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カルテアのお祭り

市場で最後の確認をしていると変な人たちに絡まれた。


「お願いだ俺にも何かさせてくれ」


「私も何かしたいよ」


「私も出来る事ならしたい」


「俺はビールが飲みたい」


邪魔な連中が現れた。日頃の行動を知っているので、面倒はごめんだ。


「邪魔」


レイさんがいつもの襟を掴んでうんうんさせている。


「私はリーダーとして皆を楽しませる義務があるのよ、分かるでしょうユーリなら」


分からない、冒険者なんだから何処かに行けばいいに・・・・お金が溜まったらドラゴンを探しに行くぞ。


「いい事があります、祭りの間に誰が一番買い食いをしたか賭けるのです、面白いでしょう」


「嫌なのよ、たまには買い食いじゃない、違う事がしたいのよ。お・も・し・ろ・い・・・事がしたい」


この人が僕の未来なのか、この人を変える事が出来たら僕も変われるかもしれない。


しかし無理だ、自分をよく知っている。この人も僕も変われない・・・・面白いのが好きだから。


「何か考えますよ、邪魔だけはしないで下さい」


「なんと生意気な、俺はビールが飲みたい」


「じいさん、ビールは労働の後に飲むと特別に美味しいですよ。僕は美味しいビールを飲ませたいな、じいさんに」


「美味しいビール?どんなのだ、今すぐに飲めるのか?」


「毎日飲ませましょう、少しだけ。祭りが終わってたら好きなだけ飲ませましょう。ビールは用意して下さい」


「なぜ、美味しいビールを飲むのにビールを用意するんだ」


「みなさんもビールが好きなら用意しておいて下さい」


僕の話を聞いて走り出した、そよ風のメンバー。


「邪魔者は消えた」


早く確認して帰ろう、忙しいのだ。あの食材を全部無くす為の7日間が明日から始まる。


「「「「買って来た」」」」


振り向くと邪魔者は手に樽を持っていた。


「お一人1個までにして下さい。後は没収です」


「ええ~、何故だユーリ。隠れて飲む気か」


僕の言葉にじいさんが嘆いている。


「祭りの最後の日に、没収分は返しますよ。1個で7日分です、1日2杯ぐらいは飲めますね」


お互いの顔を見合わせて、皆が頷き合った。


「分かったわよ、明日は何時に来ればいいのかしら?」


「準備は終わっているので、何時に祭りは始まるの?」


「お昼前かな」


「お昼前の前に来て下さい、説明をします」


皆は樽をその場に置いて帰って行った。


「樽が12個か、持ちにくいな」


僕はなんとかビールの入った樽を持って酒屋さんに向かった。


「いいのか、10個分ぐらいしか入ってないぞ」


「いいです、この大樽より大きいのがないんですからしょうがないです」


ビールの入っている樽の交換をしてもらった、1個ならどんなに大きくても一人で運べるな。






「俺の名前はソーインだ、今更聞くのか」


「僕は名前を覚えるのが苦手なんだけどおじさんと呼んでる人が多すぎて仕方ないから名前を覚えようと思ったんだ」


「そんなもんかな、俺は客商売だから覚えるのは得意だな」


「ソーインさんは1番の台が担当です、ボードンさんは2番が担当です、じいさんは3番が担当です」


市場の皆の協力で市場の一角を大きく借りている。


みんなは面白くしてくれるならと快く場所を貸してくれた。


この一角には僕が考えた屋台が多数置かれている。男性3人は1~3番の台の前に立っている。


祭りが始まっているが、自分達のペースで始めよう。


3人には何をするかは話してあるが、全部を説明している訳ではない。


最初なので僕からお祭りのお客に聞こえる様に大声で説明をしよう。


