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16話 考えるより先に動いてな…?


パトカーに揺られて、警察署で事情聴取を受けて…色々な時間を込んでも、大体一時間くらいで終わった。結構身構えていたのに、あの私の事を警戒していた人ですら、あまり私の事を根掘り葉掘り聞こうとはしなかった。…いや、確かに警察がそれをしたら問題だけども。


「異様なまでスムーズに事が進んで、怖いくらいなんですが…貴方、警察で一体何をしてるんですか。」


警察署から出てふぅ…と溜め息を吐きながら、肩に居るであろう影の精霊をジトリと見た。僅かだが、疲れていると言うか諦めに近い雰囲気を彼らから感じたのだ。


「ちょっと目ぇ付けられとる程度やで。どうやった所でウチを人の法では裁けへんし、ウチかて一応警察さんに対して有益な事をしとるから、向こうさんとしては超不本意ながら暗黙の了解扱いされとるって感じや。」


お嬢さんがウチの主人なら、お嬢さんを裁く気やったみたいやね〜と、軽く言ってくれるが…私はとてもじゃないが、そんな風に軽く思えなかった。心臓がキュッとして、何か妙に音が遠く感じた。…影の精霊のせいで、想像よりかなり危ない橋を渡っていたみたいだ。


言った所でどうしようもないけど…影の精霊、警察相手に何やってるんだ。とばっちりを受ける私の身にもなってくれ。


「まぁ、色々や。あ、そやそや。お嬢さん。」


「何ですか?」


「三分弱くらい、体外に形成する類いの魔法が上手く使えへんから。その辺ヨロシクやで!!」


影の精霊に、どう言う事だと疑問を口にしようとした時…耳ではないどこかを振るわせる、不安を掻き立てる不思議な破裂音と、警察署を軽く揺らす震動を伴う爆発音が聞こえた。


「うわっ、何の音!?…って、影の精霊?」


先程まで近くに居た影の精霊が居なくなっていた。…まぁ、影の精霊が神出鬼没なのは今に始まった話ではないから良いが、さっきの発言の後ってのが気になるな。


「…本当だ、スマホが起動しない。」


警察署の中で凄い騒ぎになっているが、取り敢えず私は確認作業を優先する。直ぐ終わるし。


私のスマホは影の精霊の特製品で、呼びやすいからスマホと呼んでいるが要するに魔術具だ。そのスマホで魔法を発動させようとしてもウンともスンとも言わない。となると…あの時影の精霊が言っていた事は本当だって事だろう。


「確かに体外に魔法を構成はできないけど…体内だと、一応魔法は使えるな。」


この状況、何か思い出すな。いつだったかな…体外に魔力を放出出来なくなった時があった時も、こんな感じに体内で構成する魔法を使ってどうにかしたなぁ。


「何にしても、これで一応戦えるな。」


ギルド職員以前に、私は冒険者である。こう言う非常事態において、一般人を守る義務みたいな事が発生する。まぁ…必要な場合は、だけど。必要ない時は、素直に引き返す。


そんなヘタレな事を考えながら、一回出た警察署の中に戻ると…警察職員さんが一般人達を誘導している。…うーん、私必要ないかな。


「って、危ないっ!!」


一応辺りをキョロキョロ見渡していたら、黒ずくめの格好をした人が、明らかに抵抗出来なさそうな警察官さんや一般人を銃で狙っていたので、咄嗟に身体強化を掛けて、結構なスピードでその黒ずくめの人に体当たりした。


「がはっ!?」


「いっ…!!」


勢いがそこそこ良かったので、黒ずくめさんと私は床にそれなりの勢いで倒れ込んだ。直撃だった黒ずくめさんは勿論痛いだろうが、私もそれなりに痛い。


やっぱり、体外に魔法が組めないと言うのはしんどい。フィードバックがダイレクトに私に返ってくる。治せるから良いって問題じゃないな、コレ…。


「っ!?がぁっ!!」


何か右腕辺りに激痛が走ったけど、人様に聞かせられない声上げながら後退した。…あ、何かバリケードが出来上がってる。


「大丈夫ですか!?無茶しないでください!!」


バリケードの裏に引っ込んだら、そこに居た警察官さんに怒られてしまった。…いやうん、我ながら何て脳筋な反応したなとは思ってます…。




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