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ゴールドルル

ギルドの掲示板でネズミの捕獲&討伐依頼があった。


「なるほどね、農家が近くにあれば必ず依頼があるのか。報酬は小銅貨1枚か、報酬が安いのでいつもの作戦は出来ない」


討伐依頼も見たが報酬が安い、冒険者が多いのと魔物が多いので安いんだな。


木工工房で親方に相談する。


「この図面通りに作った物を販売してほしいんです、農家の方が必ず買うと思いますが注文を受けてから作れば損がないと思います」


「なるほど、ネズミを捕獲する仕掛けか、確かに売れるだろうが君はこれで儲かるのか?」


「僕は何も関わらないので、儲かりません。アイデアを提供してネズミを捕獲できればそれが報酬です」


「よく分からないが、君は教える事で、俺が制作と販売を、農家の人は使う事で、それぞれ利益になるんだな」


「そうなります、協力していただけますか?」


親方は工房の中を見回して、僕に顔を向けた時には笑顔になっていた。


「暇だしな、それなら試作品を作らないか、君がいれば説明も受けられる」


僕から言い出した事だし、協力て貰えるなら僕も協力しよう。


「はい、作る事も少し出来るのでお手伝いします」





「面白いな、ネズミが餌を取るのにローラーの上に乗ると回って落ちるのか。1台あればだいぶ捕れるな」


「いえ、農家の被害を減らすには畑の四隅に置かないと効果が薄いと思います。それに、周りの農家にもしてもらうとネズミの行ける場所が減り、効果が更に上がると思います」


「農家1軒に最低4台は必要か、農家は沢山あるな。この道具が売れだしたら忙しくなるな」


親方がやる気になってくれている。


「僕は依頼の人にこの道具を購入すれば依頼よりも効率よく捕れる事と作物の被害が凄く減る事を説明してきます。そのついでに周りの農家の人にも説明をしたいです、もしかしたら、他の人も購入するかもしれません。親方は設置の仕方と使い方の説明をして売って下さい」


「物を売るんだ、説明はするさ。注文が一杯くるといいな」





親方に制作と説明をお願いして工房を後にした僕は市場で干し肉を探したが無かった。


「この頃、カルテアから食材が入らないのよ、だから干し肉は品切れなのよ」


「そうですか、ありがとう」


何軒もの干し肉を扱っていそうなお店に聞いて回ったがどこも品切れだった。


海賊は僕の干し肉を1人占めしている、海賊占めか・・・許せん。


この村は海賊から買取をしている様な事はないと思い依頼主に会いに行く。





「そうなんです、最初は購入代金が高くつくかもしれないですけれど、後々は『ああ、いい買い物をしたな、作物の被害も減った』と言いますよ。そうだ、自分でも作れるなと良い事尽くしなんです」


僕の説明を聞いてくれるのは、依頼主と近所の農家さんの5人だ。


5人の農家さんに説明が出来たのは、お昼前で道端で何か話していたからだ。丁度いいので他の農家さんにも聞いてもらった。


「その道具を購入して10匹位しか捕まえられなければ大損だ、おれはその道具は要らない」


「おれも効果が分からないから、買わない」


「俺はどうするかな、家の者と相談するかな」


「高いからな工房の商品は」


最後に依頼主が話す。


「その話が本当なら役に立つのは分かったが、購入は出来ない。依頼に任せる」


「そうですか、仕方ありませんよね。それでは僕は用があるので失礼します。もし購入してもいいなと思ったら村の工房に相談して下さい」


説明が終わったので南に向かう事にする。海岸沿いを歩いて海賊の拠点を探さないと。


「おい君、なんで俺達に購入を勧めない?」


「ああ、僕はネズミを捕りたいとは思っていません、作物の被害が減ればいいと思っただけです。購入にはお金がかかります、買えない農家の方もいるかもしれないので、まずは購入を決めてどんな物でいくらするのかをご自分達で確認するのがいいと思いますよ」


「そうか、私達次第なのか」


「参考になるかわかりませんが、その道具を設置した農家はネズミを1000匹位捕まえてました。この地域にどれ位のネズミがいるのか分からないので何匹捕まる分かりません、では急ぎますので失礼します」


