表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/244

凄い屋敷と幼女

暖かい季節になってきた。


「おやじ、名刀」


「ないよ」


最後まで言わして貰えない。これは辛い。


「なんでそこで遮るのかなあ~、そこからナイフを買う話になったのに」


「それで、どんなナイフがいいんだ」


「もちろん名刀で、解体に使えるナイフだ」


「あれだけ気持ち悪くて、ダメだ僕には出来ないて言ってたじゃないか」


「僕も何回も吐いてきて、この度は解体出来る様になり、そこで名刀を買いに来たんだよ」


「骨もバキバキ切れるのがいいか?」


「そのバキバキ言うのやめて思い出すから」


「まだダメじゃないか」


僕はカウンターを両手で叩く。


「たまにダメなだけだ、名刀を」


「わかったよ、お勧めはこれだ」


おやじさんは切れ味の良さそうなナイフをカウンターに載せてくれた。


「よしこの名刀を買おう、包んでくれ」


おやじさんは皮の鞘に入れてこちらに出したくれた。


ナイフの料金を払うとその辺を散歩する事にした。


僕はたまに怪しい店を見張りに来ている、魔法使い御用達の店だ。


まだレベッカさんが入っていくところは見たことが無い。


出入りが多くないので直ぐに飽きるが、あの店の実態をつかむまで止めるわけにはいかない。


「今日はこの位にしてあげよう」


怪しい店の実態が今日も分からなかった、すぐ飽きるので5分位しか見張っていない、怪しい店から猫の居る空き地が近いので、久しぶりに見に行く。


「前と変わらず空き地のままだな、猫の姿も鳴き声も聞こえないな」


そう言えば、あの時も猫は見かけなかった。


名刀のナイフを家で試し切りでもするか、食材なら気持ち悪くならいから色々と切ってみるかな。


空き地の中を覗き込んでいると、僕の肩を誰かが叩いた。


「あの君、前にここで赤ちゃんを保護しなかった?」


「お姉さんは誘拐犯ですか?」


「私の事、覚えてない?」


僕の言葉にビックリしたのにそのまま話し続けるお姉さんが、自分の事を覚えてないかと言うけど。


「さあ、どこかで会いましたっけ、覚えてないな~」


会った事ある人なのかな~。最近は出会い無いし。


リカちゃんのお母さんか?あの時は具合が悪いので、回復したらこんな顔なのかな。


「リカちゃんのお母さん、元気になられて良かったです」


口をあけてポカ~ンとしてるけどどうしたんだ。


「私は独身です」


結婚してない、シングルマザーか。


「はあ~そうですか」


難しいな、デリケートな問題だ、どんな理由で独身に戻ったのかな、少し興味が湧いて来たな。


「もう、貴方が保護した赤ちゃんの両親が貴方を探して連れて来てくれと、それであの時、貴方にあった事のある私につれて来てとお願いされたのよ」


なんだ役所のお姉さんか。でも、凄い昔の事だよな、もう忘れたいたのに。


「赤ちゃんは元気ですか?」


「元気よ、よちよち歩きが出来る様になってるわ」






城壁の中にも城壁があるんだけど?ここは何処よ。


同じ街に居てここを知らないなんて、イメージだとお城ぐらいの大きさはある城壁。


何これ、大人の身長の3倍はありそうな門それも豪華な作り、中と外の門の横に警備の人が6人もいる。


もしかして貴族の屋敷、建物までだいぶ距離があるぞ。


僕の家の冒険宿何個分だ。何個か考えてもしょうがないな、既に計測不可能だ。


もしかして、ここが赤ちゃんの家なのか、誘拐されるわ、この家の子なら。


「すいません、シューゲル侯爵様に頼まれた方をお連れしました」


こうしゃく?聞いた事あるな。確か身分だよな。


上がって行く門が重そうだな。


「ギーギー」


「では、行きますよ」


中庭で剣の稽古をしているは騎士団?。


噴水の先に階段があり入り口の扉がこれまた大きい、入口前が左右ともスロープになってる。馬車が入口の前にまでこれる作りだ。


なんだろ豪華、金持ち、前世の記憶が有ると特別大きいだけの屋敷にしか見えない。


屋敷と呼ぶべき建物に興味がなくなってきた。


もう帰りたいな、このテンションだだ下がりをどうにかしてくれ。


呼び鈴を鳴らすこの女性の名前を知らないぞ。それに僕の名前も言ってないような。


ふむ、なんで自己紹介しなかったんだろう。話しかけ辛いじゃないか。


この世界の人は自己紹介を自分からする人が少ないぞ。あ、僕もしていないのか。


扉が開いて現れたおじさんがこちらを睨んで、役所の女性に何か話している。


広いホールの天井に取り付けられているシャンデリアに、凄い数のクリスタルがぶら下がっている、城などにあってもおかしくない位立派な物だ。


ホールの先の階段を上がると踊り場には、ドラゴンと男性が描かれた絵画が飾ってある、下の方に文字が書いてあるけど、読めない。


ドラゴンがシュラさんに似ている。


「ゴホン」 


咳払いが聞こえて、歩くように促された。


前の二人に付いて行きながら、キョロキョロと周りを見ながら進む。


特に物珍しい物は無くて見る物がない、通路も広く警備員らしき人達が多く部屋の扉の横に立つている。


通路の奥には、ほぼ通路と同じ大きさの両開きの扉が開いた、部屋の中は広いく奥に大きな机が、机の向こうの椅子に20代位の若い男性が座っていた。


机から少し離れた所まで歩いて僕達は立ち止まった。


