御伽話
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
黒崎 清
レベル1
クラス:無し
HP:75/75(+50)
MP:96/100(+50)
ATK:7(+2)
DFS:39(+34)
INT :31(+26)
SPD:15(+10)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
DFSとINTが高いな。
つまり硬くて魔法が強いって事か?
あ、攻撃されつつ魔法みたいなスキルを使えってか?
・・・HPとMPの回復するのはスキルの効果で速いから耐久、持久力はあるし、激痛の耐性があるから痛みには強くなったらしいから出来るかもしれないけどそれ以外の方法もあるよな。
ゲームでは魔法使いは防御が低いってのが相場なんだけどな。
まぁ、防御は保険で敵が近づく前にスキルで倒せばいいのか。
あぁ、遠距離攻撃スキルが欲しい。
何か代用出来ないかな?
「【ロック】」
ボゴン!!
壁より分厚く高い岩が出てきた。
使用魔力は10か。
石の10倍だな。
確かに重さで敵を倒せるとは思うけど動かせそうにない。
「【クレイジー】【ロック】。
【石】」
岩を消してソフトボールぐらいの大きさの石を出した。
これ、人に向かって投げたら危ないと思う。
魔物にも効きそうな気がするな。
・・・草原の方には人影は無いな。
「うぉりゃ!!」
思いっきり振りかぶって投げた。
思ったよりは飛ばなかったから中距離攻撃だし、狙った所にいかないな。
これじゃ、当たるか分からないな。
あ。
「【壁】レベルMAX。」
地面がせり上がって目の前に壁が出てきた。
俺より少し大きいぐらいだから【ジャンプ】を使えば登れそうだ。
「おぉ、結構高いな。」
約2倍の高さの視点はいつもとまるで違う。
と言いたいが目の前は草原だ。
あまり変わらない。
「【石】」
石をもう一度出してそこから思いっきり振り落とす。
ドン!
「【クレイジー】【壁】レベルMAX。」
俺を乗せた壁は地面に沈んでいく。
元の高さに戻ったので落とした石を確かめると1/3ぐらいは地面に埋まっていた。
この攻撃方法で良さそう。
「【毒】レベル2。」
今度は石を持って【毒】を使った。
毒攻撃が出来るようになる効果だった筈だ。
うわ、手から紫色の粘着質なものが出て石を覆ったぞ。
見た目は気持ち悪いが感触は無いな。
多分、この紫色に染まった石を当てたら相手を毒にするんだろうな。
使用魔力は1か。
壁に乗って毒石を上から振り落とす俺。
・・・全然魔法使いじゃないな。
はぁ、ちびっ子に会いに行って忘れよう。
その前に。
「【スキルトレジャー】」
《【スロー】を習得しました。》
〜 〜 〜 〜 〜
「・・・人魚姫は海に飛び込みました。」
女の子が険しい崖から海へと落ちていく。
海面では水飛沫が上がった。
「海の中に飛び込んだ人魚姫は泡となって消えてしまいました。」
場面は陸地から水中へと変わった。
女の子の体から泡がどんどん出てきた。
女の子はとても穏やかそうな顔をしていた。
その泡は女の子の姿も見えなくなる程多かった。
泡が消えるとそこには女の子はいなかった。
「お終い。」
「おひめさま、きれいだった!
面白かった!」
「んぅ、なんで、きえたの?」
「ねぇ、おひめさまは?」
「魔女に言われていただろ。
王子様に会う為に人になる薬を飲んだけれどそれは少しの間しか効かなくて最後は体が溶けてなくなっちゃうってな。
その溶けた姿を王子様に見せたくなかったから自分から海に飛び込んで海の中で溶けたんだ。」
俺は孤児院に来て【テラー】を使った。
話しながら見ていたが映像だけしか出ないから立体的な動く紙芝居を見ているようだった。
でもちびっ子達には大盛況だった。
最初は驚いていたが立体的な映像に触ろうとして手を伸ばしたり駆け寄ってそのまま過ぎてしまったりしていたが話を続ける事を伝えると座って見ていてくれた。
今日はグリム童話を中心に話した。
デカネズミがマスコットのアニメを実写版にして立体的になったから俺も新鮮で楽しめた。
でも一番はちびっ子達の反応だな。
主人公や悪役が動き出す度に目を輝かせながら見ていてくれた。
集中して無言で見ていたけど可愛かった。
俺、鼻血が出てないかな?
「凄いですね、キヨさん!
私、こんなの初めて見ました!」
まぁ、一番興奮してるのはメルサちゃんなんだけどね。
黒崎 清
【スロー】レベル1




