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鉱山

ラインベルの街に着いた僕達は、2泊する事になった、盗賊に襲われたのに荷物の被害がなかった事を喜んだ商人のおじさんが、この街で2泊する事にしたのだ。予定では1泊だったので、1日余分に街の観光が出来る。


武器屋のドアの隙間から中を覗く、怖そうなおやじさんではないがお金が無いので、覗くだけで我慢する。


「覗いてないで入って来たらどうだ」


スキル覗きが見破られてしまった。仕方いない、ここはご厚意に甘えよう。


「買うお金がないですけどいいですか?」


「まあいいさ、今はお客がいないからな。どんなのが欲しいんだ?」


「凄く重くて、よく切れる名刀が欲しいです」


おやじさんは、ニヤリとして「ほう、名刀か俺も1本持っている、みょっと待っていろ持って来る」と言ってドアを開けて中に入って行った。


優しいおやじさんだ、お客はいないがいい武器を作るんだろうな。


海の底に名刀お姉さん、今度会ったら、謝らにといけないな。


何て謝ろうか、お魚が持って行きました。イカが食べました。亀亀が欲しいと言うのであげました。


「待たせたな、これがそうだ」


自らの手で僕に名刀の刀身を見せてくれる武器屋のおじさんは嬉しそうだ。


「凄い、大刀だ。重さも重そうで使いやすいかも。それに切れ味が凄く良さそうです」


「分かるのか、いい目をしているな、どうだ鍛冶工房の見習いにならないか」


「僕は使う方の冒険者を目指してます、それに見た感じでいい剣だと分かっても作れるかは別ですよね」


「ああ、そうか冒険者になりたいのか、お金を貯めて買いに来てくれ、俺も名刀が打ちたいんだ、必ず打つ」


「ごめんなさい、ローランドの鍛冶屋に頼んであるんです。名刀を打つために頑張ってくれてます」


「ローランドか、この名刀はローランドの師匠から譲り受けた剣なんだ、何年か前に亡くなってしまったが」


何処かで鍛冶屋のおやじさんが亡くなった話を聞いた。確かカルテさんだったかな。


「確か娘さんが継いでる筈だ、名前は・・・・カルテだったな」


「ええ~、カルテさんなら知っています。僕に名刀を売ってくれて、今はその名刀よりいい剣を作ると頑張っています」


「そうか、頑張っているのか・・・・その名刀はどうしたんだ?」


「この大陸に渡って来る時に海に落としました」


おやじさんが睨み付けてきた。


「おい、大事な名刀を落とすだとふざけるな、そこは・・・海だと拾いに行けないか」


「そうなんですよ、拾いに行けないんです」


「それで、おやじさんはこの剣より良い剣は作れたのか?」


「作れましたよ、この世界で一番の名刀・・・・・国王様を」


「国王様?」


「ローランドの国王様がお持ちです、おやじさんの名刀を」


「そうか、夢がかなっんだな。いつか国王様に献上できる様な剣を打つと言っていた。流石おやじさんだ」


そうか、夢が叶ったのか。カルテさんに教えよう、カルテさんのお父さんの夢を。





感動した僕は涙が出る前にお店を出て、ギルドの掲示板を見ている。


ファイヤーベア・・・・この大陸の魔物は魔法を使える種類だ沢山いるな。


どうせアイスベアもいるんだろ、シロクマでいいよ名前は。


ファイヤーベアもヒグマいいじゃないか。


「すいません、このギルドカードのランクを上げるにはどうしたらいいんですか?」


いつかランクを上げたいと思い聞いてみたら、ローランドと変わらなかった。


色々説明を聞いていたらローランドのギルドカードはこの西の大陸では使えないらしく。お金も交換は出来るけど、ギルドカードの中のお金を下ろす事も使う事も出来ないらしい。


