薬の素材集め
「ユーリ、手紙が届いたんだが海賊がいる場所がゴールドルルの南の海岸沿いだけしか書いてないから大変だったぞ。馬が歩くのを嫌がった地面に『←元入口 海賊の拠点 中に海賊がいるかも』と書いてあったが、大岩が多すぎてどかすのに3日も掛ったよ」
「手紙が届いたんだ。海賊はいましたか?」
「居たよ、皆倒れていた。食べ物が何もないと言っていた、ユーリが乗っていた船に全て積んであったようだ」
「ああ、それであんなに食料が多かったんですね。船の食料はどうなったんですか?」
僕は1階の準個室でツナサンドとモロコダシを食べていた。騎士団のおじさんが来たので同じ物を出した。
「このサンドイッチおいしいな。ああ、船に乗っていた食料は海賊に襲われた者たちに均等に割り当てた。お手柄だ、海賊の捕獲に食料の確保、どうして船で持ち出したんだ」
「僕は悪人なので、ここだけの秘密にして頂けますか?」
おじさんがパンを吹き飛ばす。汚いな。
「悪人とはどんな事をしたんだ」
「簡単です、あの領土から食料をカルテアに運びました。あの領土で押収されたらこの街に戻ってこないかもしれません、それでは商人さん達が困りますし僕の干し肉も返ってきません。それに船じゃないと運ぶのが大変だと思ったんで船の旅に出ました。作戦は完璧でした」
「助けられて牽引されて帰って来たと聞いたんだが」
「偶然も最後が良ければ作戦のうちなのです」
「そうか、助かったよ。陸路で運べる量ではないし、ユーリの言うとおりゴールドルルに没収されていただろう」
お昼を食べ終わり、話が終わって騎士のおじさんは帰る事に。
「しかし、立派な建物を建てたな。信じられないよ、1人でここまで建物が建てられるなんて、ユーリに譲渡されて良かったな。そうだ、ユーリの船はどうするのだ?」
「僕の船?」
「ああ、騎士団には船を扱う組織はないんだ。この街の領主様も船をお持ちなので要らないと言われた、なんと、それなら持ち込んだ者の船でいいだろうとの指示を受けた」
「あの、指示は分かりますけど、また僕の物になるんですか、1人では乗れませんよ・・・・・乗ったけど操縦は出来ませんよ」
「まあ、君の船だ後はよろしく」
逃げる様におじさんは帰って行ったぞ。
「しょうがない、船で旅にでも出るかな、南の暖かい国がいいな。日本人のイメージは南は暖かいだ」
「亀亀ありがとう、助かりました。あの大波は少しでもカルテアの方向に変えてくれる為だったんだ。食事の量が元にもどりました。ここから南に行く船がいなくなったよ」
市場に食料が増えてきた。僕のゴミ・・・・・・食料集めも増えきた。
久しぶりに食材を集めて港の通路から海に食事をあげて、海を見つめる。
亀亀に会わなかったらツナサンドに着いたかもしれないが、それは困る。カルテアに行く船を探すのも大変だし、お金もない。
「亀亀また来るよ、薬の勉強を始めたんだ。この世界の勉強はいいぞ役に立つ、まさか僕が勉強を面白いと思う日が来るなんて流石異世界だ」
亀亀にお礼の食事をあげたので港に戻ろう。またすぐ来れるといいな。
「ガラガラ、ガラガラ」
港にある僕の船、名前を考えるかな。船船、パクパク・・・・パクパクがいいか。
「今日からパクパクだ」
「ユーリ、元気か」
後ろから聞き覚えのある声、振り返り顔を確認した。
「副船長、こんにちは。次の航海はまだですか?」
「そんなにすぐには航海しないんだ。積み荷も揃わないし、船長の気分次第だ」
なるほど、航海はしたいけど気分次第か。
「副船長の名前はなんて言うの?」
「ああ、名乗っていなかったか、クリストファーだ」
偉大な人ですね。
「クリストファーこれは命令だ、今日よりこの船パクパクの船長に任命する、以後好きな様に航海に出て下さい」
「え、何を言っているんだ」
