そんな効果が
僕の担当は最初の説明と料理の担当。
「どんどん作るぞ、時間の掛かる肉丸からだな」
パンを作る時に入れる材料を小麦粉に入れてかき混ぜてぬるま湯を入れて捏ねる。
いい感じの状態になったので油を少量いれてまた捏ねる。
生地が乾燥しない様に濡れた布をかけて30分程置くと、何だけ・・・・・・熟成と膨らむ?かな。
待つのが嫌いだし沢山作らないといけないので、肉丸の生地をどんどん捏ねよう。手の空いている時間を作らないように、上手く作業の手順の予定を立てよう。
「コネコネコネコネコネコネコネコネコネコネ・・・言えた、慣れてしまったか」
午前中はコネコネに専念していた。パンの様な状態までは膨らんでいないけど、肉丸用ならこれくらいだな。肉丸用に膨らんだ生地の中に具を入れて肉丸らしく整える。
仮の厨房で肉丸の具が詰め終わった、露店に持って行って蒸せば肉丸の完成だ。
「肉丸取りに来ました」
「どうぞ、入って下さい。今出来たところです、ここにあります」
お祭りの手伝いに鍛冶工房と木工工房の人達が参加してくれたお陰で、こうした運ん出くれる人が確保できた。
運んでくれる人まで考えてなかったので『荷物でも運ばせるか』と木工工房の親方が言ってくれるまで気が付かなかった。
それに想像していたお祭りの人出が全然違う、みんなから何もしない楽しむだけと聞いたので時間が空いてる人が露店で買い食いするだけだと思っていた。
それが街全体がお祭り、そのお祭りに他の街から来る祭り客、想像ができない。
「こんなに出来てる、良かった。もう無くなるから取って来いと親方に言われたんです」
「そんなにゲームをしている人がいるんだ。どうぞ、運んで下さい」
「みんな、行くぞ」
「へい」
鍛冶屋工房と木工工房の人達が木箱に詰められた肉丸を持って行ってくれた。
「予想以上に早い。サンドイッチも完成させないと」
「パンをお持ちしました」
頼んでいたパンが来たぞ、それも、いいタイミングに。
「このサンドイッチを食べてみて下さい。皆さんのパンを使って作ったサンドイッチです」
「わあ~、これが完成したサンドイッチですか、綺麗に中に具が挟まっていますね。とても美味しそうです、いただきます」
「私も食べたい」
「どうぞ、あとサンドイッチと一緒のセットのモロコダシです、飲んでみて下さい」
カップにモロコダジをよそって手渡した。
「変な色してる」
「美味しい」
「サンドイッチとモロコダシどちらも美味しい」
自分達のお店のパンがどんなふうな料理になったのか、その味を知って喜んで帰っていった。モロコダシも美味しいと言ってくれた。
白い雲は、材料と炭が有れば何もしないでいいの助かるな。
シーラさんに貰った、冷えるんです改が無ければ下準備をした食材を衛生的に保管できなかった。
後、じいさんのビールも冷やしている。毎日お祭りの後に1,2杯なら飲ませた方が静かだから。
松茸の土瓶蒸しの予備を作る事にする。どの位売れているか分からないが、余ったら自分で飲もうと決めている。
「多く作れば自分で飲める量も増える・・・沢山飲むぞ」
僕の野望をぶちまけていたら肩を掴まれた。
「見付けた~、ユーリ」
振り返るとシーラさんがいた。
「隠れていたのに良く見つけましたね」
「さあ、冗談はいいから行きますよ」
後ろのメイドさんが今までの中で一番大きく頷いている。
「どちらにでしょうか、今はお祭りで忙しいのですが」
「松茸を持って行きますよ、さあ準備して下さい」
松茸・・・横にある松茸を1本取ってみたら、メイドさんが来て鞄に松茸を詰めて僕に渡した。
「どうも」
シーラさんが出て行くので付いて行く。
商業地区がある方に向かっている。
「シーラさんどこに行くんですか?」
「薬師工房よ」
薬師工房か、ローランドにもあったけど入った事がないな、薬だと代わりに買いに行った時と、カルテドで数回、買った位だな。
この大陸の薬は効果が高いからよく研究されているんだろう。
傷が治るのを見たけど早かった。
傷が治るのを見れるのは凄いよな、傷口が再生してる感じだな。
「久しぶりね、マリサ」
「グルグル~グルグル~」
薬の調合中かな。
