討伐i依頼に付いて行く
南西の小さな村からの依頼でベア、グール、オーク、ゴブリン、コボルトの討伐だ。
その討伐依頼を受けたパーティの人達のポーターを引き受けて、僕も一緒に来ている。
簡単な自己紹介をしてからあまり話してない。
西の大陸に渡って来てから初めて食べる干し肉を大岩の上に座って食べている。
干し肉は同じ味だ、作り方は知らないけど簡単なんだろう・・・・何の肉なのか、未だに知らない。聞くのは止めとこう、凄いダメージを受けてしまうかも。それに、知らなくてもいい事はある。
パーティメンバーは、男性4人4人組で疾風の騎士団と名乗っているらしい。僕を入れると5人で討伐に来た事になる。
「思ったより魔物が多い、2人で行動する事にしよう。俺とロンド、ザイルとナックだ。ユーリはどうするかな・・・俺達の方がいいか、よし俺の方と一緒に行動だ。村の北側を俺達が西側をザイル達だ、2人でダメそうな場合は村に戻る事、では始めよう」
村の近くの大岩から降りてリーダの後に付いて行く。振り返ると西の方に向かうザイルさん達。
「ユーリ、隠れていろよ。いいと言うまで、出てくるな」
「分かりました」
リーダーの指示に従い、大きな木の上に僕は待機だ。木登りが得意で良かったな。
枝の上に座った僕は、二人が行動している先の方に視線を向けた。すると、ベアが3体、ゴブリンが4体、コボルトが2体が徘徊していた。
「リーダーから見て西寄りにベアが3体、前からゴブリンが4体、ゴブリンの後ろからコボルト2体でコボルトはだいぶ離れてます。近いのが西のベアです」
「そうか、助かる。ロンド、先ずは、ベア3体から倒すぞ」
「了解」
西のベア3体を倒して北に移動したリーダー達はゴブリンと戦っている、コボルトは近いがこちらに気付いていない様だ。
夕方まで北側の討伐をして村に戻るとナックさんが大けがをしていた。
「ユーリ、荷物から薬の袋を出してくれ」
リュックから薬を探してリーダーに渡した。
ナックさんの怪我の部分に軟膏を塗っていくリーダー。
おお、直ぐに効果が表れて少し治った。凄い、薬の効果はあんなに早いのか。
「もう大丈夫だ、後は安静にしてればいい。明日からはナックを抜いた4人で行動する」
「すまない、油断した」
「気にするな、のんびりしていろ。後は俺達で大丈夫だ」
「ユーリ、ナックの食料を置いて行ってくれ」
「はい」
荷物からナックさんの分の食料と水袋を枕元に置いておく。
「ユーリは、木の上から敵の確認。俺達はユーリの敵の発見後に近い敵から倒しに向かう」
「「「了解」」」
木登りの得意のユーリだ、なるべく高い所まで早く登る。周りを見渡して魔物を探す。
「リーダーから斜め左にグール3体、前にゴブリン5体です。グールの方が近いです」
「了解、行くぞ」
3人はグールに向かって行く。ゴブリンはこちらに向かっているので戦闘の邪魔にはならない。
ゴブリンの右後方にオークを発見2体だ。
「そのグルーを倒したら僕の方にゴブリン5体です」
「そうか、了解」
「あの子、木登りの達人か」
「ああ、昨日もスルスルと登って行って魔物の確認をしてくれた」
「敵の位置と数が分かれば、楽に倒せるな」
グールが倒し終わって、僕の木の近くに向かって来るゴブリンを討伐するために3人は急ぎ足で来ている。
「おら~」
「こっちは任せろ」
「とりゃ~」
オークがこちらに気付いたけど、あの距離なら余裕だな。
「オークが2体来ますが、余裕があるのでゴブリンに専念して大丈夫です」
「分かった」
僕が登っている木から見える所に魔物が見えなくなった。
「次、オークに行くぞ」
しかし、攻撃魔法が使える人が少ないな、回復は更に少ないらしい。
毎日練習しているけど、使えるようになるのか微妙だな。
