第二話 そもそもの始まり
僕は『天使・マイン』。
神々が住む神界の天使。どこにでもいる平凡な天使です。
童顔で幼いと言われ、身長も小柄で、特に整っていない髪は長すぎず、短すぎずと、本当に特徴がないと自分でも思っています。
でも、そんな僕も将来は立派な天使になりたいという想いを抱き、日々色々な神様たちのお仕事のお手伝いをさせてもらってます。
宇宙に新たに生まれる魂に『ステータス』、『スキル』、『寿命』などを設定する『創造神さま』。
一度死んだ魂をリサイクルでまた別の生命の器に入れる『転生神さま』。
本来繋がるはずのない世界が繋がってしまう時空間を管理する『時空神さま』など。
その事務処理や、サポート、お茶くみ、何でもやって一人前の天使に僕はなるんです。
そんな僕が今、お仕えしているのは……
『ふわ~あ、今日も疲れたわい。のう、我が天使マインよ。風呂に入ろうぞ』
全神さまのご息女でもある『女神・エイロスさま』の付き人なのです。
エイロスさまが今の僕の御主神さまです。
そしてこの方は僕にとっては、同じ神界に住みながらも全てが異次元の存在。
お美しい銀色の長い髪。鮮やかな素材で作られた黒いドレスを纏われている。
スラッとされて、チビの僕の身長はこの方のお美しく豊満な胸元までしかありません。
ですので、抱きしめられたら僕の頭はぁ……あぅ。
『ほれ、ハグじゃ♡ あ~、マインはめんこくて抱き心地よいの~♡』
凛とした表情と瞳と、決して触れることの許されない真っ白い手足……だったんですけどね……最近お仕えするようになってその表情がいやらしくなられたり、手足どころか全身に僕が触れることもあるのですが……
『ご、御主神さまぁ、だ、だめですよぉ……』
『よいではないか~、よいではないか~』
『で、ですから僕は……逆セクハラですぅ、あ~れ~!』
その仕事は『何でも』です。
お仕事のお手伝い……ほ、奉仕作業……奉仕作業とは、恥ずかしくて言えないのですぅ。
何だか御主神さまは僕を大変かわいがってくださり……もう、それは……幸せなんですけど……恥ずかしいと言いますか……でも、今日からまた新たな仕事です。
『なんてな。実はおぬしにはまた新たに妾の仕事を手伝ってもらわねばならぬ』
『え、なんです?』
僕の服を半分脱がせた状態で急に真剣な……じゃあ、服は返してくださいよぉ。
『実は神界の打ち合わせで、創造神と転生神と時空神の懲戒処分が決定したのだ』
『……へ?』
『なんでもあの三人、最近……『スゲー生物を作っちゃおうぜ』、『こっちの生物をこの世界に、もしくはこの時代に』みたいな遊びをしていてな……それによって気付いたら、宇宙バランスを崩壊させかねぬ生物たちがかなり生まれてしまったようなのだ』
『え、えええ!? そうなんですか!?』
僕はその三人の神さまの下で仕事をしたこともあったんですけど、そんなことは知りませんでした。
『その世界の文明レベル、力、それらとバランスが取れぬチートを与えたり、勝手に転移させたり、前世の記憶を持たせて転生させたりとか、そういうのが続いたようでな』
『そんなことをされていたなんて……それで、その選ばれた生物たちはどうなっているんですか?』
『そのほとんどが、『人種』でな。皆、その世界を無双したり、自分を虐げた連中に復讐したり、ハーレムを作ったり、中には目立ちたくないので田舎で暮らそうとしながら結局無双してるやつとかおったな』
『あらら……』
『下界の生命の一生など短いので本来なら放置してもよいが、最近下界の連中にチートを授け過ぎて宇宙のバランスが少しおかしくなりかけてるので、やはり調整した方がいいとなり、妾が直々に調整に赴くということだ』
『そういうことでしたか……』
『というわけで、スキルや転生だとか転移関連の仕事をした経験があるおぬしも妾のサポートやイロイロとナニナニと……ようするに一緒に来いということだ』
『なるほど……分かりました、御主神さま! 僕、一生懸命お手伝いします!』
『うむ。では、出発前に……』
『へ? あの、え? ……ふぁあああ!?』
そしてこうなったのです。
以来、下界……宇宙の星々を巡って、神々がかつて与えたチート回収の旅が始まったのです。
下記の「☆」型の鞭でこの醜い作家畜を叩いてください。私が悦びます。