「ああ、この船僕のだったんですよ。今日からパクパクの船長はクリストファーさんのだから、これでスッキリした」
「この船ユーリのだったのか、どこぞの御曹司なのか」
「御曹司が1人で船に乗らないよ。秘密は言えないけどこの船は、船長のだから、後はよろしく。さて帰るか」
「おい、いいのか。船1隻だぞ、生涯働いても買えるか分からないんだぞ」
元僕の船のパクパク、今は偉大な男の船に・・・・・・すいません、偉大な名前を度忘れしました。確かクリストファー、何とかだ。
「作れそうだから要らない、それに操縦出来ない船は要らないよ。その道のプロにお任せします。僕からのお願いが2個あります」
「なんだ」
「船の名前はパクパク、この名前を変えない事。カルテアとサンドイッチの航海図を作る事・・・書く事。以上の2個をお願いします、後もう1個あった。ローランドの港町をツナサンドと呼ぶ事です」
「どうしてツナサンドなんだ」
「もう街の名前は覚えられません、これからも覚えなければいけない物が多いのに今更ツナサンドの本当の名前を覚える気にはなれません、僕の前ではツナサンドにして下さい」
変なお願いだなあと言っていたが、分かったと了承してくれたので港を後にした。
ギルドの募集依頼の薬師さんの荷物持ち、集めた素材を沢山持つを受けた。
北門に集合なので早めに来た。成長したのだ、時間ギリギリに来てはいけないのだ。
「君が荷物を持ってくれる、冒険者かな、私はリーレンと言う。よろしく」
「まだ、見習いです。僕はユーリです、よろしくお願いします」
依頼主のリーレンさんと挨拶を交わすと早速、手に持っているリュックを受け取ると背負った。
「ギルドでリュックを3個持って行った方がいいと言われたんだが、そんなに持てるのかい?」
「はい、3個までなら慣れているの大丈夫です」
「それは凄い、では、のんびりと行こう、先は長い」
「はい、頑張ります」
リーレンさんと薬の材料の取れる山を目指して歩いだした。
「楽しそうだね、その武器はなんて名前だい」
「伝説のパチンコです、まだ命中率が低いので練習しないといけないんです、音が気になりますか?」
「いや全然気にならないよ、私に試しに撃たせてくれないか?」
出された手にパチンコと小石を載せた。
「どうぞ」
「悪いね」
リーレンさんはすぐに狙いを付けると撃った。
「これは難しいな、どれ止まって撃ってみるか」
足下の小石を拾うと近くの木を狙って伝説のパチンコを撃った。今度は見事に木には当たったけど、何処を狙ったかは本人しか分からないな。
「止まっていても、ぎりぎり木に当たるぐらいか」
満足してたのかパチンコを返された。
「どんどん練習しなさい、攻撃力はないけど何かの役に立つかもしれないよ」
お許しが出たので、遠慮なく練習をしよう。
山の麓までの間に魔物に遭遇したが、リーレンさんが全て倒した。
剣も使えるし魔法も使えるので師匠と呼びたいが、魔法では何を教えて貰っても発動しないと師匠に悪い、剣は・・・武器が無いので練習も出来ない。
パチンコは自分だけで練習できる。
「それは何をしてるんですか?」
「これかい、魔物除けのお香だよ、完璧ではないけれどある方が魔物が寄ってこない。そうだ、後で材料を教えるよ。冒険者なら役に立つはずだ」
「ありがろうございます。楽しみです」
知らない事が沢山あるな、日々勉強なのだ。
干し肉が美味しい、新鮮な干し肉だ。
山の山頂が見えてきた。
「もう少しです、頑張って下さい」
「久しぶりだからな、体力が落ちている様だ」
僕の引くロープを掴んで登って来たリーレンさん、何かで見たんだよな、ロープを掴んで登ると少しは楽だと。麓から中腹ぐらいまでは順調だったが、その後に急に疲れが出たのか登る速度が遅くなりロープで引く事になった。
「ロープの作り方が分かったよ。簡単なんだな」