オークも倒した。周りを確認・・・・魔物なし。
「ここから見える所には魔物がいません」
「そうか、別れて魔物が近くにいないか確認をする。あまり遠くには行かなくていい」
3人は別れて魔物が近くにいないか確認をしに行った。
木から降りて解体しよう。オーク肉は美味しい。
荷物の中に解体用のナイフが有ったからお借りして。
自作バスケットにオーク肉を入れて、後は3人が帰って来るのを待つだけだ。
「いいのかい、我々に配って」
「討伐したオークが目の前に有ったので、つい解体をしてしまったんです。大丈夫ですよ、許可は取ってありますから」
広場でオーク肉のシチューを作って村の人に振舞っている。
疾風の騎士団のメンバーは自分達の分を持ってナックさんの所に行っている。
「僕は行きますので後をお願いします」
「はい、ありがとう」
村の囲いの柵に座り干し肉を食べる。
「建物のデザインは考えたけど材料費がないな、急がなくていいから時間を掛けて作るか」
街の中に経てるんだから外観と内装もいい物を作ろう。
「ユーリ、明日も同じ作戦で行くぞ、ゆっくり休めよ」
「は~い、おやすみ」
「もう大丈夫なんですか?」
「ああ、皆には迷惑を掛けたな、今日は頑張るぞ」
あの薬は凄いな、薬の効果で治しているのか、薬の効果で治癒力をあげてるのか・・・両方?。
全員揃ったので、南側の討伐をする事になった。村人の情報では南側が村の周りで魔物が多く生息していて南には行けないと言っていた。
安全の為に歩く速度は遅くして、僕が木に登って周りを確認する事になった。
「登ってきます」
「よく見てくれ、魔物が多い筈だから」
「分かりました」
枝が低い木は高さが低いけど登りやすいが、遠くを見るのには大きい木に登る必要がある。
手が少し回れば登れるので、枝まで頑張れば後は簡単に登れる。
周りをよく見たが魔物が近くにはいない。木の陰とかにもいそうにないな。
「ここから見える範囲に魔物がいません」
「ユーリ、先に進むぞ」
「降りたら追いかけます」
もう一度確認したけど、魔物は発見出来なかった。
「だいぶ来たけど魔物がいないな、どうなってるんだ」
「どうする、これ以上は行く必要がないよな」
「ユーリ、本当に魔物は見えないのか?」
木の上から見える範囲をよく見る、人と違って隠れるとかしないのに魔物が全然見えない。
前方ばかり気にしていた僕達、後ろを見ると、今歩いて来た方向に魔物が沢山いた。
「僕達と村の中間に魔物が沢山います。ここから見える魔物はおそらく30体以上です」
「まずいな、多すぎる。急いで魔物の近くまで行くぞ、そこで様子を見る」
魔物の集団が見える所まで来て、木の後ろに隠れて魔物の集団を観察している。
村に向かっていないのは良かったが、だいたい40以上だ。数えなくても僕には分かる。
「どんな作戦でいくんだ」
みんなは考えているが答えが出ないようだ。
「僕に考えがあります」
僕は逃げるが勝ち作戦を説明した。
最初は反対されたが、速く走れるところを見せると『あれ、速すぎないか』『俺、魔物よりか速く走れてると思う』『あの子、人間?』『まあ、いいか』と褒められた。
「みんな、逃げてますよ」
皆の隠れている前を走り抜ける。
「さあ、僕に付いてこれるかな。付いてこないと倒しちゃうぞ」
遅れだした魔物の引き付ける為に色々叫んで走っている。
「誰が一番かな、グールそれともコボルト、大穴でオークかな」
「流石だ、よく付いて来ているな。でも負けないぞ」
頑張って走る、遅れ出した魔物に聞こえる様に大声になっていく。
「僕に勝てたら攻撃をするのを許可しよう、でも避けるけどね」
「もう思いつかない。お尻ぺんぺん」