「グルグル~グルグル~」
「シーラ様、久しぶりです。もう少しで終わるのでお待ち下さい」
「分かったわ。ユーリ、そこの椅子を持って来て座りましょう」
調合用の大きいテーブルで調合している反対側に椅子を持って来て座る。
メイドさんは離れた所にいるのでそこに椅子を持って行く。
「ありがとうございます」
メイドさんは礼儀正しい。
初めての薬工房を色々と見ると、材料が沢山有って覚えているのと聞きたくなる。
薬か、作ってみたいとは思わないな。覚えるのが大変、材料を間違えても大変、飲み方を間違えても大変。
でも、グルグルはしてみたいな。
「お待たせいました。シーラ様、今日は何の用でいらっしゃったのですか?」
「凄い発見をしたのよ。私達女性の悩みが解消される可能性のある薬が作れるかもしれないのよ」
「バーン」
テーブルに凄い勢いで手お付いた女性、マリサさんの視線が鋭くなった。興奮気味にも見える・・・・・・やくとも言うかなら薬は、ヤバい物でも製作していたんだな。
「薬ですか、それはどんな効果でどんな材料を使うんですか、今すぐ作りましょう」
「落ち着いてよ、材料になるかもしれない物は持って来たわ、ユーリ出して」
出してか、僕の松茸の事だよな。どうやら、僕の勘違いだった様だ、薬を作るのが好きな女性のようだな。
「どうぞ、松茸です」
「何で松茸なのよ、美味しくないわよ。要らない、持って帰って」
「では、松茸を持って帰ります」
良かった、僕の松茸、まだあまり飲んでないんだよな。
「ユーリ、そこはこれが材料よと出さないと、マリサには分からないわよ」
ところで何しに来たんだ。
「もう、いつもは頭の回転が早いのに、何で、のほほとした顔をしてるのよ」
のほほん、誰かさん達に言われたけどのほほん顔てどんな顔。あの3人は元気かな。
「だいたい分かりますけど、薬に出来るんですか?」
「ねえ、この子は誰なの。松茸の行商人なの」
松茸の行商人か、あそこの人達なら出来るな。『何処で採れたの』『あそこ』。
今年も松茸を採ったのかな。
「この子はユーリよ、色々と変な事を思いつく子供なのよ。薬のアイデアもこの子から教えて貰ったのよ」
僕は何か言いましたっけ、僕が思ったのは、土瓶蒸しを沢山飲むとお腹の調子が悪くなる、トイレに行きたくなる。自分で経験済みなので女性にも効果があるだろうと土瓶蒸しを2杯飲むのを勧めただけ。
効果があったカーヤさんはトイレに行った。そして、そんな遊びをしたいだろうと思って、大事な僕の土瓶蒸しをお祭りに提供したんだよな。
それだけなんだよな、薬を作る材料にしたら効果があるかは僕には分からない。
「それでどんな効果があるの、松茸が関係しているのね」
シーラさんはマリサさんを部屋の隅に連れて行き、ヒソヒソと何かを伝えている。
あれれ、僕が来なくても松茸があればいいんじゃないかな。2人が戻って来た。
「ユーリ様、私に松茸のスープを飲ませて下さい、今直ぐに」
「ユーリ、お願いよ。ここで作って、マリサに飲ませたいのよ」
様が付いてるけどそんなに大変なのかな。
「では、作り方を覚えて下さい、簡単なので自分でも作れる方がいい筈です」
「シーラ様凄いです、効果がありました。飲んだ味も松茸だと思えません、香りも良くて。ユーリ様は凄いです」
「それで、薬は作れるかしら」
「作れます、これだけ効果がはっきりしているなら松茸の中にある成分が分かるはずです」
「そう良かった、出来たら明細を書いて申請しましょう。ユーリは商人ギルドでカードを作ってね、売り上げの何割かが支払われるわ」
「僕はいいですよ、薬にするのはマリサさんだし、薬に出来ないか考えたのはシーラさんなんだから」
「ダメよ、アイデアの横取りは出来ないわ、これはユーリが考えたのが薬になるだけなのよ。それに私は登録できないのよ、だからユーリにしましょう」
よく分からないが、僕の考えた薬になった。
「分かりました、商人ギルドでカードを作ります」
商人ギルドで家族カードを作り急いでお祭りの料理を作る為に家に帰った。
シーラさんは久しぶりに来た薬工房に残った。
「土瓶蒸しと肉丸を作ろう、僕がいない間に減っている可能性がある」
