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雨に唄えば その4

「「やったーー‼︎」」


勝鬨をあげる二人。車内は、歓喜に包まれる。

前方には、地中から露出した部分を撃ち抜かれ千切られた”鉄ミミズ”が横たわっている。


「ランファ一旦停止して”鉄ミミズ”にゆっくり寄せて 」


「了解近づいたら停止して漁る?」


「いやその前にもう少し細切れにしないとアイツが、機能してたら生身じゃキツイ」


「シンは、慎重だね〜」


「手間を惜しんだり弾代ケチって命捨ててたら間抜け極まるさ」


「おっしゃる通り」


実際”鉄ミミズ”の他各種の野良ドローンは、生身の人間を標的に製造されている為装甲車輌から降りて近付くのはリスクを伴う。可能な限り安全策を講じるべきだし、それを怠って召されたハンターは数知れない。

因みに野良ドローンの野良とは、嘗て何処ぞの正規軍が運用していたのだろうが現在では放置されている為野良なのだ。

前世紀でも設置した地雷を責任を持って回収した国は、いなかった様に”勝手に殺ってくれる”兵器は始末が悪い。

しかも補給無しで殺戮を続けられる様にこの手のドローンは、射出系の武器を持たない為 突く・斬る・叩く・絞める等原始的な攻撃をしてくるその結果は…あまり見たいものではない。


「そろそろ良いかな〜?」


「OKストップ、それじゃ2mくらいに引き千切る」


「それなら巻きつかれる心配無いしね」


「終わり次第周囲を確認して問題無ければ降りて漁ろう」


「ほいほいやっと出番だ!!」


賑やかにランファが、応えた。シンは、再びグリップを握り直しトリガーに指がかかる。

《ダーン》

静止目標の為発砲は、一発。それでも効果は、充分で狙い通り引き千切った。


「よし!俺が、先に出て安全確認したら合図するからランファも出てくれ」


「了解!脳直ケーブル用意しとくよー」


シンが、ハッチを開いて周囲を警戒し異常無しと判断。素早く降りて牽引された荷台に廻りセミオートショットガンを取り出してストラップを頭から通し右手に構えてストックを肩にあて左手でボルトハンドルをスライドさせて装填完了。ペケの前に廻り再び周囲警戒、今回も異常無し。

車体を2回ノックして合図を送ると操縦席側のハッチが、開く。


「アイドリングのままにしといたよ〜っと‼︎」


声を掛けながらランファが、降りてくる。その襟首には、金属ケーブルが接続されておりケーブルの先は腰の辺りに束ねられているその先端は二股に分かれていて2系統の端子に対応する様だ。

元々この辺りは、2つの陣営で争っていたので2系統で概ね対応出来る。出来ない時は、別途対応(物理)するだけだ。

脳直と言っても実際ケーブルが、大脳に直接繋がっているのではなく襟首の接続部の先には人工の脳の様な機構が備えられそこで信号変換等諸々処理や記憶のバックアップ・外部からの攻撃に対して障壁となっている。

ランファは、部分義体化をしている通称”半端者”なのだ。


「頭を抑えに行くぞ先に俺が抑えるからランファは、無力化してくれ」


「了解!毎度ながら処理中は、無防備になるからよろしく」


「それじゃ確保!ックソ!」


シンが、鉄ミミズを抑えた途端再起動して暴れ出す。ドローンの最期っ屁だ大抵油断した時を狙う様に仕組まれている。


「やっぱ死んだフリか〜シンしっかり捕まえといて!往生際悪いっつの!」


ランファが、足で踏みつけて漸く鉄ミミズの頭部装甲にある開閉部を開いて端子を接続し鉄ミミズを跨いで抑える。今度は、唐突にランファが項垂れる作業開始の様だ既に鉄ミミズの抵抗は止まっている。

数秒後


「よし!無力化完了!シンもう離して大丈夫だよー」


「流石早いな。ただ潜る時は、一応声掛けしてくれよ飲まれたのかと思って焦る」


「ゴメンゴメン」


飲まれるのは、端子接続によるハッキング作業のリスクだ。こちら側の障壁を上回る攻撃があった場合こちらが制御下に置かれる。もっとも野良ドローン如きにそんな大層なシステムは、搭載されていないのだが万が一である。


「まったく、さてこれ以上言っても仕方ないから積み込みしよう 」


「はーい!ところで地面の下の残りは、どうする?」


「ワイヤー引っ掛けて引きずり出せない事もないけど…止めとこうか」


「勿体無いけど危険犯すほどじゃないね」


「さっさと片付けて次いってみよー」


「おい〜っす」












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