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見張り

お祭りを楽しみにしていた僕は、1個でも美味しい物を買うぞ~と思っていたら、おじさんの言ったもうすぐは1ヶ月後だった。


1ヶ月後が異世界ではもうすぐなのか確認するために、市場のおばちゃんに聞いてみたら『もうすぐ、お祭りだね』と言われた。もうすぐか。


もうすぐが1ヶ月後ならギルドの募集を何か受けようと掲示板の前で依頼書を確認する。


「ドラゴンを一緒に探しに行こうとか、大物を釣りに行こうとか、名刀の材料の鉱山で採掘&出来損ない武器付きとか、面白い依頼はないのかな。ああ、もうすぐ春なのに未だに自分の武器がないよ」


見張りの募集がある。何を見張るんだ、ストーカーを見張って、ストーカーになる。


説明書きは、護衛が寝ている夜間の見張り・・・・普通の見張りだな。


昼間は寝ていても可か、微妙だがこれを受けて暇な時間は家の事を考案するのがいいかも、のんびり考えて、どんな手順がいいか色々と考えれるな。


「レティさん、この見張りの募集の説明をお願い出来ますか?」


「まあ、教えましょう、見張りです」


「もっと詳しくです」


「交易商人が6台の荷馬車でラインベルの街に行くんだけど、冒険者のパーティーが自分たち以外に見張りを雇う事にしたの、警護は自分達が寝るまでやるそうなので、寝ている夜の間の見張りを募集しているのよ。盗賊と魔物からの護衛ね」