寸胴鍋でお湯を沸かしてる間に肉丸の生地を作る。
振り向くとパン屋さんの皆さんが来ていた。
「食べたいです、もっと。だから沢山作ってきました」
皆さんが必至の顔でこちらを見ている。
僕はその中で一番近い人からパンを取り台の上に載せると、その人の両手を掴む。
「分かります、同士よ。さあ好きなだけ食べなさい。自分で入れたいだけ入れなさい、ツナサンドは君たちに食べられたいと言っている」
ツナを冷えるんです改から出して皆さんの前に置く。
「ありがとう」
同士がお礼を言ってパンにツナを入れて食べ始めた。
予定外だが、モロコダシを温めて出した。
同士がいても僕の忙しさは変わらなかった。
同士は満足すると帰って行った。
「君達が食べたお陰で、ふう~。ツナが無くなった。今更聞こえないかもしれないが遠慮は無用だ」
そう、無くなったツナも作らないとな。よし、冷えるんです改から魚を出してツナの用意だ。
「今こそ、一遍に作ってやる。みんな簡単な料理で良かった」
沢山の料理が出来た。運んでくれる助っ人のいない土瓶蒸しの予備を2個持って露店に向かおう、同士が出来ているかも。
「ユーリ、どんどん売れているわ、持って来てくれたのね。無くなるんじゃないかと心配していたのよ」
露店の前に長蛇の列が出来ていた。
「誰だ、こんなに口コミをした奴は、僕の松茸が無くなる可能性が出て来た。部屋2個に詰め込んだ松茸が無くなる」
「ユーリ、嘆いてないで手伝ってよ」
「分かりましたよ、スキルウエイターを発動~」
トレイに載せたカップに土瓶蒸しを注ぎ込む。全部に注いだら配るだけだ。
並んでいる人にどんどん取って貰おう。
「1杯目です、順番に取って下さい。飲み終わってもカップを持ったまま進んで下さい~。2杯目は露店で飲んで下さい、その時お支払いをお願いします。並んでいるのを解消するために1杯目をお出ししています」
「嬉しわね、早く飲みたいのよ」
「あの店主さんだけだと、なかなか順番が来ないのよね」
トレイに載せたカップが無くなると同じ事の繰り返しをして長蛇の列を減す努力をする。
時間の短縮が効いてきてお客が減ってきた。
「カーヤさん、僕は他の様子を見に行きます」
「ありがとう」
「ヒヒヒィ~ン、ヒヒヒィ~ン」
レイさんは馬になっていた。乗っている幼女が、その状態から投げている。
「流石だ、自分も楽しんでいる。飽きたとも言うけど」
他の皆もちゃんと働いていた。
景品の料理も大丈夫みたいだ、予備を取りに行ってくれたりしているのだろう。
白い雲の台の下の丸い炭を見ると慣れてきたのか、火力を上手く調整している。
子供達も自分でグルグル出来て楽しそうだ。
露店の料理などの在庫の確認と不備が無い事が分かったので、家に帰って明日の料理の下準備をしよう。
「さあ。俺は頑張った、ビールを美味しいビールを」
皆は仕事が終わり帰って来た皆、さあ出せと言っているのはじいさん。呼び名からすると何もしないで遊んでいた老人の様だけど、働いたんだなビールの為に。
「2杯まで用意しました、明日も頑張って下さい。二日酔いはダメです、その場合はお祭りの最後の打ち上げの美味しいビールと美味しい料理が食べれません」
「今は、ビールが飲みたいわね。仕事の後の1杯よ」
「そうそう、早く飲みたい~」
「俺も一日イケメンでない人と腕相撲を頑張った、ビールが飲みたい」
うるさい人達なので直ぐに冷えるんですから冷えているビールを出す。
「ご苦労様、冷えたビールです」
「「「「冷えた?ビール」」」」
久しぶりに聞いたな、皆の声が重なった。
我慢の出来ない皆はすぐに口に運んで飲み始めた。
「冷えていて美味しい」
「ああ、いいぞ」
「そうね、同じビールなのに美味しい」
「素晴らしい、明日も飲む。この美味しいビールの為なら今日は我慢する」
「そうなの、じゃ1杯でいいね」
「ダメよ、2杯はいいはず、いえ3杯でも酔わないわ」
「すいませんが、2杯分しか冷やしてないです」
「ユーリの策にハマってしまったのね。でもいいわ、最後の日の打ち上げが楽しみだから」
そよ風の皆は2杯飲んで帰って行った。皆は、意外と物分かりがいいので助かります。




