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かくれんぼ

早く起きたのでパチンコの練習をしている。当たる音が聞こえない様にリーレンさんから離れた場所で飛距離を伸ばす方法を考えている。


落ちた所が見える様に急斜面で練習だ。


「意外と遠くまで飛ぶんだな、伝説は伊達ではない。歩いていなら命中率は9割あるけど、走っては3割もいかない。もしや基本の姿勢が悪いのかも、姿勢と当たるのをイメージしよう。プロがいたとしたらどんなホームでどんな動きだ」


声に出すとどうすればいいのか分かる、異世界では独り言が役に立つ。


練習をしていると後ろの方で音がするのでリーレンさんが起きたんだな。


練習を止めよう、リーレンさんのところに戻らないと。


「おはようございます」


「おはよう、早いね。朝ご飯を食べたら素材を集めよう」


リーレンさんはパンと干し肉だ、僕は干し肉だけだ。


「パンは食べないのかい?」


「パンですか、今は干し肉に専念します」


「そうか、余るな。2人分持って来たのに」


「食べます、パンは持って帰れません。硬くなっては食べれませんよね」





「これが、頭痛の薬の素材だよ」


リーレンさんの手元を見る。


「いい勉強になりますね」


「そうだね、実際に見れば覚えるのも早いよ」


リーレンさんが別の草を取る。


「これは傷薬に使う、他に3種類を混ぜて調合する」


「これが傷薬の素材か」


紙に書いた傷薬の素材を見ると4種類書かれているので、後3種類で傷薬の素材が集まる。


教えて貰いながら次々と草を取っていく。


僕の為に同じ物を取るのを任せてくれた。傷薬の素材だ、1種類だけなので間違えようがない。


こんなのんびりした依頼もあるんだな。卵ものんびりしてるか。


レイさん達が登っていた木を見る。沢山取れたのかな、そよ風のメンバーは西には行ってないのかな。


「さあお昼だ、2人で取ると早いな」


大岩に戻りお昼を食べる。


「どうだい、もう覚えたかい」


「はい、同じのを取ってますから、覚えられますね」


「では、食べたら他の傷薬の草を教えよう」


「はい、頑張ります」





麓まで下りて来た。


「よく3個も持てるね、私は助かるけど。よく3個持って下りてこれたな」


リーレンさんは山を見上げて「あそこから」と呟いている。


「沢山ある材料を、悪くなる前に作らないとな」


パチンコ練習中、隣でレーレんさんが悪くなる前に作ると言っている。


「集めた素材はどのくらい保つんですか?」


「そうだな、7日保てばいいほうだ。私は4日間で作るようにしている・・・1人では調合が間に合わない」


約2日後に着くとして残り2日間で作らないと駄目なのか。


大変だな、リュック1個でも沢山入っているのに3個だと毎日徹夜だな。


「おお、いい事を思いついたぞ。さあ急いで街に戻ろう」


まだ夕方なので、急いで街に近づくのかな。





いい事を思いついたの答えは、走るだった。


リーレンさんは久しぶりに走るので疲れたと走る速度が遅くなったが、歩くよりは早く走っている。


僕もいい事を思いついたので。


「リーレンさんリュックを1個背負って下さい」


「私が背負うのか、まあ1個ならなんとかなるか」


リーレンさんを見てリュックが小さく見える。もしかして僕は背が低いのかと考えたが今は急がないといけない。


「さあ、おんぶします。乗って下さい」


「え、何でおんぶを?」


「急いで街に帰りましょう、僕の乗って下さい」


「疲れたら言ってくれすぐに降りるから」


この状態でもまだ軽いか、リュック3個のオーク肉はどの位の重さなんだ。


なあジェシー、僕は頑張るよ。君も頑張っているんだろ。


「行きます、全速力だ~」


「おお、走るつもりだったのか」





「疲れは取れましたか?」


「私は走ってないからな、疲れたないよ」


リーレンさんの家に来たので荷物を運び入れる。


「まさか1日も掛からず帰ってこれるとは思わなかったよ。さあ上がってくれ」


「僕はここで失礼します」


「そうか、ありがとう、そうだ、少し傷薬の材料を持っていかないか、こんなに有るんだ練習にいいだろう」


「ありがたいのですが、調合用の道具がありませんから遠慮しときます」


帰ろうとしたら腕を掴まれた。


「古い道具を譲ろう、使わないからそれで調合の練習をするといいぞ」


「それなら、練習用に貰っていきます」


リーレンさんの調合室は綺麗に片付けられていた。


広いのでリュックから素材を出して種類を仕分けする。


「そんな事しなくていいよ。すぐに用意するから」


用意してくれている間にどんどん仕分けする。そうだ仕分けして帰ろう。


