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79話 やる事は変わらない。


ギルドで泣いてから三日後…私は新しい机に荷物を運んでいた。そう、私の最終的な配属先が決まったのだ。


案の定事務部ではなかったのだが…少し意外な事に、武闘部でもなかった。てっきり私は、武闘部に配属されるとばかり思っていたのだが…そう言えば、影の精霊が何か面倒な所に配属されるとか何とか前言っていたな…。


「はい、ここが今日から君が働く部署…総合部だよ。」


「は、はい。」


第一印象は、ギルドの中にある半物置と化した小さな会議室みたいな所に、事務机が塊?グループ?を作る感じにこじんまりと配置されていて…左遷コースまっしぐら感が凄いな、だった。


何個かの机に個人の荷物は置かれていて、使ってる感じはするが…今の所、案内してくださったダンディーな白髭が似合うガッシリした小柄な初老のオジ様…元い、ロアイトさんと私以外は居ないみたいだ。


…どうせ名字でしか呼ばないから、自己紹介の時思いっきり名前とか聞き飛ばしちゃった。…もしもの時の為に、追々名簿とかで確認しておこう。


まぁ、そんな事は良いや。


ぶっちゃけ、いきなりそう言われても総合部って何だろう、となる。今まで聞いた事ないから、怪しさがヤバイ。


怪訝な顔を隠さないでいたら、ロアイトさんが苦笑いしながら説明してくれた。


曰く、事務部と武闘部のスキルが要求される仕事を既に担当している人が配属される特殊な部署って事。その特性上、限られた人しか配属されない事。大抵そう言う仕事は守秘義務が発生するのと、その他色々の理由から、この部署は世間から地味に隠されている事。…その他色々で略された所が超気になるけど、知ったら何か最後な気がするから黙っとこう。


「元々『総合部』と言う名前は発足当初の暫定的な名前だったのだけど、時の流れで定着してしまったんだよねぇ。」


何か人間味を感じる理由だな。分かるけど。


「あ、自分の仕事がない暇な時は、他部署のサポートとかしても良いよ。と言うか、仕事はちゃんとしといた方が良いよ。査定にも響くし。」


「は、はい。」


…うん、ノリが軽い。顔に似合わずフランクな人だなぁ、ロアイトさん。


ロアイトさんの説明は続く。


総合部の存在はギルド内では知られている。一応出世コースではあるけど、そう誰もが就ける部署でもないから夢を過剰に見させない為に誰も言わなかったのではないか……流れる様にロアイトさんは、全く口にしてない私の疑問にそう答えてくれた。凄い人だな。


…ただポソリと、「身内が配属されたって聞いたら、何だかんだ言って多分泣くかなぁ、僕は。」と呟くのは、よろしくないと思う。そう言われてしまったら、泣きたい気分になるのはこっちだよってなるわ。


しかし、ここで折れるような柔な精神はもうしていない。本の数日前にやらかした私の精神では、内心顔をしかめるくらいである。…気分は良くないよね。我慢できるとしてもね。


「私の席はどこになるんでしょうか?」


「じゃあ、そこの空いてる席で。」


「分かりました。」


何もないように声を掛ければ、少し拍子抜けされた。知ったこっちゃないので、テキパキ机に荷物を置いていく。…と言っても、言う程量はないからサックサク終わるんだけど。


「では、夜風・ヴェヒター・琴波さん。これから総合部でよろしくお願いします。」


「はい。」


机の整理が終わった後、二人しか居ないから形だけの着任式?みたいなのをした。…ロアイトさん、初対面時から自分を部長とか言わなかったけど…この流れだと、やっぱりロアイトさんが部長なんだろう。


「夜風さんも中々大変な仕事を持ってるみたいだけど、頑張ってね。気を強く持ってね!!」


「あ、はい。」


上司だから受け持ってる仕事が筒抜けなのは良いけど…そう言われてしまうと、とても不穏な気分になってしまうのだけど。


流石と言うか、ある意味仕方ないんだろうけどさ…ホンットこの人、良い性格してやがる。




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