デア・エクス・マキナ その2
漸く駐機場の中に入る事が出来たが、中は中で凄まじい事になっていた。車輌を持たない強化装甲服着用者や完全義体化者に半端者、加えて生身の身一つで稼ぐ連中が収穫物を組合員に鑑定して貰う為列を成している。
別の場所では、車輌組と機動兵器組が荷下ろしと鑑定待ちの列を成して此方も混雑中だ。既に各自の駐機場所
で整備作業に入っている車輌組と機動兵器組がいるが、余程早く帰還したか空振り収穫無しだったのか。疲労感の滲む彼等の表情を見るに恐らく後者だろう。
「やっぱり中も混んでるねー」
「仕方ないさ。ただ待ってても勿体無い使用済薬莢まとめとくか」
「こっちも燃料見とくね」
各々作業を開始する二人 その間も場内の悲喜こもごもな喧騒は、続いている。既に鑑定を終えた身一つでやってる連中のところから数人が、シン達に近付いてきた。
「よぉー相変わらず車輌組は、渋滞で大変そうだね?」
「そっちこそまだ生身でやってるのか?早死にしたくなければスクラップでもイイからリビルトして車輌乗れれって」
「だよなぁーでも俺達シンと違ってそっちの知識も技術も無いからさ」
「俺だって1から全部独力ってわけじゃないメカニックのオッサン達に協力して貰ったし車輌組に回収手伝っ て貰ってだよ。だから俺もタダじゃ無理だけどお前らにも格安で協力してやるよ 」
「しっかりしてるな〜もっとも迂闊にタダなんて言えばロクでもない事にしかならないからな」
「そーゆー事」
シンと似た年恰好のハンター達が、シンに話かけハンター談義だ。シンと彼等の話通り車輌や機動兵器に頼らない生身の人間の探索は、常に危険が付き纏う。確かに緊急避難先の車輌や機動兵器が無いのは、それだけで生存確率は低下するし収穫物の重量も限られるが反面初期投資が用意出来ない駆け出しのハンターでも始められるので一定数生身の人間でハンターをやる者はいるのだ。極稀に生身でもとんでもない奴がいるが…
そうこうしているうちに漸くシン達の番が、回ってきた。
「じゃ俺ら行くわ!」
「じゃあな早目に車輌化は、考えとけよ」
鑑定を行う組合員が、近づいて来る。ひっきりなしの作業で流石に疲労が見える
「ホイお二人さん!お待ちどう様、先に言っとくが変にごねたりしてもペナルティしかつかないからな〜それと言わなくても知ってるだろうが、 燃料弾薬の補給も必要ならここで言ってくれ」
「両方補給で鑑定は、後ろの荷台だ」
「そんじゃ弾薬の黄札と燃料の赤札な自分とこ停めたら駐機場を回ってるターレから見える様にしてくれ。じゃないと補給に回って来ないからなーさてさて鑑定するか」
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それが筆者の燃料です。燃料無いと走れません。弾薬あっても燃料無いと戦闘行動(執筆作業)出来ません。何卒宜しくお願い致します。