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愚者は賢者と成り得るか?  作者: 泥人形
始まりの街
33/44

イエスロリータノータッチ

あいつが女の子って分からなかったな。

小さかったから男女の違いは少ないし髪が短いし最初は仰向けで倒れてたからボロ布をめく()った時は尻しか見えなかったし。

・・・俺、女の子の尻も見ちまったのか。

そりゃ、【スキルトレジャー】も悪って断じるだろうよ。

男が幼女の裸を見た。

うん、犯罪だ。

警察に捕まっても文句が言えない程の犯罪だな。

例え不可抗力だったとしても、いや、俺は自分から見たからそんな事も言えないな。

それにしてもあいつ、本当に痩せてたな。

手足はボロ布から出ていて細いって分かってたけど胸とか骨が浮き出てたし、腹が膨れてたし、地球での飢えた孤児の写真とそっくりだったな。


「キヨさん、入っていいですよ。」


「はい、分かりました。」


俺は自己嫌悪みたいなものを止めて部屋に入った。

子供・・・女の子は俺が出したベッドの上で寝ていた。

女の子の上には布がかけられていた。

タオルケットかな。


「レニ、私はキヨさんとこの子の事を話すから店番をして。」


「うん、分かった!」


レニちゃんは部屋から飛び出て行った。

リズィさんが俺に女の子についての話か。

服の代金かな?


「キヨさん、この子とあなたの関係ってなんですか?」


関係?

なんかリズィさんが怖い顔をしながら詰め寄って来た。

ちょ、さっきよりも怖いよ、リズィさん!

あ、もしかして。


「倒れていたので身元が分かるまで預かろうとしています。

だから、なんで汚れていた理由や痩せている理由は分かりません。」


まぁ、そうだよな。

幼女が汚れて痩せていたら気になるよな。

しかもリズィさんにはレニちゃんっていう妹が居るんだ。

あの子とレニちゃんの年も近そうだしそんな事をする男とは近づきたくないよな。

絶食や暴行。

うん、普通に犯罪者だぞ、そんな奴。


「分かりました。

キヨさんがこの子に何かした訳では無いんですね。」


「俺はその子に何もしてませんよ。

それと服代は俺のと同じですか。」


「そうですね。

服代は銅貨10枚です。」


俺はリズィさんに銅貨10枚を渡した。


「じゃあ、そろそろ宿に戻ります。」


俺は寝ている女の子を背負うためにタオルケットみたいなものをめく()った。

女の子の服は白いワンピースだった。

・・・下着は着ているよな。


「リズィさん、もしかしてワンピースだけですか?」


「ちゃんと下着も作りましたよ。」


「そ、そうですよね。」


そういえば俺も下着とか着替えも買った方がいいよな。


「リズィさん、俺の下着と服、それとこの子のも2着づつ買いたいんです。

お願い出来ますか?

それと体を拭ける布を2枚をお願いしたいです。」


「いいですよ。

代金は銅貨85枚ですよ。」


俺はリズィさんに銅貨85枚を渡した。


「では作って来ますからここで待っていてください。」


リズィさんが部屋から出て行って女の子と二人っきりになった。

女の子はまだ寝ていた。

宿に帰ったらタックさんに事情を説明してこいつの夕飯を作ってもらうか。

タックさんの料理は美味しいからな、きっとこいつも喜ぶぞ!

こいつからスキルは習得出来るかな?

まだ、人に対して使ってないしやってみようかな?


「【スキルトレジャー】レベル2。」


《【イビル】のスキルレベルが上がりました。》


触っただけで悪なのかよ!!

いや、イエスロリータノータッチって言うし触ったら駄目だろうけどさ!!


「キヨさん、出来ましたよ。」


「はい、ありがとうございます。

【ルーム】。」


俺はリズィさんから受け取ったものを亜空間に入れた。


「な、なんですか、それ!?」


「スキルの効果です。

【インベントリ】に似たものですよ。」


「そうなんですか。

やっぱりキヨさんってマナが多いんですね。

さすがクラスが魔法使い系なだけはありますね!」


「いえ、クラスは違いますよ。

もしかして魔法使い系のクラスとマナの量は関係しているんですか?」


「それはそうですよ。

魔法使い系のクラスならレベルが上がるときにマナの量とINTの上がりが多くなりますから。

【インベントリ】もINTが高くて商人系のクラスにしている時にレベルが上がれば覚えられるスキルですよ。

私も1人の商人ですから【インベントリ】を覚えたいですからね。

私のクラスは見習い魔法使いにしているんですよ。」


「そうなんですか。

ちなみにリズィさんは見習い魔法使いでどんなスキルを習得しているんですか?」


「私はまだレベルを上げていないので何も覚えていないんですよ。

でも人にスキルを聞くのはあまり良くないですよ。」


「あ、そうなんですか。

気を付けます。

ではさようなら。

【クレイジー】【寝台(ベッド)】。」


俺は女の子を背負ってベッドを消した。


「はい、さようなら。

何かあったらまた来てくださいね。」


俺は部屋を出て行った。


「あ、キヨおにぃちゃん、かえるの?」


「ああ、今から帰るからじゃあな、レニちゃん。」


「さよなら!」


黒崎 清


【イビル】レベル2

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