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38話 市街地だと特に脅威的。


一応カレンダーを確認して、母様が言った日が休日かどうかを見たら…普通に休みだったので、休日届けを出さなくて良いと安心した。休んだ事ないから、当たり前ながらまだそう言う届けを出した事がないんだよ。凄い不安なんだよ。


聞く所によると、こう言う届けは大体一ヶ月前に出してくれないと困るって聞いた事があるから。まぁ、集まりは再来月だから十二分に間に合うんだけど…やった事ない事をするって、緊張するからさ。


何にせよ用事があるのは休日だから、大分気が楽になった。…やっぱり、私メンタルが弱いなぁ。


「メンタル云々より、お嬢さんは同僚と仲良くするんやなかったん?」


仕事を進めながらそんな事を影の精霊に言われて、私は仕事の手を止めてスッと遠い目をした。図星だったから。


インドールさんとセイボリーさんとは、あのオリエンテーションからあんまり話してない。そもそも二人と席離れてるし、インドールさんからは私嫌われてるだろうし。セイボリーさんは異性だから話し掛けづらいし。


そんな事を色々考えてしまって…つまり、自分の中でグダグダと言い訳してしまって、いまだに距離感は変わっていない。私が一方的に気まずいから、ギルド内で二人と擦れ違わない様に私が先手を打って動いてるぐらいだし。冒険者スキルの無駄遣いだよなぁ。


そんなこんな色々考えてたが、別に二人と急速に親睦を深めなくても問題はないので、気にしない事にした。別に、絶対同僚と仲良くしなくてはいけないってルールはないし。


「き、きゃぁぁっ!?」


自分の行動を正当化して、その正当化をした事を自嘲していたら、エントランスから悲鳴が聞こえてギルド内が騒然とした。な、何だ!?襲撃!?


慌ててエントランスに向かうと、そこには…。


「あっ、いつぞやのスズメバチ!!」


学生時代に少し接しただけだが、とんでもないインパクトを残したスズメバチがギルドのエントランスに現れた事で、ギルドに居た大勢の人がパニックを起こしていた。


しかも…よりによって、あのちょっとした子猫ぐらいある女王蜂とそこそこな通常蜂さんがセットで来ていた。……そう言えば、何かいつかまた会いに行くとか何とか言っていた様な…。


通常蜂さんが、妙にこう…真顔みたいな顔文字を表しているけど、今はスルーだスルー。


「あらあらぁ、ビックリさせてしまったわねぇ。」


女王蜂さんが、本当にあらあらとした感じで喋ったら…案の定「しゃ、喋ったぁぁぁっ!?」「スズメバチが、喋ったぁぁぁっ!?」「何あの蜂さん面白い!!」と言う衝撃が……ん?何だか最後、聞き覚えがある声が。


「ルナさん、貴女来てたんですか。」


「あ、コトハ。たまたまねっ!!ねぇねぇ、あの蜂さん、コトハ何だか分かる?ねぇねぇ、分かるの!?」


「ルナさん、落ち着いてください。」


ルナさんに説明しても良いんだけど、今はそれよりこのパニックを収めなければ…。


そう思ったら、カァァンッて感じの…結構大きな乾いた音が響いた。パニックになっていた人もそうでない人も、一瞬その音にビックリして動きが止まった。


「すみません。あまりにも珍しい来客だったので、お見苦しい所をお見せしました。」


奥から出てきたギルド長が、にこやかにスズメバチさんの対応をしている。…ギルド長は、スズメバチさんの対応した事あるんだ。凄いな。


「良いのよぉ。私達も事前に連絡入れれば良かったんだけど〜…伝令役が殺虫剤を掛けられて、場の空気的に帰らないとヤバそうだったからって〜。」


そりゃ、いきなりスズメバチが出たらそんな反応になるよな…いくら顔文字やアスキーアートでフレンドリーにされても、普通に怖いと言うか逆に怖い気がする。…と言うか、やっぱり殺虫剤効かないのか。




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