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愚者は賢者と成り得るか?  作者: 泥人形
始まりの街
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夢中になって

「で?

なんで戻って来たんだ?

お前は。」


「はい、薬草採取です。」


「さっき魔物に襲われてただろ。」


「だからこの辺に薬草はありませんか?

襲われたらすぐに逃げて来ますから。」


バゲラさんが門に居たから声を掛けた。

ついでにバゲラさんに薬草の生えている所を聞いてみる。

多分、知ってる筈。


「度胸があるのか馬鹿なのか。

あの木の近くに群生地がある。

葉だけを取れよ。

そうすりゃ次の日にはまた生えてるからな。また魔物に襲われて来るなよ。」


「ありがとうございますバゲラさん。」


よし。あまり遠くなさそうだし大丈夫だろ。そうだ!

スキルも得られるんじゃね。

回復系のスキルが習得出来る筈。

回復量によっては当分回復薬を買わなくて済む。

消耗品の費用は馬鹿に出来ないからな。

魔力残量は・・・7か。

採取してる間に3は溜まるだろ。

回復系はどんなスキルなのかな?


「おぉ!

生えてる生えてる。」


ちらほらと薬草らしき物が生えてるな。

茎は普通の緑色なのに薬草一本にが五、六枚の黄色い葉が生えてるな。

バゲラさん曰く葉だけを取るんだよな。

1日でまた生えるらしいし当分はここで日銭を稼ぐとしよう。


「【スキルトレジャー】」


《【エスケープ】を習得しました。》


「あれ?」


回復系スキルじゃなさそうなスキルを習得したぞ。

まぁ、スキルが多ければそれだけ強くなる筈だし、いっか。


「採取、採取っと。」


軽く引っ張るだけで取れるな。

楽チンだ。

取った葉はポケットに入れよう。


「うひょ。」


変な声が出ちまった。

1枚10ペルだ。日本円に直すとどれくらいだ?

日本の宿賃は・・・大体いくらだ?

500円ぐらいと想定してここらの宿賃は大体50ペル。

銅貨1枚で10円と考えられるのか。

まさかの共通点だ。


「うひょ。」


塵も積もれば山となる。

今も銅貨を拾ってるみたいなもんだしな。

1000枚も取れば銀貨1枚。

そしたら神殿とやらに行ってクラスを得る。俺、スキルを得る。

どうしよ、勇者とか英雄的なクラスを得たら俺、嬉し過ぎておかしくなるかも。


「もうポケットには入らないな。

じゃあ回復系スキル来い!

【スキルトレジャー】!」


《【ピック】を習得しました。》


また違う様なスキルかな。

これからも来るしまぁいいか。


「ピュールル」


「へ?」


なんかいるのか?

急いで周りを見回す。

だが何もいない。

いや影がある。

俺の周りを回っていていた。


「上か!?」


「ピュー!」


まさかの鳥の魔物かよ!?


「た、助けてー!!」


もっと周りを警戒すれば良かった。

急いで門に向かって走りだす。

後ろからゴンっと何が落ちてきたような音が聞こえた。

構わずに走る。


「バゲラさん!

助けて!!

鳥、鳥が来たー!」


バゲラさんが見えたから大声で叫ぶ。

バゲラさんは槍を構え投げた。


「【スローピアス】!!!」


俺は急いで横に逃げた。

あれだ、ブラッドウルフを倒した時のスキルに違いない。


「ピゲ!?」


そう考えていたところで槍は鳥の胴体を貫きやや後ろの草原に刺さった。

鳥はブラッドウルフ達と同じように弾けて光となって消えていった。


「おい!

大丈夫か!?」


「はい、無事です。助かりました。」


「お前は本当にバカだな。

1日で二度も同じ奴を助けたのは初めてだぞ!

どうせ採取に夢中になってフォールファルコンに襲われて逃げて来たんだろ?」


「あはは、忠告を無駄にしてしまいました。

すいません。」


「笑ってる場合か!?

今日は俺がいたから良かったもののお前は命がいくらあっても足りなさそうだな。」


「今度から気を付けます。

フォールファルコンの魔石はいくらくらいですかね?」


「150ペルだな。」


「そうですか。

その魔石も受け取って下さい。」


「いいのかよ。」


「俺は、ほら薬草をいっぱい取りましたから。」


「腰の膨らみを見りゃ分かるわ。

ふむ、よし受け取っておこう。

残り100ペルだな。」


「あはは、頑張って稼いでいますから。」


「殆ど俺が仕留めた奴の魔石だがな。」


「では俺はギルドに薬草を買い取ってもらいに行きます。」


「じゃあな。今度は気を付けろよ。」


バゲラさん、三度目の正直ってやつですよ。

俺はバゲラさんと別れてギルドに向かった。魔力残量は・・・6か。


「【スキルトレジャー】」


《【エンカウント】を習得しました。》


あー、本当どんなスキルが習得出来たのか知りたいな。

でも疲れたから試し打ちは明日にして今日は【ステータス】で調べるだけにしてさっさと寝よ。


そんな事を考えているとギルドに着いた。

中央はまだ列があるな。

右端のお爺さんはまだいるしそっちに行こう。


「薬草を取ってきました。」


「おう、そうか!

薬草とカードを出しな。」


「え、はい。

あのなんでカードもですか?」


「おぉ。

沢山取ってきたな。

それはだな、クエストを達成した事をカードに読み込ませてっと。

これでクエストを達成した証拠になるんだ。

ランク2に昇格出来たぞ。

後10回クエストを達成したらランク3に上がるぞ。

ほら薬草採取の報酬だ。」


もうランクが上がった。

お爺さんからカードと銅貨50枚を受け取ってポケットに入れる。

銅貨の重みでズボンがずり落ちそうだな。


「後は宿屋に紹介だったな。

俺はまだ仕事があるからズボンでも買って来ればいい。

向かいに服屋があるからな。」


そういえばブラッドウルフに噛まれて片方がダメージズボンになっていたんだっけ。


「はい、そうしてきます。」


黒崎 清

【エスケープ】レベル1

【ピック】レベル1

【エンカウント】レベル1

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