の朝裏庭に集合してくれ」


「「「「わかりました」」」」


宿で夕食が食べ終わると、ロードさんから予定の変更が告げられた。行商は売れ行きに左右されて、予定が変更される事があるんだな。





浜辺のおじさんにお別れの挨拶をして裏庭に戻る。


この街の南門から街道を進むと、ゴールドルルまで約2日で着く。


沢山の商品が無くなったので、馬車は速く走る事が出来る様になった。


僕はリュックを背負い街道の横に生えている色々な草を入れていった。


ミアちゃんがたまに手を振ってくれる様になって嬉しい。ミアちゃんは人見知りが激しいらしいので、ミヤちゃんが何かしてくれた時は絶対にお礼言おう。手を振り返すのは当たり前だ。


この辺には魔物が出ないので警護の皆ものんびり出来ている。遭遇しない方がいいけど、あまり気が緩むと隙が出来るから困るんだよね。僕は初心者だから余計に気を付けないと駄目だな。


馬車で進むのが速い様なのでロードさんはお昼が終わると、少し休憩を長くすると言うので、ブランコを作った。


「ロープは凄く役に立つな、他にも使い道を考えよう」


勿論それで遊ぶのはアメリアさんとミアちゃんだ。


2人は行商人の旅で遊んだり観光したりしてないので、少しサービスをする。


上司の奥さんにする、ゴマすりをしてみた。


アメリアさんに乗り方の説明をすると、まずは自分が乗ってどんな物か確認するとミアちゃんを乗せて後ろからそーと押した。優しいお母さんがする仕草だった。


暇な6人が乗りたいと言うので、同じ様に結わいてと言ったら『木に登れない』と言われ僕が6個のブランコを作った。


遊び終わったブランコを片すのも僕だった。





見覚えのある街並みを見や、大きい街にはお城があるよねと確認した。


「お城はそこにある、さあ・・・・・・をしたいな」


お城を見るとあの言葉を言いたくなる。


僕は自分の時間が出来たので冒険ギルドに来て、掲示板の依頼を確認していた。ネズミの討伐依頼が無くなっているので作戦は成功のようだ。


農家の人も作物がネズミに食べられない様になって喜んでいるはずだ。


「もうネズミは見たくないのだ、あれはお金になるけど数えるのが凄く嫌なんだ」





ネズミの依頼が無いのが確認出来たので、気になる場所に行く為に南門を出てそのままはして行く。


見覚えのある風景が見えて来た、崖は何事もなかった様にあの時と同じだな。


崖の横の斜面を上って南の有る洞窟の穴に目指す。


「入口が空いてる、中に入るかな」


緩やかなスロープになっていてかなり明るいので昼間なら明かりが要らない。


海面が少し見えて来て、スロープを更に歩いて行くと船が見えてきた。


「船がまだ有る。4隻・・・・1隻も減ってない」


洞窟の外までは見えないけど船が出れないのは僕の作戦が成功したからだ。


その成功した時のままだから船が出せない、入口を塞がなくても出入り口の水深を浅くすれば船は通れない。


「作戦は成功したけど、その後に大岩をどかせないと船は出ないよね」


僕の作戦は浅い海岸沿いだったから成功したんだな。


「反省しました、水深も確認するべきでしたが終わった事なので忘れよう、責任を取って大岩をどかすか」


「ドボーン」


意外と持てるんだな・・・・・僕が持ちあげたんだから、持てるのは当たり前だな、自分でして自分でどかす、これで責任を取った事になるよね。どんどん退かそう。




「はい、お預かりします」


手紙を出した。


『海賊の拠点の船が出せる様になりました・・・・ユーリ』


短くまとまっている。


これで後の事は騎士団のおじさんが何とかするだろう。




3日目の自由行動が終わって宿に僕は戻って来た。


「ただいま、もう夕食ですか?」


「遅いぞ、みんな揃うのを待っていたんだ」


警護のリーダのアルさんに怒られた。他の皆は揃っているんだな。


