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51話 強制終了、再起動。


どこからともなく影の精霊が出してきたノートパソコンを使って、私はヴァンさんに頼まれた書類を作っていく。この手の書類は書いた事がないし、ネットで定型文探すにしてもどう探せば良いか、そもそもネット使えるのか分からないから、ヴァンさんとアルベロ先生に聞きながら打っていく。


「んと…こんな感じで良いですか?」


「良い感じ、良い感じ。この調子で、どんどんバリバリ書類作成進めていってね〜。」


そう言いながらヴァンさんは雑誌をペラペラ捲り、アルベロ先生に関してはアクビをしながらボーッとしている。…エレメント・ドラゴンの前でこんに自然体で居れるとか、どんな精神力してるんだこの人。今更だけど。


アルベロ先生の胆力に、呆れるやら少し羨ましいやらと思っていたら、一枚の書類が完成した。


要約すれば『孫に社会勉強させたいから、何か良い感じの所紹介して?あ、あんまり仰々しいと勉強にならないから、次の書類に書いた要望を最大限汲んでね?後はそっちに丸投げするからヨロシク〜。』みたいな感じの内容で……取り敢えず、竜人族の(シュタルク)や、巻き込まれるであろうお偉いさん達に、心の中で静かに合掌した。


「さて、次はその要望をまとめると…アルベロ先生、この書類はさっきの書類の書き方で良いのでしょうか?」


「ん〜?そんなに真面目にしなくても、適当で良いんじゃね?」


「いくら何でも、国のド偉い人達に見せる書類が適当じゃ不味いでしょう…。」


もし書類に不備があった場合、叩かれるのはヴァンさんでなくて私だからね。国の人に怒られるとか、胃が痛くなるとかそんな優しいモノではないと思うの。辛すぎて、最悪入院するかもしれない。


「大丈夫よ〜。もし何かあっても、それは私が頼んだ事にするから。と言うか、私が直接頼んだ相手を、私の知らない…と思ってる所でどうこうする人なんて、最初からいらないからねぇ?」


あ、あああ…コワイ。エレメント・ドラゴン、コワイ。


何が怖いって、笑っているのに目が『これは本気』と語っているのが怖い。漏れ出る殺気と怒気が混ざった黒いオーラから絶対的強者の風格と言うかプレッシャーを感じて怖い。人をアッサリ切り捨てる感覚が怖い。明らかに地獄耳を通り越した『何か』を有しているのが怖い。


総じて言うなら、『敵に回してはいけない相手』…ではなく、『出会わなければ良かったと思ってしまう相手』。触らぬ神に祟りなしって言うけど、そもそも神様なんて人が背負うには重すぎる相手。その人を目にして、あまつさえ会話までしていただなんて…今からでもひざまずき(こうべ)を垂れてその非礼を詫びなけれ「はぶっ!?」


何かの思考に頭が埋め尽くされ掛けた時、顔面に何かモニュッとした物体が激突した。


「あ、お嬢さんったら今日素っぴんやないの。アカンで、社会人なんやから少しは化粧せんと。」


「今日は普通に外回りだと思ってたから…って、何で影の精霊が私の顔に貼り付いてんの。」


顔に貼り付いたまま普通に会話していたが、ふと冷静になって顔面に貼り付いていた影の精霊を剥がして床に投げた。「あふんっ!!」とか聞こえたけど、今はどうしてコイツが私の顔に貼り付いていたかが問題だ。


「夜風お前、面倒くさいな。」


「はい?」


どこから飛んできたんだ?と色々考えていたらアルベロ先生にそう言われて、そう言えば影の精霊に貼り付かれる直前に色々考えていたと思い出した。…何かを考えていたのは思い出したけど、何を考えていたかは全く思い出せない。少しの間なのに、そこの思考がスッポリと抜け落ちている。


「なるほど〜。あまりに暴走が過ぎると、自動的に『なかった事』にするのねぇ。」


「普段は残しておくんやけど、今回は追々ウチが楽しめなくなるからなぁ。」


影の精霊とヴァンさんの会話を聞いても、直前の記憶が思い出せない事に混乱した今の私には理解できなかった。




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