第4話
集会所
「頼もう!」
そう言うと翔は勢いよく戸を開ける。
「ククク…また新人か。まったく何の理もなく俺達の縄張りに入って来るとは……」
「久しぶりの獲物だな。兄貴……」
二人組の男が翔は不気味な笑みで迎える。
「お前らだなこの集会所を荒らしてカードを巻き上げてるマッジス兄弟ってのは」
翔はマッジス兄弟の前に出た。
「俺は鳴上 翔!俺と勝負しろ!」
さらに翔は強く言い放つ。
「そして俺が勝ったら、アンタら兄弟にはここから出て行ってもらう!」
「こりゃ傑作だぜww。まさか俺達に逆らおうとするルーキーがまだこの辺りにいるとはwww」
弟のベイカーが腹を抱えて大笑いする。
「いいぜ。その勝負受けてやる。だが、1体2じゃそもそも勝負を始められねぇな」
兄のゴズが挑発するように翔に言った。
「ぐっ」
翔が何も言い返せず歯を食いしばっていると、扉の方からキャップ帽を被った白髪の一人の青年がこちらへ向かってくる。
「ふーん、久々に来てみたら色々と面白そうな状況になってるじゃん……」
青年は3人の間に入るように近づく。
「その勝負、俺も混ぜてくれよ」
「お、おまえは!?」
「バトルジャンキー、シルヴァ……」
苦虫を噛んだような顔でゴズがシルヴァを見る。
「協力するぜ。新人さん」
「悪いな。えーと……」
「シルヴァだ。よろしくな!」
軽く挨拶を済ませるとシルヴァはゴズの方へ向き直る。
「さあ、これで2対2だ!」
「いいだろう。相手になってやる」
「仕方ねえ。なら、まずはこの俺、ベイカーが相手になってやる!」
「弟の方に任せて、新人さんは兄の方を頼んだぜ」
「わかった」
そう言うとシルヴァは軽く肩を慣らし楽しそうにベイカーの前へ出る。
「さーて。楽しいパーティーにしようぜ!」
「「ライブオン」」
◇◇◇
「俺の先行。緑の魔石を配置」
ベイカーが魔石を配置する。
「ゲルドの怪物を召喚」
【ゲルドの怪物】
モンスター/魔力:緑2
種族:ゲルド族・ワーム/攻2/体2
【ベイカー/LP5】
場:[ゲルドの怪物/2][/][/][/][/]
魔石:緑の魔石×1
手札:5
魔力:0
「俺のターン。青の魔石を配置。幻星竜コルヴスを召喚」
【幻星竜コルヴス】
モンスター/魔力:青2
種族:古竜/攻2/体2
「幻星竜コルヴスで相手プレイヤーへ攻撃」
ベイカー(LP5→4)
【シルヴァ/LP5】
場:[幻星竜コルヴス/2][/][/][/][/]
魔石:青の魔石×1
手札:5
魔力:0
ベイカー「俺のターン。緑の魔石を配置。鉤爪のゲルドを召喚」
【鉤爪のゲルド】
モンスター/魔力:緑2
種族:ゲルド族・ワーム/攻2/体2
ベイカー「鉤爪のゲルド、ゲルドの怪物で攻撃!」
シルヴァ(LP5→3)
【ベイカー/LP4】
場:[ゲルドの怪物/2][鉤爪のゲルド/2][/][/][/]
魔石:緑の魔石×2
手札:5
魔力:0
「俺のターン。青の魔石を配置。幻星竜ヴュランを召喚」
【幻星竜ヴュラン】
モンスター/魔力:青2
種族:古竜・ミスト/攻2/体2
シルヴァ「幻星竜コルヴスと幻星竜ヴュランで相手プイレヤーを直接攻撃」
ベイカー(LP4→2)
【シルヴァ/LP4】
場:[幻星竜コルヴス/2][幻星竜ヴュラン/2][/][/][/]
魔石:青の魔石×2
手札:5
魔力:0
ベイカー「俺のターン。緑の魔石を配置。ゲルドの皇帝を召喚する!」
【ゲルドの皇帝】
モンスター/魔力:緑6
種族:ゲルド族・ワーム・上位種/攻7/体7
[特質]:このカードは自分の場にゲルド族の種族を持つモンスターが存在しないとき、防御できない。
「鉤爪のゲルド、ゲルドの怪物、ゲルドの皇帝で攻撃」
「攻撃宣言時、俺は手札から魔法カード、ミストシールドを使用する」
【ミストシールド】
魔法
《対抗》(このカードは相手ターンにのみ発動できる)
[特質]:相手モンスター1体の攻撃を無効にしてデッキから1枚ドローする。
「ミストシールドの効果でゲルドの皇帝の攻撃を無効にする!」
シルヴァ(LP3→1)
【ベイカー/LP2】
場:[ゲルドの怪物/2][鉤爪のゲルド/2][ゲルドの皇帝/6][/][/]
魔石:緑の魔石×3
手札:5
魔力:0
「俺のターン。青の魔石を配置。幻星竜ミラージュを召喚する!!」
【幻星竜ミラージュ】
モンスター/魔力:青5
種族:古竜・伝説/攻4/体4
[特質]:このカードは相手モンスターに防御されない
「さらに俺は魔法、ミストストームを幻星竜ミラージュに使用!」
【ミストストーム】
魔法
[特質]:このカードは自分のライフが1以下の時、発動できる。
[特質]:自分の場に存在するカード名に幻星竜を含むモンスター1体はこのターンの間、相手へ直接攻撃する時、与えるダメージが2になる。
「幻星竜ミラージュで相手へ直接攻撃」
ベイカー(弟)(LP2→0)
◇◇◇
ベイカー「ぐぅ……負けちまった」
「フン。情けない弟だ……」
落胆するベイカーにゴズは言い放つ。
「まぐれで勝ったからと言って調子に乗るなよ……」
ゴズは険しい顔で低くそう言った。