スキルを間違えられ
「【スキルトレジャー】」
《【ガード】を習得しました。》
良し、これで【アンラッキー】のスキルが出た事は忘れよう、少なくともユニークスキルの件が片付くまでは。
まずはお爺さんに薬草を渡そう。
「おぅ、来たか。
今日はだな・・・。」
あ、今日はギルドに寄ってなかった。
「ホレルドさん、今日はもう採取して来ましたよ。」
それよりヤバイ状況かもしれないんだけど。
「ん?
そうなのか。
頼みたかった物があったんだが、明日に回しておくか。
なら取ってきた奴を見せてくれ。」
えっと、ここで出したらカウンターの上に乗り切れないよな。
軽く100枚は越えてる筈だし。
「ホレルドさん、今日はこの前より多く取ったのでカウンターに乗せきれなくなるかもしれません。」
「ん?
この前よりか?
そうは見えないがな。
もしかして外にあるのか?」
「いえ、今も持っています。」
「ん?
バッグもねぇし、ズボンのポケットは膨らんでなさそうだしなぁ。
・・・もしかして【インベントリ】でも持ってるのか!?。」
「あ、いや、その、近いものです。」
やっべ!
なんかホレルドさんが興奮してる。
持っていないけど【インベントリ】ってあれだよな、アイテムが無限に入る四次元ポケットみたいな奴だよな。
【ルーム】は有限みたいだけどいいのかな?
「そうかそうか!!
なら着いて来い!
奥の部屋で見てやるよ!
・・・こいつを森に連れていけば・・・。
・・・だがランクが・・・。」
なんかホレルドさんが怖い!
あれだ、念願の玩具を見つけた子供じゃないな、目的の為にはどんな犠牲も厭わない科学者みたいな雰囲気だぞ!
俺、失敗したかな、あはは。
「ほら、速く来い!
時間は限りあるぞ!
さっさと見てランクを上げるから!」
俺は急かすお爺さんの後に着いて行った。
ギルドの奥に通じているらしい扉を通り別室に入った。
その部屋はとても広かったが殆どが大きなテーブルで占められていて少し狭いように感じるような部屋だった。
「ここは本来、パーティーやクランの奴らが使う部屋だ。
今は使う奴が居ないから使うがな。
ほれ、【インベントリ】から薬草を出して見せろ。」
パーティー、クランか。
多分、団体さんの事だな。
ゲームでも集団で冒険をするのがあったし、オンラインだったら100人の団体なんてざらに居たからな。
「分かりました。
【ルーム】。」
俺の前に出口が目の前の穴以外無い部屋の光景が見えた。
本当、亜空間凄えな、真横から見たら黒い線しか見えないからな。
後ろはどうなってるんだ?
「ん?
【インベントリ】では無いのか?」
「似たようなスキルです。」
さて、薬草を取り出すか。
黒崎 清
【ガード】レベル1