「すいません、ちょっと遠出していたので遅れました」


「まあいいじゃないか、今日は皆が休みの日だったんだから」


「さあ、食事にしよう、明日から大変だからしっかりと食べる事、ユーリ分かってるかな」


「僕ですか?」


ロードさんが大きく頷いた、何の事かな?。


「14歳にしては体が小さい、それは食事の量が少ないからだと私は思う」


「では、大盛より少なめでお願いします」


皆は食べ始めていたが笑う。


「そこは、大盛をお願いしますだろ」


ウイントンさんはホークで自分の大盛をさしている。


あんなに食えないよ。そのうち伸びるよ身長は・・・・・もしや体を鍛えすぎて伸びないとかはあるのかな。


「俺達もしっかり食べるぞ、明日からは魔物、山賊、盗賊、山道と危険だらけだ。これから過酷な旅になる」


上級の冒険者が断言したよ、武器の無い僕は逃げるだけしか出来ないよ。





馬車の前方で戦闘中だ、ベアとゴブリンが現れた。


ゴールドルルから3時間ぐらいの場所だ。街から出て3時間位のところから魔物が出るらしい。騎士団の人はどうしたんだろう。畑からそんなに離れていない場所だよね。


剣士5人に魔法使い1人のパーティー、魔法は動きの速いゴブリンには向いてないのでベアに攻撃している。


「ルーベル、周りの警戒を。マリアは魔物を燃やしてくれ」


「「了解」」


戦闘が終わった。


名前のあがらなかった4人は馬車から離れて他の魔物が近くにいないか、確認している。


僕は、便利草を燃やして四隅に置いて周りの警戒をしている。


「大丈夫です、今のところ周りに魔物はいません」


「皆、警戒しながら進もう」


ロードさんの警戒しながら進もうで馬車は動きだした、警護の皆は当たりの様子を確認する為に周りを見ている。


その後にも魔物との戦闘が3回あったが、魔物の数が少なかったので戦闘時間は短かった。





「魔物の遭遇回数が多いですね」


アルさんがロードさんと話している。


「そうだな、近年魔物が増えているとの報告が冒険者から多数寄せられているらしいね」


お昼を取りながら、近年の魔物の出現の事を話している。


ローランドでも同じことが言われていた。それが自然現象なのか、何か理由があるのか分かる人はいないんだろうな。


「今年は西の方の魔物の数が多くて冒険者の負傷者が多数出たと俺達は聞いています。俺達も大変でした」


西に向かった冒険者は僕がカルテアを出た時には戻っていなかった。


オーク王国を思い出す、あそこの報告はしたから領主様が何とかしてくれているはずだ。


あれ・・・・・あんな所がこの大陸のどこかで発生していたら僕1人では無理だぞ。


ここの魔物は魔法を使ってくる、個体数ではそんなに多くないけど、この先は僕の経験した事のない魔物がいるはずだ。


頑張んないとドラゴンさんに会えないぞ。


忘れていた、頑張る今以上の自分になる為に更に何かしよう。


先ずは、ハンモックを作ろうあれば快適だ。そうだよ、食べ物よりも快眠だよ。


ロープが増えすぎて邪魔になって来ていたんだ、ロードさん達は何も言わないけど、使われていた方がいいだろう。


「ハンモックか、あれで寝て見たかったんだ、今夜あれで寝る決定に決定だ」


「ねえ、なに独り言を言っているのですか。ハンモックとは何ですか?」


声に出していたのか、それとも魔法が使えるので考えを読まれたのか。


それなら『馬鹿、馬鹿、マリアさんの馬鹿』どうだ読めたかな。


ハンモックの答えが欲しいのか、マリアさんは待っている。


考えは読めないらしい。


「ハンモックとはどんなものでしょうか、いつか見てみたいものですね」


「はぁ」


知られてしまうと特に女性には取られてしまう可能性がある。


今編んでいるのがハンモックだとは分かるまい。

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