「おい、1000匹だって」


「そんなにいるのか」


「そもそもそんなに捕まえられるのか」







港町のムーデン村から南に歩いて来たけど、今のところなんにもない。


「海それは海。海があるから泳ぐんだと言った人はいるのかな、いないかみんな夏には泳ぐもんな。この世界の人を除いて」


たまに海に視線を向けるけど、船を見てない。


カルテアはローランドの港町・・・・名前は・・・港町だ。


覚えていないが、ツナサンドの発祥の地なのは覚えている。


カルテアはツナサンドと取引をしている、カルテア以外はツナサンドと取引をしていないのかもしれない。


ローランドの大陸はどんな形してるんだ、この大陸はどんな形だ。


誰か世界地図を僕にくれないかな、地形が分からないと不便だ。


「本当にツナサンド以外に港町はないのか、陸の形も分からないぞ、考えても仕方ない。それを確かめるのも冒険者のだいご味だ」


考えるのを止めて、パチンコの練習をしよう。


「歩きながら少しは狙い通りに的に当てられる様になってきた、子供もこんな気持ちで成長していくんだな、もうすぐ14歳だな。何月とかないから夏生まれだ・・・・妹達も夏生まれだ、ハリソンも夏生まれ。おそらくみんな夏生まれだ。異世界だから夏生まれが常識だ、そうこれならみんなで誕生日をお祝いできる・・・・・・みんな誕生日だから合同でしないと家族だけの誕生日・・・・親も夏生まれか、異世界でも誕生日はそれぞれ違う、考えすぎはいけないな。


急がない時は歩くと決めたルールも今は急がないといけないが、走って海賊を探すのは怪しまれるので歩いている。


「干し肉と違ってコーンは飽きてきました。おそらく1個ずつ食べるので更に飽きる。焼いたのが食べたいな」





夜になると静かだ、浜辺で横になっている。


星らしき光を見て「星ですか、それとも未確認の光・・・・宇宙船の光、宇宙船で旅をしても行く所はあるのか、他の生命体がいなければ旅が成立しない。宇宙もあるのか分からない、取り合えずこの大陸の地形を知る為に何かしよう。そう後ろの光のように」