「お前の母ちゃん出べそ、父ちゃんは・・・お酒好き・・・父ちゃんバージョンが分からない。あるのかな」
一度したかった襟を掴んで、うんうんさせるのを今している。
リーダーはうんうんしている。
「ねえ、作戦は遅くなって遅れた魔物を皆が少しずつ倒す作戦だよね、何で1体も倒してないの?」
「うん、うん、見事な逃げっぷりに見とれていた」
リーダーをうんうんさせて質問をする。
「誰も動かなかったよね、隠れたままで何もしてないよね」
「驚いていたのだ、この作戦はユーリに掛かっているから、危なくなったらいつでも行ける様にしていた」
「ユーリ、オークの解体頼めるか、ナイフだ」
僕はナイフを受け取り、周りを見る。
魔物は疲れて動けなくなっている、リーダー達の隠れている前を何往復もした。付いて来る魔物は少しずつ減っていったが、倒して減ったのではなく疲れて動けなくなった。その魔物が周りに倒れている。
疾風のメンバーは動けなくなった魔物を仕留めている。
残酷の様な、しょうがない様な割り切らないといけないのだが難しい。
でも、オーク肉は美味しい。
「はい、解体します」
村の周りの安全の為の討伐依頼が終わって、僕の空き地?に帰って来たら、木材が山の様に積まれていた。
「ここ空き地だよね、この木材は・・・・異世界転移か、流石異世界だ不思議な事が起きるんだな」
しかし、この木材の量は僕の考えてる、デザインより遥かに多い・・・・使えきれないよ。
明日になったら無くなるとかあるのか、ロープで結わいとこう、質量が変わると転移出来ないかもしれない。でも材木を転移する人なんているのか。分からない。
「考えても分からない、疾風のリーダーに貰った干し肉を食べて寝よう。明日無くなってなかった有難く使わせて貰おう」
木工工房に来た僕は、親方にお願いをしている。
「その、工具を貸して欲しいんですけど、要らなくなった工具とかありませんか?」
「何に使うんだい、それによって使う工具も変わってくるけど」
「新築の家を建てようと思いまして、木材を加工する工具が必要なんです」
親方が口に手を当てて考えている。少し考えてる人に似ている。
「それでお金はないよな、余っているのが有るんだが、大事に使えるか?」
何でお金が無いと分かるんだ・・・・・・親方だからか、流石だな。
「大事に使います、貸して頂けるんですか?」
「見たところ本気で家を建てる様だ、条件がある、出来たらその家を見せてくれ、子供がどんなのを作るのか見てみたい」
おお、いい人だ親方~、しかし、子供の僕が建てた家を見たいか、良い人なのに素晴らしい人でもあるのか。
「はい、完成したら必ずお見せします」
「おい、この子に余っている工具セットを貸してあげてくれ」
「はい、直ぐに用意します」
皆いい人達だ、流石職人だ。
素人の僕は街の中を散歩して建物をよく観察して頑丈な家にしようと基礎の部分を真似ようとしている。
「地面に木材は腐るからダメだ、石の上に置くには木材よりも大きい石が必要だ」
そうだ、そよ風のメンバーと行った山の途中の街道に岩があった、街からはすぐなので取りに行こう。
運ぶのはどうするかな、大きいのは要らないから手で持つか、バスケットが有った、あれなら頑丈だから3個位は入れられる。
「よし、今から行くぞ」
「大きい岩が多いけど小さいのは使い易い位の石があるな、何回か往復すれば石は揃うな」
大きさが丁度よくて使い易いのを探した、使えそうな石を集めて置く事にして、後は運ぶだけになった。
「さあ、どんどん運ぶぞ」
何回も石を運ぶ僕を見て北の門番さんは僕に声を掛けてきた。
「何に使うんだ?」
「子供の秘密です」
「子供の秘密か、危ない事はするなよ」
「はい、分かりました」