「そうなんですよね、自作だから安全の為に少し太めに作ればいいだけなので歩きながらロープを作ってます」
「お陰で引っ張って貰える」
少し楽になってきたのか笑い声をあげている。
「山頂に着いたらのんびりしましょう」
「そうだな、早く山頂に着けそうだ」
「のんびりしよう、少し疲れた」
「そうですね」
大岩に2人で座る、夕方前に着く事が出来た。リーレンさんの予定では夜に着くはずだった。
後ろの木に向かってパチンコを撃つ。命中~。
「山頂はいいな、景色は最高だし素材は沢山ある」
「明日が楽しみですね」
後ろの木に撃つ。
「リュック3個に一杯になりますかね」
リーレンさんは周りを見回している。
「これだけあれば一杯になるよ」
後ろに木の上の方に狙って撃つ。
「ユーリは本当に練習を頑張っているんだな」
「そうです、練習すれば大抵の事は出来ます」
後ろの木の更に上狙って撃つ。
4人の手がやめろと言っている。
「後ろの方で音がしますね」
リーレンさんは後ろを見たけど何も発見できなかった様だ。
「何も聞こえないよ」
僕は視線を上に向け手を振った。
「そうですか」
木の上の人達はそれ以上言うなと言っている様だ。
僕は早く降りてこいとジェスチャーをした。
「ここなら野宿しても魔物が来ないからぐっすり眠れるな」
聞こえる様に、少し大きい声で会話を続けた。
「そうですね、ここで野宿なら誰かが来てもすぐに分かりますね」
前を向いたまま降りて来いと手を振る。
「ユーリ、久しぶりね。通りかかったらユーリが見えたのよ」
なんだ、山頂を通りかかる人がいるのか。他の言い訳はないのか。
「流石ですね皆さん、登山で体力作りですか。ベテランは違いますね」
「そうなのよ、体力それは一番大事、いくらベテランになっても体力作り日々しないと、みんな帰りも頑張るのよ」
「「「おお~」」」
卵ハンターは帰って行った。夜までに麓に下りれるといいけど、微妙だ。
「リーレンさん、僕も体力作りをしてきます、1人で大丈夫ですか?」
「大丈夫だ、気を付けるんだよ」
「さあワンダーさん、乗って下さい」
「いいの、知り合いを置いてきて」
「山頂で素材集めするので今日は野宿して、明日から集めるので」
僕が屈むとワンダーさんの後にレイさんが乗る。
「何をしているんですか?」
「私も乗りたい、凄く速いんだってね。さあ行きなさい、我がしもべのユーリ」
「いいですけど、2人なので全力で行きますよ」
2人がキョトンとして驚いているので。
「全力の方が、アハハ。体力作りになるのです。では行きます、落ちない様に」
2人でもそんなに重くなり、オーク肉の方が重い。
「ひやほ~」
「ひやっほ~」
なかなかやるな。
「全力ジャンプ」
「全力快適~」
しぶとい。
「連続ジャンプ」
「もっと連続して~」
レイさんを困らせるのは木の上の方が楽だ。
「疲れた、ユーリありがとう」
「ユーリ、もう一回お願い」
全然疲れないんだなレイさんは。
「ここでワンダーさんと過ごしてください。イケメンとじいさんがそのうち下りてきます」
「もう一度登って下りて来てもいいのよ」
「連れがいますのでこれにて」
駄目だ、遊んでいたらいけない、僕は依頼の最中だ。
「おいユーリ、もう登って来たのか?」
「そこに山があれば全力で登ります」
「ビールはまだ飲めないのか」
「ビール持参なら冷えるんですに入れて勝手に飲んで下さい」
「ボードン聞いたか、冷えているビールが飲めるぞ、ユーリありがとう・・・いない」
「奴なら、あそこだ」
「速いな、しかしビールは街にある、ユーリなどどうでもいい行くぞ、ボードン」
「そうだな、冷えたビールか」
どうして降りるだけなのに遅いんだろう、子供の気持ちに変えれば、ジャンプすればすぐに下に着くのにな。