盗賊か、ついに人間と戦う・・・・僕は戦わなくていいのか、冒険者の心得・・・・早めに人間との戦闘経験をする。


この大陸は物騒だから早めに慣れよう・・・慣れたくないけど誘拐の時の様な後悔をするぐらいなら慣れよう。


先ずは、人間同士の戦闘を観察する。


「僕この募集受けます、何処かに集まるとかありますか?」


「受けるのね、依頼主の冒険者があそこにいるわよ」


いつも親切なレティさんにお礼を言ってあそこを見た。あそこか、みんな元気かな、少ないお酒で楽しんでいたのが印象的だな。


奥のテーブルに6人の冒険者がビールを飲んでいる、あの人達が依頼主か。


「すいません、見張りの募集を見たんですけど、まだ決まってませんか?」


「まだ、決まってないよ。君は見張りをしてくれるのかな?」


「はい、お願いします」


20代の男性が僕の話を聞いてくれているが、他はメンバーは聞いてない。


「こちらで全て準備するから西門に7時に集合だ。俺はリーダーのワンスだ、君は」


「ユーリです、よろしくお願いします」


あっさりしているのは、この大陸の冒険ギルドには依頼が沢山有るからなのかな。断られるよりはいいか。





集合場所の西の門から西の方向も街道を進んでいる。大きな荷馬車6台の目的地はラインベルで、街で用が終わるとカルテアに戻る。


僕が乗っているのが3台目の荷馬車だ。馬車の進む速度は歩くよりは速いが、荷物が多いのでこれ以上は速く出来ない。


西の街道を進むとマラサイト村がある、カルテアから今の速度で3日ほどで着く。


出発して街の近くの畑がある街道を通っている時までは起きていたけど、その後は、夜の見張りの為に寝ていた。


「さて、皆は寝ました。1人で見張りをしたいと思います」


街道から外れて6台の馬車を〇の様に置いて、〇の中に皆は寝ている。


僕は〇の外で周りを静かに歩いている。


「家の間取りは昨日の見張りで考えたので、今日はドラゴンについて考える」


後4体のドラゴンさんがいる、ブルー・イエロー・レット・グリーンの4体だ。


レットちゃんの情報は火山が好き、これしか情報がない。


ブルーは青色のドラゴンだよな、水に関係ある場所にいる・・・・水の都ベネチア、神秘の水。


イエローは黄色のドラゴン・・・・カレーしか思い浮かばない。


グリーンは緑色のドラゴン・・・・神秘の森、大森林。


でも、ブラック君は洞窟、それもそんなに大きい洞窟ではなかった。シュラさんとドラドラは広い?様な所にいた。体が隠せる所ならどこでもいいのか。


馬車の周りを何周もしたけど、静かに歩くのは大変だ。忍者もこんな感じで天井の張りの上を歩いたのかな。


「魔法の練習が夜中になって・・・・まずい、もし魔法が発動したら皆を起こしてしう、練習はやめよう」


見張りの時間に出来る事が少なくなってしまった。暇は苦手なのに。


音が出ない・・・暇つぶしが思いつかないぞ、どうしたらいいんだ。


しょうがない、昼間にロープの材料を集めて見張りの時に作ろう、その後は敷物を作る。


今まで以上の完成度の高い敷物を目指そう。





マラサイト村で一泊の予定だ。夕方に着て各自が自由行動になった、商人さんは宿に向かい、冒険者は酒場に向かった。


僕は村で野宿だ。魔法の練習と木を加工して木刀を作る事にした。


村から近い所で、木刀を作りながら魔法の練習をしている。


「バキューン、バキューン、バキューン、」


「バキューン、バキューン、バキューン、」


発動はなし。


僕は木刀を見て「修学旅行で木刀を買うと捕まるのかな」と呟いた。


お土産屋に木刀が売っているのが、買う人がいるのが不思議だ。


出来た木刀を振ってみるか、本当の武器と違い軽い、それに風を切る音が大きいな。


木刀の動きが速くて目で捉えづらい。


面白いので木刀をもう1本作って二刀流だ。





村を出たから2日目、寝ていると馬車が急に止まった、移動していても揺れているのに、凄い揺れだった。


「まずいです、盗賊が現れました」


「俺は先頭に向かう、商人の人はどこかに隠れて下さい」


護衛の人はそれだけ言うと先頭に走っていった。


商人のおじさんは僕に気が付き親切に教えてくれた。


「君も隠れるか逃げたほうがいい、走ってくる盗賊が多い」


商人のおじさんは、それだけ言うと荷馬車を置いて茂みに隠れた。


いつもは寝ている間に魔物が現れた。それを護衛の皆が倒していた。


盗賊はマラサイト村の西の方で襲ってくる可能性があると言っていた。


ここから先頭が見える、まだ盗賊との戦闘は始まってない。


立ち上がろうとして手をついたら木刀に当たった。


「そうだよな、ここで逃げたり隠れたりは出来ない、木刀なら骨折ぐらいで済むかもしれない、戦おう」


覚悟が出来た僕は自作の木刀2本を手に取って、深呼吸をした。


「人間相手でも全力だ~」


荷馬車から飛び降りて先頭に向かう。


荷馬車の横を走り先頭に向かうと、盗賊がすぐそこに。


「こちらは人数が少ない、覚悟してか・・・・ユーリ、おい危ないぞ」


僕は皆を追い抜いて、盗賊により先に攻撃を開始する。


「ごめんなさい、痛いですよ」


全力で走って来たままの勢いで僕は攻撃をした。木刀で上手く盗賊の剣の力を流したが、木刀にはつばがないのをギリギリで気が付いて、手を引く事が出来た。


「危なかった、手が切られるところだった」


「うるせい、死ねよ」


「お前が骨折しろ」


盗賊の攻撃を避けて足を狙って攻撃をした。


「ポキン」鈍い音がしたがどうでもいい。


「手加減はしません、どんどん来なさい」


武器でこちらが不利なので足を使い避ける、誘い込む、奇怪な動きをする。


「「「「「ふざけるな」」」」」


既に後方に6人が来てくれている、僕は立ち止まらないで走りながら攻撃をする。


勿論、自分の姿勢が悪い時、間合いが不利な時はスルー、木刀の僕のリーチは短いので深追いはしない。


盗賊も遅い人がいるので縦に並んでる様になっているので、足を止めて待つ。


さてどうするか。忘れていた僕の逃げ足の速さ、攻撃はやめて木刀と足を使い引っ掻き回す。かく乱だ。


後ろは任せて全力疾走で前方の盗賊に「バカバカ、お前の母ちゃん出べそ」と言ってみた。


今は忙しいのか反応がない。


「ハンバーグが落ちてる・・・干し肉が落ちてる」


反応はないが攻撃はしてくる。


大人をバカにする言葉が思いつかない。


「足元に金貨が落ちてる・・・・見たな。僕の勝ちだ」


「うるせい、小僧」


かく乱が失敗して、5人の盗賊が目の前に来た。


まずい、木刀ではこれ以上時間が稼げない。


「待たせたな、ユーリ」


振り返る余裕はないので、木刀でなんとか防御する。


「お願いします、木刀では防御が精一杯です、後は任せます」


「分かった」


僕は二刀流をやめて、木刀を2本合わせて持って左の盗賊の前に飛び込む。


「忘れてました、人間なら蹴りで十分戦闘不能に出来る事を」


木刀2本で防御して蹴りで攻撃する。剣に当たらなければいいだけで、木刀で必ず攻撃しなければいけない訳ではない。


無茶は承知で蹴りまくる。


「ごふ~」


リーダーと僕で5人を相手にしているが盗賊が増えてきた。


「もう何人いるんだよ、魔法で攻撃するか仕方ない、我に従いしイフリートよ、ファイヤーストーム」


何人かの盗賊が驚いている。


「やばい、あの小僧魔法を使えるぞ」


もう詠唱が終わっているので何も起きませんよ。


「我に従いしイフリートよ、ファイヤー流星群」


「ユーリ、盗賊は逃げたぞ」


「そんな、まだ試したい魔法があったのに」


「皆、大丈夫か?」


後ろを振り返ると他のメンバーが近くにいた。


「ああ、こちらはかすり傷位ですんだ。盗賊はユーリのロープで縛った」


「13人の盗賊を捕まえた。リーダーどうする?」


そんなにいたのか、逃げたのを入れると30人位いた事になる。


「そうだな、騎士団に報告したいが、街まで後1日位掛かる。連れて行くのも大変だ」


「それなら、僕が街に行ってきます。急いで行けば昼過ぎには着けると思います」


「それしかないか、俺達は警護しなければならない。ユーリは夜の見張りだから依頼主も分かってくれる」


「ユーリ、危険だがお願いしたい。出来るだけ早く騎士団に知らせてくれ」


「では、行ってきます」


急ごう、僕のロープはそんなにない。それに自作なので、強度があるのかが分からない。

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