浜辺で寝転がっていると浜辺の向こうの森の方に光が見える。


「見つけたぞ、海賊の拠点」


見つからない様に木に隠れながら進むと畑が見えてきて光の正体は見張りのかがり火だった。


大きい城壁も見える。


「街だな、どうせ入れないのだから浜辺に戻ろう」


ムーデンの村の人に南に街や村があるか聞けばよかったな、何かあるかと聞かなければ怪しまれないで聞けたな。





浜辺から歩いて2時間ぐらいの所に街があった。


ゴールドルルが街の名前、浜辺の方の門は並んでいる人が居なかったので、すぐに入れた。


「大きいな、カルテドぐらいあるのかな、この世界の街はどこも見た感じ同じに見える」


ギルドを見つけて中に入るとやはり冒険者が少ない。


朝のこの時間なら大きい街なら凄い数の冒険者がいるのに10人位しかいない。


掲示板にはネズミの依頼がある、後でムーデン村と同じ様にしよう。


討伐依頼に、ホワイトベアがあった。見たいが武器の無い僕には危険だと思いギルドを出て工房と依頼主に説明した。


これでネズミの討伐&捕獲依頼は無くなった。





「ゴールドルルの由来は北西に金山があるからなんだ」


「今でも採れているんですか?」


市場に干し肉が販売されているか確認に来て、最初に聞いたのがこの街の名前が金山と関係あるのかだった。


「今も採れているよ、金貨を作るのに必要だからね」


「もしや、銀山もありますか?」


「あるんじゃないのどこかに」


金と銀どちらも価値はあるけれど武器の材料ではないのであまり欲しくならないな。


「金貨と銀貨の眠る場所は知りませんか?」


「ああ、知っている。ここだ」


おじさんは、お釣の入った木箱を見せてくれた。目の前にお金持ちがいる、僕よりも。


金貨が1枚あるので取ってみた。


「偽金貨ですね、見るからに・・・・見た事がない金貨ですね」


「本物だよ、見た事はないか。物価が高いからたまに持ち込まれるんだよ、お釣りに苦労する」


「金貨も市場で使われるのか、僕には来ない未来だな」


おじさんが心配そうなので返す。


おじさんに金貨を見せてもらい、デザインと大きさがローランドと違うのが分かった。


「おじさん干し肉を売ってるお店を知りませんか?」


「どこでも売っているだろう、ほらあそこの食材屋さんにも売っているぞ」


その言葉に教えて貰ったお店を見ると、干し肉が売られていた。


「おじさんありがとう、知りたい事が分かりました」


おじさんにお礼を言って市場をあるき周った。




この街には干し肉が普通に売られていた。


「この近くにいる、海賊はこの街に略奪した物を売っている」


南に行こう拠点が有るはずだ、そこに干し肉も有る。


ギルドに向かい、依頼をお願いして、南の門に向かった。南に何かあるのか聞いてみよう。


「この先の南には何もないぞ海岸が続くだけだ」


親切に教えてくれる門番さんにお礼を言ってこの先に行ってみよう。


「この街に来たのが初めてなので南に行ってから街道を目指したいと思います」


「そうか、気を付けて行けよ」


門から海に出ると海岸沿いに南下して行く。





出発してから2日経った。


「あそこにいるのは見張りかな、夜まで待ってからじゃないと見つかるぞ」


夜まで待つ事に決めたがまだ昼だ、ロープでも作って海賊を縛るかな。


夢中でロープを作り夕方には沢山のロープが完成したけど、そんなには持てない。


「ロープは5本あればいいか、では、干し肉を奪いに行こう」


先程の見張りの立っていた場所が見える所まで来たけど、見張りが見えないので、近づいてみたけど何もない。


僕がいる場所は崖下で海の方からは回れないので反対側の西から南に回る感じで慎重に歩いて行く。


崖の南側は少し上った様になっていて見張りがいた、昼間見た見張りは崖の周りを巡回していたのかもしれない。


角度が悪いので見張りの後ろがどうなっているか見えない。


見つからない様に北側に戻り海から崖を見上げる。


「海側の崖の下のはどうなっているんだろう、海からじゃないと見えない」


では、行きますか。


「ドボン」


「まだ寒い、ロープを置いてきてよかった」


静かに泳ぐ、平泳ぎだ。


「海賊、海から来たぞ」


潮の流れが速くてなかなか進まないけれど、船が通れそうな穴が崖の中に開いてる。切り立った崖の南に見張りがいて、東側の海に面した崖に洞窟だな、大きな洞窟の入口が在る。


海に面した洞窟の中には5隻の船が入っていた。


海賊の秘密の拠点がそこにある、洞窟の入口の近くに来た僕は、どうするか迷った。


「ここで船を沈める、簡単だが干し肉は戻らない。それに他の奪われた物をどうするか」


停泊している船と洞窟内部の通路に誰もいない。


残念な事に船には行けるけど通路にはいけない。


錨のロープも登っても船の上に上がれるかここからは分からない、海賊がいそうで、試す事が出来ない。


一番見付からなそうなのはやっぱり、錨のロープだよな。進入するなら船からしかないので、登ることに決めた。


ロープを登るのは簡単だったけど、船の甲板に人が寝ていた。気付かれなくて良かった。


段々面倒になってきた。


気付かれたらその時だと覚悟を決めて、縁から覗いていた僕は船に上がったけど、今度も起きなかった。


起きない人はほっといて船内を見て回ろう。


「おお、食料だ。食べると犯罪かな、誰も見てないから少しだけ・・・生で食べれないよ、調理するところはどこかな、焼いたのが食べたいな」


厨房を発見したが、手に持っているのは芋。この芋を焼いてもそんなに嬉しくないな、取りに戻ろう。


船の上で足音が聞こえるので様子を見に行ってみよう。


「おいこんなところで寝るな、隣の船で寝ろ」


「分かってるよ、なかなか売れない食料の在庫を確認していたんだ。あれから1ヶ月も経つのに売れないから仕事に行けなじゃないか」


「仕方ない、街の住民が減って食材を買う時期じゃない。我慢するしかない、それにカルテアでは俺達を警戒していてローランドに向かう船が出てないから仕事もできない」


海賊が仕事だと許せん冒険者になれ、面白いから。


2人が話しながら他の船に渡って行くのを見た。あの板で渡るのか、この船にも有るなら板を渡せば僕も移動できる。


「さあ海賊はいなくなりました。先ず僕は船が動かないようにしたいと思います。作戦はありません」


声に出して宣言すると、やる気が出る。


さあ考えろ、作戦が失敗しても船が動かなければ取り敢えず海賊が出来ない。


船が動かなければ良いのか、簡単だ。

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