床に手を付けて
「飯、出来たぞー。
起きろー。」
あ、タックさんが呼んで!?
バン!
ダッダッダッ!
イムが勢い良くドアを開けて部屋から出た後、階段を転げ落ちるような音が聞こえてきた。
・・・後で注意しておこう。
俺も部屋を出て階段を降りて行こう。
その前にスキルトレジャーを使う。
床に手を付けて
「【スキルトレジャー】レベル2。」
《【フロア】を習得しました。》
《【フロア】のスキルレベルが2に上がりました。》
《【フロア】のスキルレベルが3に上がりました。》
《【フロア】のスキルレベルが4に上がりました。》
《【フロア】のスキルレベルがMAXになりました。》
予想的中!
新しいスキルを習得出来たぞ!
そういや普通にスキルレベルを上げるにはどうすりゃいいんだろうな?
スキルトレジャーしか自力でスキルレベルを上げてないからな。
ホレルドさんに聞いてみよう。
俺は階段を降りた。
「ガキ、危ないから慌てて降りて来るな。」
イムはタックさんに怒られていました。
「お前も降りてきたか。
ちゃんとガキの面倒見とけよ。
怪我してからじゃ遅いからな。」
「はい。
ご迷惑をお掛けしました。」
「あー、気を付けとけよ。」
そう言ってタックさんは奥の部屋に入って行った。
「イム、タックさんはちゃんとイムの分も準備してるから急いで降りなくても食べれるからな。
まぁ、怪我したら治せるからいいけど、人に迷惑掛けるのは駄目だぞ。」
コクリ。
どうやらイムは分かってくれたようだ。
「よし、分かったなら大丈夫だろ。」
俺はイムの頭を撫でようと手を伸ばしたが避けられた。
く、まだ触る時ではなかったか!?
一回だけ、一回だけしか触れていないぞ!!
その頭、触らせろーー!
「おい、何やってんだ?」
俺とイムとの攻防を目にしたタックさんが声を掛けてきた。
「あ、いや、戯れているだけですよ!!」
「あ〜、そうか。
今日は魚のスープとパン、それとカグの実だぞ。」
「おぉ、美味しそうですね。
いただきます。」
「どうぞ。」
俺はまずは魚のスープを飲んでみた。
魚は身が解された物と野菜が入っていて出汁がよく出ていた。
魚は生臭さは無く、噛めば噛むほど味が滲み出た。
パンをスープに付けて齧ってみる。
これも美味しい。
パンとスープが無くなったので果物らしきカグの実とやらを食べてみる。
先に皮を取ったのか瑞々しい果肉が見えていたのでそのまま食べてみる。
おぉ、苺のように甘酸っぱい風味に柑橘系の香り。
いいね。
イムはと言うと一心不乱に食べていた。
「イム、落ち着いて食べな。
今は急いで食べている訳じゃない。
ゆっくり味わって食べればもっと美味いぞ。」
コクリ。
イムは分かってくれたらしい。
ゆっくり、しっかりと味わうように食べてくれた。
そうだ、噛めば健康にもいいし味わえば長く楽しめるからな。
あぁ、タックさんは本当に料理が上手だな。
黒崎 清
【フロア】レベルMAX