「皆さん、お祭りを楽しんでいますか。ここにいる3人の男性、A、B、Cは腕相撲がとても強いです。腕相撲が分からない皆さんに今からAとBが腕相撲をお見せします。台を挟んで手を組み相手の手の甲を台に付けたら勝ちです。手の甲が台に付いた人の負けになります。では始めます、始め。今の始めで開始です、始めの合図と共に力を入れて相手の手の甲を台に付ける。この時に肘は台に付けたままで戦います。負けには2種類あります、手の甲が台に付いたら負け、肘が台から離れたら負けです。2人の力が均衡してますね、おお~Bの男性の勝ちです。みなさんBの人に拍手をお願いします『パチパチパチ』ありがとうございます。このゲームには挑戦料が掛かります、今なんだお金を取るのかと皆さん思ったでしょう、僕も思いました。でもこれは参加しないとあそこの鍛冶屋の皆さんの前に有る料理が食べれません、その隣の木工工房の皆さんの前に有る料理も食べれません。料理は腕相撲の景品なんです、勝った人は自分で選べて、負けた人は対戦相手に決められてしまうのです。もうお分かりだと思いますが、どちらにしても食べれるのです、自分で選ぶために腕相撲で勝って下さい。勝てないぞと思う人は両手で戦って下さい。そこの強そうな人、あなたは片手で戦ってください。参加するのに銅貨1枚です、安いです。高いぞと皆から聞こえました。料理が美味しいので銅貨1枚なんです。お祭りです、楽しんで美味しい物を食べましょう、既に列が出来てますね。では、これより腕相撲に勝って、料理を自分で選ぶぞを開始します」


沢山並んでくれたな、説明中にもやる気満々の人が並んでいたんだよな。


「そこの人勝ちましたね、どちらを選びますか?サンドイッチは食べなれているはずですが具が違います。もう一つの料理はここに居る皆さんが知らない食べ物です。肉丸です。変な名前ですが白い丸い生地の中に肉の具が入っています。さあ、どちらを選びますか?」


「俺は食べた事のない肉丸だ」


「勝った人が選んだのは肉丸です、肉丸を渡して下さい」


鍛冶屋工房の屋台から肉丸1個が渡された。


「初めて見るな、美味しいのかな」


「さあ、勝者の人が選んだ肉丸は美味しいのか、さあ、食べて下さい」


勝ったおじさんが、一気にかぶり付いた。


「美味しい、当たりだ。最高だ~」


「喜んで貰えた様ですね、お土産として買う事も出来ます。挑戦して勝った人は選んだ料理と同じなら買う事が出来ます、どうします、買いますか?」


「肉丸を2個買う、子供にお土産だ」


「そうです、この腕相撲は子供は参加できません、怪我をしてしまいます。女性の事は考えてませんでした。台を2台ほど増やして女性の参加を開始したいと思います」


僕の会話を聞いていた、鍛冶工房の親方が若い人に頼んでくれた様で、腕相撲をする為の台が2台運ばれて来て並べられた。


「さあ、お手伝いの女性陣が相手です、あの2人は売り子さんなので強くありませんよ」


僕の説明はここで終わった。後は選手の皆さんと工房の皆さんに進行をお任せした。






「ああ、すいません。まだ最初に腕相撲した人は帰っていませんよね」


「ああ、何か用か?」


「ここに居る人にも説明するので聞いていて下さい」


僕はお辞儀して、先ほどと同じ口調で飲み物の事を話す。


「皆さん言い忘れていました。飲み物が付いていました。参加した人は台の人に言って受け取って下さい。名前はモロコダシです、食べ物と飲み物を受け取って下さい」


トウモロコシ100%のポタージュが有るのを忘れていた。





「説明に来ましたよ、皆さん。お待たせしました、こちらは子供参加のゲームです。参加料は小銅貨5枚です。お母さんお祭りです、それに新しいお菓子ですよ。お祭り限定のお菓子です、子供達に勝ち負けはありません、参加すれば誰でも同じ物が食べれます。あそこの小さい子が食べてます、名前は白い雲です」