海に落とさなくても僕は船に乗った瞬間から一文無しだったんだ。


情報の大切さを知ったが、やたらと情報を集めている人にはなりたくないな、面倒だから。


今回のギルドカードの事は誰に聞けばいいのか分からないし、そもそもどこでも使えると思うはずだ。


「おい、聞いたか北の鉱山の中で落盤事故が起きたんだと」


「ああ、俺も聞いたよ。貴重な鉱石の採掘をしている所だろ」


落盤事故か大変だな、貴重な鉱石かどんな名前なのかな。


事故の話でギルドの中の冒険者が一か所に集まって話している。


「しかし、あそこは謎が多いよな。貴重な鉱石を何に使ってるんだ」


「そうだな、装飾品か」


「年に何人も亡くなるらしいからな」


「それに今回は、じいさんが中にいたらしい」


「じいさんか、冒険ばかりしていた」


じいさん、そんなレイさんは今度は貴重な鉱石を拾いに行ったんだ。


「すいません、その北の鉱山は近いですか?」


会話している皆の後ろから盗み聞きをしていたけど、鉱山の場所が知りたくて、質問をした。


「歩いて1日位かな」


「ありがとう」


急ぐ事が多いけど、今回も全力だ・・・・・・言い回しが変だけど、全力疾走で鉱山に行くぞ。




鉱山らしき山の麓まで全力疾走で来た。


山の上の方から慌てている声が聞こえる。視線を向けたけどここからだと見えない。


「まだか~」「急げ~」「大変だ~」


山の斜面の整備されてる山道を急いで駆け上がる。


山の中腹に小屋が沢山建てられていた。視界に多くの人が、鉱山の入口だろう所を見ている。


入口から人が次々に出てくる。


「早く助けてよ、お父を」


家族が中に閉じ込められている人達の助けてが聞こえてくる。


「じいさんが~」


みんなの叫びに忘れていた、じいさんが中に他のメンバーも中にいるはずだ。


「おい、中に入るな危ないから」


「すいません、閉じ込められた中に知人がいるんです。崩落した所迄行きたいです」


「行っても何も出来ないぞ、大岩が塞いでいてどの位の規模の崩落か未だに分からない」


「それでもいいです」


入口から中に入り奥に歩いて行く。


鉱山の中は無数に分岐しいるが、人の行き来が多いので、分からない時は立ち止まって、来た人に聞いて崩落場所に急いだ。


いけすの様な水たまりが、神秘的で綺麗だけど見ている余裕がない。


鉱山の中を歩いてだいぶ経つが崩落現場にまだ着かない。


「ほら、どんどん砕け、一刻の猶予がないぞ」


「カ~ン、カ~ン」「ドシャ~ン、パラパラ」


音が聞こえてきた。


斜めに積まれたような大岩の下の先の部分を10人ぐらいの人が大岩をハンマーで砕いている。


その後ろでは、砕いた岩を運んでいる人がいる、邪魔にならない様に運んでいるんだな。


この崩落の先に皆がいる、僕も手伝おう。


付けているリストバンドを全て取る、今は鍛えている時ではない。


邪魔にならない様に一番右の誰もいない所に行く。全ての大岩をどかさないで真ん中のみを掘り続ける作戦のようだ。


僕は砕くのが面倒だし、砕いた石を運ぶのも面倒だと考えて、そのまま運ぶ事にした。


鉱山の中の様子が分かったので、自分が決めた右側だけに集中して運ぶ事にした。


「すいません、通して下さい」


崩落現場から5分ほど歩くと左に広い採掘場所があった。


こちらに歩いてくる男性に声を掛けて聞いてみよう。


「左の中に、この岩を置いてもいいですか?」


「え、ああ。そこは掘り尽くした、先を掘っても違う通路に出てしまうので何を置いても大丈夫だよ」


置いていいと言ったおじさんは急いで何処かに行った。許可を貰ったし、説明を聞いたので、邪魔にならない様に一番奥に持って来た岩を置いた。


速歩きで落石現場に戻り大岩を持つ、置く場所が決まったので走って持って行く事にした。


「通ります、危ないので避けて下さい」


歩いてる人、作業している人、見ているだけの人に声を掛けて安全を確保する。


「後ろ通ります」





大岩を運ぶ様になって1時間位が過ぎただろうか、時計があればきっかり1時間の筈だ、僕の感がそう言っている。


右側の大岩を次々とあの許可の貰った場所に運んでいると、崩落した大岩を砕いていた人達が座っている様になった。


休憩しているのか。助ける為に頑張っていたんだ、休んでまた頑張ればいい。


「お疲れ様です、僕も少ししたら休息します」


「君はもう少し頑張れ」


「そうだ、自分のペースで続けるのが大事だぞ」


「分かりました」


疲れてないし頑張るか。それに、応援されたら頑張るしかないだろう。


大岩を置きに来ると「右側にも置いていいからな」と先ほど教えてくれたおじさんが、右側も使っていいと言ってくれた。


次々と大岩を運んでいて横を見ると、休憩している人の顔色が良くなっている。


皆が休憩している時間が2時間位過ぎた時に、崩落の先が少し見えた。


「向こう側が見えます、沢山の人がいます」


「助かった」「もう駄目だと思っていた」「必ず、皆が助けてくれると信じていた」


「おお~、遂に開通出来たか、でかした」


凄いぞ、みんな無事の様だ、喜びの声が聞こえてくるぞ。それに、作業をしていた人達にも怪我がなかった。


「どうだ、怪我人はいるのか?」


「大丈夫だ、お腹が減っているだけだ」


「ビールを飲みてえ」


まだ小さい穴から向こうが見えるだけなので、今までの中で一番大きい大岩を持ち上げる。こいつが邪魔だな。