「お連れしました」


役所の女性が男性に話し掛けてお辞儀をした。


「ご苦労様」


「こちらに来て座ってくれ」


男性が僕に視線を向けて、話し出した。


男性に促されて窓の近くにある、応接セットのソファーに座る。


対面に座った男性が入口から一緒に来た役所の女性に何かを告げる。


女性は部屋から出て行きソファーの横に立つ男性が座っている男性にお辞儀をした。


「この方は、シューゲル領を治める、アラン・シューゲル侯爵様です。私は侯爵家の執事長のラキトです、お名前を伺っても?」


横に立つ人は執事長さんか、ヒツジと呼んでもいいのかな、小さい頃からそう聞こえていたんだよな。


「はじめまして、僕はユーリです。冒険宿の両親と三人家族です」


「約1年前に赤ちゃんを保護したのはユーリ、君かね?」


「はい、保護してからその位経ったと思います」


最初にソファを勧めた時から話してない侯爵に、侍従長のラキトさんが何かを告げている?。


「我が子セシルを助けてくれてありがとう。お礼を言いたかったのだが、名前も分からずセシルを見つけてくれた空き地の周りに君くらいの子供は居ないと報告があった、時間がある時に、空き地に赴いてくれと頼んでおいたのだ。長かった、一年以上も掛かるとは思わなかった」


「すいません、空き地は西区の端の方に在りますが、僕の住む冒険宿は東の門の近くなんです」


「そうか、それだと空き地にも現れる事も少ないであろう」


「実は、セシルさんを保護した日以来の訪れだったんです」


「見付からない筈だな」


笑顔で何度もうなずく侯爵様はとても若い。


侯爵様にあの日の事を出来る限り教えてほしいと言われたので、空き地に向かった理由と見つけて役所に届けるまでを詳しく話した。母さんに相談したことも追加した。


あの日の事を話し終えた頃に、小さな足音に「セシル」と呼ぶ声が聞こえてきた。


大人に扉を開けて貰った小さな女の子が走って来て、座っている侯爵様に飛びついた。


大きくなったな、よちよち歩きと聞いたけど。いま普通に走っていたぞ。


「どわっと」


抱っこしてか。


「おぞんと」


お外に行きたいと。


「ぱぱお」


パパもこいか。


全部つなげると「抱っこして、外に行きたいパパ」つい声に出してしまった。


それを聞いたお母さんが。


「まあ、セシルの言ってる事が分かるのね」


「はい、子供なので」


赤ちゃんを2回経験したからとは答えられないよな。


「それは、凄い特技だな」


侯爵様が僕の特技に気が付くとは侮れん。


お母さんがセシルちゃんにお礼のありがとうを言わせる。


「セシルこのお兄ちゃんにありがとうて言おうね」


理解したのかこちらに顔を向ける、セシルちゃん、可愛い子だな。


「ありんがとん」


「こちらこそ、ありがとう」


僕はセシルちゃんにお辞儀する。


これで全てが終わったと安堵したらまだ終わらなかった。


お礼に無礼講な食事の場を設けたと侯爵様が言った。


家族だけで食べるには広くて長い食卓の端が侯爵が一人で座り、斜め前の席が夫人で、夫人の前に僕が座っている。この屋敷で働いている人達は誰もいない。


セシルちゃんもこの食事会には不参加だ。


「いただきます」


僕は食事の挨拶をして食べ始める。


お肉は柔らかくてジューシーで美味しい、サラダも美味しいが冷えてるのが好みだ。


食べながらの雑談も許されていてるので、僕の事を話そう、侯爵様の話は・・・・・・秘密が多くて話せないだろうから。


「冒険者になりたいので剣の練習を毎日してます。それとギルドの依頼のポーターを何回かしました」


「冒険者を目指しているのか、ギルドの依頼でポーターの仕事以外は受けないのかな?」


「はい、冒険の依頼は意外と知識が要るんです。Fランクの簡単にみえる素材集めは草を沢山持って来てもギルドで選別はしてくれません、知識が必要で受けられません。討伐の小動物と弱い魔物は意外と素早いので簡単ではありません。残るポーターは荷物持ちで戦闘にほぼ参加しなくていいので簡単です。危険はありますが。僕が選べるのはポーターしか、今のところありません」


「言われてみると、冒険者を志すにも知識が必要で、簡単にみえて簡単ではないから素材が集まらないのか」


「そうですね、だから素材依頼が多かったり買取が盛んに行われてるんですね」


「文字は読めるのかな?」


僕の両親も少しは読めるけど読めるとはいえないレベルだよな。


「ギルドの掲示板の文字位しか読めません。だから踊り場のドラゴンの絵画の下の文字は読めませんでした」


僕はドラゴンの絵画の下の文字が読めなくて残念だと伝えた。


「あの絵画の文字は(我の友達ドラゴンのシュラ)と書いてある。ご先祖様が、ドラゴンと知り合ったと伝えられてる」


やっぱりシュラさんか、会った事伝えなくてもいいよな。


教えると面倒だし、グリュックの皆にも迷惑がかかるかも。


「侯爵様のご先祖様以外にドラゴンに会った事がある人はいるんですか?」


「どうだろう、ドラゴンの目撃情報はここ数百年はない筈だ」


他のドラゴンの鱗も欲しかったな、ドラゴンの鱗コレクター。うんかっこいい。


食事が終わって、帰る許可を貰ったので、セシルちゃんと握手して我が家に帰った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