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45話 私では、明らかに力不足。


止まらない鳥肌を感じながら、どうにか判断材料にとスマホのカメラで写真を撮り、スマホにあるメモ機能に、この場で思った事を思い付く限り書いた。…頭にある言葉を文章にする、と言う作業のお陰で、とっ散らかっていた頭の中が少し落ち着いた…気がする。


落ち着いたとは言え、現状は精神力をゴッソリ削られたままで…正直、動きたくない。じっと(うずくま)って、丸くなっていたい。それでも、あの芋虫の近くに居る現実に寒気を感じて、あの芋虫の近くに居たくないって思いが強くなって、事前に決めていた合流ポイントへ移動すべく、重い腰を上げた。


何か影の精霊が声を掛けていた気がするけど、生憎まだ芋虫ショックから抜け出せなくて、返事をする気になれなかった。…はぁ、影の精霊が居ればどんな場面でも道案内をしてくれるから、森の中で迷子にならなくて良いよね。


そこまで思い出して、つい先日の蜂さんが頭に浮かんで…蜂何故かの幼虫を思い浮かべてしまって自爆した。多分、テレビで見たスズメバチの巣を撤去する番組で見たんだと思うが…落ち着いていた鳥肌が振り返してしまった。


芋虫が平気、寧ろ大好きウェルカム!!って人には悪いけど、正直もう無理だ…もう一回と言われても嫌だと答えるか、せめて一週間ぐらいの期間にガッツリとした休息が欲しい。…それくらい、芋虫が大量に居る場面を見てしまった事に精神力持ってかれた。


「お嬢さん、何だかんだ言ってもよう発狂せんかったなぁ。」


「発狂しなくても、凄く疲れたけどな。」


やっと多少回復した精神力で、影の精霊にそう返す。


いつか影の精霊に聞かされた、『私』が私になる過程で、どれだけ精神的負荷が掛かろうと私は精神が壊れたりはしないらしい。


それは、つまり『壊れる』って救いがない事になる。本来自身を守るために働く作用が働かないのは、過剰な精神的疲労に耐えようとして、肉体的にもその疲労がフィードバックしてくる…そう本気で思ってしまうぐらい、凄く疲れるのだ。


「同僚さん二人も芋虫さん達と遭遇して、各々面白い反応をしてくれたで〜。やっぱり芋虫さんは慣れへんとあかんかー。」


「インドールさんとセイボリーさんも、あの芋虫に会ったんですか…大丈夫でしたか?」


私は、どんなに辛くても発狂する事はない。しかし、インドールさんとセイボリーさんには、その一種の救いが通常通りある訳で…影の精霊が、何やら私は発狂しなかったとか何とか言った気がするし、そうなると…。


「ああ、あの二人なら大丈夫やで。姉ちゃんはひたすら地面の一点を見つめて、兄ちゃんはちょっと暗い顔でブツブツ言っとるけど、それでもまだ二人は正気を保っとるで。」


「そ、それは良かった…のか?」


その状況は、個人的にかなり危ないと言うか、薄氷の上な気がするけど…影の精霊が大丈夫と言っているのなら大丈夫なのだろう。そう思わないと、私の精神が更にしんどくなってしまう。


早く二人と合流したい様な、合流したくない様な、中々複雑な気分になりながら、私は合流ポイントに向かった。




私が合流ポイントに到着した時には、インドールさんもセイボリーさんも顔色はまだ悪いが…それでも、影の精霊から聞かされていたより大分明るい感じに見えた。精神状態は顔では図れないけど、それでもパッと見た限りはは落ち着いている様で良かった。


例えばだけど、深淵を覗く様な目でブツブツ何か言ってる、みたいな事になっていたら本当どうしようかと…。


「夜風、ただいま戻りました。」


「……お帰り、なさい。」


「…すみません、少し…頭の中が混乱していて。」


あ、これは見た目より大変なヤツだ。顔色の二倍くらいヤバイ事になってる。そう直感するくらいには、二人の声が暗く低い。


やっぱり、場数を踏むかその手のスキルがない限り、精神状態を的確に読み取るなんて出来ないんだなぁ。




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