「仕分けをさせて下さい、勉強になります。復習です」


「なるほど復習か、それならしてもら貰おう。もし覚えてるなら薬の材料別にもしてみるといいかもしれないな」


そうだなやってみるか。一番興味のあった傷薬の4種類からだ。


「これとこれとこれとこれで傷薬」


見つけた4種類を並べていく。


「これとこれとこれで痛み止め」


痛み止めを並べる。


頭痛薬に風邪薬、風邪薬は6種類の素材が必要だった。


火傷の薬に打ち身等に効く薬、腹痛の薬。


並べていくと2種類で出来る薬がない事に気付く。


「リーレンさん、2種類で出来る薬はありますか?」


「2種類で出来る薬はないよ。最低3種類だ、よくお世話になる傷薬は4種類、火傷も4種類だ」


素材の仕分けが終わって、リーレンさんに道具と傷薬の材料を貰って家に帰った。





厨房が出来ていないが、木工工房に工具を返しに行く。


「ありがとうございます。ほぼ完成したので工具を返しに来ました」


「出来たのか、見に行くぞ~。皆ついて来い」


僕を残してみんな出て行った。


「家に戻るか」


ここにいても仕方ない。




僕が建てた家を皆が見て回っている。


「ユーリ、1階が凄いな。初めて見たデザインだ、個室の様で頭の上からは囲いがない」


親方は1階のデザインが気に入った様だ。


他の人も座ってみたり、立つて周りを見たりしたいる。


僕は受付に座り皆が気がすむまで待つ。


「ユーリ、2階は見てないから一緒に行こう」


「はい」


親方の後に続いて階段を上る。


階段は緩やかに上れる角度にして途中に踊り場を作った。


「何で踊り場を作ったんだ?」


「踊り場に窓があるので光が入り込む様にするには階段よりも踊り場が長ければそれだけ窓の数が増えるので」


「そこまで考えたのか」


2階の廊下は真ん中にある、3階と同じだ。


「この階段を上がらないと寝れないベットはどうしてなんだ?」


親方が階段を上り寝てみている。


「このベットは部屋が狭い時に使う物なんです。普通のベットは寝ている上の空間が利用されていないんです。ベットの上に物置を付けてもいいのですが、このタイプにするとベットの下に空間が出来るのでテーブルを置いたり洋服の家具を置くことも出来ます。空間を上手く使う為のベットです」


「このベットの下にテーブルか」


まだ寝ていて起き上がらない親方。


「このベットを工房に持って行っていいか、同じのを作りたい」


使ってないので。


「どうぞ、ベットの下に置く家具も作ると、このベットの良さが分かります」


「ゴ~ン」


親方が頭を天井に当てた。


「親方、このベットは子供が使う事が多いので、天井に頭がぶつかるのは親方みたいな大人だけです」


「そうなのか。もしや子供部屋に何個も入れても下の空きスペースは部屋の大きさより少し小さいだけ」


「まあそうですが、家具を置くとそれよりも狭くなります。ベットが床に無いので床で遊ぶなら広いスペースで遊べますね」


「直ぐに工房に戻るぞ」





「ユーリ、あのベットの大量生産をしたい。許可を貰えるか?」


「別に作ればいいじゃないですか?」


「あれは売れるので特許にして独占したい。ユーリの名前で登録してくれ、それで俺の工房で生産と販売をしたい。どうだいいか?」


よく考える、申告だけなら何もしなくてすむけどそれでいいのか、でも親方はやる気だし工具を借りて・・・そうか、恩返しができる。


「条件があります、木材をガウディさんの工房で買う事をお願いできますか?」


「この街の木材工房のガウディさんの事か、確か何年か前に息子が継いだはずだ」


「そうです、僕の家の木材は全てガウディさんが息子さんに頼んでくれたんです。それも増えていくんですよ木材が、増えた木材でベットを作ったんです。だから恩返しがしたいんです」


「そうだよな、工具も用意できないのに新築の家の木材を用意出来るはずがない。分かった、その工房から木材を買う様にする。これでいいか?」


「はい、お願いします」





「行ってきます」


「ユーリ君、気を付けてな」


ノーラさんのお父さんのニコルさんが見送ってくれた。


振り返ると看板に『かくれんぼ』と書かれている。


ニコルさんがあんなに部屋があるんだか宿屋をしないかと相談されたので。


「流石支配人ですね、いつから営業ですか?」


「え、支配人?」


なにそれ顔のニコルさんに「全ての権限を任された人の事です」


厨房が出来てないので、食事なしの宿屋だ。


ギルドに向かのに歩いていると、少し自分の居場所が出来た様な感じがした。



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