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14話 まだ大人しいと思うべきか…。


影の精霊に鞄の中の粗方の荷物は預かって貰ってるし、一応スマホを操作して…対象に第三者が触れようとした瞬間、物凄い静電気が発生する単発のパッシブ魔法を掛けておいた。殺傷性はないけど、嫌がらせとかには十分だと思う。…ふふ、もうどこからでも掛かってこいって気分だよ本当。ヤケクソだよチクショウ。


「と言うか、私って男性数人に押さえ付けられたら無力化出来る風に見えるんですか?」


「文系感は出とるな。お嬢さん、結構体育会系なんやけどなぁ…お嬢ちゃんよりマシとは言え、かなり見た目詐欺やよな。」


文系な見た目で体育会系だと見た目詐欺扱いされるのか…別に私以外にも居るでしょうに。持久力はそこまでないけど、由榎さんとかも見た目詐欺…いや、由榎さんなら寧ろアリなのか。ルナさんもルナさんで、ギャップ萌えって感じだし…私にギャップとか言っても、鼻で嘲笑う声が幻聴で聞こえてくるレベルだからな…。


良く分からない切っ掛けで落ち込んでいたら急に私に間を詰めてくる気配がして、反射的に振り返ってしまい…しまった、と思った。向こうは足音を消していたのに、クセで反応してしまった。


「あ。」


まず見えたのは、真っ黒なパーカーのフードを被った人で…紫色の光を放っている瞳だった。目の周りと手以外は隠れていて、服は全体的にダボッとしていて、何か体から発せられる圧力が凄くて…って、妙に冷静に分析してるな私…。


私が姿をガン見しても別に構わないのか、その人は迷わず私の鞄に手を伸ばして…私が仕掛けた魔法を喰らって、痛がる気配を出しながらも私から距離を取った。…声出さないんだな。口を被っている布?に吸われたのか分からないが…確かにたかが静電気だけど、それでもかなり痛いよ?


そう言う訓練をしているのかなと思考する間もなく、その人を庇う様に、その人より肉体的な圧力を感じる結構な大男が数人出てきた。…あ〜、これなら取り押さえられたらアウトかもな。


「良し、逃げよう。」


どこかで聞いた事がある。正当防衛を成立させるのは、結構大変なのだと。逃げるって選択肢があるなら、逃げた方が良いと。私過剰防衛になる可能性があるから、その辺りちゃんと気を付けないと…治せば良いって問題でもない気がするし。


と言うか、ここで戦闘のコマンドを選んでしまったら、ギルド内で絶対脳筋って言われる。表立ってはあまり言われないとしても、影で脳筋って絶対言われる。そして武闘派な部署に配属されるんだ…。


「お嬢さん、お嬢さん。」


「何だよ影の精霊。」


「いやな、一旦さっきの所に戻ってくれへん?もうあの人ら追っとらんから。」


影の精霊の言葉に、ピタリと足を止める。…影の精霊がそう言うって事は、確実に影の精霊があの人達に対して『何か』をしたと言う事になる。そして、影の精霊がした『何か』を受けた人は…。


嫌な予感を感じて、かなりの距離走っていた道をダッシュで引き返した。「お嬢さんが想像しとる様な事はちょっとしかしとらんで〜。」と、影の精霊が言うが…そんなの、気休めにもならんわ!!


私が鞄を取られそうになった所の手前で立ち止まって、ちょっと乱れた息を整えてそこに向かうと…何と言うか、少々コメントに困る状態になっていた。


「…えっと、影の精霊?」


「なんやお嬢さん、ウチはちゃんと良い事したで?」


そう言う影の精霊は…大男さん達を縛り上げた上で、何だろう…お互いが輪になって支え合ってる空気椅子と言うか…ちょっと前のバラエティーで見た事あるアレをしていた。


私の鞄を取ろうとしていた人は、別に拘束はされていないみたいだが…地面に倒れて、何やら見悶えていた。目深に被ったパーカーのフードで目元まで隠れて、どんな顔をしているか分からないが…影の精霊、お前何をした。


「と言うか、何であの人だけ扱い違うんですか。」


「え〜、人によったら凄い喜ばれる事をしとるで?あ、邪魔やったから服の下の武装は解除しとるで。」


あ、やっぱり服の下に仕込み武器あったんだ。


「自衛と、抵抗した時の見せしめ用みたいやなぁ。」


「用途は聞いてないから…。」


えっと…これ警察呼んだ時、私に責任来ないよね?




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