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11話 やっぱりメンタルは大事。


由榎さんと一緒にアパートから出たタイミングで…何かを察したのか、色々雑に身支度をしたルナさんも出てきて…あ〜、まだ一週間も経ってないのに何か懐かしいなぁと思いながら、由榎さんと一緒にルナさんの姿を手早く整えた。…まだ女性しか居ない所だから良かったものの、この姿で外出しようとするなんて…危機管理甘いとしか言えないよ。いくら自衛できるとしても、ここは守られていたトレラント学園の敷地内ではないんだから。


……ちょっと落ち着いてきたら、アルベロ先生の所に顔ぐらい出そうかな。何かこう、生存確認したくなってきた。いや、普通に生きてるんだろうけど。


「ルナさん、そんなに慌ててどうしたんですか?」


「いやぁ、大学の方に用事あったの思い出してさ。んで、今出たらこの三人で一緒に途中まで行けるかなぁって…でも、二人とも支度早すぎだよ〜。」


笑いながらのその言葉に、少し咎める姿勢だった私も由榎さんも釣られて笑った。あんまり誉められた行動じゃないけど、ルナさんの気持ちは分からなくもなかったから。


私が大学に行っていても、どちらにしろ三人で登校する事はかなり少なくなっていたと思うけど…でも、十年以上一緒に登校していたから、場所は変わっても凄く懐かしかった。


バス停からバスの中まで軽く談笑して、私は二人より先にバスを降り、ギルドに向かう。…楽しい気分の後だからか、コスモクロアさんが怖いなぁ…と憂鬱な気分になった。昨日より精神状態は安定しているし昨日よりは大丈夫だとは思うけど…と言うか、昨日はどうかしていたと思うの。私が。毎度思うけどさ…自分で自分の感情の振り幅が分かんないわ。




ギルドに入ると、初日より落ち着きはしたけどやっぱりまだまだ緊張してしまう。やっぱり職員と冒険者では、立場が違うんだなぁと実感する。…うん、仕事頑張ろう。


少し意外だったのが、コスモクロアさんは私の作業の手が止まったり、フッと集中力が切れたタイミングを見計らい、少しだけ世間話をしてくるだけだった。昨日のイメージだと、今日辺りグイグイ来るだろうと思ったのだが。


今日半日までを見るなら、仕事が出来る明るい人と言う印象。初日程の悪い感じはなかった。昨日と違うとすれば、時間以外だと初対面かそうでないかぐらいだから…やっぱりアレか、心の余裕が関係してるのかな。昨日は色々カツカツだったもんなぁ、今もそれなりにカツカツだけどさ。


「昨日も思ったけど、夜風さんって堅いね〜?」


今日も今日とて一人ご飯をしていたら、コスモクロアさんが話し掛けてきた。…もしかして、友達作り失敗した人を憐れんでる…とか?…流石にコスモクロアさんに失礼か。


因みに、今日はちゃんとお弁当作ってきた。朝がパンだったから昼はご飯メイン。…そうなると、夜は麺とかになるのかな。帰りに決めよう。


「新人ですし…それに、普段から大体こんな感じですよ。」


義弟のイヴィールや義妹のペルラ、契約精霊の小春と…影の精霊とアルベロ先生は除くがな。…いや、後二人は前三人とは口調の毛色が違うか。特に影の精霊。アルベロ先生は、まだ直接的あーだこーだ言っては…いない筈だが、影の精霊は最初からあんまり気遣った言葉遣いを意識していない。


丁寧っぽい口調も素だけど、がさつな口調の時も素だから…どっちも私だって、自分の中で落ち着いたけど。


「そうなんだ。ん〜…もう少し柔らかくなったら、もっと取っ付きやすそうなんだけどなぁ。」


「あはは…その辺はまぁ、追々に。」


元々そんなに明るい方ではないから、いきなり口調を砕けていくのは…多分途中で疲れてくると思う。そうなってくると、『私』の二の舞になるかもしれない。…それは嫌だ。


まぁ、出来るだけ雰囲気を柔らかくなるよう努めていこう。




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