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愚者は賢者と成り得るか?  作者: 泥人形
始まりの街
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女の子の名前を

俺は目が覚めた。

背筋を伸ばしながら昨日の事を思い出す。

そうだ、女の子!!

俺は女の子の寝ていたベッドの方に目を向ける。

良かった、まだ寝てる。

先にお祈りでもしておこう。


「ディボロ様、感謝します。」


俺は手を合わせしばし目を閉じた。

さて、どうやって女の子と仲良くなろうか、女の子が起きるまで考えようかな。

女の子と仲良くなる方法。

う〜ん。

女の子は何が好きだ?

甘い物、服、宝石、金・・・。

待て待て、この子は何歳ぐらいだ?

俺は女の子を見る。


「寝顔カワイイ。」


いやいや、そこじゃない。

レニちゃんよりは年が上かな?

でもメルサちゃんよりはどう見ても下だ。

体も食べてないから成長してないかもしれないし、昨日の警戒具合からそんなに幼い訳でも無いと思いたい。

異世界の幼い子供の標準がこの子だったら俺は泣くと思うよ、絶対。

あ、でもそんなに悪そうでもないかも。

話が逸れたけど多分10歳前後だと推測しよう。

10歳前後の好みは・・・甘い物かな?

俺で用意出来るとしたら果物を買ってあげるぐらいしか思いつかないな。

この辺りに八百屋みたいな物があるかな?

あ、出来そうじゃないか!?

面包(ブレッド)】のレベル2、パンの種類を変える。

初めに出たのはコッペパンだったけど種類が変えられるなら違うパンも出せる筈。

早速試してみようとスキルを使おうとしたら女の子が起きた。

先に女の子と話すか。


「よぅ、起きたか。

よく眠れたか?」


コクリ。


よし、なんとか反応はしてもらえてる。

昨日よりはマシだな。

無視は堪えたからな。


「昨日も名乗ったが俺は黒崎 清だ。

お前の名前はなんだ?」


俺は笑顔を意識しながら怖くないように聞いた。


「・・・。」


おぅ、名前、言ってくれない。

警戒して言わないのか?

いや、待てよ。

この子の見つけた時の状態を思い出せ。

この子の顔が元が分からないほど青黒く腫れ上がっていた。

俺は何処かの馬鹿がこの子に暴行をしたと考えている。

もしかしたらそのショックで話す事が出来なくなったのか?

もしそうならこの子の口から名前を聞く事が出来ないよな。


「言えないなら俺が好きに呼ぶからな。」


コクリ。


女の子から許可を得たらしい。

名前か。

名前はそいつの体を表すからな。

とても重要だ。

下手な呼び名は絶対に避けようと思う。

まずはこの子の特徴を見極めるのだ。

髪は光の加減で黒にも青にも見える。

濃ゆい藍色と言えばいいのか?

地球ではあり得ないと思うから流石は異世界だと思う。

長さは短い。

男の子と見違えるぐらいは短い。

肌は白い、と言うより青白い。

これって栄養不足からなる色かもしれない。

まぁ、元々こんな色なのかもしれないけど。

アルビノって言うのかな。

顔は外国人の幼い顔だな。

日本人みたいに平べったくない。

瞳は若草色か?

これも地球ではあり得ない色だよな。

髪の色から取ろうかな。

綺麗な色だからな伸ばせば見違えると思う。


「じゃあ、イムって呼ぶからな。」


コクリ。


良いみたい。


「イム、お前には帰る場所はあるか?」


フルフル。


イムは首を横に振った。

帰る場所は無いらしい。


「そうか。

じゃあ、俺がイムの事を養ってやるよ。

イムが大きくなって独り立ちするまで面倒を見てやる。

それでいいか?」


コクリ。


「そうか。

よし、じゃあ、宜しくな、イム。」


俺はイムの頭を撫でようとした。

イムに避けられた。

く、悔しくないぞ。

ゆっくり、ゆっくりと触れるようになるからな。


「【スキルトレジャー】」


《【バック】を習得しました。》


関係無いスキルだよな。

イムに避けられて習得したスキルじゃないよな!!


黒崎 清


【バック】レベル1

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