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31話 さっきの今はしんどいっす…。


小春とキャッキャと戯れて、私達に沢山の癒しとモフモフを提供してくれたベアさんとクーさんは…いつか学園で出会ったあの男女の護衛さんに回収されていた。…私もベアさんとクーさん抱っこしたいなぁ。絶対モフモフ。絶対手触りの細かい良いモフモフ。顔埋めたくなる系のモフモフ。…うん、一旦落ち着け私の脳内。モフモフだらけになってるぞ。そろそろ『モフモフ』と言うワードがゲシュタルト崩壊しだすぞ。


そんなこんなで、モフモフしたい欲を小春の頭を撫でて耳の辺りコショコショする事で収めた。小春の耳辺りの毛って、良い手触りなんだよなぁ。キツネの時の小春も大変良い手触りでうっとりするけど…これはこれで良い(おもむき)がある。



「…っと、コワタハナクマの登場で当初の目的を忘れかけたが、これより鬼ごっこを始めるぞ。範囲はこのベースキャンプが見える範囲、森の中に入るのは禁止な。」


「藪から棒ですね、アヴィオールさん。」


唐突なアヴィオールさんの言葉に、反射的に反応を返してしまった。アヴィオールさんはニィッと笑っただけだったが。


…でも、私のこの反応も仕方ないと思う。だってこんな緩くなった空気の中で、いきなり気分を切り替えましょうってだけでも若干無理があるのに…ソレに加えて鬼ごっこって。意味は何となく分かるけど、急すぎだろ。


「こう言う足場が安定しない場所での鬼ごっこは、足腰の強化と体力アップに効果的だからな。少なくとも俺は本気で追い掛けるし逃げるから、頑張れよ。」


「うわぁ…マジですか。」


アヴィオールさんのこの言葉に、インドールさんもセイボリーさんも、そして多分私も若干顔を青くしながら面倒くさいと、アヴィオールさん大人気ないと顔で現した。……唯一分かっていない小春は、トキョンとした顔でコテンと小首を傾げた。




「んん~っ…はぁ、気分的にシャワー浴びたいですが、山の中で贅沢言えませんモノね…。」


結局日が暮れるまで鬼ごっこを繰り返した私達は、アヴィオールさんが渡したカップ麺で食事を済ませ、各々浄化魔法で体をキレイにしてから、寝床であるテントに戻った。…昼があんなに健康的だったのに、酷い落差だ。


因みに、小春は鬼ごっこが始まる少し前に眠たくなったのか、キツネの姿に戻って、ブランケットを被ってクッションの上で丸くなって寝ている。…うん、可愛い。


「夜風さん、余裕ですね。」


「あ〜…まぁ、一応何回か外で泊まる依頼はしてますから。テント泊は初めてですが。」


何か色々思い出すなぁ……思い出すなぁ、ろくでもない思い出達を。いや、そんな全部が全部ろくでもない思い出だったかと言われたらそうでもないんだけど、大体が…ね。


「いえ、そうではなく…今日は随分動き回ったのに、あまり疲れている様に見えなかったので。」


「ああ、そっちですか。まぁ…その辺は一応運動部出身って事で。」


この間はあんな事あったけど、普段はジョギングに棒術の鍛練ぐらいしかしてないし…あ、たまに影の精霊相手にミット打ちみたいな事はするけど…でも、そのくらいだ。


「何かコツとか、あるのでしょうか?」


コツ、か…コツと言われても、短期間で疲労を回復させないと、次の日ヤバイと言う学生時代に身に付いたアレコレのせい…とか?もしくは、有り余るリソースを使って回復魔法を使ってるとか?…多分後者のお陰で私の体は楽なんだろうけど、言わないでおこう。ただでさえインドールさん、私に対して当たりが強いのに…これ以上になると、本当ヤバイ。


「徐々に体を慣らしていく、ぐらいしか分かりません…お役に立てず、すみません。」


うん、全くの嘘ではない。ジョギングとか、最初は辛すぎて三日坊主で止めたいとまで思ったのに、今では普通…を通り越して、走らないと落ち着かないからね。


「いえ、こちらこそ難しい事を聞いてしまいすみません。」


「あ、マッサージとかすると、多少次の日楽になりますよ。…本当なら、お風呂とか入って血行を良くした状態が一番なんですが。」


インドールさん、もしかして体辛いのかなと思ってマッサージと提案した後に、視界に影の精霊が映り込んだ。…いや、この場合のマッサージはセルフマネジメント的なそれだから。お前は関係ないから。




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