皆がサーヤちゃんの食べてる白い雲を見ている。美味しそうに食べてくれているな。


「あそこの屋台のお姉さんが頑張っています、ゲームに参加した後に受け取りに行ってください。ゲームの説明です、この線から木のリングを投げて前に並んでいる棒に通すだけです、3回投げて2個入れば、お菓子を自分でグルグル巻く事が出来ます。頑張って下さい」


自作白い雲の機械で頑張っているのがワンダーさんだ。


白い雲の機械は非力な人でも回せる様に足踏みで回る仕組みにした。


親方は頑張ってくれた、秘密の仕組みを徹夜をしてお祭りの日までに完成させた。


ワンダーさんの隣にも同じ白い雲の機械がある。予備として作ったが、カーヤさんからお祭りの人出が凄い事を聞いて予備も使う事にした。


腕相撲の方で手伝ってくれている人達も、祭りに参加したいと申し出てくれた人達だ。


親方に市場で白い雲を作るところを見せて、何の機械か説明した。


司会進行役は面白い事の好きなレイさんに任せた、子供を泣かせなければ何してもいいのと言ってある。


僕と似た感性を持っているなら自由にさせた方がお祭りが楽しくなるはずだ。


「そうなのね、上から投げたいのね。肩車がいいわ、さあ乗って」






「このゲームは簡単です、見て下さい。亀とドラゴンが交互に何個も描いてあります、この棒を回すとどちらかに止まります。それを自分で決めて自分で回します、さあ当てられますか、当たった子は白い雲をグルグル出来ます、はずれた子はお姉さんにお願いしてグルグルして下さい。さあ参加料は小銅貨5枚です、頑張ってどちらか当てて下さい」


小さい子にはこの位が丁度いい。





謎の露店に来ている、楽しそうに遊んでいる市場の外れにある。人通りはお祭りなので多いがお客はたまに足を止めるぐらいだ。


「僕に1杯下さい」


「全然売れないわよ、どうしてこの場所を選んだのよ」


僕はニヤリとして。


「僕が店番をしますので、2杯ほど飲んでみて下さい」


僕の言葉に私が何で飲むのよと不思議に思っている筈だ、顔に書いてある。


「美味しいけど、どうして2杯も飲むのよ」


「さあ、どいて下さい。どうぞ飲んで」


1杯目を飲んで「美味しい」2杯目を飲んで「ちょっと、行って来る」となるのだ。


「どうぞ」


カーヤさんはあそこに向かったはずだ。


「松茸の土瓶蒸しは美味しいな」


去年の今頃にはに飲めたかもしれない土瓶蒸しをやっと飲んでいる。味見はしたけど本当に飲んだと言えるのは今だ、飲みながらお祭りの気分を味わおう。


「何杯でも飲みたくなるな、僕の分は残るかな」


屋台には寸胴鍋が4個置いて有る。


1個だけが火に掛けてある、あまり温度は高くない。


「飲みやすい温度だな」


「ユーリ、売れるわよこの飲み物は。でも、どうやって売ればいいのかしら」


「そのうちに口コミで売れます。今はのんびりとしていられる時間です」


この日の為にギルドに依頼を出したのだ。





「おい、変な依頼があるぞ」


「どれだ」


「これだ、お祭りの時に女性が何人もいるところで『お腹の調子が良くなる飲み物を露店で売っているらしいぞ、女性にはおススメらしい』と言うだけの依頼だ。1人3回は女性に聞こえる様に話す事。報酬は小銅貨1枚・・・・安すぎるだろ」


「依頼がユーリ。あの小僧か、お金なさそうだし見ていて可哀そうになってくる」


「そうだな、いつも干し肉を食べているもんな。仕方ないな。、報酬はいらないが女性の近くで話すだけだしな協力するか」


「そうだな、干し肉しか食えない小僧からお金は貰えねえな」


「お祭りの日か、他の奴にも頼んでおくか。レティ、ここ文章を紙に沢山書いてくれ、配るから」


「分かりました、お祭り前の最後の仕事ね」 


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