「すいません、これで最後です。通して下さい」


最後の大岩を右側に置くと、これ以上置く事が出来そうもなかった。良かった、他に運ぶ場所は近くにはなさそうだったな。


「これで皆も助かる、どんな鉱石を手に入れたのかな」


最後の大岩を右側に入れて振り向くとそこには皆がいた。


「あら~、やっぱり~。ユーリだったんだ」


「なあ、ユーリだっただろう」


「私もそうだと言ったわ」


「俺の一人負けか、ビールが俺のビールが増えないで、奢るはめになるとは~なあユーリ、大岩を1人で運ぶのは人としてどうかと思うぞ。負けた~」


よく分からないけど助かったんだよね。


「レイさん達は何処に居たの?」


「外の小屋で寝ていたわ、鉱石を運ぶ依頼を受けたけど、落盤事故で暇だからね」


「そうなのよ、例の卵を取りつくしたのよ。レイがそれならと違う街の依頼でもしない~とか言い出してここに来たのよ」


ワンダーさんは来たくなかったんだな。


「そうだ、ここに来なければ負けないですんだのに」


「イケメンの俺がただ寝ているだけなんて」


そよ風のメンバーと話していると、助かった人と助ける為に頑張った人がどんどん出口に向かって行く。


泣いてる女の子を抱いたおじさん、同僚と肩を組んで喜んでいる男性。


おじいさんが僕に話しかけてきた。


「君か、大岩をどけてくれたのは、助かったよ。孫に会えた」


「良かったです、それで昔は冒険者だったんですか?」


「ああ、冒険者だった、引退した後にこの鉱山で働くようになったんだ。君もまだ危ないかも知れないから一旦出た方がいいよ」


じいさん、おじいさんにお礼を言われて、ギルドでじいさんと言われていたのは今の人だと気が付いた。


元冒険者を助ける事が出来たんだ、良かった。


しかし、そよ風のメンバーは運が凄くいいよな、この人達の明るさは運がいいからだな。


「皆、僕帰るよ。秘密の任務が終わったので~」


「ねえ、秘密の任務って何よ」


走り出した僕に、レイさんが後ろから声を掛けてきた。


それは、恥ずかしいので、教えませんよ。




「ユーリも飲め~」


「僕はお酒は飲みませんよ」


「ダメだ、子供は大人の言う事を聞け」


護衛のメンバーと食事を食べに来たが、冒険者は酒場しか行かないので僕も酒場に来ている。


ああ、父さんの料理が食べたい。美味しい料理が、ここにはあまりない。


カルテアもそうだけど大味、大雑把。いい意味で言えばお手軽な料理で味は普通、皆が食べている味。


自分で作りたいが、材料が高いし道具も無い。


「痛い~、もうなんですか?」


横を見ると、喧嘩で吹き飛ばされた人が護衛の人にぶつかりその勢いが僕にまで来た。


皆が酔っている酒場で喧嘩が起きてしまった。


「君、こちに来な。まだ続くぞ」


酒場のおじさんが、厨房から声を掛けてくれたのでそちらに向かう。


「ありがとう」


「子供が酔ったあいつらに巻き込まれる事はない、ああ~お皿が」


見ると喧嘩が激しくなりテーブルからお皿が落ちる。


それを見た僕は、スキルウエイターを発動した。お皿を守るウエイターだ。


「少しお待ちをお皿を守ります」


テーブルの上のお皿の食べ物を一番大きい皿に載せ替えてそれをバーカウンターに載せる。


空いた皿を割られる前に回収、喧嘩が激しいが喧嘩の最中でもテーブルや椅子等にぶつからない様に喧嘩を避けて。早めにお皿を回収すれば被害が減る。


空いてる皿は厨房に料理のある皿はカウンターに全部集め終わった。


酔っているので巻き込まれなければ動きが分かりやすいで、何とかなった。


「お皿洗いますか?」


「そうだな、あれはそのうち終わるだろう」





お皿を洗い終わってしばらく待ったが、喧嘩は終わらなかった。


「今から僕に腕相撲で勝った人には何と料理と飲み物を奢ります、挑戦するのもタダです。そろそろ喧嘩も飽きました。つまらない、誰かいませんか~僕に勝てる人」


「タダか、本当なんだろうな」


「嘘は嫌いなので、嘘が言えないんです。は~苦労してます」


「は~、誰でも嘘をつくだろうが」


「まあ、どうせ勝てないんだからいいじゃないですか」


「何~、ところで腕相撲とは何だ?」


周りの皆も「「「「腕相撲?」」」」


知らないのか、こんなに筋肉ムキムキの人達なのに。


皆に腕相撲のルールの説明をした。


「簡単だな、力が強い奴が勝つのか」


「いいのか、坊主。俺は強いぞ」


強すぎても面白く無いので一人一人とギリギリで僕が勝った様に見せる。


「残念です、誰も勝てないとは、しかし飲み物を奢りましょう。テーブルを元の場所に戻してください。料理と飲み物をお持ちします」


喧嘩していた冒険者は腕相撲が終わり、自分のテーブルと椅子を元の場所に戻す。


カウンターに置いておいた料理をそれぞれのテーブルに運ぶ。


飲み物を厨房に用意しに行くが、酒場の外の井戸で水を汲む。


「どうぞ、僕の奢りです」


「「「「おい、水だぞ」」」」


「子供がお酒を奢れるはずがないじゃないですか、僕お金もないし、お酒飲んでまた喧嘩したら面倒なので水で我慢して下さい」


「「「まあしゃないか」」」


水を奢ったが、料理も僕が避難させなければ無かったんだから、料理も奢った。うん、奢った。

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